これからの図書館構想について。図書館はなんのためにあるのか?
7月20日の文教児童青少年委員会では「練馬区立図書館ビジョン」の項目別取組状況が報告されました。同ビジョンは2013年6月に練馬区の10年間の図書館運営の基本理念やサービスの方向性を示すことを目的に策定され、これを継承する形で昨年11月「これからの図書館構想」が完成。委員会では図書館ビジョンからこれからの図書館構想へとどのように継承されたのか報告がありました。私からは「これからの図書館構想」の問題を指摘しました。 […]
7月20日の文教児童青少年委員会では「練馬区立図書館ビジョン」の項目別取組状況が報告されました。同ビジョンは2013年6月に練馬区の10年間の図書館運営の基本理念やサービスの方向性を示すことを目的に策定され、これを継承する形で昨年11月「これからの図書館構想」が完成。委員会では図書館ビジョンからこれからの図書館構想へとどのように継承されたのか報告がありました。私からは「これからの図書館構想」の問題を指摘しました。 […]
一般質問では、練馬区の学校で働く図書館管理員の方々の待遇改善についても訴えました。(詳細は議事録をご覧ください。) 【はじめに】 学校の図書室で働く図書館管理員の方々、単に本の管理を行うだけでなく、子ども達に本の楽しみを教えたり、授業支援に入ったりと非常に重要な役割を果たしています。練馬区では、業務委託による図書館管理員の配置を進めていますが、図書館管理員の方からはこんな訴えを頂いています。 […]
練馬区の図書館、いまどうなっているの? 本日、2019年度第4回定例会が終わりました。私たちは石神井図書館の指定管理に反対しました。練馬区には現在12の図書館がありますが、そのうち光が丘、練馬、石神井を除く9カ所で既に民間企業による指定管理が行われています。そして、今回は石神井図書館についても指定管理を行うというものでした。 練馬区は石神井図書館は指定管理にしないと約束していた 練馬区はそもそも図書館の指定管理を開始した際に、3カ所については、光が丘は中央館、石神井は指定管理事業者に対する指導のための職員研修、マニュアル作成、練馬は非常勤専門員によるレファレンスの役割として残すと約束しました。しかし、その約束も今回反故にされました。 図書館は民間の運営になじむの? そもそも私たちは公共性が極めて高い公立の図書館の運営が、指定管理者による運営に馴染まないと考えます。 区は、指定管理を導入することで「経費の削減」と「サービスの向上」が実現できると言います。しかし、指定管理を導入することでなぜコストが下がるのかを考える必要があります。 指定管理に委託することで図られる「経費の削減」、その大半は人件費です。現在、全国の図書館で指定管理の導入が進んでいますが、職員の労働条件は非常に厳しく、仕事を続けることができない、という方も多くいます。また、サービスの向上についても区は窓口アンケートの結果を常に上げますが、それで一体何がわかるのでしょうか?図書館のサービスは資料の収集やレファレンスなど広範囲に評価すべきです。 また、今回の委託先については貸し出しのミスや防犯カメラの映像を外部の方へ見せたことなど不適切な対応も明らかになっています。また、それを監督する立場の光が丘図書館の事務管理能力と執行体制も厳しく問われています。この状況で、石神井図書館の指定管理への移行は立ち止まるべきです。図書館の目的は、国民が文化的な生活を送るためのインフラを提供することです。こうした状況の中で、指定管理を続けるのではなく、まずは現在の館の状況について精査すべきです。
今日の午後、岩瀬たけし事務所で「これからの図書館について考える」カフェを行いました。昨年12月、練馬区の図書館で働く専門員の方々がストライキをするのでは、というニュースが大きく取り上げられました。最終的にストライキは回避されたものの、改めて今後の図書館はどうあるべきか、地域の皆さんとカフェのような雰囲気の中で一緒にお話しました。 講師には、明治大学の図書館で長く働き、現在も大学で図書館学の教鞭をとっている飯澤文夫さんをお招きしました。 小人数でゆっくり話す予定だったのですが、あっという間に超満員。皆さんの関心の高さを改めて実感しました。飯澤さんからは地元の大泉学園に図書館ができた経緯を伺いました。今から40年前、「地域に図書館を!」という住民からの思いから始まり、それが議会での決議などもありながら、市民と共に図書館が作られていったということでした。あってあたりまえの図書館が、実は非常に強い地域の思いからできたということ、その過程を学べたことは新鮮でした。 また、東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県にあった図書館についてのお話。衣食住のあとではなく、衣食住と同じくらい本が大事だということに改めて気づかされたとのことでした。 特に印象的だったのは図書館で一番大切なのはカウンター業務である、という話でした。日々、利用者と接する中で、本を紹介したり、何が地域の図書館として必要か知ることができたりする。行政はカウンター業務を専門性が必要ない業務として、最初に委託してしまうが、それが一番の間違いである、という指摘です。昨年、図書館の指定管理にかかわる集会に参加したときに、専門員の方が「図書館の最大の財産は人であり、図書館の一番の仕事は本と人をつなぐことである」という話を伺ったのですが、そのお話ともつながっていると思います。 練馬区では12の図書館のうち、9館で指定管理が進み、さらに2館が指定管理になろうとしています。一方で、自治体によっては指定管理による様々な問題を経験する中で直営に戻すという動きも全国で見られています。公共施設である図書館の責任、行政の責任、そして皆さんの代表である議員としての責任、担うべきものがそれぞれにあります。 今日、皆さんのお話を伺う中で、図書館は単に本を貸すだけの場所ではなく、コミュニティの核にもなり、また、地域資料の収集なども担う社会施設であることを改めて認識しました。 2月12日には”図書館司書のストライキ”を受けての経過報告会が行われます(18時から、ココネリ研修室1にて)。私も参加します、ぜひお越しください!
