練馬区の待機児童 NHKの報道について

本日のNHKのニュース、練馬区では保育園の定員を1000人分増やし、来年4月には待機児童をゼロにしたいと宣言したとのこと。 しかし、このニュースでは触れられていないことがあります。 そもそも、練馬区は昨年の段階で、今年の4月までに新基準での待機児童をゼロにすると言っていました。しかし、実際には昨年の4月の段階で176名だった待機児童数は今年の4月でも166人、10名しか解消していません。さらに、旧基準での待機児童については、数十名増え399名となっています。 新基準での待機児童数の計算では、育休を延長できた方、また近くに認証の保育所に空きがある方は待機児から除かれています。つまり、この166名については、ご家族が育休を延長できず、近くに認証の保育所も空いていない、まさに待ったなしの状況の方々です。 加えて、練馬区は昨年の段階では、来年(2017年)の4月までに、旧基準の待機児童をもゼロにすると言っていたのにも関わらず、今回の発表では、旧基準ではなく、新基準の待機児童のみをゼロにしたい、としており、目標自体が大きく下げられています。 ニュースだけをみると、練馬区は大きな目標にむかっているという印象を受けますが、実際はこれまでの目標を諦めたということであり、むしろ後退となっています。委員会でのやり取りについては後ほど、ご報告します。 http://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20160519/5385741.html

練馬区の小中学生の勉強時間、将来の夢や希望、自己肯定感等について

先日の委員会では、昨年(2015年)の4月に実施された全国生活・学習状況調査の分析結果が報告されました。この調査は毎年、練馬区のすべての小学6年生と中学3年生を対象に実施しています。 まず、学校以外の学習時間(塾を含む)について、中学3年生については、毎日3時間以上勉強する生徒は全体の6人に一人(14.4%)、1時間以上勉強する生徒が73%となっています。小学6年生では毎日3時間以上勉強する子どもがもっと多く、全体の4人に一人(23.5%)であり、1時間以上勉強する子どもが全体の65%に達しています。 私自身の小6の時を振り返っても、住んでいたカナダ等含め海外と比べても、小学生はテストでもない限り家に帰ったら30分~1時間くらい宿題をやって遊びに行くというイメージがあり、日本の小学生はこれほど勉強しているのかと改めて驚きました。調べてみたら、日本はOECDの国の中でも比較的年間の授業時間数も多い上に、学校の外での小中学生の勉強時間が突出して(韓国等と並んで)高く、確かにそれは成績の良さにつながっている面もある反面、フィンランドなど授業数も多くはなく学外での勉強時間が極めて少ない国の子どもが学力もOECDの中でも高いというケースもあり、授業の質も含めて考えさせられます。 続いて、携帯やスマホでの通話、メール、ネットの時間について。6年生では一日1時間以上なのが6人に一人(15%)、さらに4時間以上という児童も3%いました。中学3年生になると1時間以上が半分(50%)そして、4時間以上も10%に達していました。 さらに、子どもたちの夢や目標を図る指標として「将来の夢や希望を持っている」という問いに対して、否定的な答え(どちらかといえばあてはまらない、あてはまらない)と答えたのが小学生では6人に一人(14.3%)、中学生では3人に一人(30.2%)ということでした。同様に、「自分にはよいところがあると思う」という質問に対して、「どちらかといえばそう思わない」、「当てはまらない」と答えたのが小学生では約5人に一人(22.8%)、中学生では3人に一人(34.21%)に達していたことにも驚きました。 今回の調査結果を見て、改めて子どもたちの生活、学習環境が数十年前と大きく変わっているということを実感しました。その中で、特に危機感を持ったのが、「将来に夢や希望がない」また、「自分にいいところがない」、と思っている生徒が中学三年生ではそれぞれ30%以上に達しているということでした。 子どもたちの自尊心を育み、彼らが夢や目標を持てる社会を作るのは大人の責任だと感じます。だからこそ、学校教育においても、学力だけを高めようとするのではなく、一人ひとりが達成感や自己肯定感を感じられるようなカリキュラムのために工夫をしていく必要があると思います。

