一般質問のご報告③ 待機児童対策について

先日の一般質問、三番目のテーマとして、練馬区の保育園の待機児童への取組について取り上げました。 練馬区は昨年の段階で今年4月までに新しい基準(新基準)での待機児童をゼロにすることを目標としていたのですが、実際には166名もの方が待機となってしまいました。このことを受け、待機児童となってしまった方への対策や、来年度へ向けた取組について質問しました。 練馬区の回答は待機児童が発生したことについては、自らの責任や原因を認めることなく、国に押し付けるものもあり、不十分なものでした。また、待機児童の範囲についても、費用負担が厳しいことを理由に認証保育所に預けられない方を待機児童から外すなど、決して一人ひとりの事情に寄り添ったものとは言えません。一方で、今後の緊急対策や来年度への取組については、事実上の緊急対策も含んでおり、ある程度前向きな回答だったと思います。 以下が質疑の要旨となります。(正式なものではありませんので、誤りがある可能性もあることをご了解ください。) <質問1> 練馬区は今年の4月までに新基準の待機児童をゼロにすると表明していました。それが実現しなかった原因、責任を明らかにすべきです。 <回答> これまでの三年で、定員枠を都内最大となる二千六百人以上増やしました。加えて、独自の幼保一元化施設である「練馬こども園」を開設し、九百人以上の枠を設定しました。 本来、待機児童対策をはじめとする子育ての支援は、自治体の保育行政だけでなく、育児休業などの労働政策や児童手当などの所得政策などを含めた総合的な政策として国が取り組むべきものです。何故、国を批判するのではなく、微力ながらこれだけ頑張っている練馬区を責められるのか、全く理解出来ません。本末転倒ではないかと思います。 <質問2> 新基準での待機児童は、育休を延長した方、また自宅から2kmの範囲内に認証等の認可外の保育施設に空きがある方を除いたものです。 育児休業を望まない、あるいは取得が困難なために保育所を申し込んだけれど空きがなく、やむを得ず育児休業を取得した方、あるいは、近くに認証保育所は空いているけれど費用負担が大変だから預けられない方も、待機児童として数えられなくなっています。 新基準だけではなく、やむを得ず育児休業を延長した方や費用負担など切迫した理由で認可外施設を選べなかったケースを含め、待機児童解消の取組を進めるべきです。 <回答> 練馬区は待機児童を国の新基準に基づいて算定しています。そもそも待機児童の捉え方について、大都市特有の多様な保育ニーズに応える認可保育所以外の保育施設を、国が認めてこなかったことこそが問題であり、国の新基準は、ようやく実態に追い付いてきたことを示すものと考えます。 <質問3> 練馬区は新基準で待機児童となった166名について、本当に困っているのはフルタイムの方を中心に全体の3分の1程度であるかのように説明しています。しかし、フルタイムでなくても、生活保護を受給中の方、また住民税や所得税が控除されている方、ひとり親の家庭、現在求職中の方もいます。こうした方々は、保育のニーズが低いとは決していえません。だからこそ、一人ひとりのケースを把握して、こうした方々へ保育を提供することは行政の責務です。 練馬区として、緊急対策をさらに実施すべきです。区の見解をお聞かせください。 <回答3> 7月から、小規模保育5ヵ所を皮切りに先行して受け入れを開始しますが、その他の取り組みも環境が整い次第順次実施していきます。 <質問4> 練馬区は「待機児童ゼロ作戦」で初めて、1歳児1年保育を導入し、これにより100名の定員を増やすとしています。この事業は東京都の定期預かり保育を活用するとのことですが、その本来の主旨は、パートタイム勤務や短時間勤務等利用者のために複数月を対象に「一定程度継続的」に対応するというものです。この制度では幼稚園の空き教室も活用するとのことですが、しっかりと質を守ってサービスを提供できるのか、非常に重要です。事業の実施形態、学校施設転用の見通しをお聞かせください。 <回答4> 現在の区立幼稚園の学級編成により未使用の保育室を活用して行うもので、設備・面積や職員配置等の要件を満たし、東京都に届け出した上で実施します。

