一般質問

関越自動車道 高架下の高齢者センターについて

先日の議会で、「練馬区立高齢者センター条例の一部を改正する条例」が可決されました。 この条例によって、多くの近隣住民が反対してきた高架下での高齢者センターの設置が決定しました。 この間何度も訴えてきましたが、高架下の開発には多くの問題があります。議会で沿道住民の方の声を代弁すべく、反対討論を行いました。 その抜粋を記載いたします。 「関越自動車道の高架下の「活用」に関する考え方が初めて近隣住民に示されたのは2011年のことでした。 この5年間、地域住民の行政に対する多くの不安や嘆き、不信や憤りが解消することはなく、こうした声に行政が応えることもありませんでした。そして、この高架下の「活用」によって、地域の物理的な分断が進むだけでなく、住民の間にも大きな心理的な亀裂が生まれてしまいました。 昨年12月、建築審査会で近隣住民の代表はこう言っています。 「高架下に建物ができたら、家の前は一面壁で覆われてしまいます。壁ができれば、通行車両の排気ガスは低地になっている私たちの家の方に滞留します。空間を確保しているから通風に配慮している、それは現場を知らない机上の空論にすぎません。いくら区民のための「高齢者センター」だからといって、側道沿いに長く生活している私たち弱者、高齢者はどうなってしまうのでしょうか?」 近隣住民の心からの訴えです。しかし、練馬区はこうした声に耳を傾ける代わりに、施設の早急な整備へと頑なに突き進んできました。そして、これを止めるため、近隣住民は大変な犠牲とともに、訴訟を起こすことをも余儀なくされました 住民の心配が現実のものとなり、施設の建設によって景観のみならず、風通しや騒音など、多くの点で周辺環境は悪化しようとしています。 工事を担当している建設会社についても、近隣住民への説明や協力の要請は極めて不十分でした。特に危険への対処は、安易で局所的ともいえるもので、根本的な解決には至っていません。住民の不安が現実になる形で、3月には工事個所の近くで乗用車同士の事故も発生しています。 近隣住民の声に、現在に至るまで全く応えてこなかった、行政の責任は重いものです。 そして、高架下活用によって地域は分断されてしまいました。 そもそも関越自動車道が高架になったのも、地域の分断を避けることが目的だったとも言われています。しかし、高齢者センターをはじめとする施設が高架下に建設されることで、文字通り大きな壁ができ、地域は物理的に分断されようとしています。高架下の「活用」、地域の長い歴史をないがしろにするものです。 そして、近隣住民の間にも大きな心理的な「亀裂」を生み出しています。説明会でも、練馬区の担当者が説明する横で、同じ地域に住む賛成、反対の住民の間で怒号が飛び交う、そうした状況を目の当たりにしてきました。高齢者施設が完成し、担当の職員は異動しても、住民の方々の生活は続きます。 当初の計画に固執し、開発を強行したことによって住民の間に今後も続くであろう大きな亀裂を残してしまった行政の責任は非常に重いものです。 大泉地域での高齢者センターは住民にとって待望の施設ではあります。しかし、それは、暗くて安全性にも問題のある、そして住民の方の合意が得られない高架下ではなく、日が十分に注ぎ、安全で周辺住民の合意が得られる適地にあるべきでした。 今回の条例案に、近隣住民の思いを代弁して、強い警告と異議を唱えて反対の立場から討論を終わります。」 条例は可決してしまいましたが、工事の中で、また、実際の運営の中で、住民の方々が犠牲となることのないよう、今後もしっかりと訴えていきたいと思います。

