子どもの虐待に対する福岡市の取組~虐待は家族だけの問題ではない~
視察最終日、福岡市のこども総合相談センターを訪問。
同センターは子どもの虐待に関わるすべての問題に総合的、一元的に対応していて、弁護士も常駐しています。虐待の相談から子どもの一時保護、さらにその後のケアまで総合的に一か所で担っている機関は少なく、全国の自治体が視察に来ています。
最初に子どもへの虐待の現状について伺いました。センターへの虐待相談数は増加傾向にあり、平成26年度は過去最高の718件となっています。内訳は1)放置的虐待(ネグレクト)(39%)2) 身体的虐待(33%)、3) 心理的虐待(27%)、4) 性的虐待(2%)です。
加害者は、実母が最も多く66%、次いで実父が22%となっています。継父は5%程度ですが、重篤な虐待を行うのは継父が最も多い状況です。
こうした状況を踏まえ、センターが抱える課題、対応について話を伺いました。
1. 赤ちゃんの泣き声による通報について
近年、最も多い通報が赤ちゃんの泣き声によるもの、いわゆる「泣き声通告」です。センターでは通報を受けた場合、すべての家庭を48時間以内に訪問し、虐待の実態を把握することになっています。ただ、泣き声通告の場合、そのほとんどはまず問題ないもので、児童相談所からの訪問はかえって親の育児不安を高めてしまうこともあります。
例えば、訪問したことで、周囲の住民から虐待していると思われたとショックを受けてしまい、子どもが泣き出したら口に布を入れてしまうとか、外にでるのを怖がるようになる、といったケースもありました。
そのため、センターでは保護者への支援的アプローチを強めるために、民間NPOへの委託による「子育て見守り訪問員」を派遣することにしました。これによって、児童相談所職員の訪問より、受け入れる保護者への負担が軽減されると共に、児童相談所職員がより重篤なケースに集中することができるようになったとのことです。
2. 虐待を受けた児童の保護について
虐待の恐れが高い児童に対する強制保護、平成26年度は約80件に達しています。欧米では強制保護は裁判所の決定ですが、日本では行政処分として行っています。強制保護、本人も親も虐待を否定する場合は非常に難しいとのことです。
一例として、性的虐待を受けている中学生の女の子のケース。本人も親も虐待を否定。しかし、虐待の可能性が非常に高いと判断し、強制保護を実施。最初の数か月、本人は家に帰りたい、と話していましたが、9カ月後、ようやく親からの虐待があったことを認めたそうです。
市ではこうした事態に対処すべく、法医学専門家との連携と弁護士の採用を開始しました。
法医学専門家は、虐待の恐れのある子どもを実際に診察しています。例えば、子どもの体にあざがあった場合、それが友達同士で行われたものか、大人によってつけられたものか判断し、また、赤ちゃんの揺さぶりについても専門的に判断を行っています。同様に、子どもの利益を守る法的枠組みをしっかりと提示し、職員にアドバイスするために弁護士を採用しました。
3. 虐待をなくすために必要な事
虐待が増加した背景は1.貧困、2.ひとり親の増加、3.親の心身疾患、4.地域の繋がりの希薄化があるとのこと。特に、強制保護の内訳は7割が片親家庭とのことでした。
こうした中、虐待をなくすために必要な事は、親と子だけの問題として捉えるのではなく、地域としてどうやって支えていくか、ということでした。
私も以前は、子どもに虐待をする親の気持ちなど想像もできませんでした。しかし、実際に子どもができ、毎晩夜泣きをし、ご飯も食べずに一生懸命つくった離乳食はぶちまけられ、睡眠不足でオムツを代えたと思ったらまたうんち・・・という日々を重ねるにつけ、虐待をしてしまう親御さんの気持ちもなんとなくわかるようになり、彼らを一方的に責められない、そう思うようになりました。私の場合は家族がいて、近所には付き合いが深くなんでも相談できるパパ友・ママ友たちもいる。しかし、子ども(たち)と親一人で逃げ場の無い生活していたり、貧困から抜け出せなかったりでどうしても追いつめられてしまう、そんな状況もわかります。
だからこそ、虐待の問題については、家族だけの問題ではなく地域全体で取り組むことの重要性を認識しつつ、区政の中で、根本的な解決策をしっかりと考えていきたいと思います。
武雄図書館の感想図書館ではなく、お洒落な本屋カフェ
本日は佐賀県の武雄市立図書館を視察。この図書館、TSUTAYAを経営するカルチュアコンビニエンスクラブ(CCC)が指定管理業者になって運営を行っています。この図書館、2013年の開館以来、様々な問題が噴出しています。その中でも特に大きな論点は以下の通りです。
1)図書館のあり方
そもそも図書館は何のためにあるのでしょうか?
