2017年10月22日開票 衆議院選挙 東京9区(練馬区)の結果
今回の選挙(第48回衆議院選挙)、東京9区での投票率は54.93%、投票日の当日は台風にも関わらず前回(2014年、54.79%)とほぼ同じ数値でした。
小選挙区では自民党のすがわら一秀氏が圧勝(122,279票)、そして二位が希望の党の高松さとし氏(64,731票)、市民と野党の共同候補として私たちも応援した共産党の原純子氏(57,439票)は三位でした。前回(2014年)の選挙と比べると、自民党のすがわら一秀氏は1,089票を減らしています。希望の党の高松さとし氏(元自民区議)、初めての立候補でしたが、維新の党(民主党推薦)から立候補していた木内たかたね氏と比べて同様に1,078票減らしています。一方、原純子氏は残念ながら及びませんでしたが、6,578票の増加となっているのはポジティブなことです。
東京9区、比例区では、第一位は自由民主党(73,779票)でしたが前回(2015年)に比べ2,522票を減らしています。比例区第二位は立憲民主党(60,261票)、三位が希望の党(47,729票)と続いています。日本共産党(第5位、25,031票)は、前回に比べて13,539票の減となっています。
こうしてみると、たしかに与党(自公)は11万票と強かったものの、立憲民主と共産を合わせれば約85,000票で自民単独をうわまわり、練馬区の中にもリベラルの力はまだまだ残っていると感じます。
今回の選挙、原純子さんを応援してきましたが、残念な結果となりました。全国を見ても、与党が議席の3分の2を超える圧勝ともいわれています。そんな中で数少ない希望は、立憲民主党が全国でも躍進し、野党第一党になったことだと思います。安倍政権が信任されたことで、憲法改正も現実味を帯びてきました。私たちはこうした流れに抗うべく、地域でこれからも全力を尽くさなければと改めて思います。
原純子さんの応援と台風の中のいわせてカフェ
投票日の前日、雨が降る中、午前中は地元の大泉北小のおまつりに参加。生憎のお天気でしたが、室内を利用して、先生と腕相撲をしたり、輪投げをしたり、日本茶を楽しんだり。子ども達の熱気に元気をもらって、午後は子ども食堂の片付けのお手伝い。そして、夕方からは市民と野党の共同候補の原純子さんの最終街宣の応援。中村橋→石神井公園→大泉学園とはしごをして終えたのは10時半過ぎ。8時以降はマイクが使えないので肉声でのご挨拶、つい気合が入りすぎて、久しぶりに喉が枯れてしまいました…。
そして日曜日。台風が近づく中で、先週に続いてのいわせてカフェ。大雨も降る中で何名もの方からキャンセルのご連絡をいただき、これは無理かも…と思ったのですが、それでも蓋を開けてみると、性的マイノリティの当事者の方、弁護士の方、子育て中の方、ずっと支援してくださっている方など、合計で子どもを含めて10名の方が参加。ずぶ濡れになりながら参加していただけたということだけで感動。
今回のカフェではフリートークを中心にしたのですが、子どもの教育のこと、選挙のこと、地域の緑のこと、外国人のこと、それぞれが関心を持つことを共有いただき、活発な議論に。「地域の中でこうして政治のことを自由に話せる場所、機会がなかったのでとても嬉しい」という声が印象的でした。私にとっても、皆さんからお話を聞けるのは貴重な機会。ぜひ、今後もこうしたカフェを続けていきたいと思います。
次のイベントは11月19日の大泉わくわく講座、「地域から多文化共生を考える」というテーマで、「わたしはマララ」を翻訳した金原瑞人さん、西田圭子さんをお招きしてお話を伺います。また、12月にもカフェを行いますのでぜひお越しください!
週末の活動 いわせてカフェ 大入り満員でした☺ 次回は10月22日(日)です!