一般質問のご報告③ 待機児童対策について

先日の一般質問、三番目のテーマとして、練馬区の保育園の待機児童への取組について取り上げました。 練馬区は昨年の段階で今年4月までに新しい基準(新基準)での待機児童をゼロにすることを目標としていたのですが、実際には166名もの方が待機となってしまいました。このことを受け、待機児童となってしまった方への対策や、来年度へ向けた取組について質問しました。 練馬区の回答は待機児童が発生したことについては、自らの責任や原因を認めることなく、国に押し付けるものもあり、不十分なものでした。また、待機児童の範囲についても、費用負担が厳しいことを理由に認証保育所に預けられない方を待機児童から外すなど、決して一人ひとりの事情に寄り添ったものとは言えません。一方で、今後の緊急対策や来年度への取組については、事実上の緊急対策も含んでおり、ある程度前向きな回答だったと思います。 以下が質疑の要旨となります。(正式なものではありませんので、誤りがある可能性もあることをご了解ください。) <質問1> 練馬区は今年の4月までに新基準の待機児童をゼロにすると表明していました。それが実現しなかった原因、責任を明らかにすべきです。 <回答> これまでの三年で、定員枠を都内最大となる二千六百人以上増やしました。加えて、独自の幼保一元化施設である「練馬こども園」を開設し、九百人以上の枠を設定しました。 本来、待機児童対策をはじめとする子育ての支援は、自治体の保育行政だけでなく、育児休業などの労働政策や児童手当などの所得政策などを含めた総合的な政策として国が取り組むべきものです。何故、国を批判するのではなく、微力ながらこれだけ頑張っている練馬区を責められるのか、全く理解出来ません。本末転倒ではないかと思います。 <質問2> 新基準での待機児童は、育休を延長した方、また自宅から2kmの範囲内に認証等の認可外の保育施設に空きがある方を除いたものです。 育児休業を望まない、あるいは取得が困難なために保育所を申し込んだけれど空きがなく、やむを得ず育児休業を取得した方、あるいは、近くに認証保育所は空いているけれど費用負担が大変だから預けられない方も、待機児童として数えられなくなっています。 新基準だけではなく、やむを得ず育児休業を延長した方や費用負担など切迫した理由で認可外施設を選べなかったケースを含め、待機児童解消の取組を進めるべきです。 <回答> 練馬区は待機児童を国の新基準に基づいて算定しています。そもそも待機児童の捉え方について、大都市特有の多様な保育ニーズに応える認可保育所以外の保育施設を、国が認めてこなかったことこそが問題であり、国の新基準は、ようやく実態に追い付いてきたことを示すものと考えます。 <質問3> 練馬区は新基準で待機児童となった166名について、本当に困っているのはフルタイムの方を中心に全体の3分の1程度であるかのように説明しています。しかし、フルタイムでなくても、生活保護を受給中の方、また住民税や所得税が控除されている方、ひとり親の家庭、現在求職中の方もいます。こうした方々は、保育のニーズが低いとは決していえません。だからこそ、一人ひとりのケースを把握して、こうした方々へ保育を提供することは行政の責務です。 練馬区として、緊急対策をさらに実施すべきです。区の見解をお聞かせください。 <回答3> 7月から、小規模保育5ヵ所を皮切りに先行して受け入れを開始しますが、その他の取り組みも環境が整い次第順次実施していきます。 <質問4> 練馬区は「待機児童ゼロ作戦」で初めて、1歳児1年保育を導入し、これにより100名の定員を増やすとしています。この事業は東京都の定期預かり保育を活用するとのことですが、その本来の主旨は、パートタイム勤務や短時間勤務等利用者のために複数月を対象に「一定程度継続的」に対応するというものです。この制度では幼稚園の空き教室も活用するとのことですが、しっかりと質を守ってサービスを提供できるのか、非常に重要です。事業の実施形態、学校施設転用の見通しをお聞かせください。 <回答4> 現在の区立幼稚園の学級編成により未使用の保育室を活用して行うもので、設備・面積や職員配置等の要件を満たし、東京都に届け出した上で実施します。

