ヘイトスピーチ

<一般質問の報告④ 練馬区は多様性を尊重するというけれど、それは本気なのか? 区でもヘイトスピーチを規制する条例や方針を!>

練馬区に住む外国籍住民の数、4月に初めて20,000人を超えました。わずか5年で5割以上も増加したことになります。そんな中、練馬区でも外国籍住民に対する差別、排斥などヘイトスピーチも増加しています。政治活動を理由にしながら、在日の方への憎悪的な偏見を煽る候補者がいたり、朝鮮高校無償化を求める最中に生徒に向かって聞くに堪えないヤジを飛ばす者がいたり。 私が訴え続けてきたのは「マイノリティが住みやすい社会は誰にとっても住みやすい社会」。 今回の一般質問では練馬区でのヘイトスピーチ規制について改めて取り上げました。 ●今回の主な訴え 1.東京都でもヘイトを防止する条例ができたのだから、少なくとも都の基準にあわせて公の施設の利用制限などをすべき! 2.練馬区でもヘイトスピーチに対する方針や基準、条令等を策定すべき! <ここから> これまでに何度もヘイトスピーチを防止するために公共施設の利用禁止も含めた積極的な防止対策をとるべき、と訴えてきました。練馬区は「法律に罰則規定が設けられていないため、直接的な禁止対策(防止)は現時点では考えていません。」と答えてきました。 東京都は昨年、「東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例」を策定しました。この条例は、本邦外出身者に対する差別の解消のために「防止」策も盛り込んでいます。中身では「公の施設の利用制限について基準を定める」ことと「差別的な表現の内容の拡散を防止するために必要な措置を講ずる」ことを示しています。 <質問①> 練馬区はこれまでの回答でも、ヘイトスピーチに対して「直接的な禁止対策は現時点では考えていない」ものの「都の条例を注視し、対応していく」とのことでした。都で条例ができたのですから、少なくとも、都の基準に合わせて区の施設の利用制限や差別的表現の拡散を防止するための措置を講ずるべきです。 <区の回答> 区の施設は利用の条例、規則などに基づいて利用の可否を判断しています。支障が生じた時にはその場での注意喚起を行うとともに場合によっては次回の利用をご遠慮いただくなどの対応を行っています。 <質問②> 国や都の取組も大きく進む中で、地域でも、ヘイトスピーチに対する方針や基準、条令等を策定すべきです。 <区の回答> 東京都や他自治体の対応について注視し、研究を進めますが現時点で施設の利用制限の基準やヘイトスピーチに対する条例、基準、方針を作ることは考えていません。 <岩瀬の考え> 練馬区でも研究は続けるけど、ヘイトスピーチを規制する条例などを作る予定はない、対応もこれまで通りです、とのことでした。そんな回答で本当にいいのでしょうか?川崎ではヘイトスピーチに対する罰則規定も盛り込んだ条例を作成するとしています。東京都ですらヘイト団体への公共施設の貸し出しを禁止する条例を作ったのに、なぜ23区で二番目に人口が多く、外国籍住民も数多く暮らす練馬区では対応をしないのでしょうか。「多様性や一人ひとりのあり方を尊重する」というのであれば態度で示すべきです。今後も繰り返し訴えます。

<壁にぶつかったとき、みなさんはどうしますか?>

選挙後初めての議会が終わりました。 今回もいくつもの壁にぶち当たりました…。 同性パートナー制度もダメ、ヘイトスピーチを規制するための条例もダメ、中学校の標準服で女子生徒もスラックスを自由に選べるようにすべき、という訴えもダメ。社会は大きく変わって、他の自治体では当たり前のように認められているのに、練馬区だけ鎖国してるんじゃないか、そんな無力感を感じることもあります。 皆さんは、大きな壁があると感じた時やストレスを感じた時、どうしますか? 私がやること、一つはジムで筋トレ。10年以上続けています。ロッキーのテーマ曲とか聴きながらひたすらベンチプレスや懸垂。すると、いつの間にか「あきらめないぞ!」とポジティブな気持ちに。ストレスが溜まるほど重いバーベルを挙げられるという嬉しくない(?)特技を持つようになりました☺。そしてもう一つが本。今読んでいるのは「正義とは何か」(神島裕子)、「幸福とは何か」(長谷川宏)。タイトルを見るだけで、私が今何を必要としているかわかるとても単純なもの☺。。。。皆さんも何をするか教えてくださいね!

