区政報告会(いわせてカフェ)の開催③
先日は大泉学園町で区政報告会(いわせてカフェ)を開催しました。3月に議会が終了してから各地で開催して今回が三回目。同じテーマでご報告をしても、参加者の皆さんの反応が大きく違うので毎回楽しみにしています。例えば、1回目のカフェでは、塾の先生から、外国語指導助手(ALT)の労働条件から教育全般についてお話いただき、2回目のカフェでは、これまでの区政の歴史、転換などについて、地域で長く活動をされてきた方からお話を伺いました。
そして今回は16名の方に参加いただきましたが、今回も、地域で長く福祉行政に関わった方、家族の介護をなさっている方、世界で活躍された牧師さんや難民を支援する団体の代表など非常に多岐に亘っており、様々なご経験を共有いただきました。
その中で強く印象に残ったのが、昨年お連れ合いを亡くした方(ご自身もお連れ合いも名高い活動家でいらっしゃる)が仰った「年齢を重ねて、体が動かなくなり、声も出なくなっている。でも、そういった『弱さ』があるからこそ、当事者の痛みがわかるようになって、周囲への感謝の気持ちが高まった気がする。そして、妻がどんなに有難かったか改めてわかるようになった。だからこそ、私は『弱さ』が必ずしも悪いとは思わない。」という言葉でした。そして、参加者の方から言われたのが「あなた(岩瀬さん)は、まだ経験が不足している。だからこそ、たくさんの当事者から意見を聞いて、思いを感じられるようになって欲しい」ということでした。
一年を振り返ると、右も左もわからないまま、とにかく行政の制度や仕組みを理解することに必死だった気がします。その一方で、私自身、当事者の一人ひとりに寄り添えてきたのか、その思いを汲み取ることができたのか、というと、そこまで及ばなかったという反省があります。私はマイノリティが住みやすい社会こそが誰にとっても生きやすい社会である、という思いで活動をしてきました。二年目が始まる中で、初心を忘れずに、しっかりと区政に向き合っていきたいと思います。
高畑勲監督の講演会「今私たちに伝えたいこと 君が戦争を欲しないならば」
先日、「平和を育てる大泉9条の会」が主催した高畑勲監督の講演会に出席しました。
高畑監督は大泉在住で、「アルプスの少女ハイジ」、「火垂るの墓」、「かぐや姫の物語」などを生み出すとともに、憲法9条に象徴される平和の大切さを訴え続けています。本日お話を伺うことを楽しみにしていました。
高畑監督のお話、太平洋戦争のことから、現在の安保関連法制や辺野古基地問題まで多岐に亘っていましたが、それぞれの問題の背景には「和をもって貴しとなす」に象徴される「同調圧力の強さ」や「空気を読むことに長けている」といった日本人気質もあるとのことでした。
例えば、太平洋戦争についても、始まる前には米国との戦争は勝てるはずがない、といった意見も多く上がっていたものの、一度始まったら協力せざるを得ないといった雰囲気ができあがってしまったとのこと。だからこそ、大切なのは、回りを気にせず、どこまで信じぬけるか、また、同調圧力に屈することのないように、しっかりと意識をしなければならないとのことでした。そして、しっかりとした判断基準を持つためには、歴史を学ばなければならない、という事とともに、戦争ができないよう規定している憲法9条を守らなければいけない、とのことでした。
主催者の方も仰っていましたが、「かぐや姫」のエンディングロールで流れる歌詞に「今のすべては過去のすべて、今のすべては未来の希望」とありますが、監督の訴えそのものだと思います。
議会の中でも、同調圧力は非常に強く、その中で自分の意見を貫くことに、折れそうになることもあります。しかし、その中でどのように抗っていくのか、その勇気をいただける、素晴らしい機会でした。
性的マイノリティを取り巻く現状について(平良愛香牧師の講演)
先日、牧師の平良愛香さんの講演会に参加しました。
平良さんは日本で初めてゲイであることをカミングアウトした牧師で、性的マイノリティの方に対する差別や偏見の解消や、当事者支援のための活動を各地で行っています。家族が通っている大泉教会とも深い縁のある方で、今回お話を伺うことを楽しみにしていました。