10月14日(土)、議会が終わって最初の週末、午前中は地域の学校の公開日ということで、小学校、中学校を視察。その後、お世話になっている方が経営しているお店でお昼ごはんを食べながらお話をして、元気を頂きました。
午後からはいわせてカフェ。皆さんとクッキーや紅茶を楽しみながら、区政のことや皆さんの政治に関わる考えなどをざっくばらんにお話するもの。今回は初めて大泉学園町の地域集会所で開催しました。
今回の会場、駅からも遠くてしかも天気も生憎の曇り空、とても寒い中、どれくらいの方が来てくださるか不安だったのですが、始まってみると小さな会場が満員に。フェイスブックを見て、わざわざ新宿から来てくださった方、いつもかわら版を見てくださっているということで、今回初めて来てくださった同世代の高校の先生、地域で精神障害の方のサポートをしている方、グループホームで働いている方など、様々な背景、活動をなさっている方からそれぞれの経験、思いを共有していただきました。カフェの醍醐味、私が話すよりも、皆さんからお話を伺うことにこそあると改めて実感。カフェでは、若者の投票率が下がっている現状や、地域のみどりのことなどをお話しました。特に盛り上がったのが外国籍住民との共生について。参加者の中には外国人が地域や経済を支えている中、外国籍住民にも区政に参画できる仕組みを設けるべき、ということを皆さんと話し合いました。
日曜は衆議院選挙に立候補された原純子さんの応援をした後、ダッシュで、通っている大泉教会のバザーのお手伝いに。皆さんと陳列や片付けを手伝ったりしながら、自然と話しは政治のことへ。どうやって暮らしを守るのか、憲法を守るのか、命を守るのか、そんなことを地域の中で自然に話し合うことができる、そのことの大切さを改めて実感しました。
次回のカフェ、今度の日曜日の13時半から、大泉地域集会所で行います。ぜひぜひお気軽にご参加ください!
一年振りのパラグアイフェスタ
大泉学園駅前で「練馬・みんなで選挙(ねりせん)」をはじめとして市民が共同して応援している9区の立候補予定者、原純子さんの応援の後、年に1度、楽しみにしているパラグアイフェスタに参加。
会場に近づくにつれてラテンのリズムに脚がステップを刻みます。そういえば、大好きなサルサ(いや、謙遜ではなく、盆踊りにしか見えません)、しばらく踊っていません。。よく朝の駅頭でお会いする方にばったりと会いました。ギリシア人ということが判明。お友達のキューバ人の方は政治が好きとのことで、しばし会話に花が咲きます。息子もお世話になったことのあるヒッポファミリークラブのブースに立ちよってクイズにチャレンジ。スペイン語ならお任せ!と思いきや・・・なんと、ちゃんと、先住民語のグァラニー語でした。(ありがとう、は「アグイジェ」なんだって)。このセンス、相変わらずツボにはまる。一言でいうと、多言語を自然に習得する環境を提供するクラブですが、ヒッポの皆さん、オープンマインドでノリがよく、私も自然体でいられるから好きです。エクアドルで働いた時によく粉をこねてつくっていたエンパナーダ、息子も気に入ってくれてうれしかった。最後はマテ茶で締め。すっきり、やる気が湧いてきました。
決算特別委員会、始まりました。10分に思いを込めます!
練馬区議会の決算特別委員会が始まりました。
決算特別委員会は、練馬区のお金がどのように使われたかを審議するもので、毎日、分野(費目)ごとに質疑が行われます。こちらの委員会の特徴の一つは一問一答形式であること。例えば、先日行った一般質問では議員が先に25分で質問して、それに対して区が20分かけて回答する、という形ですので、一方通行になりがちです。しかし、決算特別委員会では、質問の都度、区が回答するので、そこからさらに質問するなど、よりダイナミックで深い議論になります。また、区の答弁に対して、議員はその場で考えなければいけないので、一層の準備も必要になります。
このようにダイナミックではありますが、私たち少数会派にとっての一番の問題は発言の時間があまりにも短いことです。一般質問ではすべての議員が45分の持ち時間ですが、予算や決算特別委員会では、質疑の時間は会派の人数によって決められます。例えば最大会派の自民党は62分ですが、私たち「市民の声ねりま」は10分しかありません。しかも、この時間には区の答弁の時間も含まれているので、実際に質問できるのは半分程度、さらに、野党に対しては区の答弁もやたら長くなり、さらに短くなることも…
そんな中で、皆さんから頂いた意見や声を10分に込めるため、毎回数十時間の準備を行っています。私は今回、環境費と教育費について議論を行う予定です。委員会は来週まで、毎日行われていますので、お時間があればぜひ傍聴にもお越しください!
一般質問の報告④ 練馬区でも、精神障害の方にも福祉手当を!
