部落差別について…私たちは日々、霧雨を浴びるように差別を受けている

部落差別についてのイベント、講師に上川多美さんをお招きして、今回が3年振り2回目。今回は特にマイクロアグレッション と呼ばれる無意識に発せられる差別的な態度や発言についてお話を伺いました。 […]

部落差別を知っていますか?マイクロアグレッションについて

 3年前にもお話を伺った上川多実さんから、部落差別についてお話を伺います。  第二弾の今回は、あからさまな差別だけでなく、無意識の差別や偏見によって悪意なく人を傷つける【マイクロアグレッション】について考えたいと思います。  コロナ禍によってリアルな繋がりが減ってしまった2年間。自分と異なるタイプの人との接点が持ちづらい日々でもありました。自分と異なるタイプの人への無関心さ、さらにはあたかもないものとしていないか……。一人ひとりが日常的にしてしまっているかもしれない【マイクロアグレッション】について向き合いたいと思います。 スピーカー:上川多実さん  1980年生まれ。関西の被差別部落出身の両親のもと、東京の被差別部落ではない地域で生まれ育ちました。  部落問題の当事者として声を上げてもスルーされてしまう周囲の無関心さや、部落差別が見えにくいからといってあたかもないものとするような流れに違和感を持ち、抗おうとしながら育ってきました。  現在は、部落を取り巻く様々な「なぜ?」を知ることは、部落の人だけでなく、すべての人の幸せにつながるヒントになるのではないかと思っています。 日時:7月23日(土)14時~ 場所:日本キリスト教団大泉教会 〒178-0061 東京都練馬区大泉学園町2-23-54 大泉図書館の正面です。 お申込みは岩瀬たけし事務所まで TEL&FAX:03-5935-4071 MAIL:iwasetenerima@gmail.com 、

部落問題を通して考える、日常の中の差別…マイクロアグレッションについて

練馬区の講演会、上川多実さんのお話を聞きました。私と同世代の上川さん、被差別部落出身ということでこれまで様々な差別を経験してきたとのこと。中学時代には父親の妹が結婚差別によって音信不通になったことを知ったそうです。そうした時期に何よりも辛かったのは周りに相談しても「もう差別なんてないんじゃない?」などと誰も理解してくれなかったことだったとのことです。https://iwasetakeshi.net/2019/07/discrimination/ […]

<部落差別のイベントを開催して。決して過去の問題ではありません>

「部落差別なんて、もう昔のことでしょ。そのうちみんな忘れるんだし、あえて話すべきではないよ」こうした意見を聞くこともありますが、本当にそうなのでしょうか?? 今回の「いわせてカフェ」では、「部落差別」をテーマに当事者でburaku heritageのメンバーの上 川多美さんをお招きして話を伺いました。私と同世代で幼稚園と小学校のお子さん二人を育てています。3連休の初日にも関わらず50人近くがお越しになりました。 上川さんの親戚が、結婚の時に部落出身であることを理由に家族との縁を切れと言われ、消息不明になったこと。学校のすぐ近くにある会社の工場でも就職差別が問題になったということ 。十代の頃に周りにこうしたことを話そうとしても、「もう昔のことじゃないの?」と、理解されずに自分の存在が否定された気がしたとのことでした。 上川さんのお話を聞いて、部落差別について「寝た子を起こすべきではない」と話題にすることを避けるべきという意見もありますが、一見正しいようで、これは差別を受けて苦しんでいる人に「黙れ」「我慢しろ」と言っているのと同じことなのだということを実感しました。しかも、今はインターネットなどで部落に関する個人情報などが次々と暴露されており、名字や出身地による新たな差別も生み出されています。 練馬区が今年行った調査でも、「もし自分のお子さんが同和地区出身の方と結婚したいと言ったらどうしますか?」という問いに「賛成する」と答えた方は30%しかいなかったという衝撃的な結果が出ています。多くの方が部落差別なんて存在しないと考える一方で、自分の子どもが部落出身者と結婚しようとすると反対する。問題の根深さを象徴しています。 上川さんも家族の情報や自宅の住所までネット上で公開され、嫌がらせを受けたりもしているとのことです。しかし、それでも自分が声を挙げることを通じて差別がなくなるために、SNSでの発信も含めて活動されています。「差別を許すな!」と叫ぶよりも、部落の素晴らしい文化も紹介したり、笑顔で明るく、ジョークも交えて言ったほうが、特に若い世代には効果的とのこと。自身のお子さんも含め、積極的に食卓等で部落について話すことで、差別を内面化することを防ぎ、多様性が尊重される社会にもつながるという点、会場の皆さんも大きくうなづいていました。 上川さんが活動をするなかで、トランスジェンダーや同性愛者の人等の、いわゆる「差別を受けがち」な、多様な背景の人たちとも仲良くなり、その人たちの輪の中で子育てをすることで、自分自身も子どもの人生も豊かになったという言葉も、印象的でした。 参加した高校生が「今日、参加するまで部落問題というのは外国の話だと思っていました。学校でも全然教えてもらってなかったし。だから、話を聞けて本当に良かった」と発言してくれたのが大きな救いでした。 知らない事は差別に加担しているのと同じこと、という参加者からの感想も印象的でした。 2016年には部落差別解消法が制定され、川崎市では今年度、部落差別を含むすべての差別を禁止する人種差別撤廃条例が制定されることになっています。練馬区においても、学校での啓発ももちろんですが、区として真剣に取り組む姿勢を示すためにも、すべての差別を許さないという指針や条例を作るべきであり、それを区議会でも訴えていきたいと思います。

