部落差別は決して過去のものではない。練馬区人権セミナー「東京で部落差別と向き合う」同世代の方から話を伺って。

練馬区の人権セミナー「東京で部落差別と向き合う」に参加しました。講師は東京で部落問題について当事者として情報発信・啓発活動を行っているBURAKU HERITAGEのメンバー。(https://www.burakuheritage.com/) 同世代の彼女のお話、とても印象的でした。 お父さんの妹さんは、結婚の時に相手の家族から、「部落出身の親戚とは縁を切れ」と言われて消息不明になってしまった。彼女自身も中学生の時、学区域にあった企業が部落出身者に対して就職差別を行っていたことが新聞で取り上げられ、大変なショックを受けたとのこと。そんな中、一番辛かったのが、友人に部落差別の話をしても、「部落って何?今でもそんな差別があるの?」と、存在しないことのように扱われてしまうことだったそうです。 データを見ても、部落問題はなくなっていないばかりか、むしろ深刻化しています。東京都の調査では、「同和地区」出身者との結婚に関して、「家族や親せきの反対があれば結婚しない」、あるいは「絶対に結婚しない」という回答、平成11年には4.8%だったのが、平成26年には13.7%にまで増加しています。 練馬区の調査でも、「あなたのお子さんの結婚相手が「同和地区」出身の場合、あなたはどうしますか?」という問いに対して、「賛成する」と答えた方は、たったの24.5%でした(平成25年)。 特に近年ではインターネットの普及によって、部落差別を助長するような、住所や氏名などの個人情報が勝手に公開されたりして、ご自身や仲間のご自宅にもひどい嫌がらせの手紙などが送りつけられるとのこと。私も性的マイノリティや外国人の人権問題を訴えたところ、嫌がらせの手紙が届いて恐怖を感じたことがある中で、とても他人ごととは思えませんでした。 彼女の差別への向き合い方にも共感しました。ご自身が活動する中で、何人もの方に言われたのが「部落問題、そのうち知っている人もいなくなるし、何もしない方がいいんじゃないの?」という事だそうです。「寝た子を起こすな大作戦!」と呼んでいましたが、それに対して「この考えは、一見正しいことのようにも見えますが、でも、それは今、差別を受けている人に我慢してろと言っているのと同じ、だから、私は黙らずにしっかりと向き合う」とのことでした。 それでは、何が大切か。それは、どんな差別に対しても同様で、講師の方も仰っていましたが、当事者だけでなく、一人ひとり、社会全体がこうした差別を許さない、という覚悟や態度を勇気をもって明確に示すことだと思います。 練馬区でも平成27年ごろから、公共施設における差別的な落書きが急増しています。 部落差別解消法が昨年にようやく制定された中で、練馬区においても、法の理念が実現されるための具体的な施策を図るよう、議会でも訴えていきたいと思います。

予算特別委員会 「公設」掲示板って何のためにあるの?

皆さんの家の近くにもたくさんの掲示板があると思います。 掲示板には練馬区が設置している公設掲示板、町会が区に協力する形で設置している協力掲示板、そして町会が独自に管理する町会掲示板の三種類がありますが、そのうち、公設掲示板は区内に900基あります。管理は町会等に委託されていて、1基あたり年間で3万円、合計で約2,700万円が予算として計上されています。 そんな中、地域の方から「公設掲示板でいつも区のお知らせを確認しているのだけど、近所では、場所によって貼ってあるものが全然違っていて困っているんだ。」というご相談が。。。 そこで近所の公設掲示板を改めて確認したところ、確かにそれぞれで貼ってあるものが違ってました。。例えば、議会に関するお知らせで、定例会のたびに、いつからいつまで、というお知らせを貼ることになっているのですが、確認した4基の内、実際に掲示してあったのは1基のみでした。 区に理由を確認したところ、区からすべての町会に対し毎月二回、貼るもの(掲示物)を郵送しているのだけど、送られる掲示物が多すぎるために、板の面積を超えてしまう。その結果、どれを掲示するか町会等の判断になっているとのこと。 もちろん、町会等の自主性は尊重されるべきで、それぞれの掲示板である程度柔軟に対応すること自体を否定するものではありません。しかし、「公設」掲示板である以上、特に議会や防災に関するものなど、大切な情報が適切に掲示されるように、送り方、掲示のあり方を含めて、すべてを委託先の町会に任せるのではなく、区として整理することを求めました。 特に年配の方にとって、掲示板はとても重要な情報源になっているので、これからも改善を求めていきたいと思います。

