皆さんの学校にエレベーターはありますか?
2021年4月に改正バリアフリー法が施行され、全ての小中学校でエレベーターを含むバリアフリー化が求められることになりました。法律を受け、2025年度末までにエレベーターを必要とする子どもがいる全ての学校に設置されることが努力義務になっています。

そうした中、文部科学省は2022年に学校施設のバリアフリー化に関する実態調査を実施。その結果を見ると、練馬区の小中学校におけるエレベーターの設置はわずか12.2%、最も普及率が高い千代田区で81%、23区の平均も40%の中、最下位です。

4月23日の文教児童青少年委員会では、学校の今後の建替えや長寿命化について報告がありました。練馬区では概ね60年で建て替えることを目標としていますが、長寿命化を行うことで80年まで利用する方針が示されています。この背景には、学校の建替えがこれまで38億円程度だったのが、資材の高騰等で仮設校舎を含めて54億円まで上昇した中で、長寿命化では20億円程度で行えることがあると区は説明しています。区の計画では、全98校のうち、概ね40校程度が長寿命化の対象になります。

その中で、一番の問題は長寿命化においては、基本的にはエレベーターを設置しないということ。つまり、長寿命化を行う学校では今後20年間、エレベーターがないまま子ども達は過ごすことになります。これは2025年度末までに必要な全ての学校にエレベーターを設置するという国の目標と全く異なるもの。練馬区はエレベーターの代わりに階段昇降機を設置するとしていますが、1階から3階までの移動で片道20分、往復には40分をも要すること、電動車椅子などは使えないので、自分の身体に合わない車いすを使わなくてはいけないといった問題もあります。今回の報告では石神井南中学校、開進第一小学校、開進第二小学校で長寿命化の対象となっています。

なぜエレベーターを設置しないのか、練馬区はコストの話とあわせて構造上難しいとしていますが、ではなぜ他区では導入が進んでいるのか。練馬区よりも子どもが多い世田谷区でも既に5割の学校で設置済み。やり方次第で、設置することは可能だと思います。国が来年度末までに必要な子どもがいる全ての学校、約41%への整備目標を掲げる中で、練馬区の取組はあまりに遅れています。

また、練馬区では体育館でのバリアフリートイレの設置も23区で22位。長寿命化でもバリアフリー化はしないと明言。その理由は、校舎に一か所あればいいとしています。しかし、体育館は避難拠点であることも踏まえて、国は2024年度までに必要な子どもがいる全ての学校の体育館で整備することを求めており、国の方針をも無視するものです。

練馬区は100億円近い予算をかけて美術館の建替えを進めていますが、それだけの予算があるなら、まずは必要な学校にエレベーターを整備すべきです。練馬区が何を大切にするかが問われています。今後も改善を求めます。

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