文教児童青少年委員会報告 練馬区の小中学生の携帯電話・スマートフォンの使用状況について

本日、所属する常任委員会(文教児童青少年委員会)が開催されました。委員会では、練馬区では初めて実施された小中学生のインターネット・携帯電話等に関する実態調査の結果の報告がありました。 この調査、学校でのいわゆる「ネットいじめ」などが近年問題化している中で、まずは子どもたちの携帯電話やスマートフォン(スマホ)の所有状況の実態をつかむことで、区の施策や学校での指導の基礎資料とすることを目的としていました。 今回の調査、対象は小学4年生~中学3年生の抽出された児童生徒、合計3,300名とその保護者、教員で、書面による記述形式、2015年の11月9日から11月20日にかけて実施されました。 まず、携帯電話などの所有について、小学生(4年生以上)では、携帯電話を持っている子どもが45.2%、スマホが14.6%で、中学生では、携帯電話が22.5%、スマホが48.5%でした。また、学年別のスマホの所有率を見ると、小学6年時には19.3%の一方で、中学1年になると44.1%に急増しています。 使い始めた時期については、携帯については小学3年生までが62%、スマホについても58%に達しており、小さな頃から携帯やスマホに触れていることが分かります。 続いて、携帯やスマホを使う際、例えば電話やアプリの時間を決めるなど、家庭でのルールがあるかという質問について、「ひとつもない」と答えた小学生は35.1%、中学生では45%でした。 そうした中、知らない人やところからメールが送られてきたなど、ネットでのトラブルに巻き込まれた経験として、小学生は9.5%、中学生は33.4%が経験があるとの結果でした。 練馬区はこれまで、すべての学校でモラル教育を年に一回実施していたとのことですが、この結果を受けて、今年の4月から強化することを計画しています。 私自身、これほど早い段階から、多くの子ども、生徒が携帯やスマホを当然のように使っていることに驚きました。こうした中、子ども・生徒を対象としたネットによる犯罪や、あるいは彼ら自身が加害者ともなってしまういじめなども大きな問題となっています。例えば、先日も区内のある中学校で生徒がスマホで学校内の様子を撮影し、ツイッターに投稿するといった事例も発生しています。 これまで、家庭や学校で、ネットに関する教育が十分行われてこなかったことは問題だと感じます。今回の結果を参考に、行政として子どもたちを守るために子どもだけでなく、保護者に対してもモラル講習の充実をはかるなど、しっかりと対応を取ることが必要だと思います。

小中学生の体力テスト・生活習慣調査の結果からみる練馬区の課題

先日の委員会、2015年(平成27年)4月~7月にかけて実施された体力テストと生活・運動習慣調査の結果も報告されました。このテスト、練馬区だけでなく全国ですべての小中学生を対象に毎年行われています。 結果をみると、報道でもいわれているように、全国的に子どもたちの体力はなだらかな低下傾向にあります。その中で、練馬区の子どもたちの特徴をみると、さらにいくつかの特徴がみられます。 まず、全体的な特徴について、練馬区の子どもたちは中学三年生時点で、身長が全国平均よりも男の子では0.9㎝、女の子でも0.5cm高い一方で、体重はそれぞれ300グラム程度軽い傾向があります。 また、体力については、全体的に全国平均より低く、特に中三の男子は、ボール投げでは10%、立幅とびでは中三の男子では4%程度低い数値となっています。 そして、最も驚いたのが生活習慣についてです。 生活習慣では、運動の実施状況、朝食の有無、睡眠時間等を調査していますが、その中で、練馬区の中学三年生において、朝食を全く食べていないという男子生徒は全国平均の2倍近い3.4%、また睡眠時間についても6時間未満と答えた生徒が女子では16%に上っていました。成長期の児童や生徒にとって、食事や睡眠は非常に重要です。特に子どもの貧困も社会的な問題になっている中で、朝食を食べないのか、そもそも食べられないのかなど、その背景も含めて来年度、しっかりと調査したうえで、行政として向き合う必要があると思います。

