文教児童青少年委員会報告 光が丘第四中学校の閉校案について
本日の委員会では、光が丘四中の閉校を含む今後の対応方針(案)に関連して、11月4日、6日に行われた保護者および地域説明会の結果と今後の予定が報告されました。
11月の説明会、私も参加しましたが、出された意見はほぼすべて閉校に反対するものでした。
委員会では、保護者の方や地域の方、そして在校生の多くが反対している中で、強引に閉校を進めるのではなく、今後の対応方針(案)を白紙撤回すべきと改めて訴えました。
練馬区はこれまで、委員会の中でも、閉校を含めた今後の対応方針(案)について、保護者や地域の理解を得られるよう努力すると言い続けてきました。
そこでまず、これまでの説明で、練馬区として保護者や地域の方の理解が得られたと考えているのか、その認識を問いました。
練馬区の回答は、反対の方もいらっしゃるが、我々(教育委員会)の話を聞いてご理解いただいた方もいたのでそういったことも含めて進めていきたいとのことでした。
しかし、光四中のPTAは先日、役員の方が連名で四中の存続を求める要望を提出しています。保護者の代表であるPTAが連名でこうした要望を出したことはこれまでほとんどなく、それだけ強い意志をもってメッセージを出したことは非常に重いものです。
他の委員の指摘にもありましたが、文部科学省が平成25年に示した「公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引」の中でも、「学校の適正化については、行政が一方的に進める性格のものでないことは言うまでもありません。…(中略)学校が持つ多様な機能にも留意し、学校教育の直接の受益者である児童生徒の保護者や将来の受益者である就学前の子供の保護者の声を重視しつつ、地域住民の十分な理解と協力を得るなど「地域とともにある学校づくり」の視点を踏まえた丁寧な議論を行うことが望まれます。」と明記しています。
こうした国の手引きがあるにもかかわらず、PTAをはじめとする保護者や地域の方の意向をすべて無視して強引に進めることは手続きとしてあり得ないものです。
こうした意見に対して、教育委員会は当初、速やかに閉校を考えていたが、今の在校生からは卒業したいとの意見があったので、意見を聞いて平成30年度まで延長した。閉校については、全体の教育行政をふまえつつ進めていく、という答えでした。
しかし、説明会に参加した方のほとんどは存続を求めており、閉校の時期を延ばすことのみを求めているわけではありません。
続けて、これまでの取組についても質問しました。練馬区はこれまで、四中が「過小規模」となるのを防ぐために、あらゆる手段を講じたとして、その代表的な例として、学力支援講師の配置をあげていました。そこで、昨年度の配置を確認したところ、学校の申請に応じて昨年度2名を配置したとのことです。しかし、それは、光四中に限った話ではなく、小規模校に対する支援策の一環として行っており、他校でも同様の支援が行われているとのこと。つまり、光四中を存続させるために特別な努力を果たしたのか、という点では極めて不十分です。
これほど多くの問題がある中で、12月には対応方針(案)を教育委員会の中で確定し、さらに具体的な「(仮称)光が丘第四中学校地区における区立小中学校適正配置実施計画」(素案)を策定することが本日報告されました。さらに、次回の住民の方への説明会は、この実施計画(素案)の完成後ともされており、それも問題です。
あまりにも乱暴な進め方であり、白紙撤回を行うべきだという主張を今後も続けていきます。
地域でのTPP勉強会の実施
<地域でのTPP勉強会の実施>
本日、地域でのTPP勉強会を行いました。
今週は区政報告会(いわせてカフェ)を二回開催していて、今回が3つ目のイベント。イベントが続いて多くの方には来ていただけないかなと思っていたのですが、蓋を開けてみると初めての方も含めて15名もの方が…嬉しく感じるとともに改めてこの問題に対する関心の高さを感じました。
勉強会、スピーカーをTPPの問題点を訴えている方々にお願いして、皆さんでTPPの課題や現在の状況、TPPが実現したら私たちの生活にどのような影響があるのかなどを話し合いました。
TPPは合計で8,000ページ以上に及ぶにもかかわらず、公に邦訳されたのは2000ページ程度のみ、また、途中経過については機密に関わるとしてほとんど公開されていない中、私たち市民にとってわかりづらい内容になっています。
そこでまず、TPPに関する動画を見て、その後、「TPPテキスト分析チーム」が作成した「そうだったのかTPP24のギモン」を使って皆さんでそれぞれ疑問や意見を共有する形で進めました。(こちらダウンロードも可能です。)