一般質問の報告① 性的マイノリティの人権保障について

先日の一般質問、主題は「マイノリティの権利保障」でした。 質問では1. 性的マイノリティの権利保障について、2. 外国籍住民の権利保障および多文化共生社会の実現について、3. 待機児童対策について、4. まちづくり(大江戸線延伸)を取り上げました。 本日は、その中で、性的マイノリティの権利保障について抜粋をご報告します。待機児童問題については、区長のひどい答弁もありましたが、性的マイノリティの問題については、具体性の乏しい部分もあるにせよ、全体的にはある程度、前向きな答弁だったと感じています。 特に、教職員向けの性的マイノリティに関する研修プログラムの実施については、学校として組織的に取り組むことを言っており、前進だと思います。また、情報コーナーの設置や交流会についても、前向きな回答でした。 (正式な議事録ではないので一部誤りがある可能性もあることをご了承ください。) <質問1> 各学校には、(カミングアウトが前提とされる)性的マイノリティの児童生徒が在籍していることが明らかな場合にのみ、対応を求めるのではなく、こうした児童生徒が存在することを前提として対応を求めるべきだと考えますが区の認識をお聞かせください。 <区の答弁> 児童生徒が様々な人権課題について学び、人権尊重の精神を生活の中で生かしていくことができるよう、教育活動全体を通して組織的・計画的に人権教育を推進しており、性的マイノリティについても、人権教育の一環として行っています。 <質問2> 学校では「違い」を「個性」と捉え、認め合うべき事を授業等の中で積極的に発信することが必要です。また、図書室や保健室等に、性的マイノリティに関する書籍を置く、ポスターを貼るといったことを通じて、学校として当事者への理解を表明すべきです。この提案に対する区の認識を聞かせてください。 <区の答弁> 学校における啓発の取組やその方法につきましては、各校が自校の実情を踏まえ、児童生徒の発達段階に応じて工夫していきます。 <質問3> 練馬区として、文部科学省が教職員向けに対して発行した性的マイノリティの児童・生徒への配慮を示した手引きに従い、教員研修プログラムを早急に策定すべきだと考えますがプログラム策定に向けた区の考えを聞かせてください。 <答弁> 教育委員会として、この資料を踏まえて、教員研修の計画を立案し、副校長対象の研修会や希望する教員を対象とした人権教育研修会を実施していきます。研修を通して、性的マイノリティに関する理解啓発を促進するとともに、各校における研修の中心的役割を果たす人材を育成し、各校が人権教育担当者や生活指導担当者、養護教諭等を中心に組織的に取り組めるよう、指導してまいります。 <質問4> 相談窓口は、性的マイノリティの方を対象とすることを改めて周知するとともに相談員を対象とした基礎研修の実施、そして、他自治体や支援団体等の相談事例を収集し、相談対応向上のための情報共有を図るべきです。区の所見をお聞かせください。 <答弁> 男女共同参画センターを含めた相談窓口を充実するため、適切な支援に繋ぐ専門機関等との連携や職員の専門研修の受講、他自治体や支援団体等の相談事例の収集など準備を進めています。 <質問5> 小・中学生を対象に、学校でこの相談窓口を含め、親や学校を通じずに相談できる場を紹介すべきです。この提案について区の所見を聞かせてください。 <答弁>  小中学校では、性的マイノリティを含めたさまざまな相談に関して、リーフレットや案内カードの配布、校内でのポスター掲示などを用いて、区の教育相談室、東京都教育センター、文部科学省「24時間子供SOSダイヤル」等を紹介しています。今後も児童生徒への相談窓口の周知を図ってまいります。 <質問6> 練馬区は区立施設を活用し、情報コーナーを設置し、役立つ情報を取りまとめ発信すべきです。情報コーナーでは、性的マイノリティ関連図書、資料等をそろえるとともに、区や支援団体の取組を紹介し、性的マイノリティ関連のイベントを開催すべきです。同時に、横浜市が実施しているような当事者や支援者の交流の機会を設けるべきです。 <答弁> 区立図書館や男女共同参画センターの図書・資料室では、性的マイノリティに関連する書籍の購入、貸出しを行っています。引き続き、人権パネル展や男女共同参画センターを活用した情報コーナーの設置など、さまざまな事業や機会を捉えて効果的な情報発信方法を工夫してまいります。当事者や支援者が交流する機会として、男女共同参画センターにおいてワークショップを開催いたします。今年度の人権セミナーにおいて、当事者による講演会なども予定しております。 (写真は先日参加した東京レインボープライドの様子です。)

