文教児童青少年委員会

文教児童青少年委員会のご報告② 練馬区非常勤職員による給食費と教材費の着服について

昨日の委員会では、区内の小中学校に勤務していた職員が教材費と給食費を着服していたことが報告されました。被害額はおよそ710万円に上るということです。 報告では、同職員は石神井南中学校(平成24年4月~平成28年3月)と関町小学校(平成28年4月~6月)の在職中に、複数回にわたって学校の口座に入金された教材費や給食費を65回にわたって着服とのこと。同様に、校長室から印鑑を無断で持ち出し学校の口座からも引き出していたとのことです。被害額は石神井南中学校で約371万円、関町小学校では345万円にのぼります。職員は「すべてパチンコに使った」と話しているそうです。 この事件、着服した職員の責任は勿論ですが、学校や練馬区が、なぜ4年以上にもわたる着服に気づけなかったのか、管理体制にも問題があります。 着服は今回が初めてではありません。平成25年にも、職員による学校の給食費(1082万円)の横領があり、それを受けてチェック体制の構築、記帳の徹底、ガイドラインの策定などの対策が取られていた中で、なぜ起きてしまったのか、委員会でも多くの質問がなされました。 区の認識は、チェック体制が実際には機能していなかったことが大きな原因の一つであるとのことでした。 本来は、金銭管理は複数の職員によって行われるべきです。しかし、練馬区内では事務職員が一人しかいない学校も31校あり、こうした学校の多くでは一人が管理を担っているのが実態です。 練馬区は対応策として、練馬区では調査委員会の設置、教職員が現金を取り扱わずに金銭の会計処理ができるシステムの構築、学校および教職員の管理監督責任の徹底をあげており、次回の議会会期中に報告するとしています。 こうした事が二度と繰り返されることのないよう、委員会の中でもしっかりと取り組んで行きたいと思います。 http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2799103.html

文教児童青少年委員会のご報告① 図書館での指定管理の導入について

先日、所属する常任委員会の文教児童青少年委員会が行われました。 主な議案(議会で賛成、反対の意思を決定するもの)は大きく3件、1つが関町にある図書館の運営に指定管理業者を導入するもの、残り2つは、練馬区の5小学校の学童クラブをねりっこクラブという新しい制度に変更するものでした。 まずは、関町図書館での指定管理業者(民間企業等)の導入について、ご報告します。 練馬区には合計で12の図書館がありますが、平成21年から指定管理業者の導入が始まり、これまでに8館での導入が進みました。区の説明では、指定管理業者の導入の大きな目的は、「経費の削減」と「サービスの向上」としています。 図書館の運営を民間企業等が担う、というと、「コストも下がるのだし、別に問題ないのでは?」と思う方もいらっしゃると思います。しかし、大きな問題の一つは、指定管理業者を導入することでなぜコストが下がるのか、ということです。 指定管理に委託した際に削られる費用、その大半は人件費です。現在、全国の図書館で指定管理の導入が進んでいますが、そこで働く方々の労働条件は、非常に厳しく、他の自治体では、司書資格を持っていても時給は最低賃金、ダブルワークをせざるを得ないという方もいます。 そんな問題意識から、最初に練馬区の指定管理の図書館の現状を確認したところ、ある館では53名の職員の内で、非常勤の方が45名に達しているとのことでした。これでは、働く方々の労働条件を見ても、継続性や安定性、また事業の安定性を確保できているとはいえません。加えて、指定管理の図書館で働く方々の賃金、そして3年以上継続して働いている方の比率を問うと、「指定管理業者に委ねているので区として数値を把握していない」とのことでした。 練馬区は、指定管理業者を導入したことで、サービスが向上した、としていますが、その大きな理由は開館時間が拡大したこと、利用者アンケートの満足度が8割を超えている、というものでした。しかし、開館時間の拡大は、指定管理でなければできない訳ではありません。利用者アンケートも、指定管理の満足度がそうでない館に比べて高い、という事実はなく、方法も、窓口で渡すだけで性別、年齢、属性なども不明、調査数も登録者数21万人に対して、わずか2%、さらに調査項目もあいまいで、統計として用いることができるのかも不明です。 そもそも、サービスが向上すれば、そこで働く職員の労働条件は悪くてもいい、ということはありません。 こうした状況の中で、結論ありきで指定管理の導入に前のめりになるのではなく、まずは現在の館の状況について、労働条件がどのようになっているのかなどを精査すべきだと訴えました。 (写真は昨年の視察で訪問した佐賀県の武雄図書館です。)