2018-08-21T09:41:59+09:002016年2月17日|Tags: , |

文教児童青少年委員会② 小中一貫教育の推進について

現在行われている第一回定例会、通常の議案に加えて来年度の予算についても審議されるので、非常に大変。毎日膨大な予算書や資料を眺めながら、この数字はなんだろう??と頭を抱える日々。 そんな中、本日は先週に続いて文教児童青少年委員会が行われました。 今日の委員会、主な議論は練馬区における小中一貫教育の推進(案)でした。小中一貫教育、名前だけ聞くと、9年間を一貫して授業することで子どもへのメリットも大きい、という印象も受けますが、実際にはまだまだ多くの課題があります。 第一に、練馬区の小中一貫教育は文部科学省が認定したうえで実施する9年間を連続して授業を行う形ではありません。練馬型小中一貫教育は、法律上はこれまで通り、小学校、中学校が分かれていて、学習指導要領も通常の学校のものを用いています。その中で、可能な範囲で子どもたちの交流を促進する、というものです。練馬区の小中一貫教育では、小中学校の施設も一体的に使う施設一体型、それに分かれた学校が連携する分離型があります。練馬区では施設一体型のモデル校として大泉桜学園があり、平成28年度中にもう一校を決定することになっています。 小中一貫教育といいながら、実態としては小学校と中学校でカリキュラムが分かれたまま、そして今度どのような方向を目指すのか明確でないまま、事業が進んでいます。そもそも、教育の公平性が求められる公教育の中で、他の公立学校とは異なるカリキュラムを取ることも視野に入れた小中一貫教育をすすめることが望ましいのかどうかについても議論は尽くされていません。 区が舵を切る小中一貫推進の流れの中で、練馬が進めるべき教育の在り方についてしっかりと議論をしていきたいと思います。

2018-08-21T09:41:59+09:002016年2月16日|Tags: , |

文教児童青少年委員会報告① 練馬区教育・子育て大綱(案)について

先日から議会がはじまりました。 本日は文教児童青少年委員が行われました。今回の委員会では報告事項だけでも合計で16件もあり、祝日の昨日も息子が「あうあー(訳:パパ、何してんだよ、遊ぼうよ)!」とおねだりする声に後ろ髪をひかれながら案件の勉強をしていました。 今回の委員会、主な案件は、 1) 練馬区教育・子育て大綱(案) 2) 幼保小連携推進方針(案)、そして 3) 小中一貫教育の推進方針(案)、に関する報告でした。 今日は「練馬区教育・子育て大綱(案)」についてご報告します。 この大綱、国の「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」の改正(平成27年)に基づき、教育に関する目標や施策の根本的な方針について5年程度を範囲として、区でも策定されることになったものです。 昨年の委員会で大綱の素案が報告された後、パブリックコメントを受けて本日の委員会で修正案が報告されました。委員会での主な議論は以下の通りでした。 (詳細は後日公表される議事録をご確認ください) <大綱の位置づけ> 今回、法改正によって、新たに大綱が作られることになりましたが、特徴の一つに、「区長」が教育委員会と協議して作成することになった点にあります。 練馬区にはすでに同様の「練馬区教育振興基本計画」が存在します。この計画、教育の政治的中立性、独立性を担保するために、教育委員会が作成していました。来年度にこの基本計画の見直しを行うことになっていますが、それは大綱に基づいて作成することになっています。これによって中立性、独立性が失われてしまうのではないか、と委員会でも指摘されました。 これに対して、区の答弁は、区が教育委員会と協働することで、「より迅速かつ効果的な対応ができるようになる」、また、教育の独立性についても十分に配慮する、というものでした。 私自身の考えとしては、まず、大綱については教育に関する政治的中立性や独立性が担保されるべきだと思います。そもそも、昨年の条例改正の結果、教育委員会の長である教育長を区長が選任することとなった(以前は教育委員会による選挙の結果選ばれていたが)こと自体が深刻な問題だと考えています。そんななかでいくら独立性に配慮すると言っても、実際には区長の意見がかなり色濃く反映されることになることは間違いないでしょう。だからこそ、これまで通り教育委員会が担うこと、または外部の有識者委員会などによって編成されるべきだと考えます。 <インクルーシブ教育について> 続いて、寄せられたパブリックコメントの中に、区民の方からインクルーシブ教育の視点から学ぶ環境を整えるべきことを加えるべき、という指摘がありました。インクルーシブ教育は、同じ教室や環境で勉強することを通じて障がいがない子も持つ子どもわけへだてなくともに学べるようにするという考え方です。それに対して、区の回答は「取り組みの視点の中に子どもたちが生まれ育つ環境や障がいの有無にかかわらず、等しく公平に質の高い教育が受けられる教育が受けられる環境を整えることが大切」と記述しているというものでした。 しかし、「等しく公平に質の高い教育が受けられるように」というこの回答は、障がいを持つ子どもや外国籍の子どもたちを区別・排除せず、ともに学ぶという考えが抜け落ちており、コメントに対応するものではありません。だからこそ、私はこうした考えをしっかりと含めるべきだと訴えました。 これに対して、区は今後検討するとの回答でした。 後日ほかのテーマについてもご報告いたします。 (写真は今回の委員会の資料です。。。)

