地域の小学校の統廃合について 学校は誰のもの?(文教児童青少年委員会報告)
先日の委員会では、「練馬区の旭丘小学校、小竹小学校、旭丘中学校の課題への対応について」という報告がされました。これは、旭丘小学校では生徒が少なく、合計で6クラスしかない状況が続いていて、学校経営が難しい。だから、老朽化が進んでいる旭丘小学校を建て替える際に、近くにある小竹小学校と旭丘中学校も一つの校舎にして、練馬区では二校目となる小中一貫校を設置しよう、というものです。 委員会では、練馬区として、この計画を地域の方に理解してもらうために、今後説明会を行う、ということが報告されました。 この件、大きく3つの問題があると思います。 まず、小学校は地域の拠点としての役割を持っています。旭丘小学校の人数が少ない、というだけの理由で、なぜか隣にあって、生徒数は十分に確保されている小竹小学校を廃止してしまう。このことについて、特に学校が無くなってしまう小竹小の在校生や保護者、卒業生の十分な理解が得られていません。実際、住民の代表等合計40名が参加している「考える会」では議論が平行線を辿り、合意に至っていない状況です。 次に、旭丘小学校の生徒が少ないことを解決するために、なぜ中学校までも一緒にする必要があるのか、明確ではありません。特に、練馬区では、現在、小中一貫のモデル校が存在していますが、その運営に対する検証が現在でも進められている最中です。旭丘小学校の課題を解決することと、小中一貫教育を進めることは全く別の事であり、それを一つの議論として進めることは無理があります。 そして、10月から地域での説明会を行うとのことですが、この説明会も、小学校の統廃合と小中一貫を前提として進めるものになっています。今回初めて住民に説明会を行うのですから、そもそも、少人数学級であることが解決すべき問題なのか、また、もし問題だとしても、通学路を変えるなど他の選択肢はないのか、などといった包括的な議論を行うべきだと考えます。 その地域に暮らしてきた方々の思いや考えを蔑ろにして、最初から区による結論ありきで議論を進める、そんなことが起こらないよう、今後行われる説明会の在り方についても、注視していきたいと思います。