文教児童青少年委員会報告② 練馬区の子ども、体力が少なく、睡眠時間が短い?

昨日の委員会、2016年(平成28年)に全国の小中学校で実施された体力テストと生活・運動習慣調査の結果が報告されました。この調査は毎年行われているものです。 まず体力テストの結果について、これは握力、50m走、ボール投げ、立ち幅跳びなど8項目で調査しています。 総合点を見ると、練馬区の小学生、男女を問わず多くの学年で全国、そして東京都の平均を下回っており、中学生になると、全学年で平均以下となっています。特に「ボール投げ」では、中3の男子では全国平均が24.2m、都の平均が22.8mに対して、区は22.1mと全国平均よりも2m以上低い数字です。(この背景には、公園でのボール遊びも禁止されている中、区内でボール投げをできる場所が減っているからではないかと思います。)また、運動の実施状況を見ても、中三男子で(全く)「しない」と答えている生徒、全国平均は2.6%(女子は13%)に対して、練馬区では男子で9%、女子は17.9%と大きな差が発生しています。 生活調査の結果も深刻です。小学校6年生では男女ともに1%以上が朝食を(全く)「食べない」と答えており、中3になると男子で3.6%(全国平均は1.9%)に達しています(なお、女子は1.8%で全国平均より低い数値です)。睡眠時間も、6時間未満の児童が小学生6年の男子では5.2%(全国平均は4.7%)で、中三になると男子で15%、女子で16.5%(全国平均は13.5%、16%)となっています。 さらに深刻なのは小学生、中学生ともに朝食を食べない比率、そして睡眠時間が年々悪化傾向にあることです。背景には、教育、貧困、子育て、など多くの要素があり、これまでのような学校の問題か家庭の問題か、という観点では本質は見えてこないと思います。 この問題は単に毎年行っている体力テストや生活習慣の結果が悪かった、ということに留まらず、地域全体の課題であり、単に学校として数値をあげることに注力するのではなく、区としてその背景をしっかりと分析して、丁寧に対応をすることを求めました。

いよいよ練馬区議会定例会が始まりました!

今日から平成29年(2017年)練馬区議会第一回定例会が始まりました。 議会では1年間で4回の定例会がありますが、今回は来年度の予算を審議することもあり、特に重要なものの一つです。期間も2月8日から3月15日までの1か月半に及びます。 なお、練馬区の今年度の予算額は約2,515億円、昨年度より3.3%(85億円)程度少ない金額ですが、それでも予算規模は東京23区で第二位、全国の市区町村の中でも、政令指定都市を除けば、有数の財源を持つことになります。(因みに、オリンピックのための新国立競技場の建設費(2016年7月現在)が2,520億円ですので、ほぼ同額。一つの競技場の建設費が人口72万人の練馬区の年間予算と同額と考えるとあまりにも高いですよね。。。) 会期中の予算特別委員会では、毎日、区の担当理事と一問一答での質疑(議論)を行うことになっています。質疑時間は会派の人数によって決まっていて、私たち(二人会派)10分と非常に限られていますので、その中で実のあるやり取りを行えるよう、どのテーマを取り上げるかを含めて、数十時間の準備を行っています。 また、会期中の委員会では、光が丘第四中学校の閉校案など私たちの生活、そして区政の方向性に密接に係る多くの項目が議論される予定です。 具体的な日程など、今後もご紹介いたしますので、ぜひ皆さまも議会に傍聴にお越しください!(写真は練馬区議会からの景色です。)