文教児童青少年委員会 練馬区の2016年4月の学童保育の待機児童について

昨日の委員会では、学童保育の待機児についての報告もありました。学童クラブの待機児については、あまり報道等で取り上げられてはいませんが、非常に深刻な状況です。 今年(2016年)の4月における学童クラブの待機児は289名で昨年よりも17名増加しています。その内訳をみると、1年生で57名、2年生で85名、3年生で145名です。 学童クラブの待機児童対策について確認すると、今後、ひろば事業、ランドセル来館、そしてねりっこクラブで対応するとのこと。 しかし、ひろば事業やランドセル来館は、あくまでもボランティアの方が中心となって子どもたちを「見守る」ものであり、学童クラブの求める保育とは全く異なります。また、ねりっこクラブについても、昨年度3校で開始されたばかりで、待機児童の増加には全く追いつかない状況です。そして、夏休みに緊急での対策として、待機児童の緊急受入を行うとのことですが、この対策も今年で4年目、もはや緊急ではなく、恒常的に必要な状況となっています。 そうした中、全体としては枠が300名分余っているのだから、そちらに通わせればいいのでは、という指摘があり、それにたいして練馬区も検討する、という話でしたが、学童クラブは、自分たちが通っている学校の近くで、友人たちと過ごすことが重要であり、遠くの施設が空いているから、そこに通わせればいい、という話では安全性の面から考えてもないと思います。 だからこそ、学童クラブの待機児童についても保育園と同様、質を維持しながら、学童クラブの増設を含めた根本的な解決を図るべきだと思います。

文教児童青少年委員会 練馬区の2016年4月の待機児童数について

昨夜の投稿でもご報告しましたが、昨日の委員会、今年(2016年)4月の練馬区の待機児童数が公表されました。練馬区では昨年、今年4月までに(新基準での)待機児童の数をゼロにすることを目標としていました。しかし、提出された数字を見ると、今年の待機児童は166人、昨年に比べて10 人しか減っておらず、むしろ旧基準での待機児童については、数十名増え399名となっています。 練馬区の説明では、想定していたよりも申込者が多かったため、とのことですが、この説明自体、毎年同じで、これまでも区の想定する児童数の計算根拠自体を改善すべきと訴えていました。 待機児童に対する区の対応を確認したところ、今後、保育所に空きが出た場合には紹介していく、ということだけで、区民の方からの陳情にもあった緊急対策を行う予定もないとのこと。また、この方々が現在どのように暮らしているか、聞き取りなどは行っていないとのことでした。 そもそも新基準での待機児童数の計算では、育休を延長できた方、また近くに認証等の保育所に空きがある方は待機児から除かれています。つまり、この166名については、ご家族が育休を延長できず、近くに認証等の保育所も空いていない、まさに待ったなしの状況の方々です。家庭外で保育が必要な方に対して保育を提供するのは区の義務であり、こういった方に対して練馬区からフォローをしないというのは、児童福祉の原則に反すると思います。 さらに、練馬区ではこの状況を受けて、来年4月を目標に「保育所待機児童ゼロ作戦」を実施し、待機児童の解消を目指すと発表(これは昨日のNHKでも取り上げられています)が、これまでは、来年の4月までには、より広い範囲の旧基準の待機児童(今年は399名)のゼロを目指すとしてのが、新基準(166名)のみをゼロとすると大きく目標を落としています。残念ながら少しも目新しい目標ではなく、むしろかなりの後退です。 だからこそ、練馬区として、現在の待機児童への緊急対策や、待機児の計算方法の見直しも含めた抜本的な対策をはかるべきだと思います。