二回目の一般質問

本日、一般質問を終えました。 一般質問は練馬区では、全ての議員が年に1度、議会の場で、区長に対してどのようなことでも報告や説明を求めることができる貴重な機会です。 準備にあたっては、たくさんの方から区政への思いや改革へのご提言を頂くことができ、そして、直前にはお腹の風邪による絶食というアクシデントもありましたが、家族や、皆さまのご支援のおかげでなんとか完成させることができました。 そして当日。 議場に立つと、目の前には議長以外の全議員が座っていて、毎回とても緊張するのですが、平日の昼間にもかかわらず、30名を超える方が傍聴席へと応援に来てくださっていて、一人ひとりのお顔をみただけで、とても勇気づけられました。 今回の一般質問、具体的な内容については明日以降にご報告しますが、とても残念だったのが、私の発言に対する区長の答弁(意見)でした。 昨年行った初めての一般質問では、区長に答弁を求めたのにもかかわらず、区長は一度も答えなかった、ということがあり、今回は答弁するのか、また、その場合何を発言するのか、ということに注目していました。以下が、待機児童対策の質問に対する区長の答弁(抜粋)です。(正式な議事録ではないので、誤りがある可能性もあります。) <待機児童対策について> 「岩瀬議員にお答えするのは初めてですが、大変細部にわたるご質問を頂き、感心しながら聞かせていただきました。しかし、残念ながら、私はご質問に違和感を覚えざるを得ないのであります。(中略)…本来、待機児童をはじめとする子育ての支援は、自治体の保育行政だけでなく、育児休業などの労働政策や児童手当などの所得政策などを含めた総合的な政策として、国が取り組むべきものなのです。なぜ、国を批判するのではなく、微力ながらこれだけ頑張っている練馬区を責められるのか、全く理解ができないのであります。本末転倒ではないかと思います。 私はこれまで長い間行政と政治の現場にいて、色々な方々を見てきました。はじめは社会正義から出発したはずの活動が、いつの間にか行政への反対それ自体を自己目的とするようになる。そういう場合がままあります。極端な場合には、反対するという結論がまずあって、そのために無理やりあらさがしや揚げ足取りをされる方もいます。若い岩瀬議員は決してそうではないと思いますが、ぜひ内容のある建設的な対案を頂くようお願いいたします。」 (ここまで) 区長の答弁、練馬区は今年4月までに待機児童をゼロにすると約束したにも関わらず、166名発生したという事実に対して、区の責任を全く認めていません。そもそも、保育所の設置者は、地方公共団体であり、また、国と地方公共団体の関係性は上下ではなく並列であるはずです。また、これは個人的な感想ですが、区長が公の場でことさら「若い議員」として扱うこと、反対することを目的に活動しているかのような回答をすること、誠実な回答とは思えません。区長のこの答弁が現在の区政を象徴していると感じます。

おなかの風邪

一般質問の準備で全く余裕がない日々。先日、ようやくひと段落ついて、床についたら、夜中に大変な腹痛に…トイレに駆けこみました。しばらくして収まったと思ったものの、翌日も全く回復せず。 お腹を抑えながら、「これほど苦しかったのは、5年前、当時働いていた会社の近くで、先輩にランチに誘われて食べたエビフライにあたって以来だな。しかも、あの時、先輩はなぜかオムライスを頼み、私だけが悶えたんだった。生焼けのネズミを途上国で食べても大丈夫なのに、なぜ毎回日本でやられるんだ」とどうでもよいことに思いをめぐらせる。 夜には腹痛だけでなく熱も出てしまい、さすがにまずいと病院に行ったら、「おなかの風邪」と診断されました。注射ともにたくさんの薬をいただいて、そのまま議会に登庁。さらに、お医者さんからは「今日は絶食!」と言われてしまい、腹痛と空腹のダブルパンチ。 でも、薬が効いたのかようやく回復の方向に。月曜の一般質問までには間に合いそうです。

2018-08-21T09:41:54+09:002016年6月3日|Tags: , , |

練馬区議会の開会

いよいよ議会が始まりました。 今回の議会(第二回定例会)6月1日から17日までと、短期間ですが、年に1度の「一般質問」を行うこととなり、私にとってはいつも以上に重要な議会となりました。私の一般質問は6月6日(月)の13時45分からとなります。 一般質問は、練馬区ではすべての議員が年に1度、練馬区に対してどのようなテーマでも訴えることができる貴重な機会です。議員が25分質問をし、それに対して区が20分答弁をする形式になります。 一般質問の準備にあたっては、現在の区に対する、たくさんの方の生の思いや訴えを伺うことができました。一人ひとりの思いや声がなるべく質問の中に息づくように全力を注いだつもりです。 一般質問の主題は、議員になる前から力を注いできた「マイノリティの権利保障」としました。「マイノリティ」、これは一部の方だけを指しているわけではなく、社会全体の話であり、自分たち自身の話です。子育てをすること、年を取ること、自分自身が様々な意味で弱い立場の当事者になることもありますし、固定的な「誰か」の話ではありません。「マイノリティが住みやすい社会こそが誰にとっても住みやすい社会である」そんな思いを区議会の場で伝えたいと思っています。 質問項目は、1. 性的マイノリティの権利保障について、2. 外国籍住民の権利保障および多文化共生社会の実現について、3. 待機児童対策について、4. まちづくりについて、そしてその他となります。(区のウェブサイトでも公開されています。) 宜しかったらぜひ傍聴にお越しください!

