清掃・エネルギー等特別委員会の視察 山口県周南市の水素利活用について

11月8日から2日間、清掃・エネルギー等特別委員会の視察に参加しています。初日の今日は山口県の周南市で水素利活用の取組について視察を行いました。 同市の最大の特徴の一つは、国内で発生する水素の約4.3%を同市で生産していることです。これは、市内のコンビナートで苛性ソーダを製造する際の副製品として水素が発生するためで、同市の生産量は国内有数となっています。 この特性を活かし、同市は平成27年4月に「周南市水素利活用計画」を策定し、全国に先駆けて、水素利活用の促進に向けた環境整備に取り組んでいます。具体的な取組として、水素自動車のための水素ステーションの整備や水素型燃料電池システムの実証などがあります。 水素は人体には無害で、利用段階でCO2を排出せず、環境に優しいエネルギーと言われており、練馬区でも水素自動車のための水素ステーションが存在するほか、区でも水素自動車2台を導入しています。私自身、先行事例として周南市の取組に興味を持っていました。 本日は市の担当の方から説明を伺い、水素ステーションと水素を活用して電力供給を行っている地方卸売市場も見学しました。周南市の取組、液体水素の活用など勉強になる部分も非常に多かったですが、練馬区での水素利活用の推進には多くの課題もあるということも感じました。 第一がコストの課題です。水素自体は他の製品を製造する際に発生する副製品なので無料ですが、それを圧縮、輸送、貯蔵するプロセスでは、多額のコストがかかり、例えば、水素自動車についても、燃料はガソリンとは比較にならない金額になるとのこと。現在はガソリンと同様の値段(1,100円/㎏)としていますが、これは企業の赤字によって賄われているとのことです(因みに、通常の水素自動車では5㎏まで充填でき、カタログ上は650㎞程度走れるとのこと)。 第二が環境への影響です。水素自体はCO2を排出せず環境にも優しいのですが、水素を製造する過程においては、大量のエネルギーを必要とし、それは石炭によって賄われています。これまで副製品として発生した水素の余剰分は大気放出をしていたとのことで、その分のメリットはあるのですが、水素自体が本当に優しいのかは疑問があると思います。 インフラの問題もあります。水素の運搬について、今後普及させるためにはパイプラインの敷設も必要ですが、そのための技術や法整備も確立していません。 練馬での水素利活用に関しては、区内には水素を生産している事業所、工場は存在せず、区内(谷原)の水素ステーションでは、埼玉県の東京ガスの工場から毎回輸送しているものです。 水素の利活用、様々なメリットはあるものの、練馬区での今後の展開については解決すべき点も多いことも改めて勉強になりました。

北海道七飯町の認定子ども園について 文教児童青少年委員会視察報告③

視察の最終日、函館市に隣接する七飯町の認定子ども園「どんぐり」を視察。同町は函館のベッドタウンとしても機能しており、人口は28,000人、そのうち就学前児童は1,200人程度です。 同町の子育て施策の特徴には、18歳まで医療費無料、出産の際に米3.5㎏の贈呈、学童保育クラブ保育料補助(月2,000円)、交通費補助(実費の半額)などがあります。 視察した認定子ども園「どんぐり」は、木育、食育、自然教育を掲げていて、園の建物にたくさんの木を用いることをはじめ、日々の畑体験、旬の食材の利用、など自然との関わりを重視しており、メディアや論文等でも取り上げられています。 実際の園の印象として、決して広いということはありませんでした。 しかし、建物に入った瞬間に木の香りが漂うほど、ふんだんに木材を使っていて、椅子や机も近くで採れた木が使用されているという徹底ぶりでした。また、園庭では子ども達がちょうど、Halloweenのために本物のかぼちゃを使ったジャックランタンを作っていて、こちらも近くの農家から寄付いただいたとのこと。庭の端ではシイタケの栽培もしており、どうやったら大きく育てられるか、子ども達から説明してもらいました。実はシイタケが大の苦手、子ども達に「シイタケ美味しいよね!!」と聞かれて、「う。。。」と固まる私。。。 たくさんの自然に囲まれて生活している姿、羨ましいなと思うとともに、練馬でも、例え土地は少なくても、園の工夫や努力によって、こうした運営も可能であるという事はとても参考になりました。

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