練馬区の待機児童 NHKの報道について

本日のNHKのニュース、練馬区では保育園の定員を1000人分増やし、来年4月には待機児童をゼロにしたいと宣言したとのこと。 しかし、このニュースでは触れられていないことがあります。 そもそも、練馬区は昨年の段階で、今年の4月までに新基準での待機児童をゼロにすると言っていました。しかし、実際には昨年の4月の段階で176名だった待機児童数は今年の4月でも166人、10名しか解消していません。さらに、旧基準での待機児童については、数十名増え399名となっています。 新基準での待機児童数の計算では、育休を延長できた方、また近くに認証の保育所に空きがある方は待機児から除かれています。つまり、この166名については、ご家族が育休を延長できず、近くに認証の保育所も空いていない、まさに待ったなしの状況の方々です。 加えて、練馬区は昨年の段階では、来年(2017年)の4月までに、旧基準の待機児童をもゼロにすると言っていたのにも関わらず、今回の発表では、旧基準ではなく、新基準の待機児童のみをゼロにしたい、としており、目標自体が大きく下げられています。 ニュースだけをみると、練馬区は大きな目標にむかっているという印象を受けますが、実際はこれまでの目標を諦めたということであり、むしろ後退となっています。委員会でのやり取りについては後ほど、ご報告します。 http://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20160519/5385741.html

練馬区の小中学生の勉強時間、将来の夢や希望、自己肯定感等について

先日の委員会では、昨年(2015年)の4月に実施された全国生活・学習状況調査の分析結果が報告されました。この調査は毎年、練馬区のすべての小学6年生と中学3年生を対象に実施しています。 まず、学校以外の学習時間(塾を含む)について、中学3年生については、毎日3時間以上勉強する生徒は全体の6人に一人(14.4%)、1時間以上勉強する生徒が73%となっています。小学6年生では毎日3時間以上勉強する子どもがもっと多く、全体の4人に一人(23.5%)であり、1時間以上勉強する子どもが全体の65%に達しています。 私自身の小6の時を振り返っても、住んでいたカナダ等含め海外と比べても、小学生はテストでもない限り家に帰ったら30分~1時間くらい宿題をやって遊びに行くというイメージがあり、日本の小学生はこれほど勉強しているのかと改めて驚きました。調べてみたら、日本はOECDの国の中でも比較的年間の授業時間数も多い上に、学校の外での小中学生の勉強時間が突出して(韓国等と並んで)高く、確かにそれは成績の良さにつながっている面もある反面、フィンランドなど授業数も多くはなく学外での勉強時間が極めて少ない国の子どもが学力もOECDの中でも高いというケースもあり、授業の質も含めて考えさせられます。 続いて、携帯やスマホでの通話、メール、ネットの時間について。6年生では一日1時間以上なのが6人に一人(15%)、さらに4時間以上という児童も3%いました。中学3年生になると1時間以上が半分(50%)そして、4時間以上も10%に達していました。 さらに、子どもたちの夢や目標を図る指標として「将来の夢や希望を持っている」という問いに対して、否定的な答え(どちらかといえばあてはまらない、あてはまらない)と答えたのが小学生では6人に一人(14.3%)、中学生では3人に一人(30.2%)ということでした。同様に、「自分にはよいところがあると思う」という質問に対して、「どちらかといえばそう思わない」、「当てはまらない」と答えたのが小学生では約5人に一人(22.8%)、中学生では3人に一人(34.21%)に達していたことにも驚きました。 今回の調査結果を見て、改めて子どもたちの生活、学習環境が数十年前と大きく変わっているということを実感しました。その中で、特に危機感を持ったのが、「将来に夢や希望がない」また、「自分にいいところがない」、と思っている生徒が中学三年生ではそれぞれ30%以上に達しているということでした。 子どもたちの自尊心を育み、彼らが夢や目標を持てる社会を作るのは大人の責任だと感じます。だからこそ、学校教育においても、学力だけを高めようとするのではなく、一人ひとりが達成感や自己肯定感を感じられるようなカリキュラムのために工夫をしていく必要があると思います。