講演会ではご自身の経験とともに性的マイノリティを取り巻く状況についてお話されました。ご自身が性的マイノリティであることをカミングアウトされた際、最も傷ついた言葉が、「大丈夫、そのうち治るよ」だったそうです。誰を好きになるか、それは決して病気ではない、にも関わらず、病気であるかのようにレッテルを貼られることが辛かったとお話されました。
また、平良さんにとって大変な勇気を必要としたのが、カミングアウトすること。だからこそ、カミングアウトしやすい環境を作ることが大切とのお話でした。
平良さんもおっしゃっていましたが、日本では同性愛者であることで処罰されることを理由として難民申請したイランの人が不認定(裁判でも敗訴)になったりしているそうです。この根本には、「隠せば処罰されることはないのだから、隠して生きればいい」というような、性的指向がアイデンティティの大切な一部であることに関する日本特有の無理解があるのではないかと思います。
この1年を通して、私が一般質問等で訴え続けたことを通じて、男女共同参画計画の中に性的マイノリティの方のニーズへの対応が盛り込まれたり、性的マイノリティも対象とした相談窓口が整備されることになったり、様々な進展がありました。しかしこうした制度を作ることとともに、実際に制度を担う方々がしっかりと本質を理解することも大切だと実感しました。
多様な生き方が認められる寛容な社会は、誰にとっても生きやすく住みやすい社会です。
少数者が生きづらい社会は、自由な社会とは言えないと思います。だからこそ、これからもこの問題にしっかりと向き合っていきたいと思います。
クルド人が多く住む地域、ワラビスタンの視察
先日、リトルチャイナへの訪問後、埼玉県蕨駅のすぐ近くにあるクルド人の方が多く住む地域、通称ワラビスタンへの視察を行いました。
クルド人とは、トルコやイラン、シリアなどの山岳部に住む民族で、人口は約3000万人、世界で最大の自らの国を持たない民族と言われています。クルドの方々の状況はそれぞれの国でも違うようですが、多くの人が差別や迫害を受け、主に欧州方面に移住したり、逃れたりしています。日本でのクルド人の数は90年代から増加し、現在は1500名程度と言われています。そして、その大半が蕨駅の近くの埼玉県蕨市と川口市に住んでいます。
そんな中、日本クルド文化協会の方から日本での生活について話を伺いました。
彼らのほとんどはトルコ出身で、難民認定申請をしているが、在留資格が出ず仮放免の状態にあるとのこと、そのため、仕事に就けず、また社会保障などを受けられないので非常に厳しい生活を余儀なくされているとのことでした。特に学齢期のお子さんについては、学校に通う事はできるものの、例えばランドセルや教材代などが支払えない、といったことや、そもそも言葉がわからず授業についていけない、いじめを受ける、といった問題を訴えられました。
その一方で、地域の日本人との共生や連携を促進するために様々な取り組みを行っているとのことでした。その象徴的なものが、クルドのお祭りの紹介や、公園の清掃、防犯ボランティア隊を組織してのパトロール等とのこと。特に、パトロールについては、クルドの方が増えたことで治安が悪化するのでは、という地域の方の心配を払しょくするために、自ら組織して、地域の住民の方とともに毎週日曜日に行っているとのことでした。こうした活動や交流を通じて、当初は冷たい視線を向けていた地元住民の方々も少しずつ、クルドの方々への理解をするようになっているとのことです。
リトルチャイナもワラビスタンもすぐ近くの地域に集中しており、地域が多文化との共生をさらに進める中での一つの縮図となっている気がしました。練馬にも30,000人を超える外国籍の住民が生活する中で、どのように共生を進めるか、大きな課題となっています。そして、そのために、日本人住民と外国人住民の相互理解や交流を深めることが必要であり、そのための支援を行政としてもっと果たすべきと実感しました。
埼玉県のリトルチャイナの視察
先日、他の自治体における多文化共生の現状を視察するため、埼玉県の蕨市と川口市の市境にある、中国人の方が多く住む団地(通称リトルチャイナ)への視察を行いました。
埼玉県の蕨駅の近くに「芝園団地」というURの団地があります。こちらの団地、1978年に建設され、最盛期は10,000人近い人が住んでいましたが、入居者の高齢化が進む中、新たに外国人の入居が増えており、現在は4,500人の住民の中で2,000人を外国人、特にそのうち9割を中国の方が占めるようになっています。そのため、この団地は通称リトルチャイナとも呼ばれています。