会では、ISD(投資家対国家紛争解決)条項が含まれることで国の主権すらも脅かされる、医療制度が変わり、安価な医薬品が手に入りにくくなる、遺伝子組み換え作物の輸入が大幅に増える、などなど、事例を見ながら丁寧に説明して頂いたおかげで、どれだけTPPが私たちの生活にひどい影響をもたらしうるのか、理解することができました。
また、今後の話として、アメリカがTPP交渉から脱退して、条約が無効になったとしても、国際的な大企業の利益を追求するため、違う形で実現する恐れもあるとのこと。参加者からの意見でもありましたが、まずはTPPの課題を私たち一人ひとりがもっと知っていくことが一番大切だと思います。そして、食料品や医療品、労働環境の他、公共事業の発注などを含めて、地方議会にも大きな影響があります。だからこそ、こうした勉強会を今後も続けるとともに、練馬区議会でもTPPやそれに類する条約に対して、その内容に対してしっかりと反対しなければと改めて思いました。
東京シューレでの授業
先日、「東京シューレ(NPO法人)」で16歳から17歳の子どもたち、約20人を対象にレクチャーをしました。東京シューレは不登校のこどもたちの居場所・学びの場として草分け的な役割を果たしており、妻も中学の頃からお世話になっていました。昔はフリースクールとしての場が主でしたが、今は高校卒業資格もとれるコースもあります。
担当したのは、月に二回ほど行われているスクーリングの授業、今回は「現代社会」において若者の政治参加について2時限(100分間)を使ってお話するものでした。大学では何度も講義をさせていただいていましたが、高校生を相手にするのは初めて。どのようにお話すればいいのか、すごく迷いました。
最終的には、自分が16歳だった頃に知っておきたかったこと、特に、政治は私たちの生活すべてに密接にかかわっていること、そして、一人ひとりが声をあげることで実際に社会は変わるということ、を自分の経験を含めて率直にお話することにしました。そして、私が話すだけでなく、皆さんが、現在、社会や政治に対してどんな思いを持っていて、何を変えたいと思っているか、話し合うことにしました。
授業の中で出てきた意見、印象的でした。「故郷の八丈島で人がどんどん少なくなっていて、生活が成り立たなくなっている。素晴らしい海や浜辺もあるのだから、観光に力を入れて皆にもっと島に来てほしい。」という意見から、「バイト先で、若いからという理由で仕事を教えてもらえず、さらに仕事ができないと言われて不当な扱いを受ける」という話、「捨て犬や捨て猫を殺すのではなく、生き物としてもっと大切に扱うべき」「今のマスコミは情報を一面的にしか伝えていない」「2千円札をもっとつかえるようにしてほしい」「震災に備えてもっと公衆電話を増やすべき」「自転車専用道をもっと作るべき」などなど。こうした問題をどうやって政治を通して解決できるのかを話しましたが、意見の瑞々しさ、そしてその奥にある優しさに驚かされるとともに、それぞれが深く社会を見ていることに感銘を受けました。
授業には、東京だけでなく、千葉などからも通っていて、一番遠い方は宇都宮からわざわざこの授業を聞くために来てくださったとのこと、授業を通じて皆さんからも力を頂くことができる、素晴らしい経験でした。
区政報告会(いわせてカフェ)の実施
先日、地域で議会ごとに恒例となっている「いわせてカフェ」を行いました。このカフェ、皆さんとお茶を飲みながら、地域のことや気になっていることをゆっくりお話するというものです。
先日のカフェ、急なお知らせだったにも関わらず16名もの方にご参加いただきました。最初に、先日終わった第三回定例会のことや、現在、説明会も行われている公共施設等相互区管理計画のことなどをご報告し、その後、皆さんから自己紹介とともに、地域のことや気になっていることをお話いただきました。
皆さんとのお話、公共施設等総合管理計画によって子どもの環境が悪化してしまうのではといった話題から、トランプ大統領によって今後世界はどうなってしまうのかといった国際的な話まで、どんどん広がっていきます。そのほか、現在、大江戸線延伸に先立って建設されている230号線の予定地に住んでいるので立ち退かなければいけない、というお話や、関越高架下の「再開発」の予定地近くに住んでいるが、土日も含めて騒音や振動がひどくて、ゆっくり休むこともできないといった切実なお話も伺うことができました。
こうしてカフェ形式でお話を伺うことで、地域の中で今、何が起こっていてどんな問題があるかなどを具体的に知るとともに、それを宿題として頂くこともでき、非常に勉強になっています。次回は17日、木曜日の午後に事務所で開催する予定です。皆さんもぜひご参加ください!!
