★読んだ本 「同調圧力」

改めて読んでいます。東京新聞の望月衣塑子氏、文科省の元事務次官の前川喜平氏、NYT元東京支局長のマーティンファクラー氏の共著。 それぞれが「権力はつねに暴走し、自由や権利を蹂躙する」ことを念頭に、同調圧力に屈しないで信念を貫こうとする姿は印象的でした。 特に印象的だったのがマーティンファクラーさんの話。 「日本のジャーナリズムは…役人たちに依存し、プレスリリースなど情報をもらえなくなるため、怒らせることを避けて批判ができない」。「新聞社の社長と総理が会食...欧米のクオリティペーパーではまずありえない。ニューヨークタイムズの社長が大統領と会食したら一大スキャンダルになる。メディアで求められるのは独立性であり、信頼性。誰のために報道するのかと疑念を抱かざるを得ない。」 という話は印象的でした。「忖度」を英訳するとkiss ass (お尻にキスする) という話もつい笑ってしまいました。 先日、神保哲生氏のTwitterで「「オフレコ取材をしないと取れない情報がある」とよく言われるが、オフレコに応じるということはギブ・アンド・テイクなわけで、では何をギブしているのかというと国民の「知る権利」を記者が勝手に差し出している」という指摘が重なりました。 自分が圧力に対してどうふるまうべきか、自戒を含めて勉強になります。よろしければご一読ください。

自宅での看取りについて 人生最後の瞬間。練馬区 の状況

委員会のご報告です。練馬区の高齢者の4割の方が自宅で最期を迎えること(看取り)を希望しています。練馬区で2018年度に亡くなった方は5,148名。しかし、実際に自宅で看取られた方は全体の12%(619名)です。練馬区は、自宅・施設での看取りは2030年には2018年の1.5倍に達すると予測していますが、そのためには医療関係者、家族への情報の提供や支援が必要です。3年ごとに作成される練馬区医療・介護資源調査報告書と死亡小票分析報告書からの報告がありました。 1.医療関係者への支援 区内に診療所は約560カ所ありますが、訪問診療を行っているのは80カ所、そのうち、在宅の看取りを11件以上行っている区内の診療所は10カ所、この数年、ほとんど増えていません。なぜ増えないか、診療所へのアンケートでは、夜間の往診や電話対応、休日の往診などの負担が大きいとのこと。そのうえで必要なこととして、急に病状が悪くなった時、すぐに入院できる後方支援病床の増加、そして訪問介護との連携、があげられています。 2.家族への支援 本人が自宅での看取りを希望される中で、家族としては介護の状態が重くなるとなったときに、自分の家で過ごせるいうことを知らない方が多いとのこと。また、支える家族の負担も大きな課題です。家族に対する在宅での看取りに関する情報をわかりやすく提供すること、そして家族が相談しやすい体制の整備や訪問看護の増加などが必要です。 3.今後の対応 3年ごとの今回の調査を通じて、改めて自宅での看取りの難しさが明らかになりました。最後の瞬間をご自身や家族の方が望む形で迎えられるよう、区として後方支援病床の確保やネットワークの作成、家族への更なる支援などが進むよう訴えていきたいと思います。ご意見などありましたらお聞かせ頂けたら有難いです

光が丘病院の跡地はどうなる? ぜひ皆さんのご意見を!

光が丘病院が2021年に光が丘第四中学校の跡地に移転します。残った病院の建物をどうするか、検討会議の結果が報告されました。どんな施設が望ましいか、8月1日からパブコメが開始されます。ぜひ皆さんの意見をお届けください! 1.使い方について ・具体的な内容は事業者が提案する。 ・ただし、100~200床の病院機能を持たせ、その中には必ず地域包括ケア病床を設置する。 ・不足しているリハビリなどの慢性機能病床、区内に存在しない緩和ケア病床や後方支援病床なども設置が望ましい。 ・それ以外に、高齢者福祉、障がい者福祉、子育て支援サービスの中から、医療との連携によって効果が発揮できる福祉分野の機能も望ましい。 ・高齢者福祉では特別養護老人ホーム、デイサービスなど。 ・障害者福祉では医療的ケアに対応したショートステイなど。 ・子育て支援では、病児病後児保育施設、児童虐待に対応した短期・中期の滞在施設など。 2.契約について ・貸付期間は10年から30年。 ・賃料は有償を基本とし、内容によって減額、無償も検討。 ・今年度に事業者を選定して2023年に開設。 本来は新病院に地域包括ケア病床を作る予定でしたが、国が基準を変更したことで不可能に。そのため、跡施設には計画になかった地域包括ケア病床が必ず入ることになりました。確かに必要ですが、それ以外にも緩和ケア病床、後方支援病棟などのほか、虐待に対応した滞在施設なども必要だと思います。

