<一般質問の内容② なぜ学校の制服は性別によって決められるのか?中学校でも性別に関係なく、スカートとスラックスを選べるようにすべき!>
女性が職場でハイヒールを強制されることはおかしい!SNSではじまった“#Ku too”の動きが社会で広がっています。ジェンダー平等の観点から、最近では同じように中学校でも女子生徒がスカートだけでなく、スラックスを選べる動きが広がっています。 今回の一般質問では学校の制服についても取り上げました。 ●今回の主な質問 1.そもそも公立の中学校で制服は着なくちゃいけないの? 2.もし生徒自身が制服を選んで着るとしても、「女子生徒」はスカートしか履けないというのは差別じゃないの? <ここから> 1.制服(標準服)は義務なのか? 福岡県弁護士会が2017年に「LGBTと制服に関する報告書」を作成しましたが、その中でも制服を着ることが辛くて学校に行けなくなる子どもたちのケースが紹介されています。私自身も当事者の方とお話する中で、中学校でセーラー服を着せられるのが自分を否定されているようで、とても辛かったということを伺っています。 そもそも標準服は、着用の強制力を持たないはずのものです。しかし、ほとんどの生徒にとっては着用が「義務」となっています。 <質問①> 生徒が標準服の着用を拒否した場合、学校は生徒の意思を尊重して標準服を着用しないことを認めるのでしょうか? <区の回答> 標準服着用を受け入れられない生徒については、学校が生徒本人や保護者の意向等を確認して柔軟に対応することになります。 <岩瀬の意見> 多くの生徒や保護者の方は、制服(標準服)を着なくてもいい、ということを知りません。今回の「生徒本人や保護者の意向を確認して柔軟に対応する」という回答は意義あるものですし、区や学校の考えを広く知らせることが必要です。 2.制服(標準服)でスカート、スラックスを選択できるようにすべき 子どもたちが標準服を自分の意思で着用する場合でも、その種類が体の性別によってのみ規定されていることは、固定的な性による役割分担の意識を黙認、助長することにもつながるものです。 近年、中学校の標準服で性別に関わらずスカート、スラックスを選択できる動きが広まっています。四月からは中野区と世田谷区が全ての中学校で生徒の意思によって、理由を問わず、また申請する必要もなくスラックス、スカートの着用を選択できるようになっています。文京、荒川、目黒区でも一部の学校で同じ対応をとっています。 練馬区について確認したところ、スラックスの着用については家庭や本人からの申し出があれば、状況に応じて個別に対応するとのことでした。しかしこれまでにスラックスの着用を求める申請は一件もなかったとのことでした。子供たちにとって、スラックスの着用を望んだとしても、申請を行い、理由を説明することが大きな壁になっているからではないでしょうか。 <質問②> これまでスラックスの着用を求める申請がなかったということについて、区はその理由をどのように考えますか。見解をお答えください。練馬区でも性別や理由を問わず、また申請も必要なくスカートとスラックスの着用が選択できるよう、学校へ働きかけを行うべきです。また、区民に対しても積極的に周知を図るべきです。区の所見を伺います。 <区の回答> 申請がなかった理由は、自らが当事者であることを明らかにすることを望まない場合以外に、発達段階において心と体の性の不一致を自認できていない場合もあると考えます。標準服を選択できることで、すべてが解決されるとは考えていません。丁寧に人格形成を促さねばならない学校現場では、一層慎重な対応が必要です。学校へのはたらきかけや区民への周知は各校の実情を踏まえて対応します。 <岩瀬の意見> 標準服を選べることですべての問題が解決されるとは思いません。しかし、選べることによって救われる生徒がいることも事実です。またジェンダー平等の観点からも、女子生徒が実質的にはスカートしか選べない、という現在の状況には問題があります。 区も学校や生徒の実情を踏まえて配慮するとのことでした。時代は大きく変わっている中、固定的なジェンダーの押し付けによって子どもたちが悩むことのないよう、これからも継続して議会で訴えていきます。