2018-08-21T09:41:59+09:002016年2月11日|Tags: , |

文教児童青少年委員会② 地域の中学校を分断する道路建設計画について

昨日の文教児童青少年委員会、報告の一つが大泉第二中学校を分断する道路の建設計画についてでした。 昨年12月、東京都が10年ごとに見直す「都市計画道路の整備方針(案)」が発表されました。これにより、大泉第二中学校の校庭を十文字に貫く補助232号線、135号線が、今後10年以内に工事を開始する「優先整備路線」に新たに選ばれました。 道路が中学校の校庭を分断することについて、練馬区は平成25年、135号線によって校庭を東西に、縦の分断を想定した素案を公表しました。この素案では、道路の上に蓋をかぶせるようにして、人口地盤や渡り廊下をつくることになっていました。 しかし、今回の計画ではさらに232号線によって南北へも分断されることになります。道路が学校を東西南北、十字に分割する計画が現実味を帯びる中、練馬区では、新たにこの問題を検討する有識者委員会を設置することになりました。 道路に関する問題は「環境・まちづくり委員会」が主として担当しますが、文教児童青少年委員会では、参考資料として、有識者委員会を設置するということ、そしてそのための住民説明会を開催するということが報告されました。 本委員会では、道路建設よりも子どもたちの教育環境を守ることが大切である、という視点で、共産党、市民の声、そしてオンブズマン練馬が質問や意見表明を行いました。それに対する区による主な説明は以下の通りです。 「<有識者委員会の構成、内容について> 大学の教授、特に都市計画、教育、建築の専門家を中心に現在メンバーを選考している。委員会の構成は合計で7-8名を想定している。分野ごとの人数配分は未定である。 <今後のあり方> 有識者委員会からの助言を受けた「取り組み方針」を策定する予定だが、その時期は未定である。「取り組み方針」に基づいて住民の方と意見交換を行う。 <説明会の内容について> 有識者委員会設置に関わる説明会は2月12日、13日に勤労福祉会館で行う。同説明会には、土木部を中心に教育委員会や関係機関も参加する。 <教育委員会の考え> 前提として、道路は必要だと認識する。しかし、同時に子どもたちの教育環境にも十分に配慮する必要がある。だからこそ、道路と教育環境の確保を両立することを検討する有識者委員会からの助言に期待している。」 そもそも、大型道路が校庭を4分割する計画において、子どもたちの教育環境を守るということ自体が不可能だと思います。 大泉第二中学校は練馬区で最も歴史のある中学校の一つで、創立してから約60年が経っています。中学校の特色として大きなグラウンド、そこを活用した部活動があります。学校選択制度がとられる中、こうした特色を希望して大泉第二中を選ぶ児童もいます。各学校の特色、個性を伸ばすことの重要性を練馬区が訴え続けてきた中、校庭を4分割してしまう大型道路を建設するということは、これまでの主張そのものを否定するものです。だからこそ、道路建設は全面的な見直しを行うべきであり、そのために今後も住民の方とともに議会の中でしっかりと活動を続けていきたいと思います。 *写真は平成25年に練馬区が作成した素案の一部です。こちらは135号線のみを想定しています。今回の計画では、さらに補助232号線が東西に通ることになります。 出典:http://www.city.nerima.tokyo.jp/kusei/machi/kokyokotsu/kunai_doro/ooizumi_hojyo135/index.files/michimachi6.pdf

