練馬区は2024年12月、令和7年度(2025年度)から11年度(2029年度)を計画期間とする「第6次練馬区男女共同参画計画(素案)~一人ひとりが自由に輝くまちプラン~」を策定しました。今回の計画では、令和6年(2024年)4月に施行された「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」を受け、特に女性への支援の強化が示されています。1月15日まで意見募集がこちらから行われています。ぜひご意見をお寄せください。
【はじめに】
男女共同参画計画は 「男女共同参画社会基本法」に定められ、各自治体で策定することが義務付けられています。また、本計画の策定にあたっては、国の「第5次男女共同参画基本計画」および「東京都男女平等参画推進総合計画」が勘案されています。
本計画では、「一人ひとりが自由に輝くまち」を基本理念としており、実現のために3つの目標を示しています。
- 認め合い自由に生きる意識を育む
- 困難な問題を抱える女性等を支援する
- 男女が共に活躍できる道を広げる
目標Ⅰ 認め合い自由に生きる意識を育む
1.練馬区の現状
区の調査では、他人の立場を尊重する、人権の問題に関心を持つ等、「人権」を意識しながら
生活している人の割合は71.5%です。他方で、「あまり意識しない」、「全く意識しない」の比率が5年前よりも微増しています。
「男は仕事、女は家庭」という考え方について「思う」「どちらかといえばそう思う」人の割合は18.1%で5年前の調査より10.6ポイント減っています。一方で、社会全体として 「男性のほうが優遇」されていると感じる人の割合は78.2%で5年前の調査より3.6ポイント増えています。
計画の目標
人権問題への取組として、外国人に開かれた地域づくり【新規・充実】、やLGBT等当事者への支援、様々な媒体や機会を活用したジェンダー平等に関する情報発信などを挙げています。具体的な目標として以下を示しています。どれも大切なことですが、パートナーシップ制度を練馬区独自で導入することなどより踏み込んだ目標を設定すべきだと思います。
目標Ⅱ 困難な問題を抱える女性等を支援する
現状
練馬区でも配偶者等から暴力を受けた経験のある人は18.6%、女性では21.7%に達しています。
そのうち誰にも相談しなかった人は54.1%です。配偶者等の暴力相談窓口の認知度は51.7%で、5年前
の調査より17ポイント増えています。
また、区の調査では、ハラスメントを受けた経験のある人は31.4%です。職場のハラスメントでは、1位が「パワー・ハラスメント」、2位が「カスタマーハラスメント」となっています。
目標
練馬区は目標として、相談窓口の認知度向上やハラスメントを受けた経験がある人の割合の減少などを掲げています。更なる対応として、学校での包括的性教育の実現や相談対応の強化なども必要だと思います。
目標Ⅲ 男女が共に活躍できる道を広げる
現状
練馬区では周辺自治体と比べ子育て世帯が多く、共働き世帯が全世帯の6割を超えています。家庭生活において「男女平等である」と感じる人の割合は31.5%です。5年前の調査より6.9ポイント増加しましたが、「男性が優遇」と感じる人の割合も7.4ポイント増加し52.7%となっています。
家庭における男女の役割分担について、「男女ともに仕事をし、家事等も男女ともに」を理想とする人は64.4%ですが、現実に実現できていると感じている人は18.2%です。現実に実現できていると感じている人は男性26.0%に対し、女性13.1%と男女の意識にも乖離が見られます。
【目標】
練馬区は目標として、家庭での男性の家事・育児等への平均従事時間の増加や、それを実現するための事業所でのワークライフバランスの取組を掲げています。それぞれ非常に重要ですが、例えば練馬区の審議会などでの女性を増やすためのクオータ制度を導入するなどより積極的な対応も必要だと思います。
まとめ
男女共同参画計画は練馬区の今後の方向性を定める非常に重要な計画です。ぜひ皆さまも練馬区へご意見をお寄せください。過去の訴えはこちらをご覧ください。