二回目の一般質問

本日、一般質問を終えました。 一般質問は練馬区では、全ての議員が年に1度、議会の場で、区長に対してどのようなことでも報告や説明を求めることができる貴重な機会です。 準備にあたっては、たくさんの方から区政への思いや改革へのご提言を頂くことができ、そして、直前にはお腹の風邪による絶食というアクシデントもありましたが、家族や、皆さまのご支援のおかげでなんとか完成させることができました。 そして当日。 議場に立つと、目の前には議長以外の全議員が座っていて、毎回とても緊張するのですが、平日の昼間にもかかわらず、30名を超える方が傍聴席へと応援に来てくださっていて、一人ひとりのお顔をみただけで、とても勇気づけられました。 今回の一般質問、具体的な内容については明日以降にご報告しますが、とても残念だったのが、私の発言に対する区長の答弁(意見)でした。 昨年行った初めての一般質問では、区長に答弁を求めたのにもかかわらず、区長は一度も答えなかった、ということがあり、今回は答弁するのか、また、その場合何を発言するのか、ということに注目していました。以下が、待機児童対策の質問に対する区長の答弁(抜粋)です。(正式な議事録ではないので、誤りがある可能性もあります。) <待機児童対策について> 「岩瀬議員にお答えするのは初めてですが、大変細部にわたるご質問を頂き、感心しながら聞かせていただきました。しかし、残念ながら、私はご質問に違和感を覚えざるを得ないのであります。(中略)…本来、待機児童をはじめとする子育ての支援は、自治体の保育行政だけでなく、育児休業などの労働政策や児童手当などの所得政策などを含めた総合的な政策として、国が取り組むべきものなのです。なぜ、国を批判するのではなく、微力ながらこれだけ頑張っている練馬区を責められるのか、全く理解ができないのであります。本末転倒ではないかと思います。 私はこれまで長い間行政と政治の現場にいて、色々な方々を見てきました。はじめは社会正義から出発したはずの活動が、いつの間にか行政への反対それ自体を自己目的とするようになる。そういう場合がままあります。極端な場合には、反対するという結論がまずあって、そのために無理やりあらさがしや揚げ足取りをされる方もいます。若い岩瀬議員は決してそうではないと思いますが、ぜひ内容のある建設的な対案を頂くようお願いいたします。」 (ここまで) 区長の答弁、練馬区は今年4月までに待機児童をゼロにすると約束したにも関わらず、166名発生したという事実に対して、区の責任を全く認めていません。そもそも、保育所の設置者は、地方公共団体であり、また、国と地方公共団体の関係性は上下ではなく並列であるはずです。また、これは個人的な感想ですが、区長が公の場でことさら「若い議員」として扱うこと、反対することを目的に活動しているかのような回答をすること、誠実な回答とは思えません。区長のこの答弁が現在の区政を象徴していると感じます。

文教児童青少年委員会 練馬区の2016年4月の学童保育の待機児童について

昨日の委員会では、学童保育の待機児についての報告もありました。学童クラブの待機児については、あまり報道等で取り上げられてはいませんが、非常に深刻な状況です。 今年(2016年)の4月における学童クラブの待機児は289名で昨年よりも17名増加しています。その内訳をみると、1年生で57名、2年生で85名、3年生で145名です。 学童クラブの待機児童対策について確認すると、今後、ひろば事業、ランドセル来館、そしてねりっこクラブで対応するとのこと。 しかし、ひろば事業やランドセル来館は、あくまでもボランティアの方が中心となって子どもたちを「見守る」ものであり、学童クラブの求める保育とは全く異なります。また、ねりっこクラブについても、昨年度3校で開始されたばかりで、待機児童の増加には全く追いつかない状況です。そして、夏休みに緊急での対策として、待機児童の緊急受入を行うとのことですが、この対策も今年で4年目、もはや緊急ではなく、恒常的に必要な状況となっています。 そうした中、全体としては枠が300名分余っているのだから、そちらに通わせればいいのでは、という指摘があり、それにたいして練馬区も検討する、という話でしたが、学童クラブは、自分たちが通っている学校の近くで、友人たちと過ごすことが重要であり、遠くの施設が空いているから、そこに通わせればいい、という話では安全性の面から考えてもないと思います。 だからこそ、学童クラブの待機児童についても保育園と同様、質を維持しながら、学童クラブの増設を含めた根本的な解決を図るべきだと思います。

