練馬区議会での訴え【練馬区の半数以上の学校で下着の色まで決められてる?ブラック校則でどこまで子どもの自由を縛るの?】

来年度のお金の使い方や区の方針を決める予算委員会、教育費では学校での行き過ぎた生活上の規則、「ブラック校則」の廃止を訴えました。区内すべての公立中学校の生徒手帳などを調べたところ、生徒の下着の色を指定している学校が半数以上、寒い時のひざかけやマフラーも禁止 するもの、中には「生徒は正門を使っちゃダメ!」というとんでもないものも。いつまでこんな規則で子どもの自由や個性を縛るのでしょうか?区とのやり取りをご紹介します。(詳細は議事録をご覧ください) ★下着の色まで規則で決めて、子どもを一体どうしたいの? 区内の全ての公立中学校(33校)の規則を調べたところ、あまりにおかしいルールがいくつもありました。身だしなみに関するものでは、下着の色まで指定している学校が半数以上の22校、中にはなぜか男子だけ色が指定されている学校も。髪型では縮毛の矯正を不可としたり、男子の長髪を不可としている学校など、人権侵害にあたるのでは、という学校も。寒さ対策のひざ掛けやレッグウォーマーをダメとしている学校も存在します。「生徒は学校の正門を使ってはいけない」といったそもそも学校が誰のためにあるのか疑問に感じてしまうも。なぜここまで子どもたちを管理しなくてはいけないのでしょうか? 1.教育委員会として校則の見直しを学校に伝えるべき! 教育委員会として行き過ぎた校則について、各学校に対して見直しを行うよう改めて伝えるべきです。 【区の回答】 教育委員会としてすべての中学校の規則を集め、内容を把握しています。校則は生徒の実態や学校の伝統、歴史、校風を反映するものですが、校則が報道等で話題になったこの時期をとらえて、各学校に対して改めて見直しを行うよう伝えました。今後も問題があれば個別に学校から説明を求めながら必要な助言を行います。 【岩瀬の感想】 2年前にも校則の見直しを訴えたのですが、その時は、校則はそれぞれの学校に任せていて、教育委員会では内容を把握する予定はないとのことでした。その時に比べると規則を集め、見直しを伝えたということは前進だと思います。しかしまだまだ課題がある中で、教育委員会として学校ごとに丁寧な対応をすることが必要だと思います。 2.校則は学校と生徒、保護者だけの問題じゃない、しっかりと社会に公開を! 現在、全国の学校で校則の見直しが進められている中で、世田谷区などいくつかの自治体ではすべての学校の校則をネット等で公開することを決めました。練馬区も地域に開かれた学校運営を謳っているわけですから、校則についても生徒と保護者だけではなく、地域に広く開かれるべきです。すでにいくつかの学校では自主的に公開していますが、区内のすべての学校で校則を公開すべきです! 【区の回答】 校則の公開は各学校の実態、必要に合わせて行っていて、その実態にあわせた形でわれわれも呼びかけていきたいと思います。何よりもその学校の生徒、保護者、地域の方々へ知ってもらって、学校を中心に生徒総がかりでルールを守り、健全な学校生活を送れるようにしていきたいです。 【岩瀬の感想】 学校の実態にあわせて、というのはよくわかりませんが、区としても校則の公開を呼び掛けていくということは大切だと思います。ただ、その目的は地域総がかりで子どもにルールを守らせることではなく、地域総がかりで子どもの権利を守っていくことです。 3.校則の見直しには、子どもと保護者も参加できるようにすべきです! いくつかの学校ではこの数年で校則が変わりましたが、生徒に確認したところ、いつの間にか変わっていたということでした。校則は子どもたちの活動を制約するものですから、改定には生徒、保護者が関われるような仕組みを作るよう教育委員会として各校に通達すべきです! 【区の回答】 校則は年に1回見直しをすることになっています。見直しには保護者、地域からの学校評価等のアンケートも参考としています。生徒総会などで生徒会活動の一環として生徒から出た意見を反映する学校もあります。教育委員会として学校の意思も尊重しつつ、生徒の実態、学校の伝統、歴史、校風などに合わせて指導していきたいと思います。 【岩瀬の感想】 生徒が参加している学校もあるということでしたが、すべての学校で生徒や保護者が参加する仕組みを作るべきという訴えへのはっきりした回答はありませんでした。 ★最後の訴え ブラック校則がなくならない背景には、子どもを一人の個人として尊重するのではなく、管理する対象として捉えていることがあります。ブラック校則を無くすだけでなく、子どもを権利の主体として捉えるためにも、子どもの権利条例 を練馬区も作るべきです! ★岩瀬の感想 二年前と比べて、練馬区も各学校の校則を調べたり、校長会で見直しを伝えたりなど、改善はされていますが、まだまだ学校では理不尽なルールが数多く残っています。ある学校では「きまりを特に守りましょう。ダメなものはダメ。」と書かれていて、生徒が自分で考えることを拒否しているように見えるものもありました。「たかが校則だろ?」と言われたこともありますが、この問題は子どもの権利を考えたときに大きな意味を持っています。 1月にオランダで教育学の助教授とお話したのですが、オランダでは目的と理由が明確でなければ生徒は従う必要はない、なぜ下着の色や髪の毛の色が決められなければいけないのか、と生徒に問われるのが必至であって、成立し得ないとのことでした。日本では「一人の人間として尊重されていないのではないか、子どもは学校や親の所有物ではない」という言葉が印象的でした。 これからも子どもたちが自分達の個性を活かしながら伸び伸びと育つことができるような環境を作るために訴えます!