文教児童青少年委員会報告 練馬区の小中学生の携帯電話・スマートフォンの使用状況について

本日、所属する常任委員会(文教児童青少年委員会)が開催されました。委員会では、練馬区では初めて実施された小中学生のインターネット・携帯電話等に関する実態調査の結果の報告がありました。 この調査、学校でのいわゆる「ネットいじめ」などが近年問題化している中で、まずは子どもたちの携帯電話やスマートフォン(スマホ)の所有状況の実態をつかむことで、区の施策や学校での指導の基礎資料とすることを目的としていました。 今回の調査、対象は小学4年生~中学3年生の抽出された児童生徒、合計3,300名とその保護者、教員で、書面による記述形式、2015年の11月9日から11月20日にかけて実施されました。 まず、携帯電話などの所有について、小学生(4年生以上)では、携帯電話を持っている子どもが45.2%、スマホが14.6%で、中学生では、携帯電話が22.5%、スマホが48.5%でした。また、学年別のスマホの所有率を見ると、小学6年時には19.3%の一方で、中学1年になると44.1%に急増しています。 使い始めた時期については、携帯については小学3年生までが62%、スマホについても58%に達しており、小さな頃から携帯やスマホに触れていることが分かります。 続いて、携帯やスマホを使う際、例えば電話やアプリの時間を決めるなど、家庭でのルールがあるかという質問について、「ひとつもない」と答えた小学生は35.1%、中学生では45%でした。 そうした中、知らない人やところからメールが送られてきたなど、ネットでのトラブルに巻き込まれた経験として、小学生は9.5%、中学生は33.4%が経験があるとの結果でした。 練馬区はこれまで、すべての学校でモラル教育を年に一回実施していたとのことですが、この結果を受けて、今年の4月から強化することを計画しています。 私自身、これほど早い段階から、多くの子ども、生徒が携帯やスマホを当然のように使っていることに驚きました。こうした中、子ども・生徒を対象としたネットによる犯罪や、あるいは彼ら自身が加害者ともなってしまういじめなども大きな問題となっています。例えば、先日も区内のある中学校で生徒がスマホで学校内の様子を撮影し、ツイッターに投稿するといった事例も発生しています。 これまで、家庭や学校で、ネットに関する教育が十分行われてこなかったことは問題だと感じます。今回の結果を参考に、行政として子どもたちを守るために子どもだけでなく、保護者に対してもモラル講習の充実をはかるなど、しっかりと対応を取ることが必要だと思います。

小中学生の体力テスト・生活習慣調査の結果からみる練馬区の課題

先日の委員会、2015年(平成27年)4月~7月にかけて実施された体力テストと生活・運動習慣調査の結果も報告されました。このテスト、練馬区だけでなく全国ですべての小中学生を対象に毎年行われています。 結果をみると、報道でもいわれているように、全国的に子どもたちの体力はなだらかな低下傾向にあります。その中で、練馬区の子どもたちの特徴をみると、さらにいくつかの特徴がみられます。 まず、全体的な特徴について、練馬区の子どもたちは中学三年生時点で、身長が全国平均よりも男の子では0.9㎝、女の子でも0.5cm高い一方で、体重はそれぞれ300グラム程度軽い傾向があります。 また、体力については、全体的に全国平均より低く、特に中三の男子は、ボール投げでは10%、立幅とびでは中三の男子では4%程度低い数値となっています。 そして、最も驚いたのが生活習慣についてです。 生活習慣では、運動の実施状況、朝食の有無、睡眠時間等を調査していますが、その中で、練馬区の中学三年生において、朝食を全く食べていないという男子生徒は全国平均の2倍近い3.4%、また睡眠時間についても6時間未満と答えた生徒が女子では16%に上っていました。成長期の児童や生徒にとって、食事や睡眠は非常に重要です。特に子どもの貧困も社会的な問題になっている中で、朝食を食べないのか、そもそも食べられないのかなど、その背景も含めて来年度、しっかりと調査したうえで、行政として向き合う必要があると思います。

2018-08-21T09:41:59+09:002016年2月17日|Tags: , |

文教児童青少年委員会② 小中一貫教育の推進について

現在行われている第一回定例会、通常の議案に加えて来年度の予算についても審議されるので、非常に大変。毎日膨大な予算書や資料を眺めながら、この数字はなんだろう??と頭を抱える日々。 そんな中、本日は先週に続いて文教児童青少年委員会が行われました。 今日の委員会、主な議論は練馬区における小中一貫教育の推進(案)でした。小中一貫教育、名前だけ聞くと、9年間を一貫して授業することで子どもへのメリットも大きい、という印象も受けますが、実際にはまだまだ多くの課題があります。 第一に、練馬区の小中一貫教育は文部科学省が認定したうえで実施する9年間を連続して授業を行う形ではありません。練馬型小中一貫教育は、法律上はこれまで通り、小学校、中学校が分かれていて、学習指導要領も通常の学校のものを用いています。その中で、可能な範囲で子どもたちの交流を促進する、というものです。練馬区の小中一貫教育では、小中学校の施設も一体的に使う施設一体型、それに分かれた学校が連携する分離型があります。練馬区では施設一体型のモデル校として大泉桜学園があり、平成28年度中にもう一校を決定することになっています。 小中一貫教育といいながら、実態としては小学校と中学校でカリキュラムが分かれたまま、そして今度どのような方向を目指すのか明確でないまま、事業が進んでいます。そもそも、教育の公平性が求められる公教育の中で、他の公立学校とは異なるカリキュラムを取ることも視野に入れた小中一貫教育をすすめることが望ましいのかどうかについても議論は尽くされていません。 区が舵を切る小中一貫推進の流れの中で、練馬が進めるべき教育の在り方についてしっかりと議論をしていきたいと思います。