2018-08-21T09:41:59+09:002016年1月27日|Tags: , |

文教児童青少年委員会① 学校用務業務の委託について

本日、文教児童青少年委員会が行われました。この委員会、扱う分野は子育てから教育まで多岐に及んでいて、毎回非常に多くの報告がなされています。今回も合計で12件の報告事項がありました。 主なものは以下の通りです。 1. 学校用務業務委託候補事業者の選定について(学校用務の委託) 2. 大泉第二中学校の教育環境保全と都市計画道路の整備に関する有識者委員会の設置について(大泉第二中の校庭を分断する道路計画) 3. 学校支援事業の充実について(生活保護世帯、準保護世帯の中学3年生に対する学習支援) 今回は第一の「学校用務業務委託候補事業者の選定」についてご報告します。 これは、小中学校に配置する用務員の業務をアウトソーシング、外部委託しようとするものです。練馬区には合計で99の学校がありますが、すでに50の学校で委託が行われており、4月から更に6校で開始しようとしています。 学校用務の委託、第一にはコストの削減を目的としています。 「平成27年度練馬区人事行政の運営等の状況」によると、年収ベースでは用務員が公務員の場合、給与は民間の2.26倍という結果になっています。 数字だけを見ると、委託にしてよかったという話になりますが、実態を見ると、用務員に求められる業務は変わっていない一方で、給与のみが下げられている、つまり働く方が犠牲になってコストの削減がなされている状況です。 もう一つ、大きな問題として、契約に関わるものがあります。民間との契約では、行政と民間企業が仕様書を作成し、請負委託契約を結ぶことになっています。その際、本来は労働者、つまり用務員の方は会社からしか指導、命令を受けてはいけないのですが、業務が学校の中で多岐にわたるなかで、実態としては、派遣された学校から指示を受けて働く、いわゆる偽装請負が全国の自治体で問題となっています。 こうした観点を踏まえ、以下のような質問を行いました。(すべて概要です。正確には今後公表される議事録をご確認ください) 「<質問 岩瀬> 業務委託によって仕事は同じであるにもかかわらず、働く方の労働条件が大きく悪化することが懸念される。そこで、まず確認したい。現在、業務委託をされた民間企業で働く方のうち、正規職員と非正規(パート)等の比率は? <回答> 各学校で正規職員一名と非正規職員一名の二名体制で行っている。 <質問 岩瀬> 以前、学校公開で訪問した学校において、用務員の方が教員から日常的に指示を受けているのでは、という印象を受けた。そのようなことが発生しているのか? <回答> いわゆる「偽装請負」が起こらないよう、学校側には十分に指導している。基本的には学校から用務員に指示を行うことはない。ただし、電球を変えるなどの突発的な業務についてはこの限りではない。 <質問 岩瀬> 内閣府が作成した「地方公共団体の適正な請負(委託)事業推進のための手引き」(平成26年改訂)には、学校用務員の業務については、業務責任者を配置し、彼等が毎週学校を訪問し、学校と打ち合わせを実施する。そして打ち合わせを通じて、調整を行う」とされている。練馬区ではこのような取り組みを行っているのか? <回答> 業務責任者を配置し、定期的に学校と打ち合わせを実施する中で調整を行っている。 <意見 岩瀬> そもそも学校用務員に求める業務は非常に多岐にわたり、それは現場である学校との協議や指示を受けることを前提としている。コストを削減するために、外部に委託し、その結果として、名目上は学校からの指示を受けることもできない、というのは制度としても矛盾している。だからこそ、用務員制度の委託の是非そのものについて検討してほしい。」 私自身の考えは、コストの削減は大切ですが、それよりも大切なのは、行政が果たすべきサービスの質を維持することであり、同時に、そこで働く方々の労働条件をしっかりと守ることだと思います。だからこそ、今回の用務員の問題にしても、現場で働く方に犠牲を押し付けて、コスト削減を行うというあり方そのものを問い直すべきだと思います。