図書館法では、図書館の役割は必要な資料を収集し、整理し、保存して、人々の教養、調査研究等に資することとあります。しかし、TSUTAYA図書館ではここに謳われた本来の役割ではなく、集客や利便性、経済効果のみに重点が置かれていて図書館機能が十分に果たされていません。
2)選書について
武雄市がCCCに委託した際、1900万円が新たな図書購入のために計上されました。その際の選書はCCCが行い、調達もCCCの子会社から行いました。
図書館機能の核である選書を指定管理業者が行ったこと自体大きな問題です。さらに、購入された書籍には2001年の公認会計士試験や北海道の美味しいラーメン2002年など、古すぎて役に立たないものやそもそも図書館には不適切なものが大量に含まれていました。この件については、2015年9月にCCCも正式に謝罪をしています。
3)分類について
全国の図書館では十進分類法を使っていますが、TSUTAYA図書館では独自の分類を行っています。その分類が非常にわかりにくく、さらに間違っています。例えば、武雄市同様にCCCに委託された海老名市立図書館では、「出エジプト記」が旅行コーナー、吉本ばななの「とかげ」が昆虫コーナーにあるなど冗談のような間違いが指摘されています。
4)情報管理
TSUTAYA図書館では、図書の貸し出しにTSUTAYAカードも用いています。その際、貸出履歴を含めた個人情報がすべて漏れてしまうのではないかといった不安の声があがっています。
5)行政による民業圧迫
借りる際にTSUTAYAカードを用いると、1日あたり現金にして3円分のポイントが付与されます。行政が行う図書館のサービスで特定企業の便益を提供することは大きな問題です。また、館内では大量の雑誌や新刊本の販売も行なっていて、そのことが地元の書店などに対する圧迫となっています。
そんな中、本日の視察が行われました。
他の自治体と共同での視察で時間が非常に限られていたので、私からは特に、武雄市が考える図書館のあり方について質問を行いました。
そして、話を聞く中で強く感じたのは、「これは図書館ではない」ということ。
説明では、前市長が武雄市図書館の目標としたのが「代官山の蔦屋書店」、間接照明があたるおしゃれな空間でカフェを飲みながら本を読む姿、とのことでした。さらに、TSUTAYA導入の目的は「本を読まない方、図書館に来ない方に来てもらうこと」とのこと。
また、人口が5万人の市で、来館者数が委託前の2011年度は25万人だったのが、2014年度は80万人に達していること、県外からの来客も増え、経済効果は20億円に達していること、また、図書館の近くの地価も上がっていることなど、次々と説明がありました。
しかし、これは図書館が目指すべきことではありません。町おこしや経済効果の向上など、その他の事業でやればいいこと。それによって本来の図書館機能がおざなりになっては本末転倒です。
実際、2011年度との比較で来客数は3倍以上になったにも関わらず、貸し出し数の伸びはわずか15%。決して成功しているとは言えません。また、来客数そのものも、オープン初年の一昨年の92万人に比べて12万人も減少しています。
図書館の中を歩いても、「これは図書館ではなく、カフェがついたおしゃれな本屋」という印象を受けました。
まず、入った瞬間に大量の本が平積みされていましたが、それを手に取ると、すべて販売のもの。そして、館内の図書検索機をチェックすると、最初の画面で、「本の検索」と「本の購入」が同じサイズで案内されていて、さりげなく本の購入を進められている気が…さらに、販売コーナーと貸出コーナーの境が非常にわかり難い。こうしたことすべてが本を購入させることを目的としている気がします。
