大晦日に思うこと
(scroll down for English / Traduccion espanola esta abajo)
あっという間に一年も終わり。
みなさまにとってはどんな一年だったでしょうか?
私にとっては怒涛のような一年、練馬区議として初当選から初議会、本当にたくさんのことがありましたが、皆さまのご助言やご支援があったからこそ、一年を無事に終えることができました。この一年、地域の声を聴くことの大切さを実感してきました。
年末には地域の防災のための見回りにも参加させていただき、一年を締めくくることができたこと、本当にありがたいと思っています。
そして、年末。私は千葉が実家なのですが、あまりに忙しかったので、息子が生まれてから帰省するのは2回目。前回は小さくてほとんど眠っていたので、実質的には初めて。
大晦日、近くの庭園で段ボールに息子を入れて草スキー。元旦には練馬に戻るので、少し早めに初めての凧揚げ。息子にかっこいい姿を見せなくてはと全力で走る。しかし、全然上がらない。焦りだす私。それを見て大笑いする息子。ぜーぜー息をする私を横にニコニコして凧の端っこを持ってトコトコ(ほとんど走って)ついてくる。
なにげない日本の大晦日の一コマ。でもこれがまさに、私が守らなくてはと思っている日常。
私が数年前まで居たパキスタンやコンゴ、妻が居たレバノン等では今年も戦争やテロでたくさんの人々や子どもたちが犠牲になった。日本でも今年は安保関連法が可決され、何気ない日常が知らず知らずのうちに脅かされてきているような気がする2015年の大晦日。難民やLGBTの人々、多様性に対する不寛容のひろがりが心配される大晦日。この日常の風景が来年も、10年後も50年後も続くように、来年も少しでも練馬からできることをしていきたいと思いを新たにする。
一年を振り返りながら静かな年末を、というのが私の理想だったのですが、息子のおかげで油断も隙もないなか振り返る時間もないままドタバタしながら、それも含めて感謝感謝の一年でした。
Thanks to everybody’s support, I won the election in April this year as a Nerima City Assemblyman. I have advocated for minority rights including LGBT and refugee rights among others during the first session of the parliament. I look forward to another year of challenge. May 2016 be filled with happiness for you and your family.
Gracias al apoyo de todos, gane las elecciones en abril de este año como un asambleísta de Nerima Ciudad en Tokio. He luchado […]
年末の大掃除
一年もまもなく終わり、ということで今年も午前中の空き時間を利用して大掃除にとりかかる。
息子もずいぶんと自由に動き出したことから、いつもにもましてカオス状態の我が家。
そこでまずはto doリストを作成。お風呂、トイレ、キッチンの掃除、窓磨き、床のワックスがけ・・・。家事の中でも片付けが一番好きな私だが(いつも妻に「片付け魔」と怒られる)リストにするだけでおなかいっぱいになる。
そして、今年の大掃除、いくつか秘密兵器を準備。というのも、息子が床をはいまわるので、体に悪いワックスは使えない、ということで、天然素材100パーセントのものをアマゾンでゲット。あわせて、窓拭き用の洗剤も買って、気合を入れてワックスがけを始める。一人黙々と作業をしていると、後ろであーうー言う声が。「むむ?息子がもう駄々をこねだしたか?」と慌てて振り返ると、なんと私の様子を見て、自分でもお手伝いをしようとしてくれていた。ワイパーを持って一緒に床を磨いてくれる息子。まさかこんな日がこれほど早く来るとは…、ただただ感動。いつもよりも綺麗に片付いた大掃除だった。
区政報告レポート「いわせてかわら版」(議員半年目のご報告)の作成
また、今までのかわら版、私のウェブサイトでも公開していますのでぜひご覧ください。(写真は現在作成中のかわら版の一部です。)
クリスマス
<クリスマス>
息子にとって二回目のクリスマス。
今年はどうお祝いしようか、ワクワクしながら考える。