一般質問、最後のテーマには精神障害の方への福祉手当を取り上げました。
障害者の生活を支える福祉手当、練馬区ではこれまで精神障害者だけは対象とされていませんでした。23区では6区が既に支給を開始しており、練馬区でもただちに実施すべきと訴えました。
以下、要約をご報告します。(全文は区のページをご覧ください)
<ここから>
一般質問①
福祉手当について、知的や身体等の障害に比べて精神障害者だけが排除されていることに正当な根拠は見出せません。障害者基本法の成立によって、精神障害者に対する支援、福祉が法律上も位置づけられています。福祉手当の対象者を精神障害にも広げることについて、練馬区議会では家族会から2011年以降、何度も陳情がなされ、今年の6月、ついに所管の委員会で、全会一致で採択されました。練馬区が実施した「障害者の住まい方に関する調査」によると、精神障害者の所得は他の障害に比べて非常に低く、福祉的就労の工賃も含めた賃金と手当を合わせても1か月で10万円未満が63%にも達しています。精神障害者が地域で経済的に自立して生活するために、福祉手当の支給は重要な意味を持つはずです。そこでまず、1)福祉手当は練馬区の事業であり、来年度から速やかに実施すべき。と訴えました。
区の回答①
第二回定例会において、精神障害者に対する心身障害者福祉手当の支給を求める陳情が全会一致で採択されました。現在、他の自治体の状況も参考にしながら検討を進めている所です。
私の感想①
区として約束はしませんでしたが、全会一致で陳情が採択されたこと、そして、他の自治体の状況を参考にしながら検討を進めたい、ということから来年からの実現に向けて前向きの答弁だったと思います。
一般質問②
福祉手当について、他区の実施状況を見ると対象者は手帳1級の所持者に限定されています。練馬区でも一級に限定した場合、対象はわずか180名になります。福祉的な就労などをされている方には2級相当の方も数多います。そこで、2) こうした人々も支給の対象となるように検討すべき。と訴え、福祉手当を二級に拡大することについて見解を求めました。
区の回答②
現在、他の自治体の状況も参考にしながら検討を進めている所です。
私の感想②
他区のように、支給を一級に限定するのではなく、二級まで拡大すべき、と訴えたのに対し、区の回答は他の自治体を参考にしながら検討を進める、という回答でした。しかし、知的障害、身体障害の手帳の所持者のうち、福祉手当の対象となっている方は、身体では66%、知的で100%にも関わらず、精神障害ではわずか3.2%となります。こうした状況では障害間の公平さを欠くと言わざるを得ません。
一般質問③
関連して、精神障害者の通過型グループホーム退所後の家賃補助について質問しました。
通過型グループホームは概ね3年の間に、少人数で一般の住宅での共同生活を営みながら、必要に応じ、食事の世話や日常生活における相談などを通じて入居者の自立生活を促進することを目的に東京都が独自に制度化したものです。
制度について東京都は、「病院や家族の下での生活から「通過型」グループホームでの共同生活へ移行するだけでなく、一般の住居での単身や夫婦での生活への移行を目指す。」としています。しかし多くの場合、経済的な理由から、グループホームを出るためには、生活保護を受けなくてはいけないという現実があります。生活保護ではなく経済的な自立を促進するためには、工賃や賃金と並び、福祉手当を含めた手当、特に高い家賃を補完する形での家賃補助が必要です。そこで、1) 精神障害の方に対する、一般の住居をも含めた家賃補助の実施すべき、と訴え見解を求めました。
区の回答③
誰もが安定した自立生活を目指すことができる支援が大切であると考えており、現在、限られた方に対しての家賃補助は考えておりません。
私の感想③
区の回答は「自立生活」を目指す支援が必要だから家賃補助は必要ない、ということでした。しかし、経済的にも安定した自立生活を送るためにこそ、生活保護ではなく、手当という形での家賃補助が必要だと考えます。
区の答弁、精神障害の方に対する福祉手当については前向きな答弁でしたが、その範囲、また家賃補助の実現は極めて不十分だったと感じています。精神障害者の方々が地域の中で経済的に自立して生活するために、福祉手当の範囲の拡大と家賃補助の早急な実現を今後も引き続き求めたいと思います。
一般質問の報告③ 地域の体育館が改修で半年以上閉館に。その影響は?
