文教児童青少年委員会のご報告③ 練馬区の生活保護、準保護世帯への「学習支援事業」の問題点
先日の委員会、練馬区が生活保護、そして準保護世帯の中学三年生を対象に実施する「学習支援事業」について報告がありました。 こちらの事業、これまでは生活保護世帯は福祉事務所が、準保護世帯は学校教育支援センターが別々に行っていましたが、今年度から統合するとともに拡大して、練馬全域で行おうとするものです。 この事業は、塾の代わりに練馬区が勉強を教える、というものではなく、福祉的な側面、つまり、生徒一人ひとりに寄り添い、個々の個人的な相談に載ることや、家庭や学校での課題などを把握することも重視するものです。 しかし、今回の仕組でそれができるのか、疑問に思うことがままありました。 まず、これまでは、不登校児の支援などを専門に行ってきたNPOが事業を担ってきたのですが、今回は合計で4社が携わることになり、そのうちの二社は大手学習塾に決まりました。 学習塾だからといって、すべて不適切とは言えません。しかし、この塾について調べたところ、一社では、ネットで、まさにこの学習支援事業の講師となる学生をアルバイトで募集していました。 問題はその中身です。募集の内容を見ると、事業の内容を全く説明せず、塾のスタッフとして募集しています。また、コメントとして、「未経験者大歓迎」とあり、これでは雇われた学生も、全く何もわからないまま、対応を求められることになります。 労働条件を見ても、全部で三時間、2時間の授業と前後30分の準備、片付け、ミーティングとなっており研修の時間はほとんどないのが実情です。 今年度については、既に事業者が決定した、との報告でしたので、まずはこうした対応の改善を求めました。 学習支援事業の主旨をもう一度考えなおすともに、将来的には制度の設計自体を再構築すべきだと思います。