12月5日に行った一般質問では、谷原保育園の閉園問題も訴えました。
2021年11月、練馬区は区立谷原保育園について突然の閉園を発表。反対の陳情が1万2千筆近くも寄せられましたが議会でも否決され、閉園に向け進んでいます。そんな中、保護者は今年度も新たな署名を開始、前回とほぼ同数が集まっています。一般質問では、閉園の撤回、希望する一歳児の在園を認める事、全体説明会の開催を求めました。

【1. 閉園の撤回を!】

練馬区は昨年5月の陳情審査の場で、反対の署名について「区の計画の目的を十分に伝えきれていなかった」と回答。あまりに署名した方の思いを蔑ろにしたものです。
それから1年半が経過、区として計画の目的を十分に伝えてきた中で、新たに1万人もの方が署名を行ったことについてどのように受け止めているのか。区の回答とともに、改めて閉園の撤回を求めます。

(区の回答)

引き続き丁寧に区の考え方を説明する。閉園を撤回する考えはない。

【2.一歳児の在園を認めるべき!】

谷原保育園の閉園問題で、最も厳しい状況に置かれているのが1歳児とその保護者です。少なくとも他の年齢では卒園まで在園することができますが、1歳児は、転園が入園時の条件とされ、その選択すらできません。

区は転園を強制する根拠として、すべての保護者が谷原保育園からの転園を条件とする重要事項確認票に同意したと述べています。

しかし、事実は全く異なっていました。保護者の中には、転園を条件とすることが記載されていない、昨年度の利用申込書で申請し、1歳児クラスに入園した方がいたのです。

そもそも区は、保護者が重要事項確認票の全ての項目を確認し了解したと述べてきました。一方で練馬区自身は重要事項確認票の違いについて、11月に区民から指摘されるまで気づきませんでした。人生に大きな影響を与える保育園の選択において、なぜ練馬区は提出された重要事項確認票をきちんと確認できなかったのか、回答を求めます。

(区の回答)なし

区は6月の委員会で全ての保護者が「重要事項確認票」に同意し、「前提条件の異なる方はいないので、全員がそろって転園する」と述べています。しかし、実際には同意していない方がいた、その前提が崩れたわけです。少なくとも、練馬区は自らの発言に責任を持ち、重要事項確認票で谷原保育園の転園について記載のなかった保護者については在園を認めるべきです。区の回答を求めます。

(区の回答)

当該保護者の方に先日お詫びするとともに、今後改めて、ご説明の機会を頂くことをお願いしている。
→在園を認めるかは回答なし。

同意した方についても、同意をしなければ、保育をうけることができず、選択肢はありませんでした。保護者の意思に反し転園を強制することは許されるものではなく、1歳児についても全ての希望者の在園を認めるべきです。区の回答を求めます。

(区の回答)

1歳児は新設園へ転園となる。

【3.全体説明会の開催を!】

また、保護者が望んでいるのが全体説明会の開催です。
練馬区は2018年の「区立保育園運営業務委託検証結果報告書」で、個別の説明を随時行うこととあわせ、全体説明会についても保護者の不安解消のために力を入れてきた、としています。今回は閉園であり、委託の時以上に保護者が不安を抱えるのは明らか。特に1歳児クラスの保護者は閉園の理由など説明を全く受けていません。なぜ練馬区は自らの検証結果を反故にして全体説明会の開催を拒否するのか、回答を求めます。

(区の回答)

利用者一人ひとりに丁寧に対応するため、個別に説明を重ねてきた。

→全体説明会については回答なし。

【4. 引継ぎを丁寧に行うべき!】

区立園初の閉園となる中で、委託時よりも丁寧な対応が不可欠。しかし練馬区は委託ではなく転園であることを理由に、引継ぎはせず、保育士による保育参加のみ行うとしています。しかも委託の際には園長、副園長、リーダー保育士が1年近くをかけ、毎週2回の引き継ぎを行う一方で、新園での保育参加はわずか3か月、内容や頻度もいまだに明らかではありません。せめて委託時と同じ内容の引継ぎを行うべきです。

練馬区は委託と閉園による転園は違うとしていますが、子どもにとって環境が大きく変わるのは同じこと、なぜ他の子どもと同じように考えてくれないのかという保護者の訴えに誠実に対応すべきです。

(区の回答)

来年1月から保育参加を行う。詳細なスケジュールや内容を近く説明する。転園まで保育参加を丁寧に行う。

【感想】

区はほとんどの質問に答えようとしませんでした。
練馬区は閉園に関する陳情審査の際に「一円たりとも無駄にしない」という観点で今回の計画を示していると回答しています。しかし経済的な利益よりも、子ども達の最善の利益を守ることが重要です。何度でもこの問題を議会でも訴えます。

【追記】

翌日(12月7日)の文教児童青少年委員会で区は、1歳児の当該保護者について、もし転園を認めなければ在園を認めるのか、という再度の問いに対して、仮定の話には回答しないと答弁。今の段階で答えられないということ自体が、区の理不尽な対応を象徴するものでした。

また、全体説明会についても、1歳児と2-4歳の転園希望者には実施すると初めて言及。しかし、在園児の保護者には行わないとのこと。不安を抱えているのはすべての保護者で同じことなのですから、在園児も含めて全体説明会をすべきです。

これまでの訴えはこちらをご覧ください。