2018-08-21T09:41:59+09:002016年2月16日|Tags: , |

文教児童青少年委員会報告① 練馬区教育・子育て大綱(案)について

先日から議会がはじまりました。 本日は文教児童青少年委員が行われました。今回の委員会では報告事項だけでも合計で16件もあり、祝日の昨日も息子が「あうあー(訳:パパ、何してんだよ、遊ぼうよ)!」とおねだりする声に後ろ髪をひかれながら案件の勉強をしていました。 今回の委員会、主な案件は、 1) 練馬区教育・子育て大綱(案) 2) 幼保小連携推進方針(案)、そして 3) 小中一貫教育の推進方針(案)、に関する報告でした。 今日は「練馬区教育・子育て大綱(案)」についてご報告します。 この大綱、国の「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」の改正(平成27年)に基づき、教育に関する目標や施策の根本的な方針について5年程度を範囲として、区でも策定されることになったものです。 昨年の委員会で大綱の素案が報告された後、パブリックコメントを受けて本日の委員会で修正案が報告されました。委員会での主な議論は以下の通りでした。 (詳細は後日公表される議事録をご確認ください) <大綱の位置づけ> 今回、法改正によって、新たに大綱が作られることになりましたが、特徴の一つに、「区長」が教育委員会と協議して作成することになった点にあります。 練馬区にはすでに同様の「練馬区教育振興基本計画」が存在します。この計画、教育の政治的中立性、独立性を担保するために、教育委員会が作成していました。来年度にこの基本計画の見直しを行うことになっていますが、それは大綱に基づいて作成することになっています。これによって中立性、独立性が失われてしまうのではないか、と委員会でも指摘されました。 これに対して、区の答弁は、区が教育委員会と協働することで、「より迅速かつ効果的な対応ができるようになる」、また、教育の独立性についても十分に配慮する、というものでした。 私自身の考えとしては、まず、大綱については教育に関する政治的中立性や独立性が担保されるべきだと思います。そもそも、昨年の条例改正の結果、教育委員会の長である教育長を区長が選任することとなった(以前は教育委員会による選挙の結果選ばれていたが)こと自体が深刻な問題だと考えています。そんななかでいくら独立性に配慮すると言っても、実際には区長の意見がかなり色濃く反映されることになることは間違いないでしょう。だからこそ、これまで通り教育委員会が担うこと、または外部の有識者委員会などによって編成されるべきだと考えます。 <インクルーシブ教育について> 続いて、寄せられたパブリックコメントの中に、区民の方からインクルーシブ教育の視点から学ぶ環境を整えるべきことを加えるべき、という指摘がありました。インクルーシブ教育は、同じ教室や環境で勉強することを通じて障がいがない子も持つ子どもわけへだてなくともに学べるようにするという考え方です。それに対して、区の回答は「取り組みの視点の中に子どもたちが生まれ育つ環境や障がいの有無にかかわらず、等しく公平に質の高い教育が受けられる教育が受けられる環境を整えることが大切」と記述しているというものでした。 しかし、「等しく公平に質の高い教育が受けられるように」というこの回答は、障がいを持つ子どもや外国籍の子どもたちを区別・排除せず、ともに学ぶという考えが抜け落ちており、コメントに対応するものではありません。だからこそ、私はこうした考えをしっかりと含めるべきだと訴えました。 これに対して、区は今後検討するとの回答でした。 後日ほかのテーマについてもご報告いたします。 (写真は今回の委員会の資料です。。。)

2018-08-21T09:41:59+09:002016年2月11日|Tags: , |
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