昨年の12月、練馬区の図書館で働く司書の方がストライキをするのでは、というニュースが多くのメディアで取り上げられました。区では7月、練馬図書館と石神井図書館についても民間委託する方針を示しました。これに対して、練馬図書館で働く司書(専門員)の方々が指定管理の反対と図書館で働き続けることを求めてストを計画したのです。 図書館は何のためにあるのか、これからの図書館はどうあるべきか、長年にわたり明治大学の図書館で働いた方をお招きして話を伺います。これからの図書館の在り方について、皆さんで一緒に考えませんか? 資料代:200円 問い合わせ:岩瀬たけし事務所まで(iwasetenerima@gmail.com)
先日から練馬区の図書館で働く専門員の方がストライキをするのでは、というニュースがNHKを含む多くのメディアで取り上げられました。 なぜ、図書館専門員の方がストライキまで覚悟するような状況になったのでしょうか。 練馬区では10年前から、図書館の指定管理(民間による運営)を開始しました。そして現在は、12か所ある図書館のうち9か所で指定管理者制度を導入しています。今年7月、区から専門員らに届いた連絡では残る3か所のうち2か所、石神井図書館と練馬図書館の運営を、それぞれ2020年、2023年から民間委託すると明かされました。そして、練馬図書館で働いてきた32名の図書館専門員については「学校図書館に配置する」という追加提案をしてきましたが、専門員の皆さんはあくまでこれまで通り図書館で働き続けることを求めてこの提案を拒否し、19日にストライキを設定しました。 (詳細は池尻さんのブログをご覧ください) (引用) 「図書館専門員はなぜストライキまで覚悟したか。」 石神井・練馬の両図書館に指定管理を広げるという教育委員会の提案を巡り、労使の対立が厳しさを増しています。教育委員会は、現在、練馬図書館に勤務している32人の図書館専門員について「学校図書館に配置する」という追加提案をしてきましたが、専門員の皆さんはあくまでこれまで通り図書館で働き続けることを求め、この提案を拒否。組合は19日にストライキを設定…https://ikejiriseiji.jp/news-58/ ぎりぎりの交渉が続いた中で、ストライキの前日の夜、練馬図書館が全面委託化され指定管理が導入されても、図書館専門員は、光が丘図書館でカウンターを含む図書館業務を担うこととする、という回答が区側から出されました。区は今回の回答で、図書館専門員を解雇する考えはないことと、光が丘図書館のカウンター業務を担わせる考えを表明しました。併せて、練馬·石神井両図書館への指定管理導入については撤回の考えがないこともあらためて示しました。この回答を受け図書館専門員労組は、司書として働く場が確保されたことで指定管理者制度が拡充された後も、今後の交渉次第で区立図書館サービスの水準維持が可能になると判断しました。そこで区と引き続き交渉するため、12月19日と26日のストライキは延期されました。次の交渉期限は1月18日になります。 ストライキが延期され、12月19日の7時45分から報告集会が行われ私も参加しました。朝早くにも関わらず200人近くが参加していました。 先日の反対集会で専門員の方が「図書館の役割は人と本をつなぐことに尽きる、だからこそ専門員の役割がとても重要だ」と仰っていたこと、その通りだと思います。図書館専門員の方々は30年にわたり練馬区の図書館を支えてきました。皆さんの経験や培った知恵を使い捨てにするようなことがあってはなりません。専門員の方々の訴えの中にある「企業の利益のためでなく、区民のための図書館を! Libraries for people not for profit!」という言葉を行政が真摯に受け止めるべきです。