そして、問題の本の陳列。迷宮のようになっていて、どこに何があるのかわかりにくい。特に上の書架、「飾り棚」と呼ばれていますが、あまりに上にあって手が届かないばかりか、書名すらも読めません。さらにこの「飾り棚」、名前の通り、本を埋めることを目的としていて、分野と内容が全くあっていない。例えば「ロビンソンクルーソー」などの児童書が、なぜか「生活・実務」のコーナーで置かれていました。
視察の感想、武雄市図書館は「図書館」ではなく「カフェのついたおしゃれな本屋」であり、これが図書館のモデルとは決していえません。そもそも、図書館の目的は、国民が文化的な生活を送るためのインフラを提供することであり、指定管理業者への委託には馴染まない、ということでした。
練馬区でも指定管理業者の導入が進んでいますが、そもそも図書館の目的は何か、ということを鑑みると、利潤を追求する民間企業の運営には馴染まないと実感しました。
練馬区文教児童青少年委員会視察長崎県佐世保市の保幼小連携の取組
今日から所属する文教児童青少年委員会の視察。二泊三日で長崎県佐世保市、佐賀県武雄市を訪問します。内容としては、佐世保市では保幼小(保育園、幼稚園、小学校)連携の取組、武雄市では図書館の民営化(ツタヤ図書館)と学校のICT化の状況を調査することになっています。
一日目の今日は佐世保市。
まず、朝の7時半に羽田空港に集合ということで5時40分の電車に乗るところから始まります。しかも早朝なのでバスもない、ということで家を出るのは5時20分、そしてそこから逆算すると起きるのは5時前。朝の駅頭挨拶で早起きには慣れているつもりでしたが、さすがにやばい…と、思い前日から3つの目覚まし時計を用意。すると逆に4時半には目が覚めてしまう。。。なんと損な性格だろう、と思いながら眠い目をこすりながら駅に向かう私。
そして、佐世保市。私自身、小学校から中学校にかけて合計6年間を九州で育ったので、初めてだけどなんだか懐かしい気が…
訪問したのは、佐世保市の幼児教育センター。佐世保市は保幼小の連携のモデル都市と言われていて、全国の自治体が視察に来ているとのこと。
そもそも保幼小連携に必要性は、保育園・幼稚園から小学校に上がる際の子どものケアや、保育園、幼稚園から学校への情報伝達がうまくいっていないという問題意識の中で唱えられたものです。
例えば、幼稚園や保育園から小学校に対して就学前の子ども達の情報がきちんと伝えられていないということ、児童から見た時に、就学前に将来入学する小学校の児童とのつながりが少ないということ、また、保護者の立場として、入学までにすべきことがわからず不安、といったような問題があります。
そうした中、佐世保市では市を挙げて三者間連携のシステム化に取り組みました。その中で、まず、横断的な保幼小連携推進協議会を作成し、そのなかで各機関が定期的に意見交換できる機会を設けました。そして、その協議会が中心となって、連携を進めるための指針となる保幼小連携接続カリキュラムを作成しました。また、園児にたいしては、カリキュラムに基づき、小学校に入学する前後それぞれ6カ月を「接続期」として、この期間に「生活する力」、「かかわる力」、「学ぶ力」を伸ばすための取組を開始しました。また、小学校や他園との交流を定期的に行うことで子ども達の不安を取り除くための取組を組織的に行っています。
練馬区でも保幼小連携の必要性は長く訴えられていますが、システム化するには至っておらず、連携は各校長の独自性にゆだねられているのが実態です。そうした中、市を挙げて保幼小の連携を深めるべく、委員会を設置し、さらにカリキュラムも作成している、ということは非常に勉強になりました。
実際に施設を見る中でも、ちょうど小学校を使った就学前健診が行われていたのですが、子ども達が楽しそうに小学生と遊んでいる姿を見て感銘を受けました。今日の視察を参考に、練馬区でも委員会の活動の中で努力していきたいと思います。
マイナンバー勉強会(マイナンバーの問題と私たちにできること)
<マイナンバー勉強会(マイナンバーの問題と私たちにできること>