2018-08-21T09:41:54+09:002016年6月1日|Tags: , |

外国籍住民との共生について

先日の一般質問、二つ目のテーマは、地域に住む外国籍住民との共生でした。 東京オリンピックを控えて、観光客の受入れを訴える議員の方はいますが、既に地域で暮らしている外国籍住民との共生については、議会で議論される機会は中々ありませんでした。 日本に入国する外国人数は長期的な増加傾向にあります。区内の外国人も2001年から1.5倍に増加し、区民全体に占める割合も人口の約2%、国籍も100ヶ国を超えています。しかし、区内施設内で外国人に対する差別的な落書きがみつかったほか、ネット上でも区民による外国人を誹謗中傷する差別的な表現が見られます。行政サービスにおいても区内の外国籍の方の人権が十分に守られているとはいえません。 ... こういった状況を踏まえて、今回は地域に住む外国籍の方の人権保障の観点から、練馬区のヘイトスピーチに対する取組み、外国人との共生政策、そして、防災時の対応について質問しました。 以下、質問と答弁の要旨です。 1.ヘイトスピーチに対する練馬区の姿勢を明確にしめすべき。 昨年、練馬区でもあるまちづくりに関する連絡体の公募委員の一人がヘイトスピーチを理由に解任されたと聞いています。こうした事実も踏まえて、練馬区自身もヘイトスピーチを許さない毅然とした意志を明確にするとともに、独自にヘイトスピーチをなくすための方針、あるいは基準を早急に策定すべきと訴えました 答弁(要旨)  ヘイトスピーチに対する区独自の方針や基準は策定する考えはありませんが、区はあらゆる場において差別発言や差別を助長する行為を見逃さず、迅速に対していきます。 2.多文化共生実現のために、外国人市民会議の設置を行うべき。 区は2012年に「練馬区国際交流・多文化共生基本方針」を策定しました。同方針では、区民や区内の団体を構成員とする「連絡会」を設置し、国際交流および多文化共生事業推進をはかるとされていますが、「連絡会」は三年以上経った現在でも全く設けられていません。一刻も早く、外国人も含めた連絡会を設置し、まちづくり全般に関わることを求めました。 答弁(要旨) 今後「連絡会」の設置を含めて検討します。 3.防災計画に外国人をしっかりと含めるべき。 「練馬区地域防災計画」では被災外国人への対応として、東京都の防災語学ボランティアの派遣しか言及していません。練馬区にも、独自に外国語通訳ボランティア制度を実施していますが、防災計画には全く組み込まれていないのが実情です。「地域防災計画」でしっかりと外国人のことも組み込むとともに、情報拠点の整備などに外国人の意見をしっかりと踏まえるべきと訴えました。 答弁(要旨) 通訳ボランティアについては、災害ボランティアセンターに関するマニュアルの中で整理をし、円滑に活用するよう努めます。また、避難拠点について、外国人の視点を拠点運営に活かすため、他の自治体の取組も参考に、一層の充実に努めます。 今回の一般質問、区としてヘイトスピーチにしっかりと向き合う姿勢を明らかにしたこと、そして、これまで止まっていた多文化共生政策を進めることを述べたことに大きな意味がありました。区からの答弁をもとに、国籍に関係なく、外国籍住民との共生が地域内で進むよう、これからも全力を尽くします!