サンタさんを登場させるか、それともクリスマスケーキを作ってみるか、しかし、考えてみたら、息子はまだ何もわからない、それなら私たちが楽しもう、ということで、なぜか息子にサンタの恰好をしてもらうことに!がぜん盛り上がる私、冷静な妻を横目にいろいろ調べて、さっそく子ども向けのサンタの衣装とトナカイのカチューシャをゲット!クリスマスまで待たなきゃと思ったが、あまりの可愛さについフライングして着せてみる。すると、あまりの「これじゃない感」にビックリ。髪を切ったせいか、焼きのりのような眉毛がやたら目立ってりりしくなった息子、サンタさんの恰好をすると、場違い感がありまくり。
とはいえせっかく買ったので、息子を連れてそのまま教会へ。教会では皆さんにちやほやされて、とてもいい気持ちになった息子、というより私。
その後の礼拝では山田牧師がキリストの誕生と重ねて現在の日本における課題も指摘する。例えば、福島原発の除染作業では、多くの外国人労働者が劣悪な条件のもと、仕事をすることを余儀なくされている。これはキリストの誕生を最初に祝った羊飼いたちの姿に重なるという。多くの方々の犠牲の上に私たちの生活が成り立っていること、それは、古代から何ら変わっていない。クリスマスの今日も昨年まで働いていた南米やアフリカ、中東、そして日本でもたくさんの方が寝る場所もない中、または砲弾の飛び交う中での生活を送っている。そうしたことに思いを馳せ、自分ができることは何かを考えることが大切だと改めて実感する。
キャンドルの明かりに照らされ、息子を抱きながら皆さんと一緒にクリスマスの讃美歌を歌うと、心が平穏になった。
息子の初めての床屋
息子が生まれて1年3か月、ついにこの日がやってきた。
息子の髪、初めて切るときには、その髪を筆にして、水墨画(風?)の絵を描くのが好きな父にプレゼントしたいと考えていた。生まれて半年ごろから、そろそろかな?とワクワクしていたのだが、髪が伸びるのが遅い息子、「あーこれじゃ足りないです」と言われ、なかなか作成に至らない。
そして、先日ついに床屋さんからもう大丈夫との許可がでる。大喜びして予約する私たち。しかし、床屋さんの話では、息子の髪は量が少ないしコシがない、だから私の髪も中心部に使うために必要とのこと。息子の断髪式を撮影しながら自分も切ってもらう。「髪が少ないのはなぜだ。。。すまん息子よ…」と思いつつ、私の一番のコンプレックスだったゼッペキ頭もデカい顔も似ておらず、息子はまあまあ良い形の小さな頭をしている(妻に似たのだろう)のを確認して、ほっとする。
床屋の椅子に初めて座る息子。回りをキョロキョロ、そしてすぐ近くの水槽に目が釘付けになる。水槽に手を伸ばそうとする息子をうまくかわしながら、上手に髪を切ってくれる店員さん。すごいプロ意識を見る。そして、そのすきに、いつの間にか私の髪もあっという間に切られていく。
すっきりしておさるさんそっくりになった息子と私(?)、帰りにご褒美としてたけおの人生2回目の外食。ハンバーグをいっぱい食べて親子で満足して家路につく。
東洋英和女学院大学での講義 南北問題について
先週の早稲田大学に続いて、昨日は東洋英和女学院大学で講義する機会をいただく。お招きいただいたのは国際教養学部で、教授の滝澤先生はUNHCRでインターンをしていた際の駐日代表でもあり、非常に光栄。
同大学での講義は1月に続いて2回目。2回目だから大丈夫と思って少し安心していたが、教室に入ってびっくり。今回は大人気のクラスということで生徒の数が200名近い!これほど多くの学生を前にお話しするのは初めて。しかも階段教室のため、皆さんの顔もすごく近い。
早稲田では「ラテンアメリカ研究」ということで南米での経験を中心にお話ししたが、今回の授業は「南北問題」。そのため、先進国と途上国との格差やそれによって発生した難民の問題など、国際協力の現状や援助の仕事の実態をふまえてお話しする。同時に、現在の日本にも貧富の格差、異なるものへの排斥、男女の格差などたくさんの課題が存在すること、だからこそ、地域から政治を変えたいという思いから区議として活動していることなどもお話しさせていただいた。
学生の多くも国際協力の仕事を志していて、非常に真剣に聞いてくれる。
そして、講義後も海外での活動の中で一番苦労したことは何か、など、非常に具体的な質問をいただく。
授業の後、全員から感想のレポートが届く。
感想文から伝わる、世界の平和や貧困削減のために、何かしたい、という想い。また多かったのが、進路を考える上で、またこれから社会人としてやっていくうえで講義が役にたったという声。皆さんの熱い想いがすごく嬉しい。