昨日、市民の声ねりま主催でマイナンバー勉強会を行いました。講師には「共通番号いらないネット」世話人の白石孝さんにお越しいただきした。会場には80名分の席を用意したのですがあっという間に満席に。マイナンバーが間もなく本格施行される中での皆さんの高い関心を実感しました。
今回は、主に
1) マイナンバーの問題点、
2) マイナンバー導入に向けた練馬区独自の取組、
3) マイナンバー制度反対のために私たちができること、について勉強しました。
1) マイナンバーの問題点 a) マイナンバーの範囲が拡大され、国家による監視が高まる。
マイナンバーの問題として最も大きいものが、今後マイナンバーの範囲が拡大されるとともに、国による個人の監視、統制が高まる恐れが強いということです。
まず、範囲の拡大について、政府は当初、使用範囲を税や社会保障、災害対策の三分野に限定していました。しかし、施行前の9月には、既に預貯金口座などにも拡大されました。さらに、今後の方針を示した「マイナンバー制度利活用推進ロードマップ(案)」によると「マイナンバーカードの健康保険証との統合」や「クレジット機能の追加」なども提案されています。
政府の計画では、2016年3月までに個人カード(マイナンバーカード)を1,000万枚発行、そして2019年3月までには8,700万枚発行することを目標としています。これは、日本の経済人口の80~90%に相当しており、この時点で、現在は任意のマイナンバーカードの保有が義務になることが予想されます。そして、このことによって、国による個人の監視、管理が可能となります。
b) 情報漏えいや不正利用のリスク
個人情報の管理はシステムにおいても運用においても大きなリスクを負っています。個人情報は一度流出したら取り返しがつきません。
例えば、先行するアメリカでは、2006年~2008年に、なりすまし犯罪の被害は1170万件(16歳以上の人口の5%)、損害額は約173億ドル(約2兆円)と言われています。また、韓国でも大統領を含む数千万件の個人情報が流出しました。
こうした状況を踏まえて、韓国やカナダでは民間分野での利用禁止や規制、アメリカでは省庁により独自番号の切り替えなど、共通番号の見直しを進む動きがみられています。そうした中、日本が新たに官民分野の多岐にわたる共通番号を導入するのは時代の流れに逆行しています。
c) 多額の費用が必要
マイナンバー制度の導入のための14~15年度政府予算は最終的には3000億円程度。地方自治体についても国が負担とされていたにもかかわらず、5月の政府答弁で3,000億円が必要とされています。ここ練馬区でも本年度、システム改修やカードの通知だけで8億円、このうち4割にあたる3億円以上は(住民税も含む地方税など)一般財源からだされています。
2) 練馬区独自のマイナンバーの利用
マイナンバーについて、たくさんの問題が噴出している中で、人口が約72万人のここ練馬区では、マイナンバーの普及に関して2年後には26万枚にまでしたいとしています。
その方法について、区の考えとしては、現在20万枚ほど発行されている印鑑登録カードと住基カードについて、これをマイナンバーカードと一体化することで26万枚を目指すとのこと。
また、マイナンバーカードの導入を促進するために、コンビニで住民票の写しや戸籍謄抄本も含む証明書の発行を行えるようにする、との方針も出しています。しかし、対面での本人確認がないまま個人情報を手軽に引き出すことが出来るというのは、被害が出れば影響は甚大です。特に戸籍情報については非常に慎重な取扱いが求められる中で、コンビニでの自動交付というのはあまりにもリスクが大きいと言わざるを得ません。
3) マイナンバー制度反対のためにできること
そうした中、マイナンバー制度が普及するのを防ぐために私たちは何ができるのでしょうか?