平日の昼間に訪れたのですが、団地内の公園で遊ぶ若い親子のほとんどが中国語で会話をされていた他、団地内の標識やお店もすべて中国語での記載もされており、新鮮でした。
この芝園団地、一つの特徴として、外国籍の住民と日本人の住民との交流が近年になって活発になっていることがあります。例えば、外国籍住民が増え始めた90年代初頭には、ごみの出し方や生活リズムの違いなどで多くの問題が発生したそうです。しかし、その後、町会を中心に地域の方々とそこに住む外国人の方々の協力によって、現在では地域の町会の役員にも外国の方が入ったほか、防災訓練などにも多くの方が参加することになっているとのことです。また、数年前に団地内のベンチで差別的な書き込みが発見されたそうですが、これについても、団地の方々がこうした事を許さないという意思を込めて、外国籍の方とともに、そのベンチを共同で塗り直し、一つの作品として展示しているとのことでした。
多文化共生という言葉はよく使われていますが、それを実践するのは非常に難しいと思います。その中で、地域の方々と外国籍の方が共同して運営を行っている芝園団地の在り方はすべての地域にとって参考になるものだと思います。
いわせてカフェの開催②
先週に続いて二回目の区政報告(いわせてカフェ)を行いました。
今回は西大泉で行ったのですが、こちらでカフェを開催できたのは約1年ぶり。どんな方にお会いできるか楽しみにしていました。
そして当日、ちょうど桜が満開の中、今回も地域にお住まいの方を中心に合計で十数名が参加してくださいました。
今回のカフェも、最初に前回の議会の報告を30分程度行って、その後皆さんから興味のある地域の課題についてお話いただく、という流れだったのですが、改めて実感したのがやり方が同じでも、参加者の方によって全く異なるものになるということでした。
先週のカフェでは、周辺住民の方から関越高架下の高齢者施設への反対の意見や、進学塾の英語の先生から練馬区におけるALT(外国語指導助手)の労働条件のお話、図書館で働いていた方から図書館の民間委託のお話などについて伺いました。
一方で今回のカフェ、地域で40年以上に亘って生活されている方が多く、長く福祉関係の活動に携わってきた方から練馬区の福祉行政の歴史や、高齢者の介護をなさって来た方からご自身の経験を伺うことができました。また、80年代の田畑区政から岩波区長、志村区長、そして現在の前川区政に至るまでの変遷や政治の変化などに共有していただきました。特に印象に残ったのは、地域でずっと活動をしてきた方が仰った「私たちは非力だけれど、無力ではない」という言葉でした。地域でずっと活動をされてきた方々から、貴重なご経験を聞かせていただけるとともに、区政の課題についてご指摘いただく、非常に密度の濃い時間をすごさせていただきました。
息子はというと、パパが話している間、お気に入りの図鑑(どこでも携帯)をひっくりかえしながら、ところどころで「くうくうしゃ!」(救急車。機嫌が良いときに発せられる単語)という合いの手を入れてくれたり、皆さんの机を順にまわってクッキーをひとかけらずつもらったりと、ご満悦でした。
来週は大泉学園町、また新たな出会いを楽しみにしています。
初めての海
先日、家族で鎌倉に住む叔父のお宅を訪問。
息子にとって電車での遠出は初めて。そのため、いつもは抱っこでお出かけするが、今回は初めてベビーカーで連れていくことに。いつもと違う様子に早くも大興奮の息子、大好きな電車に乗ると最初はベビーカーからおとなしく外の景色を見ているが、すぐに物足りなくなったらしく、「あうあー(おろして!)」とリクエスト。仕方がないので、靴を脱がせて座席に載せると、目をまん丸に開けて外を指さす。「やれやれ一安心。。。」と思っていたが、この電車、途中から地下鉄につながって突然真っ暗に。すると、すぐにギャン泣きが始まる。こういう時、一番いいのは車内を抱っこして移動することだが、たくさんの荷物のため、夫婦でチームプレイ。妻が息子とトコトコと車内を探検する間、私が荷物を見ていることに。