男の子育てを応援するために! 練馬区の課題

先日行われた一般質問。性的マイノリティと外国人の人権問題と共に取り上げたのが、男性の子育ての促進とジェンダー意識改善に向けた区の取組みだった。 男性の主体的な子育ては、男女共同参画社会およびワークライフバランスの実現に向けた重要な一歩。 私自身、1歳の息子を育てる中で、ジェンダー意識について考えさせられることが沢山あった。例えば、「仕事と子育ての両立をどうするの?」と聞かれるのは常に、私ではなく妻であること。風邪を引いた息子を、早退して病院に連れていくだけで、「イクメンね」と褒められる一方で、妻に対してはイクウーマンという褒め言葉は無いこと。政府が唱える「女性が職場で輝く」社会の実現には、「男性が家庭や地域で輝く」ことを、後押しせねばならない。 男性も女性もジェンダー意識から解放され、対等な関係に基づき、責任を共有した子育てができるべき。そのために、行政が、差別的な習慣や制度を見直し、平等意識の啓発をするとともに、家庭や地域生活に使える時間を増やす後押しをする必要がある。 こうした状況を踏まえ主として、以下のような提案を行った。 <問題点1 区の目標について> 練馬区での「家庭・地域での男女平等意識の推進」を図るための指標は「パパとママの準備教室の受講者数」となっている。これだけでその結果を把握することはできない。 <提案、質問> 練馬区でも現在の指標の見直しを行うとともに、国の計画での目標値「男性職員の育児休暇取得率」や「6歳以下の子どもを持つ男性の家事・育児の平均時間」を指標の一つとして採用すべき。 <答弁> 今後の計画は、現在策定中である。提案内容も含め検討する。 <問題点2  ジェンダー意識の解消について> 練馬区が実施している行政サービスにおける、ジェンダー意識に基づく名称、内容について、例えばジェンダーを想起させる代表的なものとして、『おかあさんのための救急&予防サイト』の紹介や『母と子の保健バッグ』等がある。母親学級も、小さく「家族も参加可」と記されているだけで、父親にとっては、参加しづらい。 象徴的なのが「母子健康手帳」である。母子手帳は、妊娠中に限らず、産後の子育ての記録であり、父親も記録と管理に積極的に関わるべきもの。現在の父子手帳の内容も問題がある。手帳では、男性が女性のニーズをきちんと理解した上で、(片手間ではなく)「主体的に」家事や育児を行う必要性等もきちんと説明すべき。 母子手帳については、既に全国の170を超える自治体で父子手帳と一体化するとともに、「親子健康手帳」と変更しており、東京23区でも墨田区が採用している。 <提案、質問> 練馬区が実施しているサービスについて、固定的性別役割分担意識に基づいたものはその名称や説明、内容を改めるべき。特に母子手帳は父親手帳と一体化するとともに親子手帳と変更し、内容も改善すべき。 <答弁> 母子手帳の名称は、国の方針に従って決定している。練馬区として変更する予定はない。 名称については今後、検討する。 <問題点3. 父親の育児参画を促すための施策> 父親向けの施策の代表的なものとして、「パパとママの準備教室」があるが、土曜のみの開催。内容も沐浴やおむつ替えという「作業」自体を中心に学び、妊婦体験をし、「子ども」といかに関るかという短い話を聞いて終わりである。 しかし、出産前に必ずすべきことは、妊産婦の負担を十分に理解した上で、どうしたら女性ばかりに負担がかからず、対等な関係に基づき子育てや家事ができるか、またはお互いの仕事と両立できるかを、夫婦でしっかりと話し合うことであり、これこそが両親教室で扱うべきテーマである。内容の再構成だけでなく連続講座の増設も必要である。 <提案、質問> 現在のパパ・ママ教室について、内容の改善、開催日の拡大、連続講座の開設を行うべきである。 <答弁> 教室の曜日は申請者のすべてが受講できており、開催日の拡大の予定はない。 内容、連続講座については今後検討する。 今回の一番の成果。それは、これまでほとんど優先的に扱われなかった男性の子育てについて、正面から議会の場で区に訴えたこと。また、ジェンダー役割分業の問題に対して、男性議員が指摘することも、これまで女性からの訴えが中心だった練馬区議会においては進展だったと何人かの方からコメントを頂いた。 しかし、区の回答は満足できるものではなかった。特に母子手帳の名称や内容の改善などについては、他区では既に取り組みが進んでいるにも関わらず、全く改善の意思を示さないことは、非常に残念だ。 そんな中、区の取組だけを待っていても仕方がない。だからこそ、11月26日(土)には「産後が始まった!」の著者で父親の子育てについて精力的に講義を行っている渡辺大地さんを練馬にお呼びして、自主講座を開催する。こうした一つ一つの積み重ねを通じて少しでも区政を変えられるよう、引き続き頑張りたい。

