11月7日から8日にかけて市民の声ねりまの皆さんと旅行に行ってきました。毎年ほぼ恒例となっているこの旅行、今回が9回目になります。「旅行」といっても、私たち市民の声ねりまが主催しているので、ただの観光ではありません。去年は日帰りで田中正造を巡る旅、今年は群馬県の八ッ場ダム建設予定地、ハンセン病の方を対象とした懲罰施設、重監房資料館等を巡りました。

今回の旅行で最も印象に残ったのは栗生楽泉園に併設された重監房資料館でした。重監房とは、1930年代から40年代にハンセン病の方で特に“罪を犯したといわれる方”を強制的に収容した施設です。しかし、この”罪”ですが、裁判も行われずに決定されていたとのこと。重監房の様子も再現されていたのですが、わずか4畳半、光はほとんどささず日中でも真っ暗。さらに、食事も1日二度で内容もほとんどなし。冬もコンクリートの打ちっぱなしの上で生活していたので布団も凍ってしまうほど。この中で長い方は500日も収容され、多くの方が亡くなったそうです。

ハンセン病の方に対しては、感染力が極めて弱い病気であったにもかかわらず、日本では、1996年にらい予防法が廃止されるまで一貫して絶対的終身強制隔離・患者絶滅政策がとられました。こうした施設に強制的に入所させられた方は、名前を変えさせられて、そして、そこから出ることなく人生を終えた方も多かったとのことです。

バスの中で、ハンセン病の患者で詩人でもあった桜井哲夫を扱ったNHKドキュメンタリー、「津軽・故郷の光の中へ」を見ましたが、彼の強さ、優しさに感動するとともに、15歳で家族から引き離され60年以上家族に会うことも叶わなかったということに衝撃を受けました。
現在でも多くの差別や偏見に晒されており、数年前にはハンセン病の方の宿泊をホテルが拒否したという事件もあったとのことです。草津から数十分のところにある重監房資料館、ぜひ多くの方に訪問して頂きたいと思います。

そして、夜は懇親会。私も司会をさせて頂いて、皆さんに、少し早いですが、今年の漢字を一字ずつで表現してもらいました。「民」「聞」「怒」、いつもお世話になっている皆さんとこうして旅行をすることで、皆さんともっと親しくなることもでき、また、自分の知らなかったことに学ぶこともでき有意義な時間を過ごすことができました。