練馬区のPCR検査の状況について(7月28日現在)

・7月28日現在、区内の74診療所で唾液接種を実施。7月の接種は442件、うち陽性は35件(陽性率7.9%) ・練馬区はPCR検査センターを6月末で閉鎖しました。7月以降は地域の診療所での唾液検査となっています。 ・7月27日現在、実施できる診療所は区内で74カ所(+10カ所申請中)。実績値で週当たり最大で190件の検査を実施。7月の検体採取は442件、うち陽性は35件(陽性率7.9%)です。(25日現在) ・唾液採取について他区では実施している診療所は10カ所程度とのことで、練馬区は最も多いとのこと。民間診療所での唾液採取も大切ですが、区として責任を持って PCR検査センター を設置することも必要だと思います。 ・23区の内、12区では感染者数に加えて検査数、陽性率を公表していますが 練馬区は感染者数のみ。理由は埼玉県と接しており、他県で検査を受けた情報を入手するのが困難など。区民が正しい情報を得るためにタイムラグがあっても陽性率を示すことも必要だと思います。 ・練馬区 でPCR検査を受ける流れは、①コールセンターに電話、②唾液接種をしている診療所を紹介、③診療所での受診予約、④唾液接種、⑤民間機関で唾液検査、⑥陽性の場合、軽症時はホテルでの療養、重症時は入院、となります。 ・練馬区で唾液接種を行う診療所は現在74カ所、公開はされていません。唾液接種を行う場合は、他の患者との接触を避けるために休憩時間、診療時間外に実施。そのため、事前の受診予約が必要とのこと。 ・区はPCR検査は十分にできているとしていますが、濃厚接触者 の定義が曖昧すぎるとと思います。区は厚労省の考えを使っていますが、1m以内で適切な対策を取らずに15分以上などとなります。検査できる数を更に増やして濃厚接触の範囲を広げる必要があると思います。

読んでいる本「アイデンティティが人を殺す」…私のアイデンティティは?

尊敬する方に頂いた本。ヘイトスピーチや差別、分断などを考えるときに、とても勉強になります。 著者のアミン・マアルーフ氏はレバノン生まれ、70年代にパリに移住しています。自分をフランス人と思うか、レバノン人と思うか、何度も聞かれてきました。回答は「自分のアイデンティティは一つではない」ということ。彼の考えるアイデンティティは「自分をほかの誰とも同じにはならないようにしてくれるもの」で国籍、宗教、言語、家族、性的指向など多くが組み合わされているとのこと。大部分は生まれつきのものではなく、その組み合わせは同じになることはない。だからこそ、どんな人間の存在も取り換えが効かない、と主張しています。そのうえで、アイデンティティにはただ一つの帰属しかない、という考え方によって、人々は偏った、不寛容で支配的な態度に陥り、時には殺人者にもなってしまう、という危険を訴えています。 全く同感です。私のアイデンティティは日本語を母語として、スペイン語と英語を少々話して、練馬区が好きで、家族がクリスチャンで、護憲派で、ラテンアメリカも大好きで、サルサを踊るのが好きで、セロリが苦手☺...などといったものになります。 政治家の発言やテレビ番組の中でも、「日本人の美徳は…」「ここがすごい、日本人!」などあまりに単純化して強調されることがありますが、とても危険なことだと思います。 私の経験を話すと、21歳の時に初めてパスポートを取り、エクアドルに留学をしました。そのとき、通りを歩いていると何度も通行人から「チーノ!(中国人!)」と呼ばれると共に、彼らが考える中国語の真似事のような声でからかわれました。自分が日本人であるということに一片の疑問も持った事の無かった私にとっては衝撃的でした。その中で、最初に親しくなったのが、韓国や中国からの留学生であり、アジア人であることがアイデンティティの一つになっています。 60ページほどのエッセイですのでぜひご覧ください。 本の紹介はこちら

