不登校について
文部科学省の調査によると、不登校の小中学生は前年度より7,000人多い12万人に達した。
内訳を見ると、中学生では約95,000人で、1クラスに一人は不登校の生徒がいるとのこと。全国には400のフリースクールがあり、文科省は今年から支援策の検討に乗り出すとのことである。
私の周囲にも、学校でいじめ等にあい、フリースクールに通っていた人も多い。
その後大学院に進学した人や公務員になった人、会社を起ち上げた人、保育士になった人など様々な分野で活躍している。その人達が口々にいうのが「あのとき、自分のペースで悩んだり、ゆっくりしたりできたからこそ、今の自分に繋がっている。」
いじめによる自殺も相次ぐ中で、必ずしも学校で学ぶことだけでなく、いくつかの選択肢があっても良いのではないかと思う。
日本における女性の地位
世界各国の男女平等の度合いを指数化した世界経済フォーラムの2014年版「男女格差指数」で、日本は調査対象142カ国のうち104位だった。
日本は女性の労働参加率などが少なく経済分野では102位、政治も議員の少なさが響いて129位だった。教育は93位。識字率と中等教育が世界1位と評価される一方、大学以上への進学が105位にとどまっている。
アジアでは、フィリピンが最も高く9位、その他には中国が87位、韓国は117位となっている。
先日、バラエティ番組でマツコデラックスが日本の男女格差問題について、「男の世界に合わせられる女の人じゃないと平等になれない」と指摘し、「女性が男性に合わせることなくいられることが本当の男女平等」と訴えた。マツコデラックスが言わんとする「男」とは、恐らくプライベートライフも無く、身を粉にして仕事する人を指している。そういった男性は必ずしもハッピーとはとてもいえない。
女性の登用にあたってこれまでと同じ働き方を求めるのであれば、根本的な問題は解決されないと思う。特に経済や政治の分野で女性の活躍を後押しするには、男女ともに働き方を変え、職場での評価の在り方についても再構築する必要があるのではないか。
今日の新聞記事
今日の新聞。
妊娠した女性が勤務先で受けた降格処分について、最高裁が「原則違法」の判断を下した。高裁への差し戻しとなり、女性が逆転勝訴する公算が大きいとのこと。
男女雇用機会均等法が2006年に改正され、出産や育児を理由とした女性への「不利益な扱い」が禁じられている。しかし、日本では「妊娠によって他の人と同じように働けないのであれば、迷惑だから辞めてほしい」という風潮が今でも残っている。
友人にも妊娠を理由に職場に居辛くなった人もいる。連合の調査によると、働く女性の4人に一人がマタハラ被害を受けた、周囲に被害者がいる、とのこと。また、世界経済フォーラムの「国際男女格差レポート2013」では、日本は136か国中、105位の圧倒的な後進国となっている。
こうしたことが起こる背景の一つにはジェンダー差別以外にも、ワークライフバランスの概念がまだまだ浸透していない事があるのではないかと思う。外国の友人に言われたのが、「ライフのためにワークがあるのに、日本ではワークのためにライフを捧げている」ということ。男女ともに働き方を変えていく必要がある。
産後のケア
産後ケアについて、新聞で取り上げられていた。
産後の女性が誰から支援を受けているか、2011年の調査によると、70%が親とのこと。
そして夫と答えたのが25%、さらに誰もいないというのが3%だった。
70%が親に頼らざるを得ないという現状。
少子高齢化対策の必要性がずっと言われているが、実際には子どもを産み育てることが、女性やご両親(主に母)の多大な負担によって成り立っているということを端的に示している。
全国に存在する宿泊型の産後ケアサービス施設は全国でもまだ100施設。施設の経営や人材確保が難しく普及に至らないとのこと。これこそ、行政が積極的に支援を行うべきではないか。
LGBTについて
今日の新聞、バチカンが同性愛者を排除せず、受け入れるべきとの見解を打ち出した。
画期的なニュース。
アルゼンチンに住むLGBTの友人から連絡が来た。「ようやく、胸を張って歩ける。」
ラテンアメリカでは人口の大半がカトリック。そして、カトリックの教義を背景に、男は常に男でなければならない、そんな価値観が強く根付いている。
「Los hombres no lloran (男は決っして泣いてはいけない)。」これが、男の子への最初の教育だ。
そんな中、LGBTの方の多くは、カミングアウトすることができず、苦しんでいる。ラテンアメリカでの一番の侮辱語、それは「オカマ野郎!」である。そんな中で、カトリックの総本山、バチカンが同性愛を排除しないと打ち出したこと、あまりにも遅いが、それでも重要な前進だ。
翻って日本。LGBTへの理解が進んでいるとはとても言えない。
テレビでは、たくさんのLGBTの方が芸能人として活躍しているが、どちらかというと、笑いの対象として捉えられることが多く、正面からLGBTについて議論されることは少ない。私の友人にもLGBTの方は多いが、多くは会社で勤め続けるために、LGBTであることを隠している。
こんな状況を改善するには、何よりも理解を深めることが重要であり、そのためにこそ地域から声をあげていきたい。
妻の出産
出産から3週間、おかげさまで妻の体調も回復してきました。
妻は比較的安産だったからまだよいものの、難産や帝王切開で、しかも夫や家族のサポートが無い女性はいったいどうやって体を回復させるのだろう?と疑問。
傷口の痛みや出血がまだまだ続くなか、産後数週間は布団の上げ下ろしもしてはいけないはず。しかし、母親は産んだその日から恒常的な睡眠不足の始まり。
深夜も1時間おきの授乳の上、夫や上の子の世話までしたら、気が狂うのでは?そこで最近知ったのは産後院。長くて数週間入院でき、産後の体の回復をサポートし新生児の世話だけに専念できるようにする専門施設。韓国ではそれが一般的らしいが、日本では珍しい。
世田谷区などが助成しているがとても混んでいて抽選だそうだ。練馬区でもそういった態勢を整えることを決意した。
出生届け
剛朗の出生届けを出した。
道すがら、妻と彼女の職業・研究上の専門である無国籍問題について話す。
世界で毎年生まれる子どものうち5000万人が出生登録がなされていないとのこと。
日本に住む移住労働者や難民の人々のなかにも、送還や迫害の恐れ等で日本の市役所にも自国の大使館にも子どもの出生届けが出せていない人々や、出産費用の未払い等で病院からの出生証明書が貰えない人々等が、何千人という単位でいるそうだ。
出生登録が国籍の取得の要件となっている上に厳しい期限がある国ではその子はずっと無国籍となってしまう。また登録が国籍取得の要件になっていない国でも、血統や出生地等、国籍を取得する要件を満たしているかどうかが証明できないことで、無国籍となるリスクがありうる。
無国籍だとこの世に存在するけど存在しない、私たちが当たり前と思っている人間として最低限の権利も行使できないというような事態が発生してしまうのだ。すやすや眠る「日本国籍の」息子を見ながら、無国籍が少しでも減るようにぜひ練馬からも取り組みたいと思った。