一般質問、3つ目のテーマには地域の大泉学園町体育館を取り上げました。
こちらの体育館、2018年から大規模改修が行われることになり、施設は半年以上にわたって閉館します。一部要約してお伝えします。(全文は区のページをご覧ください)
<一般質問①>
大泉学園町体育館、3社が2021年までの5年間、運営を行うことになっています。しかし、区が業者に対して改修の予定を説明したのは、業者が決定した後でした。各社は5年間にわたる事業計画を立て、資金繰りや雇用確保を図ってきました。大規模改修が明らかになったことで、さまざまな影響が出ています。そこでまず、1) 来年度の指定管理業務費の算定にあたり、大規模改修による減収の影響をどのように考慮するのか、確認しました。
<区の回答①>
通常に運営する期間の経費、休館期間中でも必要となる業務にかかる経費、減額となる利用料等を指定管理業者と協議します。
<区の回答への感想①>
休館中でも必要となる業務にかかる経費に加えて、減額となる利用料についても協議を行う、ということは重要だと思います。休業補償の考えも含め、今後の協議を見守りたいと思います。
<一般質問②>
閉館で影響を受けるのは業者だけではありません。体育館では地元の方を中心に62名もの方が働いています。業者によると、職員の方に対して、閉館中に就労先を確保することには限界があるとのこと。区の判断と意向によって閉館となる以上、練馬区も事業者の経営と特に職員の雇用に対して十分な配慮を行うべきです。そこで、1) 職員の方ができる限り、働き続けられるよう、また、生活に影響が及ばないよう、区としても対応すべき、と訴えました。
<区の回答②>
工事着手まで1年半以上あるので、指定管理者が十分準備し、対応できると考えています。
<区の回答への感想②>
職員の雇用は確かに業者の責任ですが、今回、区の事情によって閉館するもので、働く方の多くは地域の方です。ですので、すべてを業者の責任としてしまうのではなく、区としても他のスポーツ施設での求人の案内など、努力や配慮を行うべきだと思います。
<一般質問③>
事業者や従業員とともに、利用者への配慮も必要です。大泉学園町体育館の年間の利用者数はのべ20万人にも達しています。半分はプール利用で、多数の障害者が含まれています。障害者にとってプールは数少ない身近なスポーツの機会であり、リハビリなども含めて大変重要な場所となっています。そこで1)体育館利用者、とりわけプール利用への影響を最小限に抑えるために6月から9月までの期間での工事を避けること2)たくさんの障害者の方がプールを利用している中、こうした皆さんが地域的にも離れた代替施設を円滑に利用するための配慮を求めました。
<区の回答③>
工事の時期については、利用者の影響をなるべく少なくすることを前提に計画を進めます。障害者への配慮について、他の区立温水プールの指定管理者や福祉園などの関係者と連携、調整を図り、利用しやすい環境を整えます。
<区の回答への感想③>
時期について利用者の影響をなるべく少なくすること、特に障害者への配慮として関係機関と連携、調整を図る事を約束したことは大きいと思います。
今後、他施設でも同様の改修等が予想される中で、まずは大泉学園町体育館の大規模改修によって、利用者の方やそこで働く方々への影響が最小限に抑えられるよう、しっかりとu訴えていきたいと思います。
文教児童青少年委員会報告① 練馬区の入学準備金、中学生への支給はようやく前倒しされたけど…小学生はなぜ8月まで支給されないの??
皆さんは小学校や中学校に入学するときにいくら位お金がかかるか、ご存知でしょうか?
憲法では「義務教育はこれを無償とする」とありますが、全くそんなことはなく、小学校ではランドセル、中学校では制服をはじめ、合計で10万円以上かかるとも言われています。
なぜ、無償であるべき義務教育で、入学の時だけでもこれだけお金がかかるのか、国全体で解決に向けて取り組む課題だと思います。
他方、地方自治体の取組として、こうした入学時の金銭負担を軽減するために、練馬区をはじめ各自治体は経済的に困窮している世帯を対象に、就学援助の中で「入学準備金」として独自の助成をおこなっていており、練馬区では26,860円(中学生)です。しかし、この入学準備金、これまでは支給がなぜか8月になってからでした。入学のための必要な経費を助成することが目的なのに、一番必要な2月や3月にはもらえない、それでは困るという保護者の切実な訴えが届いた結果、昨日の委員会で、来年から3月に前倒しするという報告がありました。
練馬区の判断で新中学生への支給時期を前倒ししたことは歓迎すべきことです。しかし、一つ問題が残ります。今回の前倒し、対象は中学生のみです。なぜ小学生は対象とならないのでしょうか?