2018-08-21T09:41:41+09:002017年2月8日|Tags: , |

「護憲派の泰斗」樋口陽一先生をお招きして 地域での講演会

昨日(2月5日)、大学時代のゼミ(比較憲法)の恩師でもある憲法学者の樋口陽一先生を地元の大泉にお招きして講演会を開催しました。 樋口先生は『「護憲派」の泰斗にして憲法学会の最高権威』(集英社の紹介文)とも称されていて、私の妻の同級生が編集を担当した『「憲法改正」の真実』(集英社)など数多くの著作を出版されています。 地元大泉に樋口陽一先生をお招きしてお話を伺えるということ、私にとっては夢のようで、前日から緊張で食事も喉を通らない。。。そんな気持ちのまま当日を迎えました。 トランプ大統領就任にみるアメリカの政治から始まり、自民党の改憲草案への批判、明治憲法制定を巡っての議論など、非常に鋭い内容でしたが、とても穏やかで、ときにユーモアを交えながらのお話を伺っていると20年前の教室に戻ったような気持ちになりました。 先生の話で最も印象に残ったのが、デモクラシー(投票で世の中を変える仕組み)と立憲主義の関係について「立憲主義は闇夜の海を照らす灯台のようなものであり、晴れているときはなくてもいいと思ってしまうが、それが行き詰った時にこそ、闇の中でましてや防風が吹きすさぶ時こそ灯台(立憲主義)の重要性が問われる。」という話でした。 その後、私からは練馬区の地域における現状と課題として、政府が規定した“区域外”からの原発避難者の方への住宅支援が打ち切られようとしていること、区内でのヘイトスピーチ、差別的な落書きが急増していること、そして議会の中で少数の声が封殺されていることなど、お話させていただきました。 その後の質疑応答では、参加者の方からたくさんの声が。 印象的だったのが「護憲的改憲論」についての質問でした。 樋口先生の意見は、憲法と現実社会の中で、ぎりぎりのせめぎ合いをしながら、憲法は運用されてきた。例えば戦争について、言わば「良い戦争」と「良くない戦争」があるという理解を前提として、小泉首相はアメリカの戦争に理解を示したが9条があるからこそ、自衛隊を出すわけにはいかないとして踏みとどまった。護憲的改憲論というのは、(憲法を決して変えないという)外堀を埋めて、(改正はするが何を改正するか議論をするという)内堀だけで「憲法」を死守しようというもの。それが出来る力があればいいが、現状そうは思えない、とのことでした。 そして、「解釈改憲」についても質問が。憲法を原書の通りに解釈すれば、「一切の戦争をしない、一切の軍備を持たない」ということになるし、それが先生の立場でもあるとのこと。学者としては原書解釈を当然としてそこから下がらないということが重要だと思っている。安倍政権以前に憲法の解釈改憲を学者が認めていたとすれば、議論はそこがスタート地点になってしまう。学者が空虚空論を述べてきたことに意味がある、というお話しでした。 今回の開催にあたり、先生からの唯一の要望が「なるべく少人数で」とのことでしたので、とても残念でしたが、広くお声がけはできず、大泉学園町在住の歴史学者で東大名誉教授の和田春樹先生、9条の会、ママの会、元SEALDsのメンバー、明日の自由を守る若手弁護士の会、米軍基地の反対運動をされている方、大学でフランスの政治思想を教えている方など議員活動のなかで出会ってきた地域の方々にお集まりいただきました。 会の後、皆さんから講演への感想や先生へのメッセージをいただきました。 憲法で示されている「個人」の理念が置き去りにされ、経済に政治が消し去られていることがよくわかった、というご意見、こんな時代だからこそ、身近なところからできることをやりたい、というご意見、そして、何よりも樋口先生のお話を聞いて勇気づけられた、というご意見もたくさんいただきました。樋口先生や皆さんから力を頂ける素晴らしい時間でした。 また、先生に次回の講演についてもお願いしたところ、次回はもっと多くの方にお話いただけるとのこと。ぜひ第二回目の講演会、企画したいと思います!