まず、マイナンバーは住民票があるすべての国民に自動的に付与されていることから、番号が付けられること自体を拒否することはできません。
そうした中、私たちにできることは、まずは「マイナンバーカード」の発行を申請しないことです。
番号を通知する「通知カード」は11月には各世帯に自動的に郵送されますが、その後、写真付きの「マイナンバーカード」を作るかは任意です。
だからこそ、まずはこれを申請しないことで政府の計画しているマイナンバーカード普及に対して反対の意思表示をすることができます。
同時に、自治体独自の運用、特に範囲の拡大に反対することが必要です。練馬区を含む各自治体でもカードを普及するためにコンビニでの利用や印鑑証明カードや住基カードとの一体化を含めた新たな条例を作ろうとすることが予想されます。だからこそ、こうした地方自治体の活動を監視するとともに、地域からしっかりと反対の声を挙げることが必要です。
マイナンバー制度が抱える問題について、丁寧かつ具体的にお話いただいて、とてもわかりやいものでした。特に、政府が国民の官民にまたがるすべてのデータを一元的に管理しようとするというのは、独裁国家のやり方だ、という意見は非常に印象に残りました。マイナンバー制度自体の導入は決まってしまいましたが、実際の運用を含めて、大切なのはこれからの対応です。私たちも地域の中で、しっかりと監視していきたいと思います。
東大泉児童館でのボランティア
<週末の活動>
議会後の最初の週末、地域での活動に積極的に参加。
まずは土曜日、朝から近くの小学校で行われた防災訓練に出席。
総合災害対策等特別委員会に所属していることもあり、地元の防災には関心を持っていた。ようやく地元の防災訓練に参加できるということで楽しみにしていた。
朝の9時に集合場所に行くと、土砂降りの中にも関わらず、既にたくさんの方々。子どもから大人まで合計で数百人の方が集まった。そして、町会ごとに分かれて、消火器の使い方や人工呼吸のやり方、そして応急処置のやり方など、災害が起こった時に必要なことを実践的に学ぶ。たくさんの親子連れが参加していたことが印象的。息子ももう少し大きくなったらぜひ連れてきたい。
その後、午後からは東大泉児童館のお祭りにねりぱぱ(練馬イクメンプロジェクト)のボランティアとして参加。
ねりぱぱのブースではバルーンアートを行うとのこと。今回風船で作るのは剣と犬。どちらも子ども達が大好きなもの。とはいっても、とっても不器用な私、人生でバルーンアートなんてやったこともない。他のメンバーのやり方を見様見真似なんとか覚えようとする。
初めてだから、「まずは見習いさせてもらおうかな」なんて弱気だった私。でも子どもは待ってくれない。風船を持って私の前にもあっという間に列ができる。子ども達の期待に満ちた目を見ると、出来ないなんてとてもいえない私。とにかくやるしかないと覚悟を決める。
しかし、覚悟だけでうまく行くほどバルーンの世界は甘くない。
ということで、まずは、風船の口をきれいに結ぶことに四苦八苦。滑りやすくてなかなか止められない。焦りだす私を前にだんだん不安そうな顔になる男の子。心配させないように笑顔を絶やさずも、すでに汗びっしょり。そして、何とか剣だけは作り方をマスター。こんなにきついOn the job trainingは初めてだな、と思いながらその後はひたすら風船を作り続ける。次第に手の皮がむけていく私、しかし子どもはどんどん増える。途中からはもはや修行。こんなに作ったのは38年間の人生で初めて。しかし、受け取るときの子どもの笑顔。これは何にも代えがたい。二時間が終わった時、私が手にしたのは80個の風船をつくった達成感(?)と、剥けてしまった手の皮。。。こんな週末も悪くないと思う土曜の午後。
夜は、保育行政関係のミーティング
そして日曜には、定期的に発行している「かわら版」を配ってくださっているボランティアの方々10数名とのランチ会。昨年から一人で何百もの家に、灼熱の日も底冷えのする日も、徒歩や自転車で一軒一軒、配ってくださる皆さん。本当に感謝の気持ちで一杯。一品持ち寄りだったが、手作り餃子・シュウマイに蒸しパン、ブイヤベース・・・。手の込んだお料理をこの日のために作ってきてくださり、これまた感動。すかさずレシピを教えてもらう。特に、いつも苦戦している餃子をカリッと焼く(羽をはやす)方法を伝授してもらう(よし、今度は頑張るぞ)。地域の課題、家族のこと、行政のこと、皆さんのお宅のワンちゃんネコちゃんの話。笑いが絶えない、本当に素晴らしい時間だった。
そして来週からはまた、マイナンバーの勉強会や委員会での視察、さらにニュースレターの配布などが始まります。これからもしっかりと頑張ります!