性的マイノリティの権利保障について

先日行った一般質問では、選挙前から訴え続けてきた性的マイノリティの方や外国籍の方の人権、男性の主体的な子育てと男女共同参画、そして地域の課題について訴えました。 今回は最初に取り上げた性的マイノリティの人権保障についてご報告します。. 練馬区で性的マイノリティについて、議会の場でしっかりと取り上げたのは今回が初めてでした。 性的マイノリティの権利保障は、他の自治体ではある程度進んでいて、既に6自治体では、区の計画や要綱の中で性的マイノリティの人権擁護の方針を示しています。さらに、渋谷、世田谷、文京の3区ではパートナーシップ条例などの中で具体的に対応を記しています。 一方で、練馬区では性的マイノリティの方に対する取組はほとんど何もなされていません。そもそも、区として性的マイノリティの人権擁護、差別撤廃に向き合う基本的な方針が全く示されていません。区の職員や教員に対する正しい知識を得るための研修や区民への啓蒙活動も不十分です。 そんな中、今回は初めて取り上げるテーマでもあるため、性的マイノリティの差別に対する区の基本的な認識を問うと共に、対応するための基本方針の策定、現在差別で苦しんでいる方への相談窓口の設置等を求めました。 以下、質問と答弁の要旨です。(全文は公開され次第アップします。*動画は公開済みです。) 1. 性的マイノリティへの差別、偏見に対する区の認識は? 主旨:これまで、性的マイノリティへの差別、偏見について、区は公式の場で言及したことがありません。だからこそ、まずは性的マイノリティへの認識をはじめに問いました。 答弁(要旨):周囲の誤解や偏見、無理解等により、心無い言動で傷つけられるなど様々な困難に遭遇しています。誤解や偏見を取り除き、性のあり方には様々な形があることなどを区民に周知するための啓発が重要です。 2. 性的マイノリティへの対応を区の計画にしっかりと含めるべき。 主旨:これまで、区の計画の中に、性的マイノリティへの取組は一言も示されておらず、区の計画には性的マイノリティは含まれていないことと同義でした。 そこで、計画の中に性的マイノリティを含めることを求めました。 答弁(要旨):懇談会に諮りながら検討していきます。 3. 相談窓口で性的マイノリティを対象とすることを明示するとともに、職員への研修をしっかりと行うべき。 主旨:性的マイノリティに自殺を考える方の比率が高い中で、区の相談窓口で性的マイノリティを対象としていることが明示されていないため、当事者の方はなかなか相談し辛い状況です。だからこそ、明示するとともに職員への研修を求めました。 答弁(要旨):区報やホームページ、啓発事業等を通じて幅広く区民からの相談を受けられる窓口であることを周知します。 4. 今後も区民向けの啓発活動を継続化、充実化させるべき 主旨:区民の方の意識を高めるために、意識啓発活動が必要です。去年、一度こうした講座が行われましたが、単発ではなく継続化、充実化させることが必要と訴えました。 答弁(要旨):今後も区民の理解を深めるために、人権尊重の視点に立ち、様々な媒体を活用した啓発に取り組みます。 今回の一般質問は、練馬区が性的マイノリティの人権問題を重く受け止めていることを示すとともに、性的マイノリティの人権保障を今後の計画に含めることを検討すると示した点で、意義があったと思います。 今まで、性的マイノリティは何の計画にも含まれておらず、区の行政ではほぼ存在しなかったのに等しい現状から見ると、大きな一歩だと思います。また、相談窓口や研修についても前向きな回答でした。 今回、質問を作るにあたっては、性的マイノリティの人権保障を訴えてきた特定非営利活動法人のRe:Bitさんを含め、様々な方からお話を伺うことができました。当事者の方から、それぞれが抱える苦しみ、悩みを共有いただけたこと、本当に感謝しています。今回を第一歩に、これからもしっかりと取り組んでいきたいと思います。

一般質問の様子(動画公開)

一般質問の様子が区のウェブサイトで公開されました! この準備のために一カ月以上、今年はお盆も誕生日もなし。その成果はどうだったんだ?!ドキドキしてクリックすると、これがすごく恥ずかしい。そもそも「こんな声だったっけ?」というところから、「もっと違う表現にすればよかった!」とか反省するところばかり。ただ、少なくともポイントはしっかりと抑えていたのが救いでした。今回の経験を糧に来年はさらに良いものを作りたいと思います!! 私の発言はリンク先の 9月9日 本会議1のちょうど中間からです! 少し長いですが、ぜひご覧ください! 練馬区議会ホームページ

2019-03-05T20:50:13+09:002015年9月12日|Tags: , |
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