2018-08-21T09:41:41+09:002017年2月6日|Tags: , , , |

アメイジンググレイスと練馬区の差別について

土曜日の今日、光が丘の清掃工場の建て替えに関する地域説明会に参加した後、いつも通っている地元の大泉教会での「春をよぶコンサート」に参加しました。こちらのコンサート、地元の合唱グループが普段の練習の成果を披露するもので、大泉教会の「讃美歌歌い隊」、東大泉の「みどり広場」を守る会の「はらっぱ音楽隊」、そして施設、病院、作業所などで活動している「にしきみ音楽グループ」が参加しました。 私の大好きな「世界に告げよ」や、中学生の頃歌った「大地讃頌」「小さな木の実」など、聞いたことや歌ったことがある曲ばかり。一緒に歌ったり、踊ったり(?)、とても楽しませていただきました。そのなかで、印象的だったのが「アメイジンググレイス」。 この曲の作詞者、もともとは奴隷貿易に携わっていたのですが、改心して牧師となり、その時の悔恨とそれを許してくれた神の愛への感謝が歌詞になっています。私も家族も大好きで結婚式でも家族で一緒に演奏(皆がかろうじてできる楽器を演奏したのですが、謙遜なしに下手くそでした、笑)をしました。 最近ではオバマ前大統領が、黒人の方が多く通う教会で発生した、無差別銃乱射事件の犠牲者に捧げ、そして人々の団結を訴えるために自ら歌っています。 (http://www.huffingtonpost.jp/2015/06/28/obama-lead-a-powerful-rendition-of-amazing-grace-_n_7684010.html) 大統領が人種間の和解や多様性の尊重を訴えたわずか半年後、人々の憎悪や怒りをあおることでトランプ政権が誕生してしまいました。就任後、わずか数時間でホワイトハウスの性的マイノリティに関わる記述が全て削除され、スペイン語のサイトも消されてしまいました。難民の受入をすべて停止するとも宣言しています。壁を建設してもビザ発行を停止しても、国を出ざるを得ない状況にある人たちは止められず、費用対効果は少ないばかりかかえって危険な状態をつくりだします。一方で、世界で100万人以上の女性がトランプ大統領のこうしたやり方に反対の声をあげたこと(Women's March)、まだ希望もあると思います。 その後、練馬区の部落解放同盟の旗開きに参加しました。旗開きでは区内のヘイトスピーチや差別的な落書きの事も話題に。昨年来、区内における差別的な落書きは大幅な増加を見せています。先日調べたところ、平成28年度に発見された公共施設への差別的な落書きは合計で14件でしたが、今年度は12月の時点ですでに17件。内容も外国人、そして部落差別を扇動する悪質なものが多く見つかってします。特に、沖縄の高江での機動隊員が「土人」と発言したことを、政府が差別ではないと発表してから、落書きにも「土人」という表現が見られるようになっています。 昨年はヘイトスピーチ対策法や部落差別解消推進法などの法律もできた一方で、理念法であるという課題もあります。これを具体化するのは、まさに地方自治体の仕事であり、これからも条例の制定を含めた具体的な対策を求めて議会でも訴えていきたいと思います。