練馬での3.11 多文化共生、原発問題、部落問題を考える

東日本大震災が発生して6年。 地震の後、妻や外国人の友人と石巻にボランティアへ行きました。私たちが訪問したのは、建てたばかりだったのに津波にあって、もう住めなくなってしまった家。奥様がこの壁紙はここで取り寄せて、この天井はこんなこだわりがあって、と説明を伺いながら、その壁を一枚一枚ハンマーで壊す。そんな作業をしながら、地震によって一人ひとりの生活がこんなにも変わってしまうことに衝撃を受けたのを今でもはっきり覚えています。 311を迎えて安倍首相は、震災から6年が経って、「節目を迎えた」としてこれまで毎年行ってきた会見を打ち切りました。しかし、現在でも全国で12万人以上の方が避難生活を続けていて、決して終わった話などではありません。 練馬区では昨日、震災に関連して多くのイベントが実施され、私もできる限り参加させていただきました。 一つ目は、武蔵大学のアンジェロ・イシ教授(社会学部)にご招待いただいた武蔵大学の白雉映画祭。ご自身も日系ブラジル人ということもあり、多文化共生に力を入れています。今回の映画祭では、311をグローバルな視点から見つめることをテーマにしており、日系ブラジル人の生活を描く「軌跡 在日ブラジル人の25年」というドキュメンタリーを見ました。この中では、南相馬でボランティアをする日系ブラジル人が登場したのですが、彼女は日本語は6語しか話せない、でも、大切なのは「向き合って心で話すこと」という考えで、活動を続けています。彼女は日本に来た時は、様々な差別を受け「ブラジルでは日本人として育てられたのに、日本に来て、自分が日本人でない」と感じ、来日したことに大変な後悔をしたそうですが、今はボランティアとして自分が誰かの役に立てていること、それが一番で、もしここで死ぬとしても、何の後悔もないとのことでした。 その後、ダッシュで練馬に行って「ねりまでもデモ」に参加。こちら、311にあわせて毎年、原発反対を求めて行進するもので私もできる限り参加してきました。今年は特に、自主避難者への住宅扶助が打ち切られるということへの反対を250名(主催者発表)の皆さんとともに、プラカードを持って練馬駅の周辺を行進しました。 そして、もう一度江古田に戻り、今度は部落問題を取り上げた映画「ある精肉店のはなし」(https://www.seinikuten-eiga.com/)の纐纈監督のお話を聞いてきました。監督いわく、「一番問題なのは、傍観者になってしまうこと」。それが部落問題だけではなく、外国人、原発や辺野古基地の問題など、すべての課題を象徴している気がしました。 それが終わってようやくお昼、といってももう6時。慌てて、近くのラーメン屋さんでかきこんで、私が属する「市民の声ねりま」の運営委員会へ。そこで皆さんと議会で起こっていることなどディスカッションをして、終わったのは10時。 寝ている息子のほっぺにチューしながら歯も磨かず爆睡しそうになりましたが、新たな学びがたくさん得られた一日でした。

部落差別は決して過去のものではない。練馬区人権セミナー「東京で部落差別と向き合う」同世代の方から話を伺って。

練馬区の人権セミナー「東京で部落差別と向き合う」に参加しました。講師は東京で部落問題について当事者として情報発信・啓発活動を行っているBURAKU HERITAGEのメンバー。(https://www.burakuheritage.com/) 同世代の彼女のお話、とても印象的でした。 お父さんの妹さんは、結婚の時に相手の家族から、「部落出身の親戚とは縁を切れ」と言われて消息不明になってしまった。彼女自身も中学生の時、学区域にあった企業が部落出身者に対して就職差別を行っていたことが新聞で取り上げられ、大変なショックを受けたとのこと。そんな中、一番辛かったのが、友人に部落差別の話をしても、「部落って何?今でもそんな差別があるの?」と、存在しないことのように扱われてしまうことだったそうです。 データを見ても、部落問題はなくなっていないばかりか、むしろ深刻化しています。東京都の調査では、「同和地区」出身者との結婚に関して、「家族や親せきの反対があれば結婚しない」、あるいは「絶対に結婚しない」という回答、平成11年には4.8%だったのが、平成26年には13.7%にまで増加しています。 練馬区の調査でも、「あなたのお子さんの結婚相手が「同和地区」出身の場合、あなたはどうしますか?」という問いに対して、「賛成する」と答えた方は、たったの24.5%でした(平成25年)。 特に近年ではインターネットの普及によって、部落差別を助長するような、住所や氏名などの個人情報が勝手に公開されたりして、ご自身や仲間のご自宅にもひどい嫌がらせの手紙などが送りつけられるとのこと。私も性的マイノリティや外国人の人権問題を訴えたところ、嫌がらせの手紙が届いて恐怖を感じたことがある中で、とても他人ごととは思えませんでした。 彼女の差別への向き合い方にも共感しました。ご自身が活動する中で、何人もの方に言われたのが「部落問題、そのうち知っている人もいなくなるし、何もしない方がいいんじゃないの?」という事だそうです。「寝た子を起こすな大作戦!」と呼んでいましたが、それに対して「この考えは、一見正しいことのようにも見えますが、でも、それは今、差別を受けている人に我慢してろと言っているのと同じ、だから、私は黙らずにしっかりと向き合う」とのことでした。 それでは、何が大切か。それは、どんな差別に対しても同様で、講師の方も仰っていましたが、当事者だけでなく、一人ひとり、社会全体がこうした差別を許さない、という覚悟や態度を勇気をもって明確に示すことだと思います。 練馬区でも平成27年ごろから、公共施設における差別的な落書きが急増しています。 部落差別解消法が昨年にようやく制定された中で、練馬区においても、法の理念が実現されるための具体的な施策を図るよう、議会でも訴えていきたいと思います。

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