文教児童青少年委員会 練馬区の2016年4月の待機児童数について

昨夜の投稿でもご報告しましたが、昨日の委員会、今年(2016年)4月の練馬区の待機児童数が公表されました。練馬区では昨年、今年4月までに(新基準での)待機児童の数をゼロにすることを目標としていました。しかし、提出された数字を見ると、今年の待機児童は166人、昨年に比べて10 人しか減っておらず、むしろ旧基準での待機児童については、数十名増え399名となっています。 練馬区の説明では、想定していたよりも申込者が多かったため、とのことですが、この説明自体、毎年同じで、これまでも区の想定する児童数の計算根拠自体を改善すべきと訴えていました。 待機児童に対する区の対応を確認したところ、今後、保育所に空きが出た場合には紹介していく、ということだけで、区民の方からの陳情にもあった緊急対策を行う予定もないとのこと。また、この方々が現在どのように暮らしているか、聞き取りなどは行っていないとのことでした。 そもそも新基準での待機児童数の計算では、育休を延長できた方、また近くに認証等の保育所に空きがある方は待機児から除かれています。つまり、この166名については、ご家族が育休を延長できず、近くに認証等の保育所も空いていない、まさに待ったなしの状況の方々です。家庭外で保育が必要な方に対して保育を提供するのは区の義務であり、こういった方に対して練馬区からフォローをしないというのは、児童福祉の原則に反すると思います。 さらに、練馬区ではこの状況を受けて、来年4月を目標に「保育所待機児童ゼロ作戦」を実施し、待機児童の解消を目指すと発表(これは昨日のNHKでも取り上げられています)が、これまでは、来年の4月までには、より広い範囲の旧基準の待機児童(今年は399名)のゼロを目指すとしてのが、新基準(166名)のみをゼロとすると大きく目標を落としています。残念ながら少しも目新しい目標ではなく、むしろかなりの後退です。 だからこそ、練馬区として、現在の待機児童への緊急対策や、待機児の計算方法の見直しも含めた抜本的な対策をはかるべきだと思います。

練馬区の待機児童 NHKの報道について

本日のNHKのニュース、練馬区では保育園の定員を1000人分増やし、来年4月には待機児童をゼロにしたいと宣言したとのこと。 しかし、このニュースでは触れられていないことがあります。 そもそも、練馬区は昨年の段階で、今年の4月までに新基準での待機児童をゼロにすると言っていました。しかし、実際には昨年の4月の段階で176名だった待機児童数は今年の4月でも166人、10名しか解消していません。さらに、旧基準での待機児童については、数十名増え399名となっています。 新基準での待機児童数の計算では、育休を延長できた方、また近くに認証の保育所に空きがある方は待機児から除かれています。つまり、この166名については、ご家族が育休を延長できず、近くに認証の保育所も空いていない、まさに待ったなしの状況の方々です。 加えて、練馬区は昨年の段階では、来年(2017年)の4月までに、旧基準の待機児童をもゼロにすると言っていたのにも関わらず、今回の発表では、旧基準ではなく、新基準の待機児童のみをゼロにしたい、としており、目標自体が大きく下げられています。 ニュースだけをみると、練馬区は大きな目標にむかっているという印象を受けますが、実際はこれまでの目標を諦めたということであり、むしろ後退となっています。委員会でのやり取りについては後ほど、ご報告します。 http://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20160519/5385741.html