息子との時間

先日、第四回定例会が終了しました。今回の議会、期間は2週間でしたが、認可保育所や区立幼稚園の実質値上げ、光四中の閉校方針、関越道路の高架下の再開発など、多くの論点があります。 そんな議会も終わり週末は地域での活動。地元町会での防災訓練に参加させていただき、その後は沖縄の高江のヘリパッド建設を巡る状況についての講演と映画鑑賞。ゆっくりお話することもで き、充実した時間を過ごせました。 そして、問題はそのあと。 実は今、妻が出かけていて、息子と二人でお留守番。二歳の息子とはこれまでもなるべく一緒に過ごすようにしてきましたが、二人きりで数日を過ごすのは初めて。子育ての難しさを改めて勉強しています… 何よりも大変なのが夜。私が寝かしつけてもなかなか寝てくれず、ようやく寝たと思うと、朝の1時ごろには目を覚まし、ものすごい勢いで抱っこをおねだり。仕方ないので、11㎏の息子を抱っこして部屋中をぐるぐる回り子守歌を熱唱…もはや何を歌っているかも覚えていません...ようやく寝たかな??と思って布団に降ろそうとすると、また大泣き。仕方ないので、抱っこして椅子に座りながら眠ることも。そして、朝の5時には再度大泣き。なんだか寝てるのか寝てないのかわからないまま朝を迎えています。 子育てがいかに難しく、また、妻に頼っていたかを改めて気づかされるとともに、子どもとしっかり向き合うことの大切さを勉強する貴重な機会になっています。

2018-08-21T09:41:44+09:002016年12月11日|Tags: , |

地域でのTPP勉強会の実施

<地域でのTPP勉強会の実施> 本日、地域でのTPP勉強会を行いました。 今週は区政報告会(いわせてカフェ)を二回開催していて、今回が3つ目のイベント。イベントが続いて多くの方には来ていただけないかなと思っていたのですが、蓋を開けてみると初めての方も含めて15名もの方が…嬉しく感じるとともに改めてこの問題に対する関心の高さを感じました。 勉強会、スピーカーをTPPの問題点を訴えている方々にお願いして、皆さんでTPPの課題や現在の状況、TPPが実現したら私たちの生活にどのような影響があるのかなどを話し合いました。 TPPは合計で8,000ページ以上に及ぶにもかかわらず、公に邦訳されたのは2000ページ程度のみ、また、途中経過については機密に関わるとしてほとんど公開されていない中、私たち市民にとってわかりづらい内容になっています。 そこでまず、TPPに関する動画を見て、その後、「TPPテキスト分析チーム」が作成した「そうだったのかTPP24のギモン」を使って皆さんでそれぞれ疑問や意見を共有する形で進めました。(こちらダウンロードも可能です。) 会では、ISD(投資家対国家紛争解決)条項が含まれることで国の主権すらも脅かされる、医療制度が変わり、安価な医薬品が手に入りにくくなる、遺伝子組み換え作物の輸入が大幅に増える、などなど、事例を見ながら丁寧に説明して頂いたおかげで、どれだけTPPが私たちの生活にひどい影響をもたらしうるのか、理解することができました。 また、今後の話として、アメリカがTPP交渉から脱退して、条約が無効になったとしても、国際的な大企業の利益を追求するため、違う形で実現する恐れもあるとのこと。参加者からの意見でもありましたが、まずはTPPの課題を私たち一人ひとりがもっと知っていくことが一番大切だと思います。そして、食料品や医療品、労働環境の他、公共事業の発注などを含めて、地方議会にも大きな影響があります。だからこそ、こうした勉強会を今後も続けるとともに、練馬区議会でもTPPやそれに類する条約に対して、その内容に対してしっかりと反対しなければと改めて思いました。