学生と向き合ってお話させていただくことを通じて、なぜ国際協力を志したのか、そして、なぜ現在区議として活動しているのか、改めて考えるいい機会になった。
当事者研究の勉強会に参加
先日「NPO法人ふらじゃいる」の勉強会に参加。
この勉強会、ふらじゃいるも実施している当事者研究についての理解を深めることを目的に行われた。
当事者研究とは、専門家の知識や技術よりも当事者の経験にこそ病気や苦労を解明する知恵が眠っているという考えに基づき、当事者同士で話し合いを通じて解決策を模索するというもの。だからこそ、ふらじゃいるのモットーも非常にユニークで「病気を出す居場所作り」「世界一弱くて明日にでも潰れそうなNPO」となっている。
今回の勉強会、講師には、当事者研究の発案者でもある向谷地 宣明氏と、東京大学先端科学技術研究センター 准教授の熊谷 晋一郎氏が招かれた。
これまでに地域で行われている「かふぇふらじゃいる」には何度も参加させていただくなかで、解決策だけを検討するのではなく、話し合いのプロセスの中で、参加者が一体感をもって解決に取り組む姿に感銘を受けていたが、当事者研究の歴史や内容を体系的に教えていただくのは初めて。非常に勉強になった。
最も印象に残ったのが、その場で紹介されたフィンランドの専門家の言葉「精神障がいとは人間の苦悩(苦労)が最大化したものである」というものだった。だからこそ、当事者研究では薬だけで治そうとするアプローチとは違い、周囲とのやり取りを通じて学びを深めることを可能にするということ、また、「苦悩の中にこそ生きるための何か(経験)が象徴されている」という言葉も印象的だった。
また、今回の勉強会の中では、精神障がいを持つ方も、持たない方もわけ隔てることなく、ともに地域の中で支えあいながら生活することこそ大切であるということを前提に、「地域の苦労を自分の苦労にする」ことの大切さが訴えられていた。経験に基づいた言葉、心に響くともに、少しでもこの言葉を実践できるよう、頑張らなければ、と改めて感じるいい機会だった。
夫婦別姓訴訟について
友人も弁護士として関わっていた夫婦別姓訴訟の最高裁での判決が出ました。
結果として、夫婦別姓を認めない民法の規定を合憲と判断しています。ただ、3人いる女性全員を含む5人は、違憲だとする意見を述べています。
私は、夫婦別姓は当然認められるべき権利だと考えます。自らが自分の姓を選ぶのは当然の権利であり、そのことで他者の利益を侵害するものではありません。
夫婦同姓とすべきと根拠として、日本の伝統である、とか、夫婦の姓が違うと家族の絆が壊れるといった理由が上がっていますが、あまりにも根拠に乏しい。そもそも、夫婦「」同姓が制度として始まったのは明治以降。では、それ以前は、家族制度はなり立たなかったのか、あるいは同じ苗字でなければ絆は壊れてしまうのか、ということにもなります。
さらに、今回も含めて、選択的夫婦別姓を導入すべき、という話であり、同姓でありたいと思う方々はこれまで通りすごせばいいわけです。また、現在でもどちらかの姓を選べるのだから差別には当たらない、という方もいますが、実際、婚姻したカップルの99%は夫の姓を名乗っている現実があり、どちらか選ばなければいけない→文化・社会的なプレッシャーで夫の姓を選ばざるを得ない、ということで、決して自由に選択できているわけではないと思います。
この状況については、国際的にも厳しい批判が寄せられています。
国連の女性差別撤廃委員会は2003年と09年の勧告で、民法が定める夫婦同姓についても法改正するよう求めています。
また、2015年9月23日時事ドットコムの記事(http://www.jiji.com/jc/zc?k=201509%2F20150923001)によると、現在、別姓も選択できる制度を採用する国が増え、同姓を強制する国は世界でもジャマイカとインドのヒンドゥー教徒くらいというのが現状です。
こうした中、日本でこのような判決がなされてしまったことに憤りを感じます。女性の活躍等、大仰な言葉が並んでいても、実態は何も変わっていないのではないでしょうか。
世界経済フォーラム(WEF)の2015年版「ジェンダー・ギャップ指数」は145か国中101位。今回の判決も現代の日本の状況を象徴している気がします。(日本経済新聞 「男女平等ランキング、日本は101位 女性活躍へ道遠く 」)
男性の主体的な子育てについて(活動の成果)
今年9月に行った一般質問。
性的マイノリティや外国人の人権問題と共に取り上げたのが、男性の子育ての促進に向けた区の取組みでした。(⇒記事を読む)
男性の主体的な子育ては、男女共同参画社会およびワークライフバランスの実現に向けた重要な一歩です。