そして、乗換駅の横浜にようやく到着。たくさんの荷物を担いで何とか降りて「ふーやれやれ」と思ってホームを見渡すと、一緒に降りているはずの妻と息子がいない!「まさか乗り過ごしたんじゃ!?」と思って慌てて妻の携帯に電話をすると私が預かった荷物の山の中からブルブルと反応が。どうやら、妻と息子は携帯も財布もないまま、乗り過ごしてしまったらしい。もしかしてもう会えないかも…とベビーカーと荷物を両手に立ち尽くす私。すると、しばらくして携帯に公衆電話から妻からの電話が(駅員さんのマイテレカを借りたらしい)。どうやら、二人で寝過ごしてしまったとのこと。そして何とか落ち合ってようやく鎌倉に到着。
鎌倉では、さっそく海に。息子にとっては初めての海。あまりにも広い世界に最初はびくびく。浜辺に降ろそうとしてもいやいやと駄々をこねる。そこで、私が靴を脱いで、楽しそうにぴちゃぴちゃ走り回ってみる。すると息子もライバル意識を燃やしたらしく、いそいそと浜辺であるき始める。そして、波打ち際まで行って、足を濡らすと大喜び。どんどんと水の中に入っていく息子。
それを止めるために水浸しになりながら慌てて先に行く私たち。いつまでたっても帰ろうとせず大満足の息子と一緒に、春の海はこれほど冷たかったのか、実感した一日でした。
区政報告会(いわせてカフェ)の実施①
第一回定例会が終了して初めて、区政報告会を兼ねた「いわせてカフェ」を行いました。
このカフェ、毎回、皆さんから区政への質問や意見をうかがうために実施していて、今回で10回目。前日の夜から、誰も来てくれなかったらどうしょう、とドキドキしていたのですが、天気のいい土曜日の午後だったにも関わらず、初めての方も含めて30人近い方が来てくださってびっくり。
カフェでは最初に議会の報告を行った後、皆さんの自己紹介とともに、それぞれが日々感じていることについてお話いただく。
来てくださった方は、アニメ関係の仕事の方、大学図書館に長く勤められた方、塾の先生、地域で高齢者の支援をなさっている方、もと区の職員の方、練馬における父親の主体的な子育てを促進するパパ団体の皆さん、子育て中の方、弁護士、鍼灸師の方など、多岐に亘っていて、それぞれ鋭い意見と洞察力をお持ちだった。特にうれしかったのが、参加者の世代が下は1歳(!)から上は80代までと非常に広かったこと。だからこそ、それぞれの問題点を話すとともに、それを違った世代間で視点を共有するというプロセスが新鮮でした。カフェの最中、私の息子と参加者の方のお子さんが後ろでワイワイ騒いでいる声も聞こえてきて、まさに地域に根付いたカフェになった気がしました。
今回、特にたくさんの意見をいただいたのは、報告でもお話した、英語教育の改善に関連して外国人指導助手(ALT)の雇用形態が全員派遣であるということについて。例えば現役の英語講師の方は、英語は話せても文法になると誤っている等、指導力に欠ける人もいる等深刻な状況について懸念を表明された。地域の関越道路の高架下の再開発として高齢者センターなどの建設が進められていることについてでした。特に、高齢者センターについては、近隣住民の方から、なぜここに作ることに反対かということ語っていただくことで、今回初めて参加した方から、「この問題について初めて知ることができた」という感想もいただき、参加者相互での意見交換が進められたということ、本当によかったと思います。
来週の 4月2日(土)は13時~15時、西大泉地区区民館で再来週の 4月10日(日)は13時~16時で大泉学園地区区民館となります。
ぜひお越しください!
区政報告会(いわせてカフェ)のご連絡
いよいよ明日から「いわせてカフェ」を行います。このいわせてカフェ、地域の皆さんとお茶を飲みながら、少人数でゆっくりと区政のことや地域のことについてざっくばらんにお話したい、そんな思いで開始してもう10回を数えようとしています。今回は通常の区政報告に加えて、皆さんからもたくさんのお話を聞かせていただけたらと思っています。明日は14時半~大泉教会で行います。
ぜひご参加ください!
(写真は今回のカフェの案内イラストです。こちらのカフェ、毎回サポーターの方がバナーを手作りしてくれるのですが、今回はラテン風の似顔絵、とても気に入りました!)
1) 3月26日(土)14時半~16時(大泉教会)
2) 4月2日(土)13時~15時(西大泉地区区民館)
3) 4月10日(日)13時~16時(大泉学園地区区民館)となります。