Despues de largo plazo de asamblea local,participamos las actividades locales en la fin de semana. En sabado,participamos un simulacro de preparación en el caso de una emergencia en lamanana. En la tarde hacemos unos globos en una fiesta para los ninos en unaescuela primaria como voluntario.
練馬区におけるマイナンバー導入に対する反対討論
一カ月半におよんだ練馬区議会第三回定例会も今日が最終日。
最終日の議決を前に、本議会で一番の議論となった練馬区でのマイナンバー制度導入について、反対の立場から討論を行いました。
討論の持ち時間は5分、時間を過ぎると「もう終わりだぞ!」いろんなところから野次が飛んできます。こんな時はなぜか皆さん時間に正確…だからこそ、限られた時間の中でしっかりと説得力のある論を練る必要があります。
そんな中、マイナンバーの論点として以下の三点を取り上げました。
<問題点1.個人情報に対する国の管理や監視が強まる>
政府は当初、マイナンバーで扱う範囲を、社会保障、税金、災害対策の三分野に限定するとしていました。しかし、9月の改正によって銀行口座や、特定健康診査等の履歴の管理にも個人番号が利用されることになりました。今後も次々と国民の個人情報がひも付けされるということも考えられる中、政府による一元的な管理が広がる恐れが高まっています。
<問題点2.情報漏えいの危険性が高まる>
個人情報の管理はシステムにおいても運用においても大きなリスクを負っています。一例として、先日には練馬区の職員による個人情報の不正利用も起こりました。どんなに立派なシステムを作ってもヒューマンエラーや悪意ある情報漏えいを防ぐことはできません。しかもシステム自体が、関係する事業者の中で整っているとはいえない状態です。
マイナンバー制度で先行している海外の事例を見ても成功している国はほとんどありません。アメリカやカナダでも、最も多い犯罪の一つは個人の番号を悪用した詐欺となっています。また、英国では共通番号導入に向けた準備が進められましたが、世論の反対や、制度廃止を唱える政権の誕生により二年余りで廃止されました。フランスでも番号は一部分野に限定しており、マイナンバーのような共通番号は導入していないのが実情です。
海外においても情報がしっかりと守られていない中で、日本で情報漏えいのリスクがないとはいえません。
<問題点3.国民にとっては利便性よりも負担が大きい>
マイナンバーの導入には個人や企業、自治体にも多大な負担を強いることになります。例えば、申請時の負担として、これまでは自治体の窓口において、免許証などの各種証明書で本人確認をおこなっていました。しかし、今後はマイナンバーの提示が基本となります。12桁の番号を覚えることそれ自体が負担であるだけでなく、カードを失くさないよう管理しなければならないという二重の負担となります。
障がいを持った方や高齢者の方が使えるのか、という問題もあります。視覚障害の方のための点字記載や外国語での対応もできないとも言われており、コミュニケーションに負担のある方にとってはさらに大きな負担となります。