2018-08-21T09:42:00+09:002016年1月26日|Tags: , |

練馬区図書館での指定管理業者の導入について

今回の議会、文教児童青少年委員会では、平和台図書館について指定管理業者の選定が議論となりました。6月の議会で指定管理業者を導入すること自体は決定したのですが、それを受けて、今回の議会で指定管理業者を決定する、という流れです。 まず、私の考えは、図書館の目的は、国民が文化的な生活を送るためのインフラを提供することであり、指定管理業者による運営には馴染まない、ということです。 一般的に、指定管理業者に運営を任せることによるメリットとして、業務の効率化とコストの削減があげられています。 業務の効率化について、そのモデルとも言われている佐賀県の武雄市にある通称ツタヤ図書館を視察しましたが、そこで見られたのは、図書館が本来果たすべき役割よりも、目に見える成果である来場者数を増やすことに重点が置かれている、そんな姿でした。 コストの削減についても、大半は従業員の賃金を抑えることによって実現されています。指定管理業者が運営する図書館は、働く職員の方についても非正規の契約が多く、給料も抑えられています。2013年には足立区の図書館では職員の方が実質、時給180円で働かされていたという事件も起きています。(AERA「代替時給180円 図書館で行われた低賃金労働」 ) そんな中、今回は平和台図書館の指定管理業者の決定が行われました。応募団体5社の中から1社が選ばれたのですが、今回、受注した企業の能力にも疑問を感じています。 同社はこれまで、当該の図書館で窓口業務を担当してきたのですが、一方で、同社が単独で指定管理業者として図書館の運営を行った実績はほとんどありません。指定管理業者になると、施設の維持管理も行うのですが、これまでは共同事業体として維持管理は他社に任せる、という形をとってきました。唯一の例外が区民センター内の図書室、しかし、これは文字通り一つの部屋であり、図書館とは大きく異なります。 こうした状況を受け、私たちの会派では今回の議案に反対しました。しかし、委員会では与党による賛成多数となりました。 しかし、大切なのはこれからです。実際に平和台図書館が、指定管理業者によって、利用する方にとっても、そこで働く方々にとっても、望ましい形で運営されるように、しっかりと見守っていきたいと思います。(写真は視察した武雄市図書館)

2016年の練馬区の中学校の選択制度の抽選状況について

先日の文教児童青少年委員会では、来年4月に向けた、区内の中学校選択制度の募集状況についても説明があった。 中学校選択制度、これは生徒が自分の好きな中学校を選択できる制度で練馬区では10年ほど前から導入。この制度、生徒が学校を選択することを通じて学校ごとの特色を出すことを目標の一つにしていた。 しかし、10年が経つ中で様々な問題も発生している。その代表的なものが人気校と不人気校の格差で、人気校では、域外から数百人が入学を希望する一方、不人気校では、域内の生徒が外部の学校を希望するため、生徒数が減少している。例えば今年は、最も人気がある学校では学区外から94人が入学した一方、人気のない学校では、大半が外の学校を希望し、その結果、学区内の生徒180人のうち、わずか30%しか学区内の学校には入学しなかった。各校の予算は生徒数によって配分されるため、生徒数の偏りにより、学校間で多くの格差が発生するという問題もある。 こういった状況を改善するために、練馬区では今年度から学校選択制度にかかわる新しい仕組みを導入した。これまでは、各学校の受入人数枠の二倍まで生徒の受入を行ってきたが、今後は、枠の2割を上限として、それ以上の場合は抽選とした。例えば、これまで受入人数枠が40名の場合は80名までを受け入れてきたが、これからは48名までとなり、それを超える分については抽選となる。 委員会では、10月末時点での選択希望状況の報告があったが、昨年は抽選が行われた学校が2校だったのに対して、今年はなんと12校、練馬区には34の中学校があるので35%もの学校で抽選が行われることになる。 確かに、学校間の格差を埋めることは重要である。 しかし、その一方で、短期的には希望する学校に通えない生徒が増えることになる。 そこで、委員会では、希望する学校へ行けなくなる児童へのケアについて質問、要望を行った。また、いじめなどにより、指定校以外の学校に通いたい児童への対応を充実させるためにも、すでに存在する「指定校以外を希望する際の申請制度(8条申請)」を周知することの重要性も同時に訴えた。 これに対して、練馬区では、今後、教師やスクールカウンセラーを通じて、児童の心のケアをより一層充実させるということ、また、「指定校変更の申請(8条申請)」については、より周知を進めるために、今年度から学校案内に記載したほか、今後も学校説明会などの場での積極的な周知を行うとのことだった。 制度を変えることによって、一番影響を受けるのは児童やその家族である。だからこそ、当事者の方々が翻弄され、苦しんでしまうことのないよう、今後もしっかりと委員会や議会の場で発言をするとともに、みなさんと情報を共有していきたい。

2018-08-21T09:42:04+09:002015年11月26日|Tags: , |
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