私自身、海外から戻り、1歳の息子を育てる中で、ジェンダーについて考えさせられることが沢山ありました。「仕事と子育ての両立をどうするの?」と聞かれるのは常に、私ではなく妻であることや、子どもを病院に連れていくだけで、「イクメンね」と褒められる一方で、妻に対してはイクウーマンという褒め言葉は無いことなどに違和感を持っていました。
特に、アメリカでは妊娠した際に、”We are pregnant”(私たちは妊娠しているの)と表現するように、夫婦が共同で子どもを産み、育てるというあり方が広く浸透している一方で、日本ではまだ子育ては女性の仕事という意識が強い気がしていました。
男性も女性もジェンダー意識から解放され、対等な関係に基づき、責任を共有した子育てができるべきです。そのために、行政が、差別的な習慣や制度を見直し、平等意識の啓発をするとともに、家庭や地域生活に使える時間を増やす後押しをする必要があります。
こうした状況を踏まえ、一般質問では以下のような提案を行いました。
<練馬区での男女共同参画計画における「家庭・地域での男女平等意識の推進」を図るための指標は「パパとママの準備教室の受講者数」となっています。これだけでその結果を把握することはできません。だからこそ、練馬区でも現在の指標の見直しを行うとともに、国の計画での目標値である「6歳以下の子どもを持つ男性の家事・育児の平均時間」などを指標の一つとして採用すべきです。>(要旨)
この提案を受けて、先日発表された第四次男女共同参画計画の素案では、「男性の家事や地域活動などに携わる時間を増やすことが重要です。」という文言とともに、仕事と生活における男女平等を推進するための指標として「家庭における男性の家事・育児等への平均従事時間」(現在の8時間から16時間へ)が目標として採用されました。
男女共同参画計画は4年から5年に一度策定される大きな目標の一つで、これに基づいて区の様々な施策が策定されます。こうした計画の中に、先日も記載した性的マイノリティの権利ととともに、男性の子育てに関する具体的な区の目標が策定されたのは大きな前進だと思います。
今後は計画に示された目標がしっかりと達成できるよう、議会の場でもしっかりと声を挙げていきたいと思います。
また、男性の主体的な子育てについても1月12日まで、第四次男女共同参画計画におけるパブリックコメントを受け付けていますので、なるべく多くのご意見を区にお伝えいただければと思います。
早稲田大学での講義(国際協力について)
昨日、早稲田大学の社会科学部で国際協力について講義する機会をいただいた。
大学で国際協力について講義するのは、1月の東洋英和女学院大学での講義以来で久しぶり。
担当したのは、「ラテンアメリカ研究‐国際社会とラテンアメリカ‐」の授業で3年生~4年生の約100名が対象だった。
大学院を卒業して以来の早稲田、どれくらい変わったのかな?とキョロキョロしながら校舎を探すとびっくり。ほとんどの建物は建て替えられている中、そこだけ15年前、学部生だったころと全く変わっていない。実際の教室もモニターが付いたり、椅子がきれいになったり、ちょっとずつ変わってはいるものの、基本的には私が授業を受けていた頃と全く同じ。すごく懐かしい気持ちになる。そして、思いは自然と学生時代に。一体何を考えていたかな…そして、最初に思ったのが、大学三年生のころ、すごく自分の進路に迷っていた、ということだった。
当時の私、それは国際協力に関する知識ではなく、それよりも自分が日々、または将来、どうやったら国際協力に関われるかその手段だった。
だからこそ、講義では、自分がなぜ学生時代にエクアドルへ留学したか、何を考えて民間企業を辞めてボランティアである青年海外協力隊に飛び込んだか(途上国の犠牲の上に漫然とあぐらをかき続けることへの罪悪感で脱サラしたこと等)、そしてその後、開発コンサルタントとしてどんな仕事をしてきたか、そのうえで、なぜ今、練馬区議として地域で活動しているかをお話しした。
また、海外に行かなくても身近でできる国際協力として、今回も日本に来た難民が働くネイルサロン(ARUSHA)や、難民の方が運営しているレストラン(高田馬場に沢山あるのでぜひ飲み会で使ってほしい)、エシカルジュエリー(HASUNA)、等様々な例を提供し、実際の活動に繋げてもらいやすくした。
必ずしも国際協力に関心がある学生ばかりではないかと思い、真剣に聞いてくれるか不安だったが、皆さんとても関心を持って聞いてくれ、授業後にも将来の進路に悩んでいるという学生さんたちから相談もいただく。
今回の授業、若い学生と向き合うことで、私自身も、なぜ区議を志したのか、改めて考えるいい機会となった。