練馬区の区立中学校の学校選択制度について 学校選択制度のあり方を見直すべきでは

先日の文教児童青少年委員会で、来年4月(平成30年)の中学校選択制度の選択希望状況と公開抽選について報告がありました。 練馬区では「魅力ある学校づくりと、保護者・生徒の意思を可能な限り尊重する、公平で透明性のある制度の実現をめざす」という目的から、平成17年から区立中学校の選択制度を導入しています。選択制度によって学区に関わらず、受け入れ可能人数(概ね、学区外から40人)の範囲内で好きな中学校を選べるようになっています。 来年4月の入学にむけ、最も人気が高い(学区外からの希望が多い)中学校が、私の家からも近い大泉中学校です。大泉中はもともと生徒が多いので、学区外からの受入可能人数は10人となっている中で、107名が希望をしています。続いて石神井中学校(受入可能人数40人に対して96名希望)、光が丘第一中学校(40人に対して76人)、光が丘第二中学校(40人に対して70人)となっており、この4校で抽選が行われます。大泉中学校では定員10名に対して希望が107名、抽選倍率が10.7倍という狭き門(?)です。 一方で、人気の無い学校ではどんどん生徒が減っています。象徴的なのが光が丘第四中学校で、学区内の生徒数は多かったにも関わらず、その多くが学区外の中学校を選び、また、区の強引なやり方もあって、廃校が決まってしまいました。同様にいくつかの学校でも、入学した生徒数は学区内の学齢期の生徒の半数以下になっています。 なぜ、人気がある学校と無い学校が発生するのでしょうか? 練馬区の説明によると、生徒や保護者が学校を選ぶうえで最も大きな理由の一つが部活動の充実であり、その後、友達が通っている、家からの距離などが続くとのことです。また、保護者の方から聞くと、その学校に関わるうわさも影響しているとのことです。 では、第一の理由としてあげられた部活について、どのような学校で充実しているのでしょうか?基本的には生徒数が多い学校です。生徒数に応じて教員の数や予算なども決まるので、生徒数が多ければ多様な部活を担うだけの顧問を配置することができ、部活動への取り組みも積極的になります。一方で人気が無い学校は、教員の数も足りず、活動も停滞します。こと部活に関しては、個々の学校の努力ではどうすることもできない要素が大きいのです。うわさについても、根拠のないものも多く、学校の努力には限界があります。 学校は勉強の場にとどまらず、地域のコミュニティの核としても機能しています。学校選択制度によって、学区外の中学校を選ぶ生徒が増える中で、生徒と地域との繋がりも弱まります。様々な弊害が発生する中で、学校選択制度をこのまま続けることが望ましいのか、そのあり方の変更を含めて検証する必要があると思います。

文教児童青少年委員会報告① 練馬区の入学準備金、中学生への支給はようやく前倒しされたけど…小学生はなぜ8月まで支給されないの??

