練馬区は令和5年度(2023年度)のいじめ認知件数について報告。不登校の児童生徒とともに過去最多となることが明らかになりました。特に小学校では、前年度の1.7倍に急増しています。認知件数の増加にあわせて、解消率も73.6%と3年前に比べて10%以上低下し、国の平均も大きく下回っています。

練馬区のいじめの状況は?

調査は文部科学省の「令和5年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」に基づき練馬区が実施しており、「令和5年度 練馬区立小中学校における暴力行為・いじめ・不登校の状況について」として11月に報告されています。

練馬区の2023年度のいじめの認知件数は小学校では2,101件、中学校では336件、合計2,437件と過去最多を更新。3年前と比べても2.2倍に増加しています。特に小学校では1年で800件以上、1.7倍に増加しています。背景として練馬区は、「前年度まで小学校1校あたりのいじめ認知件数は東京都平均の半数以下だった中で、2023年度になって練馬区における認知が進んだ」と説明しています。

しかし、いじめの解消率については、特に小学校では73.6%と前年度に比べて4.5%の減、都の平均(77.5%)と比べても下回っており、非常に深刻な状況です。

練馬区のいじめの特徴は?

国や東京都の調査では、低学年が最も多く、学年を経るにつれて減少する傾向がみられますが、練馬区の場合は、2年生、3年生、4年生になってもいじめの認知が1年生に比べても多い状況が見られており、練馬区としての対策が不可欠です。

いじめ発見のきっかけとして最も多いのがアンケート調査でしたが、練馬区では、特に小学校では全体の79%が年3回行っているアンケート調査によるもので、東京都の平均(64.8%)を大きく上回っています。

いじめの容態として最も多いのが小中学生ともに、「冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、いやなことを言われる。」であり、「軽くぶつかられたり、遊ぶふりをして叩かれたり、蹴られたりする。」が続きます。特に小学校では「金品を隠されたり、盗まれたり、壊されたり、捨てられたりする。」が前年度の5倍以上に増加しています。

いじめの重大事態は?

練馬区で発生したいじめ重大事態は、令和元年度から4年度までは1件、令和5年度が2件、令和6年度が現在までに2件とのことでした。

文部科学省は、いじめ重大事態を調査する第三者機関を設けるよう通知しました。これは、昨年度のいじめ重大事態の発生件数が過去最多だったことなどを背景としています。

練馬区でもいじめの認知件数が過去最多を更新し、小学校においては解消率も大きく下がっています。その背景には、教員が一人ひとりに向き合う時間を持てないことなどもあると思います。子ども達がいじめについて、さらに声を挙げやすい環境を作るとともに、学校が丁寧に向き合えるよう、区に対応を今後も求めていきます。

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