中村哲医師 追悼イベント 死んだ男の残したものは

昨年の12月、アフガニスタンで亡くなった中村哲医師の追悼イベント、「中村哲先生をしのぶ会実行委員会」(市民の声ねりま協力)が実施しました。当日は600人の会場でしたが1,500人近くの方にお越しいただきました。多くの方がお入りになれず本当に申し訳なく思いながら会場の準備をさせて頂きました。 【1.中村哲先生の最後のメッセージ】 会では中村先生にゆかりのあった方々がそれぞれ故人の思い出をお話されました。 一番印象的だったのは歌手の #加藤登紀子 さんでした。彼女は絶筆となった「信じて生きる山の民 アフガニスタンは何を啓示するのか」の一節を以下のように引用しました。 「約18年前の軍事介入とその後の近代化は結末が明らかになり始めている。アフガン人の中にさえ、農村部の後進性を笑い、忠誠だの審議だのは時代遅れとする風潮が台頭している。近代化と民主化はしばしば同義である。(中略)人権は叫ばれても、街路にうずくまる行き倒れや流民への温かい視線は薄れた。(中略)国土をかえりみぬ無責任な主張、華やかな消費生活へのあこがれ、終わりのない内戦、おそいかかる温暖化による干ばつ…終末的な世相の中で、アフガニスタンは何を啓示するのか。見捨てられた小世界で心温まる絆を見出す意味を問い、近代化のさらに彼方を見つめる。」 【2.加藤登紀子さんの言葉】 中村さんが戦っていたのは、単に飢えや干ばつではなく、社会そのものだったのではないか、それが加藤さんの訴えでした。 そのあと、中村さんへ捧げる歌としてアカペラで谷川俊太郎作詞の「死んだ男の残したものは」を歌いました。私も若いころ谷川俊太郎が大好きでバックパッカーや協力隊などで海外に行くときには詩集を持ち歩いていました。この詩も大好きなものの一つでしたが、加藤さんが力強く歌うことで中村さんの姿が浮かぶようでした。 「死んだかれらの残したものは 生きてるわたし生きてるあなた 他には誰も残っていない 他には誰も残っていない 死んだ歴史の残したものは 輝く今日とまた来るあした 他には何も残っていない 他には何も残っていない」 中村先生の偉業に比べたら、あまりにも非力ですが、私も与えられた場所で自分のできることをやり続けたいと思います ta

中村哲医師の話を聞いて

昨日、「市民の声ねりま」主催で「中村哲医師講演会 アフガニスタンからのメッセージ、命を支え平和を紡ぐ」を開催しました。 中村先生は医師として、当初は医療支援を目的にアフガニスタンに赴任しましたが、そこに住む人々が抱える問題には医療だけでは不十分であると考え、30年以上にわたり、灌漑事業などに力を注いできました。 練馬文化センターの大ホール、1500名もの方にお越し頂けるか、心配していたのですが、皆さまのご尽力のおかげで、前売り券だけでほぼ完売するなど、たくさんの方にお越し頂くことができました。 私自身も区議になる前、国際協力に携わるものとして、隣国のパキスタンなどのアジア、アフリカ、中南米諸国で10年以上にわたり地域開発を行ってきました。その中で実感したのが、本当に大切なこと、というのは、海外の私たちが援助を施す、ということではなく、現地に暮らす人々自身が主体となって前に進むことの手助けをする、ということでした。 その中で、中村先生の活動というのは、現地の人々とともに生き、仕事を行い、ともに前に進むということを、地道に、ぶれずに実現されてきたもので、心から尊敬するとともに、お話を伺う事を楽しみにしていました。 今回の先生のお話、特に印象に残ったのは、「集団的自衛権」に関するものでした。「武器を持つこと、見せびらかせることで解決できることは少ない。むしろ、武器をもつことが問題を産むことの方が多い」ということ、そして、先生自身の活動での思いとして「私は誰の心にも良心があると信じている。そして、その一人ひとりの良心に働きかけて活動をしている。」という言葉でした。静かで、朴訥にも感じられる話し方の中に感じられる先生の強さに圧倒されるとともに、私自身も勇気をいただける、そんな素晴らしい経験でした。(写真は前回の講演会の際のものです。)

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