皆さんは小学校や中学校に入学するときにいくら位お金がかかるか、ご存知でしょうか? 憲法では「義務教育はこれを無償とする」とありますが、全くそんなことはなく、小学校ではランドセル、中学校では制服をはじめ、合計で10万円以上かかるとも言われています。 なぜ、無償であるべき義務教育で、入学の時だけでもこれだけお金がかかるのか、国全体で解決に向けて取り組む課題だと思います。 他方、地方自治体の取組として、こうした入学時の金銭負担を軽減するために、練馬区をはじめ各自治体は経済的に困窮している世帯を対象に、就学援助の中で「入学準備金」として独自の助成をおこなっていており、練馬区では26,860円(中学生)です。しかし、この入学準備金、これまでは支給がなぜか8月になってからでした。入学のための必要な経費を助成することが目的なのに、一番必要な2月や3月にはもらえない、それでは困るという保護者の切実な訴えが届いた結果、昨日の委員会で、来年から3月に前倒しするという報告がありました。 練馬区の判断で新中学生への支給時期を前倒ししたことは歓迎すべきことです。しかし、一つ問題が残ります。今回の前倒し、対象は中学生のみです。なぜ小学生は対象とならないのでしょうか? 委員会では中学生だけでなく、小学生も必要な時期に支給を前倒しすべきと訴えました。しかし、練馬区の回答は、中学生に比べて指定品が少なく、経済的負担も少ないので行わないとのことでした。 しかし、小学校に入学する時、ほとんどの家庭がランドセルを購入しますが、それだけで平均で4万円にも上ります。その他にも指定品など揃えると、10万円近くなることもあり、中学校と比べて負担が軽いとは言えません。 練馬区の回答は小学生への前倒しする予定はないとのことでしたが、23区では新宿区で来年からの小学生への3月支給を決定しています。保護者の負担を少しでも軽減するためにも、練馬区でも小学生への入学準備金についても必要な時期に支給されるよう、引き続き求めていきたいと思います。

2016年度 練馬区の体罰の状況について 調査方法の変更を!(文教児童青少年委員会の報告)

最近、ニュースで教師による児童・生徒への体罰や暴言などが多く報道されています。その代表が、福島県の中学校で教師が生徒に対して「飛び降りろ!」と暴言を吐いたことや、世田谷区でコンサート中に中学生を往復ビンタしたといったもの。こうした行為、決して認められるものではありません。 先日の委員会で、練馬区における昨年度の体罰等の実態について、教育委員会から報告がありました。こちらの調査、毎年行われていて、全ての児童・生徒を対象とした質問紙調査や聞き取りなどの方法で実施しています。 報告によると、昨年度、区内の小中学校で一件も体罰は報告されていないとのこと。体罰以外では運動会の練習中に生徒の腕を掴んだなどの「不適切な指導」が2件、部活中生徒にボールをぶつけた等の「行き過ぎた指導」が1件、部活中に教師から「しめるぞ!」などの「暴言」があったと4件報告されています。 不適切な指導や行き過ぎた指導はあったものの、「体罰はない」という報告、そもそも調査方法は適切だったのでしょうか? 委員会で調査方法を確認したところ、学校によっては生徒がアンケート用紙に自分の名前を書くことを求められている、また、もし体罰などがあった、と書いた場合、その後、校長や学年主任と面談して詳細を話すことが求められるとのことでした。 そうしたやり方で子どもが正直に答えられるのでしょうか? 例えば、会社や組織での内部告発制度については、前提として、匿名であることや、立場が守られるということが保障されます。 なぜ学校の調査は記名で行われているのか?そもそもなぜ学校によって記名か無記名か違うのか。すべて無記名で統一すべきです。こうした私の主張に対して、区は今後対応を検討するとの回答でした。 体罰や暴言を正確に把握し、またそれを見過ごさないためにも、すべての学校において調査方法を改めるべきです。

2018-08-21T09:41:33+09:002017年9月7日|Tags: , , |
Go to Top