練馬区 2016年度補正予算への反対討論 待機児童対策について

一か月半におよぶ第一回定例会も本日で終了。 最終日の今日は、議案の審査とともに、意見を述べる討論が行われました。私からは、待機児童問題に関して補正予算への反対討論を行いました。 2月前半には認可保育所等の二次募集の期間が終わり、一次申込みの結果まで公表されています。もっとも希望者が多い1歳を見れば、希望者の内、40%は断念せざるを得ない状況でした。 そのような中にも関わらず、補正予算では、子育てに関わる多くの当初予算が予定通り執行されなかったということで、減額されてしまいました。減額された金額は一般財源だけで7億円にのぼります。 7億円は基金として積立て、将来、必要になったときに使うということですが、今こそがその必要な時だと思います。子どものための経費として組まれていた金額を、緊急の対策を実施するために活用すべきと思います。一人でも二人でも新定義の待機児が減るように、最大限の努力をするのが、議会としての責務だと思います。 以上の観点から、反対討論を行っています。よかったらご覧ください。 <ここから> 年度末の補正予算は歳入・歳出の整理に加えて、喫緊の課題に対応することを一つの目的としています。今回の補正予算では、税収の上振れによって歳入が増加し、70億円が新たに基金として積み立てられましたが、一方では保育所の待機児童の問題を象徴とした緊急課題への対応は不十分でした。 2月前半には認可保育所等の二次募集の期間が終わり、一次申込みの結果が公表されました。もっとも希望者が多い1歳児を見れば、枠は1,089人に対して、応募は1,800人、希望者の内、40%は断念せざるを得ないことになります。 二次募集の空き状況をみても、認可保育所において、1歳児は全くありません。小規模についても60名程度で家庭的保育事業の35人と合わせても100人程度です。このままでは昨年同様、多くの待機児が発生すると思われます。 こういった状況の中、私たちのもとにもいくつも相談が寄せられています。いくつか紹介させていただきます。 「この4月の認可保育園の申請は13園とも受諾されませんでした。(略)両親にも頼れず、自力で勝負していくしかない中で、やりきれない思いを抱いております。」 「生後2か月で首も座らない子を抱えて13園すべてを訪問しましたが、結果としてどこも落ちてしました。認証保育所を探しましたが、月謝が高く、とても通わせることはできません。保育園が決まらなければ仕事を探すこともできず、途方に暮れています。」 「(保育園落ちた)日本死ね、練馬区死ね」とは申しません。「日本頑張れ、練馬区、他の区に負けるな」です。4月復帰ができるのか分からないまま、二次調整を待つ不安な一人の声をどなたかに聞いていただきたい。今はただこのような立場の人達が一人でも早く救われるよう、何とかこの春に復帰できるよう祈るばかりです。そんな声が区政にも届くことを祈っております。」 そのような中、練馬区は今年、来年とそれぞれ待機児解消についての目標を公にしてきました。今年4月までに、新定義の方の待機は解消する、これが区としての公約でした。 しかし、1,300人の定員増をした去年でも最終的に176名の待機児が出ています。現実的に待機児解消の見通しは厳しいと言わざるを得ません。 今回の補正予算では、子育てに関わる多くの予算が使われないまま減額されてしまいました。減額された金額は一般財源だけで子ども家庭総務費が2億5千万、保育委託費で2億、児童福祉施設費で2億7千万円、この3つの費目だけで、7億円にのぼります。 使われなかった予算は基金として積立て、将来、必要になったときに使うということですが、今こそがその必要な時だと思います。子どものための経費として組まれていた7億円を、緊急の対策を実施するために活用すべきだと思います。一人でも二人でも新定義の待機児が減るように、最大限の努力をするのが、議会としての責務です。   練馬区は先日の委員会での答弁で、ぎりぎりまで親身になって対応したいとしていました。 そうであれば、できることはまだまだあると思います。例えば、短期的な対応として、小規模保育事業を一つ二つと見つけていくことや、既存の施設での定員の増加や一時預かりの拡充のための努力をすることなどもあります。  練馬区がこうした保護者の方の切実な声と真摯に向き合い、待機児童の数が一人でも減るようにぎりぎりの努力を補正予算に盛り込むべきでした。補正予算が待機児童の問題に象徴されるように区民の喫緊の課題に答えるものなっていないという点で反対の意思を表明し今回の反対討論といたします。(ここまで)