アメイジンググレイスと練馬区の差別について

土曜日の今日、光が丘の清掃工場の建て替えに関する地域説明会に参加した後、いつも通っている地元の大泉教会での「春をよぶコンサート」に参加しました。こちらのコンサート、地元の合唱グループが普段の練習の成果を披露するもので、大泉教会の「讃美歌歌い隊」、東大泉の「みどり広場」を守る会の「はらっぱ音楽隊」、そして施設、病院、作業所などで活動している「にしきみ音楽グループ」が参加しました。 私の大好きな「世界に告げよ」や、中学生の頃歌った「大地讃頌」「小さな木の実」など、聞いたことや歌ったことがある曲ばかり。一緒に歌ったり、踊ったり(?)、とても楽しませていただきました。そのなかで、印象的だったのが「アメイジンググレイス」。 この曲の作詞者、もともとは奴隷貿易に携わっていたのですが、改心して牧師となり、その時の悔恨とそれを許してくれた神の愛への感謝が歌詞になっています。私も家族も大好きで結婚式でも家族で一緒に演奏(皆がかろうじてできる楽器を演奏したのですが、謙遜なしに下手くそでした、笑)をしました。 最近ではオバマ前大統領が、黒人の方が多く通う教会で発生した、無差別銃乱射事件の犠牲者に捧げ、そして人々の団結を訴えるために自ら歌っています。 (http://www.huffingtonpost.jp/2015/06/28/obama-lead-a-powerful-rendition-of-amazing-grace-_n_7684010.html) 大統領が人種間の和解や多様性の尊重を訴えたわずか半年後、人々の憎悪や怒りをあおることでトランプ政権が誕生してしまいました。就任後、わずか数時間でホワイトハウスの性的マイノリティに関わる記述が全て削除され、スペイン語のサイトも消されてしまいました。難民の受入をすべて停止するとも宣言しています。壁を建設してもビザ発行を停止しても、国を出ざるを得ない状況にある人たちは止められず、費用対効果は少ないばかりかかえって危険な状態をつくりだします。一方で、世界で100万人以上の女性がトランプ大統領のこうしたやり方に反対の声をあげたこと(Women's March)、まだ希望もあると思います。 その後、練馬区の部落解放同盟の旗開きに参加しました。旗開きでは区内のヘイトスピーチや差別的な落書きの事も話題に。昨年来、区内における差別的な落書きは大幅な増加を見せています。先日調べたところ、平成28年度に発見された公共施設への差別的な落書きは合計で14件でしたが、今年度は12月の時点ですでに17件。内容も外国人、そして部落差別を扇動する悪質なものが多く見つかってします。特に、沖縄の高江での機動隊員が「土人」と発言したことを、政府が差別ではないと発表してから、落書きにも「土人」という表現が見られるようになっています。 昨年はヘイトスピーチ対策法や部落差別解消推進法などの法律もできた一方で、理念法であるという課題もあります。これを具体化するのは、まさに地方自治体の仕事であり、これからも条例の制定を含めた具体的な対策を求めて議会でも訴えていきたいと思います。

トランプ大統領就任演説に思うこと 練馬区で私たちにできることは?

トランプ大統領の就任演説、英文の原稿を読みました。 大統領の就任演説、それぞれの個性や思いが込められていて、ブッシュ大統領の時以来、毎回チェックしていました。 最初の印象は、随分短いな…というもの。調べてみると彼の演説は合計で1466語で、近年の大統領の中では最も短く、直近の大統領では1977年のジミーカーター(1229文字)以来となります。ちなみにオバマ大統領の演説は2,406文字でした。 そして内容も、”Make America great again!” 「アメリカを再び偉大にする!」、”it’s going to be only America first”「アメリカだけを第一とする!」といった扇動的で短い言葉が並んでいます。今までの政治家の在り方に辟易した人々に訴えているのでしょうが、選挙キャンペーンが終わっても、まだこれか・・・とがっかりでした。 今回トランプ大統領が所信表明演説で歴代大統領としては、初めて用いた言葉のリストを見ましたが”disagreement(不一致)”, “disrepair(荒廃・破滅)” “sad(悲しみ)” “tombstones(墓石)” などの言葉が並んでおり、ここにもアメリカの分断を象徴しているのではないでしょうか?http://www.dailywire.com/news/12622/how-does-trumps-inaugural-speech-stack-numbers-aaron-bandler) こうした言動に対して、アメリカに住む友人は「トランプはいままで公にいう事が恥ずかしいとされてきた差別的な表現をあえて多用することで、それを言ってもよいのだというライセンスを人々に与え、憎悪や分断を高めている」と嘆いています。 しかし、こういった大統領が勝ってしまう状況があるのは動かせない事実。トランプが勝つなんてジョークだと言って真剣に取り合わなかった民主党やリベラル派(私たちも含め)の訴え方や行動にも、十分責任はあり、それに向き合って正すべきところは正さないといけないと思います。 また、大統領が就任して1時間後にはホワイトハウスのウェブサイトから性的マイノリティの人権に関するページが全て抹消されました。http://www.huffingtonpost.jp/techcrunch-japan/web_lgbt_whitehouse_b_14325296.html?utm_hp_ref=japan 他者や異なるものへの不寛容がアメリカをはじめ、世界に広がりを見せる中で、ここ練馬区においても昨年来、外国人の方に対する差別的な落書きが急増しています。 こうした中だからこそ、レディーガガが訴えた言葉、”Love trumps hate!”(日本のマスコミは“トランプ大嫌い!”と誤訳したようですが…”愛は憎しみを打ち負かす”という昔からあるイディオムです)のように、異なるものへの理解と寛容こそが社会の発展につながると信じて、地域における性的マイノリティや外国人の人権保障を含め私自身ができることを続けていかなければと改めて思いました。

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