2018-08-21T09:41:45+09:002016年11月19日|Tags: , , |

光が丘から大泉学園町まで 大江戸線延伸に関する勉強会

本日、大江戸線延伸に関する勉強会を実施しました。 この勉強会、光が丘から大泉学園町までの大江戸線延伸計画が進み始めたといわれる中で、現在の状況や、延伸を実現するために求められている条件などを皆さんと共有することを目的としていました。 土曜日の昼間にどれだけの方が来るのか不安だったのですが、予想をはるかに超える50名近い方々が。そして、そのほとんどが今までお会いした事のない方で、この問題に関する地域の方々の関心の高さに改めて驚きました。 都と国が大江戸線延伸に前向きの方針を示したことは歓迎すべきことです。しかし、延伸に向けた動きの中で気がかりなこともあります。大江戸線を招致するためにまちがどう変わるのか、そして練馬区はいくら負担しなければならないのか、といったことです。 説明では、大江戸線延伸計画の現状とともに、国や都から費用負担や需要喚起のための街づくりを求められていること、特に、費用負担が現在は36億円にのぼり今後も増える可能性があること、まちづくりでは、大江戸線の新駅周辺地域では農用地の70%もの削減が想定されていること、などをお話しました。 説明の後の意見交換、たくさんのご発言が。「大江戸線によって便利になるのでぜひ早期に実現を!」といった声の他、「来ることは嬉しいけれど、開発によって、大泉の魅力である緑や風致地区の街並みが壊されてしまうのは困る」といった意見や、「線路の前に大型道路を通すということだが、それによって地域が分断されてしまうのでは」、「そもそも、今すぐに必要なのは、地下鉄を通すことではなく、公共バスのサービスを拡大すること。」「東京都の事業になぜ練馬区がお金を出さなければいけないのか」といった声も。 私も大泉学園に暮らす中で、この地域の一番の魅力は23区にありながら、たくさんのみどりに囲まれていることだと思っています。23区内の唯一の牧場や、多くの緑地、そして各家庭に残された樹木など、たくさんの自然がこの地域の魅力を形成しています。 大江戸線の延伸とそれに伴うまちづくりは、地域の魅力や歴史を活かすことが前提であり、延伸のために町の魅力を損なうことがあってはならないと思います。 これほど、地域の中でも様々な不安や心配が存在していることに改めて気づかされるとともに、大江戸線延伸がこれから正念場を迎える中で、住民の皆さんとともに、どのようなまちづくりを進めるか、一緒に考えていきたいと思います。 また、今回の勉強会は視察の翌日ということで、スタッフやボランティアの皆さんのご協力に全面的に頼らざるを得なかったのですが、皆さん、数日前から入念に準備いただき、早い方は当日も予 定の1時間前には会場でスタンバイして下さいました。そして、勉強会がスムーズに進むよう、常にお気遣いいただいたおかげで、なんとか成功させることができました。本当にありがとうございました!

北海道七飯町の認定子ども園について 文教児童青少年委員会視察報告③

視察の最終日、函館市に隣接する七飯町の認定子ども園「どんぐり」を視察。同町は函館のベッドタウンとしても機能しており、人口は28,000人、そのうち就学前児童は1,200人程度です。 同町の子育て施策の特徴には、18歳まで医療費無料、出産の際に米3.5㎏の贈呈、学童保育クラブ保育料補助(月2,000円)、交通費補助(実費の半額)などがあります。 視察した認定子ども園「どんぐり」は、木育、食育、自然教育を掲げていて、園の建物にたくさんの木を用いることをはじめ、日々の畑体験、旬の食材の利用、など自然との関わりを重視しており、メディアや論文等でも取り上げられています。 実際の園の印象として、決して広いということはありませんでした。 しかし、建物に入った瞬間に木の香りが漂うほど、ふんだんに木材を使っていて、椅子や机も近くで採れた木が使用されているという徹底ぶりでした。また、園庭では子ども達がちょうど、Halloweenのために本物のかぼちゃを使ったジャックランタンを作っていて、こちらも近くの農家から寄付いただいたとのこと。庭の端ではシイタケの栽培もしており、どうやったら大きく育てられるか、子ども達から説明してもらいました。実はシイタケが大の苦手、子ども達に「シイタケ美味しいよね!!」と聞かれて、「う。。。」と固まる私。。。 たくさんの自然に囲まれて生活している姿、羨ましいなと思うとともに、練馬でも、例え土地は少なくても、園の工夫や努力によって、こうした運営も可能であるという事はとても参考になりました。

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