2018-08-21T09:41:58+09:002016年3月11日|Tags: , |

練馬区の小中学生の勉強時間、将来の夢や希望、自己肯定感等について

先日の委員会では、昨年(2015年)の4月に実施された全国生活・学習状況調査の分析結果が報告されました。この調査は毎年、練馬区のすべての小学6年生と中学3年生を対象に実施しています。 まず、学校以外の学習時間(塾を含む)について、中学3年生については、毎日3時間以上勉強する生徒は全体の6人に一人(14.4%)、1時間以上勉強する生徒が73%となっています。小学6年生では毎日3時間以上勉強する子どもがもっと多く、全体の4人に一人(23.5%)であり、1時間以上勉強する子どもが全体の65%に達しています。 私自身の小6の時を振り返っても、住んでいたカナダ等含め海外と比べても、小学生はテストでもない限り家に帰ったら30分~1時間くらい宿題をやって遊びに行くというイメージがあり、日本の小学生はこれほど勉強しているのかと改めて驚きました。調べてみたら、日本はOECDの国の中でも比較的年間の授業時間数も多い上に、学校の外での小中学生の勉強時間が突出して(韓国等と並んで)高く、確かにそれは成績の良さにつながっている面もある反面、フィンランドなど授業数も多くはなく学外での勉強時間が極めて少ない国の子どもが学力もOECDの中でも高いというケースもあり、授業の質も含めて考えさせられます。 続いて、携帯やスマホでの通話、メール、ネットの時間について。6年生では一日1時間以上なのが6人に一人(15%)、さらに4時間以上という児童も3%いました。中学3年生になると1時間以上が半分(50%)そして、4時間以上も10%に達していました。 さらに、子どもたちの夢や目標を図る指標として「将来の夢や希望を持っている」という問いに対して、否定的な答え(どちらかといえばあてはまらない、あてはまらない)と答えたのが小学生では6人に一人(14.3%)、中学生では3人に一人(30.2%)ということでした。同様に、「自分にはよいところがあると思う」という質問に対して、「どちらかといえばそう思わない」、「当てはまらない」と答えたのが小学生では約5人に一人(22.8%)、中学生では3人に一人(34.21%)に達していたことにも驚きました。 今回の調査結果を見て、改めて子どもたちの生活、学習環境が数十年前と大きく変わっているということを実感しました。その中で、特に危機感を持ったのが、「将来に夢や希望がない」また、「自分にいいところがない」、と思っている生徒が中学三年生ではそれぞれ30%以上に達しているということでした。 子どもたちの自尊心を育み、彼らが夢や目標を持てる社会を作るのは大人の責任だと感じます。だからこそ、学校教育においても、学力だけを高めようとするのではなく、一人ひとりが達成感や自己肯定感を感じられるようなカリキュラムのために工夫をしていく必要があると思います。