企業でもマイナンバーを取り扱うために新たなシステムの導入を含め多大な費用と手間が必要となります。とりわけ中小企業にとっては、セキュリティ対策も含め、非常に大きな負担となります。行政においてもマイナンバーの導入のため、システム改修などに充てなければならない区の一般財源は本年度だけでも、合計で3億3000万円にも達します。
このようにマイナンバーを導入することで国民、企業、自治体における負担は間違いなく増加します。
本条例はこうしたマイナンバー制度を練馬区において運用するためのものです。マイナンバー制度は、個人情報に対する国の管理、監視が強まるとともに、情報漏えいの危険性が高まるということ、さらに国民にとっては利便性よりも負担が多いことなど、多くの問題を抱えていることから、私たちは本条例に反対します。
最終的には与党によって可決されてしまいましたが、実際の運用に際して、しっかりと監視してきたいと思っています。
地域の子ども食堂に参加 石神井ゆうやけ子ども食堂
先日、「石神井子ども食堂」に参加。
不登校の子どもの支援を行っている「フリースペースなゆたふらっと」と日本基督教団の「野の花伝道所」が共同で月に二回実施している。
名前は「子ども食堂」ではあるが、子どもだけではなく、毎回、地域に住むたくさんの方が自然に集まる、そんなコミュニティの核としても機能している。
今回の参加者、下は8歳の男の子から、上は70代の方まで。一緒に食事の準備をして、栄養たっぷりの食事を食べながら様々な話をする。私にとっては、参加するたびに新しい出会いがあり、そして、年も経験も全く違う方からたくさんのことを学ばせていただける貴重な機会、楽しみにしている。
今回は19歳の受験生から話を聞く。彼女とは、先日の国会前のデモでもたまたま遭遇したこともある。聞くと、石神井だけでなく、八王子の子ども食堂のお手伝いもしているほか、「子どもの貧困支援センターあすのば」でも活動しているとのこと。
話を聞きながら、自分が19歳のころ、何を考えていたか、改めて思い出す。
恥ずかしながら、自分のことばかり考えていた…浪人中で毎日予備校に通いながら、受験のこと、将来のことに悶々と悩む、そこで他者のことを思いやる余裕は全くなかった。
そんな中、自分も受験を控えながら、地に足をつけて、人の痛みにしっかりと向き合おうとする、その姿勢に刺激を受けた。そして、練馬区で不登校の子どもが増えていることに関連して、区の調査では、原因が「無気力」や「情緒的不安定」など、子ども自身のせいにされている、という話をしたら、「なぜ子どもが無気力になるのか、区は全くわかっていない。大人だって無気力になってしまうのには、何か理由があるからでしょ。」とはっきり答えた。この意見、ぜひ区に聞かせたい。
こんな会話を通じて、なぜ区議になりたいと思ったのか、4年間で何を実現したいのか、改めて考えさせられる、とてもいい勉強になる。
興味がある方は石神井ゆうやけ子ども食堂、ぜひお越しください!
Participamos “Kodomo Shokudou”, eso significa “comedor para ninos” en mi barrio. Este comedor trata de que los ninos quienes comen solos en sus casas pasan juntos charlando con adultos y compartiendo las comidas sanas y nutritivas.