市民の声ねりま 秋の旅行
11月7日から8日にかけて市民の声ねりまの皆さんと旅行に行ってきました。毎年ほぼ恒例となっているこの旅行、今回が9回目になります。「旅行」といっても、私たち市民の声ねりまが主催しているので、ただの観光ではありません。去年は日帰りで田中正造を巡る旅、今年は群馬県の八ッ場ダム建設予定地、ハンセン病の方を対象とした懲罰施設、重監房資料館等を巡りました。
今回の旅行で最も印象に残ったのは栗生楽泉園に併設された重監房資料館でした。重監房とは、1930年代から40年代にハンセン病の方で特に“罪を犯したといわれる方”を強制的に収容した施設です。しかし、この”罪”ですが、裁判も行われずに決定されていたとのこと。重監房の様子も再現されていたのですが、わずか4畳半、光はほとんどささず日中でも真っ暗。さらに、食事も1日二度で内容もほとんどなし。冬もコンクリートの打ちっぱなしの上で生活していたので布団も凍ってしまうほど。この中で長い方は500日も収容され、多くの方が亡くなったそうです。
ハンセン病の方に対しては、感染力が極めて弱い病気であったにもかかわらず、日本では、1996年にらい予防法が廃止されるまで一貫して絶対的終身強制隔離・患者絶滅政策がとられました。こうした施設に強制的に入所させられた方は、名前を変えさせられて、そして、そこから出ることなく人生を終えた方も多かったとのことです。
バスの中で、ハンセン病の患者で詩人でもあった桜井哲夫を扱ったNHKドキュメンタリー、「津軽・故郷の光の中へ」を見ましたが、彼の強さ、優しさに感動するとともに、15歳で家族から引き離され60年以上家族に会うことも叶わなかったということに衝撃を受けました。
現在でも多くの差別や偏見に晒されており、数年前にはハンセン病の方の宿泊をホテルが拒否したという事件もあったとのことです。草津から数十分のところにある重監房資料館、ぜひ多くの方に訪問して頂きたいと思います。
そして、夜は懇親会。私も司会をさせて頂いて、皆さんに、少し早いですが、今年の漢字を一字ずつで表現してもらいました。「民」「聞」「怒」、いつもお世話になっている皆さんとこうして旅行をすることで、皆さんともっと親しくなることもでき、また、自分の知らなかったことに学ぶこともでき有意義な時間を過ごすことができました。
清掃・エネルギー等特別委員会の視察② 山口県宇部市のごみ軽量化・リサイクルの取組について
委員会視察の2日目、宇部市でのゴミ軽量化・リサイクルの取組について視察を行いました。同市の取組で印象的だったのが、生ごみを削減するための段ボールコンポストの活用と、食品ロス(フードロス)を削減するための普及活動「やまぐち食べきっちょる運動」でした。
まず、段ボールコンポストについて、こちらは可燃ごみの削減を推進するため、環境負荷が少なく、安価で家庭でも取り組みやすいメリットがあるということで、平成23年から導入促進のための支援や普及活動を行っています。この段ボールコンポスト、厚めの段ボールにピートモス、もみ殻くん炭などをいれ、そこに生ごみを入れてかき混ぜることでたい肥にする仕組みとのこと。
費用の一部を市が助成しており、価格は500円から1000円程度。一つのコンポストで約4か月使用でき、昨年度の販売実績は533個とのことでした。
続いて「やまぐち食べきっちょる運動」、こちらは山口県全体の取組で、食品ロスを減少させるための取組を行っているホテル、レストラン等を協力店として認定し周知するものです。宇部市ではこれまでに32店舗を認定したとのことです。
どちらも練馬区で行われておらず、興味深い試みでしたが、一方で課題も感じました。