文教児童青少年委員会報告 練馬区の小中学生の携帯電話・スマートフォンの使用状況について

本日、所属する常任委員会(文教児童青少年委員会)が開催されました。委員会では、練馬区では初めて実施された小中学生のインターネット・携帯電話等に関する実態調査の結果の報告がありました。 この調査、学校でのいわゆる「ネットいじめ」などが近年問題化している中で、まずは子どもたちの携帯電話やスマートフォン(スマホ)の所有状況の実態をつかむことで、区の施策や学校での指導の基礎資料とすることを目的としていました。 今回の調査、対象は小学4年生~中学3年生の抽出された児童生徒、合計3,300名とその保護者、教員で、書面による記述形式、2015年の11月9日から11月20日にかけて実施されました。 まず、携帯電話などの所有について、小学生(4年生以上)では、携帯電話を持っている子どもが45.2%、スマホが14.6%で、中学生では、携帯電話が22.5%、スマホが48.5%でした。また、学年別のスマホの所有率を見ると、小学6年時には19.3%の一方で、中学1年になると44.1%に急増しています。 使い始めた時期については、携帯については小学3年生までが62%、スマホについても58%に達しており、小さな頃から携帯やスマホに触れていることが分かります。 続いて、携帯やスマホを使う際、例えば電話やアプリの時間を決めるなど、家庭でのルールがあるかという質問について、「ひとつもない」と答えた小学生は35.1%、中学生では45%でした。 そうした中、知らない人やところからメールが送られてきたなど、ネットでのトラブルに巻き込まれた経験として、小学生は9.5%、中学生は33.4%が経験があるとの結果でした。 練馬区はこれまで、すべての学校でモラル教育を年に一回実施していたとのことですが、この結果を受けて、今年の4月から強化することを計画しています。 私自身、これほど早い段階から、多くの子ども、生徒が携帯やスマホを当然のように使っていることに驚きました。こうした中、子ども・生徒を対象としたネットによる犯罪や、あるいは彼ら自身が加害者ともなってしまういじめなども大きな問題となっています。例えば、先日も区内のある中学校で生徒がスマホで学校内の様子を撮影し、ツイッターに投稿するといった事例も発生しています。 これまで、家庭や学校で、ネットに関する教育が十分行われてこなかったことは問題だと感じます。今回の結果を参考に、行政として子どもたちを守るために子どもだけでなく、保護者に対してもモラル講習の充実をはかるなど、しっかりと対応を取ることが必要だと思います。

練馬区の認可保育所等の待機児童について(2016年4月入園 第一次申し込みの結果)

練馬区の2016年度の認可保育所等の1次申し込みの状況が公表されました。今後、2次申し込みの結果を受けて数字は変化しますが、ある程度の傾向はわかると思います。 (詳細は練馬区のウェブサイトをご覧ください。) まず、認可保育所等の受入可能人数(募集枠)について。2016年4月時点の募集枠は合計で3,509名、これは一昨年(2014年度、2,691名)に比べて800名以上の増加、また、人数が多い0歳~2歳を見ても一昨年(2,066名)に比べて600名近く改善した2,657名となっています。 (詳細は池尻さんのブログをご覧ください。) しかし、申し込みの人数もここ数年は毎年300名程度のペースで増加しており、今年は4,619名(前年比315名増)になっています。その結果、全体の倍率(受入可能人数÷応募数)は1.32倍、募集枠と応募者数の差は1,110名でした。特に0歳~2歳については厳しく、倍率は1.5倍、募集枠と応募者数の差は1,300名に達しています。 練馬区が発表する待機児童の数は年々減少しており、2014年は487名、2015年4月の段階は新基準では176名とされました。しかし、そもそも待機児童の定義自体があまりにも厳格である、という問題があります。例えば、現在の基準ですと、保育所等に入れず、やむなく育休を延長せざるを得なかった方や、希望していないにも関わらず、通える範囲に空いている認証保育所、地域型保育事業(小規模保育や保育ママなど)があった場合なども待機児童に含まれません。 単純に認可保育所等の募集枠と応募者の差は、一次募集の段階で1,110名も存在しています。こうした状況に対して、2月27日には練馬区在住の方々が区役所に対して状況の改善を訴えています。(⇒記事を読む)私も、どの認可保育所等にも受からなかったという悲痛な声や、仕事を辞めることを考えざるを得ないといった切実な相談もいただいています。 こうした状況を改善するためには、包括的・抜本的な対策が必要なのですが、短期的な話としては、まずは緊急対策としてすぐに対応できる小規模保育の増加などの緊急の対策を図るといった対応が必要だと思います。

2019-03-05T20:50:11+09:002016年3月1日|Tags: |

予算特別委員会のご報告④ 練馬区の小中学校での英語教育の改善のために!