練馬パラグアイフェスタに参加!(Paraguay festival in Tokyo)
今日は地域で行われたパラグアイフェスタに参加。
パラグアイといえば、何をイメージされるだろうか?ハープのような楽器のアルパ、日本でも有名なマテ茶、世界三大瀑布のイグアスの滝、しかし、それ以外にも、ブラジルやペルーと同様に、日系人が多く住んでいる国としても有名である。
そんな中、今日のフェスタ。今年で開催三回目。午前中の雨も止んで、大変な賑わい。そして、いたるところからスペイン語の会話が聞こえてくる。こんな感覚はほぼ一年ぶり。感覚も昔に戻ってさっそく目が合ったラテンアメリカの方達に話しかけてみる。すると、やはり皆さんノリがいい。初めて会ったばかりなのに、どんどん会話が弾む。聞いてみると、今日のフェスタを楽しみに名古屋や群馬から来た人もいるとのこと。
日本で生活する中で、外国人として息苦しさを感じることも多い。その中で、こういったフェスタでは自分が地域に受け入れられている気がする。だからわざわざ遠方から参加しているとのこと。
練馬区にも13,000人を超す外国人が生活し、その数も増え続けている。他方でヘイトスピーチに代表される差別や偏見も地域で見えている。また、地域の中でのいじめの問題、地域での孤立の問題、そして災害時の避難の問題、外国人の方を取り巻く様々な問題も山積している。そういった中で、大切な事の一つはお互いに知ることだと思う。だからこそ、こういった機会は非常に重要であり、地域のこうした活動に私ももっとかかわっていきたい。
ところで、最初にフェスタの企画・運営をされている方にご挨拶に伺ったところ、なんと、8年前にアルゼンチンで働いていた時に会議でお会いしたことがあった。なんという偶然、そしてなんというご縁!
また、フェスタでブースの一つを出していたのは、息子もお世話になっているHippofamily clubの皆さん。Hippoは7か国語を自然に(赤ちゃんのようにまねすることで)話して楽しむことをモットーに子どもから大人までたくさんの方が参加している。ブースの中でも気負わずに複数の言語が行きかっている、まさに国際交流の場。
<写真はフェスタでお友達になった日本在住のパラグアイの学生さん>
Con mi familia, participamos Fiesta Paraguay Festival in Tokyo en Nerima. Pasamos muy bien con nuevos companeros compartiendo experiencias en Latinoamerica!
安保法制若者の抗議活動に参加
昨日、「戦争法案を許さない!ねりま青年の会」が実施している駅頭での抗議活動に参加。
この集まりでは、練馬区在住の大学生等が安保関連法制の撤廃を求める声をあげている。
抗議活動には、共産党の戸谷議員、生活者ネットの君垣議員、やない議員も参加。
党派を超えて、明らかに違憲な安保関連法制を許さない、という思いで地域の中で集まった。
そんな中で行われた今回の内閣改造。
目玉として、「一億総活躍相」が設置されたが、まずはその名前にものすごい違和感。どうしても「一億火の玉」や「一億総懺悔」などの戦時中や戦後直後の標語を想像してしまう。政権の皆さんも当然、これらの軍国主義的使われ方を知っているハズ。また、どうも上から目線が漂う。そもそも何をもって「活躍」とするのだろうか。日本経済等、国家にどれだけ役に立つかだろうか。その背景には政権が、弱い立場の人も含めた多様性を否定し全体主義を押し付けようしようとする姿勢が透けて見える気がしてコワい。
憲法は国民を守るために、そして、間違いを犯しやすい権力を縛るためにこそある。私は世界の様々な国を見てきて、どんなに立憲主義というのが重要かを肌で感じてきた。
日本には法治国家であってほしいし、民主主義の国であってほしい。だからこそ、この法制を何としても廃止なければならない。
安保関連法に対する違憲訴訟が準備されているが、訴訟は時間がかかるし、難しいことは先日も書いた。落選運動も必要だが、識者によれば、「安保関連法廃止法案」の国会提出も有効だという。『大衆の忘却力は大きい』とヒットラーが言ったというが、そうはいかない。来年まで、そして今後何年も、この暴挙をみんなで覚えておかなければならない。そのために、国会内外でこの法律が「違憲である」という認識を維持しなければならないのだ。
そういったとりくみを地域からも粘り強く、諦めずに、支えて盛り上げていきたいと思う。
(写真は左から生活者ネットの君垣議員、やない議員、右端が共産党の戸谷議員)