段ボールコンポストについて、市の説明でもありましたが、なかなか普及が進んでおらず、昨年度の販売量は前年を大きく下回っています。これは、コンポストで虫が湧いてしまうといったことや段ボールが傷んでしまうという問題の他、市民の方への周知が進んでいないことが大きな原因とのことでした。たべきっちょる運動についても、市民への周知が十分ではなく、協力店舗もまだまだ限定的とのことでした。ほかにも、エコショップ協力店認定制度などもありますが、こちらも平成19年以降、認定件数はゼロが続いています。
全体的な印象として、行政として様々な意欲的な取組を行っているものの、市民や事業者への理解、周知が十分に進んでいないと感じました。
練馬区でも食品ロスは大きな課題であり、これらの制度の導入もぜひ検討すべきだと思いますが、導入に際しては行政が主導するのではなく、住民の方々が積極的に参加でき、それを行政がサポートするような方法を考えることが必要だと改めて感じました。
今回の視察、二日間で水素利活用とごみ減量化・リサイクルの取組について山口県の二市で学びましたが、どちらも練馬とは異なった取組、考え方も多く勉強になりました。視察で学んだ内容を練馬でも活かせるよう、しっかりと取り組んでいきたいと思います。
清掃・エネルギー等特別委員会の視察 山口県周南市の水素利活用について
11月8日から2日間、清掃・エネルギー等特別委員会の視察に参加しています。初日の今日は山口県の周南市で水素利活用の取組について視察を行いました。
同市の最大の特徴の一つは、国内で発生する水素の約4.3%を同市で生産していることです。これは、市内のコンビナートで苛性ソーダを製造する際の副製品として水素が発生するためで、同市の生産量は国内有数となっています。
この特性を活かし、同市は平成27年4月に「周南市水素利活用計画」を策定し、全国に先駆けて、水素利活用の促進に向けた環境整備に取り組んでいます。具体的な取組として、水素自動車のための水素ステーションの整備や水素型燃料電池システムの実証などがあります。
水素は人体には無害で、利用段階でCO2を排出せず、環境に優しいエネルギーと言われており、練馬区でも水素自動車のための水素ステーションが存在するほか、区でも水素自動車2台を導入しています。私自身、先行事例として周南市の取組に興味を持っていました。
本日は市の担当の方から説明を伺い、水素ステーションと水素を活用して電力供給を行っている地方卸売市場も見学しました。周南市の取組、液体水素の活用など勉強になる部分も非常に多かったですが、練馬区での水素利活用の推進には多くの課題もあるということも感じました。
第一がコストの課題です。水素自体は他の製品を製造する際に発生する副製品なので無料ですが、それを圧縮、輸送、貯蔵するプロセスでは、多額のコストがかかり、例えば、水素自動車についても、燃料はガソリンとは比較にならない金額になるとのこと。現在はガソリンと同様の値段(1,100円/㎏)としていますが、これは企業の赤字によって賄われているとのことです(因みに、通常の水素自動車では5㎏まで充填でき、カタログ上は650㎞程度走れるとのこと)。
第二が環境への影響です。水素自体はCO2を排出せず環境にも優しいのですが、水素を製造する過程においては、大量のエネルギーを必要とし、それは石炭によって賄われています。これまで副製品として発生した水素の余剰分は大気放出をしていたとのことで、その分のメリットはあるのですが、水素自体が本当に優しいのかは疑問があると思います。
インフラの問題もあります。水素の運搬について、今後普及させるためにはパイプラインの敷設も必要ですが、そのための技術や法整備も確立していません。
練馬での水素利活用に関しては、区内には水素を生産している事業所、工場は存在せず、区内(谷原)の水素ステーションでは、埼玉県の東京ガスの工場から毎回輸送しているものです。
水素の利活用、様々なメリットはあるものの、練馬区での今後の展開については解決すべき点も多いことも改めて勉強になりました。