委員会では中学生だけでなく、小学生も必要な時期に支給を前倒しすべきと訴えました。しかし、練馬区の回答は、中学生に比べて指定品が少なく、経済的負担も少ないので行わないとのことでした。
しかし、小学校に入学する時、ほとんどの家庭がランドセルを購入しますが、それだけで平均で4万円にも上ります。その他にも指定品など揃えると、10万円近くなることもあり、中学校と比べて負担が軽いとは言えません。
練馬区の回答は小学生への前倒しする予定はないとのことでしたが、23区では新宿区で来年からの小学生への3月支給を決定しています。保護者の負担を少しでも軽減するためにも、練馬区でも小学生への入学準備金についても必要な時期に支給されるよう、引き続き求めていきたいと思います。
一般質問の報告② 練馬区の小中学校、多くのエアコンに不具合が! 区の取り組みは?
一般質問、二つ目のテーマには、地域の方からいただいたご相談から、特に区全体で取り組むべき課題として、小中学校のエアコンの不具合について取り上げました。内容を一部、要約してお伝えします。(全文は区のウェブサイトをご覧ください)
<ここから>
<一般質問①>
先日、ある小学校の保護者から「暑い時期なのに、エアコンが効かず困っている」というご相談が…調査の結果、その学校に設置されている21台のエアコンのうち、19台もが機能せず、機械内部の分解洗浄が必要だとわかりました。
区に確認したところ、これは一つの小学校だけの問題にとどまりませんでした。練馬区では、2008年に10年間のリース契約を締結し、全ての小中学校の普通教室や幼稚園等に約1,600台のエアコンを設置しました。しかし、昨年度から問題が相次いでおり、今年の8月までに小中学校あわせて132台もの機器で分解洗浄が必要となっています。この件からは、業者の杜撰な対応とともに区の不適切な契約管理が明らかになっています。
契約では設置、ガス、電気の配備に加え、機器のメンテナンスが含まれていて、項目として「1年間のうち2回以上、適当な時期に点検を実施すること。」と定めていました。しかし、132台もの機器で不具合が発生し、しかもそれは毎年行っていた定期点検では一度も発見されず、子どもや教員の訴えで明らかになりました。そこで、1) 選定時の評価が適切だったのか、またメンテナンスが的確に行われたのか、質問しました。
<区の答弁①>
エアコンに異常がある場合には、学校等から連絡を受け、教育委員会がメンテナンス業者に確認を指示することで、児童生徒の学習環境は適切に維持されています。
<私の感想①>
学校から連絡を受け、メンテナンス業者に指示することは必要ですが、そもそも定期的に行われる点検では、一件も不具合を発見できませんでした。さらに、今年の5月の点検に至っては、3か月以上たった現在でも報告書は区に届いていません。学校から連絡が無ければ、そのままの状況が続いているわけです。また、対応が後手に回ってしまったことで、学校によっては長期に亘ってエアコンが効かない状況を我慢しなくてはなりませんでした。メンテナンスは杜撰であったと言わざるを得ません。
<一般質問②>
多数のエアコンの分解洗浄が必要となる中で、だれが経費を負担するのかも問題です。分解洗浄には1機につき5万円程度かかります。契約書では「メンテナンスはフルメンテナンスとし、部品および経費は賃貸者負担とする。」としています。しかし、分解洗浄は全額を区が負担しています。そこで、1) これまでに行った分解洗浄に関わる経費の総額と2) 分解洗浄にかかる経費を区の負担とすることになった経緯と判断の根拠、を質問しました。
<区の回答②>
これまでの支出額は約700万円で、熱交換器の洗浄は契約には含まれていないと認識しています。別の契約により、必要な作業をお願いすることになります。
<私の感想②>
契約上、メンテナンスの内容は明示されていません。契約書では「本要領に明示の事項が無い場合、区担当者と協議する」となっていますが、メンテナンスの内容の協議の経緯や結果を記した書類は一切なく、契約の解釈は業者の主張をそのまま受け入れたものになっています。区民の貴重な税金を支出する手続きとしては極めて不透明で、財政支出を行うことは納得できるものではありません。
<一般質問③>
今回の問題は区における契約の在り方、ならびに契約管理の状況に厳しい点検を迫るものです。全庁的に検証、対応を図るべきと考えます、所見をお聞かせください。
<区の回答③>
契約締結および履行確認は適切に行われていると認識しており、現時点では検証等を行う考えはありません。
<私の感想③>
区として契約はしっかりと管理しているという回答です。しかし、今回のエアコンの件が象徴しているように、3か月以上も点検報告書が届いていないことを黙認してきたことなど、改善すべきことは多いと思います。
この件を通じて、区の契約管理の在り方を再点検するとともに、小中学校における子ども達の教育環境がしっかりと守られることを改めて求めていきたいと思います。