2020年度までに小学校の英語教科化、2021年からは中学校の英語授業のオールイングリッシュ化が決定しています。2018年からは先行実施も始まろうとしています。 そんな中、先日の予算特別委員会では小中学校での英語教育をいかに改善していくか、提案を行いました。 <論旨> 1. ALTの活用について 英語教育の重要性が再認識される中、練馬区においても2007年度から中学校、2015年度からは小学校にもネイティブスピーカーである外国語指導助手(Assistant Language Teacher、ALT)が導入されました。 早期からALTを活用してコミュニケーション能力を向上しようとする取り組みは評価できます。ただし、英語教育の質をさらに向上させるためには改善すべき点も存在します。 練馬区では現在39名の外国籍の方がALTとして採用されていますが、彼らはすべて派遣契約です。現在は学校の教職員とは別の契約・勤務体系にあり、ごく短期間の契約で、更新の保障もありません。 また、派遣であることから、同じ学校で教育に携わるにもかかわらず,他の教職員との間で、一体感を持ったり効果的に連携したりすることが困難です。例えば、職員会議に参加して学校運営に関わる事項を共有することや、他の教員と協力して、積極的に英語教材や計画などの開発・改善などを行うことが困難です。 安定的、継続的に質の高い授業を提供するためにも、望まれるのは派遣ではなく直接雇用だと思います。 他の自治体との比較においても、文部科学省が実施した「平成25年度 英語教育実施状況調査の結果」を見ても、全国のALT(総計12,631名)の内、20%以上(2,543名)が自治体によって直接任用されており、派遣契約は13.6%にとどまっています。 また、2015年9月には、日本の弁護士の60%が所属する関東弁護士会連合会が「児童・生徒のより良い英語教育を受ける権利の実現を担うALTの労働実態の是正を求める意見書」を採択し、その中でもALTの権利の擁護と小中学校での英語教育の質の向上を目的に、自治体によるALTの直接雇用を求めています。 こうした中で、学校における英語教育の安定的、継続的な質の維持・向上、また外国人労働者の権利の保障のためにも外国人非常勤講師や外国人特別非常勤講師としてALTの直接任用を検討いただきたいと思います。 2) 学校教員の能力強化について 続いて、学校の教員への研修について伺います。平成26年に文部科学省が作成した「小学校における外国語活動の現状・成果・課題」によると、全国の教員のなかで、英語教育について学校で学んだ方はほとんどいらっしゃらず、中学校の英語の指導教員の資格を持っている方はわずか3%です。また、ある程度英語を話せる方の割合ですが、TOEIC730点(英検準1級程度)を基準としても保持者は0.8%にとどまっています。先生によってはアルファベットのDの発音もあやういという例も聞いています。 そうした中、前述の文部科学省が実施した調査では、ALTと協働して行うTeam Teaching(TT)がうまくいっていない理由としては、ALTとの打合せの時間がほとんどない、英語でのコミュニケーションがとれない、などといった基本的な事柄が上がっています。 こうした状況を改善するためにも、教員からはALTを活用しつつ、担任主導で授業を展開するための研修を積み重ねて行きたいとの声もあがっています。そのため、継続的、安定的に質の高い教育を提供するためにもALTとの共同によるTTの方法について教員への研修を行うべきだと考えます。 小中学校での英語教育の更なる向上、そして外国人労働者の労働条件を守るためにもALTの直接雇用の実現と教員に対するTTの方法への研修の実現を切に要望します。 <ここまで> これに対して、区の回答は「練馬区では独自に優秀なALTを見つけることはできない。また、研修も派遣会社にノウハウがある。だからこそ派遣会社に任せた方が望ましい。」というものでした。また、教員の研修については、すでに十分に実施しているが今後も検討をしていく、というものでした。 小中学校の英語教育において非常に重要な役割を担うALTをすべて派遣会社に丸投げするというやり方が、練馬区の教育全体にとって望ましいとは思いません。例えすべてを直接採用することがすぐには難しくても、継続的な英語教育を実現するためにも核となるALTを育てていくべきだと思います。

Go to Top