4月に中学校に入学した車いすを利用する生徒の保護者からエレベーター設置の要望がありました。学校にエレベーターがない中で、区は階段昇降機に加えて、スカラーモービルと呼ばれる昇降機を配備、しかし移動には2名の大人の付き添いが必要で1階から3階への移動に片道で20分、往復で40分かかってしまうとのこと。一般質問で改善を求めました。区の回答とあわせてご報告します。【はじめに】
2021年4月に改正バリアフリー法が施行され、すべての小中学校もバリアフリー化の対象に。2025年度末までに要配慮児童生徒等が在籍する全ての学校にエレベーターを整備することが努力義務として示され、あわせて、国が予算の半分を拠出することに。

先日、4月に中学校に入学した車いすを利用する生徒の保護者からエレベーター設置の要望がありました。数学の少人数指導や音楽などで、1階から3階への移動が週に4日はあり、往復に40分かかるなかで毎回授業に間に合わないとのことです。部活も吹奏楽を希望していたものの音楽室が3階なのであきらめざるを得なかったとのこと。さらに昇降機では自身の体にあった車いすは対応できず、体に合わない車いすで授業を受けざるを得ないとのことでした。

区は、予算の問題がある中でエレベーターは大規模改修の際に設置するとしていますが、その場合、相談頂いた方の学校では数十年待つことになります。

「エレベーターがないことで、様々なことを諦めざるを得なくなってしまうこと、そして諦め癖がついてしまうことが何よりも辛い」という保護者の声に区は耳を傾けるべきです。

【岩瀬の訴え 法律を守って全ての学校に早急にエレベーターを!】
練馬区は法律に則り、2025年度までに少なくとも車いすを利用するお子さんがいる学校にはエレベーターを設置すべきです。構造上の理由で設置が出来ないという学校は、子どもの移動が最小限となるよう、教育上の最大限の配慮を求めます。また、全ての学校で大規模改修をまたず増築や改修により対応すべきです。

【区の回答】
障害のある生徒が在籍する学校でのエレベーター設置は、施設状況を調査し、設置の可能性を検討していますが学校によっては場所の確保が困難です。引き続き、改築時におけるエレベーター設置を着実にすすめ、学校のバリアフリー化に取り組みます。

【岩瀬の思い】
区内でエレベーターが設置されているのは98校のうちわずか15校、一方、現時点でスカラーモービルを利用しているお子さんは区内でも3名、今後も多くの当事者が入学することになります。
相談を頂いた保護者の学校では、設置を検討するとのことですが、全校への設置については引き続き改築時での対応とのこと。学校の改築には数十年がかかる中で、今後も車いすを利用する児童生徒、教職員などは待ち続けなければいけないというのはインクルーシブとはいえません。

練馬区は美術館の建て替えに70億円以上をかけ、稲荷山公園の再整備のために400件以上を超える住居に転居を求めるとしていますが、その前に、学校にエレベーターをつける事や、地域の保育園を残すこと、会計年度任用職員の待遇を改善することの方が優先されるべきだと思います。今後も対応を求めます!