「東京都はひとり親のこと、考えてくれないのでしょうか?」

コロナ禍でのひとり親への支援について、東京都では対象となる家庭にカタログを配布し4品目を選ぶ、という形にしています。本日、カタログが届いた方からこんな訴えが届きました。 「カタログが届きましたが、そうめんやそば、あられ、お菓子、お米などお中元の内容かと思うようなものばかり。おむつは一種類しかないですし、必需品の粉ミルクもありません。申込は東武百貨店になっていますし、お中元のカタログギフトにしか見えません。お金や商品券の方がよほどありがたいです。東京都はひとり親家庭の暮らしのことを考えてくれないのでしょうか?」 コロナ禍で非常に厳しい暮らしを余儀なくされているひとり親の方にとって、カタログから4品を選ぶことよりも、お金や商品券を配る方が手数料もかからなかったはずですし、実用的だったはずです。 また、カタログにするのであれば、合う合わないがあるおむつの種類を増やすことや、粉ミルクなどの必需品をもっと加える必要があります。そもそもこれまでも指摘しましたが、この支援では障がい年金を受けているひとり親は対象にすらなっていません。委員会等を通じて都にも改善を求めたいと思います。

20年振りの胃カメラ:胃潰瘍と十二指腸潰瘍のダブルパンチ

この一か月、食事をすると腹痛に襲われてました。 気づかない振りをしていたのですが、あまりの痛みに夜も寝られないように…。仕方ないので連休にあわせて胃カメラを飲むことに。最後に飲んだのは20代、会社員で毎月100時間以上残業していたころ、胃にポリープができて以来。 非日常の空間にちょっとワクワクしてお薬を飲むと、あっという間に爆睡。頭がぼーっとしたまま聞くと、大分治っているものの胃と十二指腸に潰瘍ができているとのこと。意識がないまま、家に帰ってバタンキュー。9時の検査だったのに、気が付いたのは5時でした。目を覚まして冷蔵庫を見るとなぜかプリンが。。意識が朦朧としたまま帰り道にコンビニでプリンを買っていたようです?。どこまでも甘いもの好きな私☺申し訳ありませんが、明日までお休みさせていただきます…。

「子ども達、4連休も祝日登校、心も体も限界です」

4連休ですが、学校によってはコロナによる遅れを取り戻すため木曜も金曜も6限目まで授業が行われました。そんな中で保護者の方からご相談が。 「私の息子が通う学校は祝日登校6限でとても辛そうです。明日もあります。息子のクラスメイトは大人用の鎮痛剤を授業中毎日飲んでいるとのことです。先生に隠れるように飲むらしいけれど、身体もメンタルも受験控えてコロナで相当辛い子がいるんだと思います。 生徒たちも疲れがでてきていること、受験内申点のために、なかなか学校には言い出せないこともあるということ、ぜひ知ってください。」 コロナの影響で夏休みは8月1日から。さらに中学3年生は1週目から進路、教育相談も始まります。国の方針のなか、あまりに子どもに無理をさせています。子ども達の心と体が心配です。 月曜に区に対して、子ども達の様子を確認するとともに、心と体のケアを丁寧に行うよう要望したいと思います。お悩みの方がいればぜひご相談ください。

最近読んだ本 「一人称単数」村上春樹

息子の「機関車トーマス」の絵本を買おうと本屋に行ったら、新刊で紹介されていたので購入。小説を読むのは久しぶり。10代から20代にかけ、村上春樹の表現が好きで「風の歌を聞け」「1973年のピンボール」など何度も読んでいました。「一人称単数」は短編小説集、印象的だったのは短歌をつくる女性との出会い「いしのまくらに」。 「二本の直線が交わりあうように、ある地点でいっときの出会いを持ち、そのまま離れてしまう。…あとに残されるのはささやかな記憶だけ。それでも、もし幸運に恵まれれば、ときとしていくつかの言葉がそばに残る。」 議員としての活動を通じて、いくつもの素晴らしい出会いと共に、別れもあります。亡くなった方、意見が合わずに離れていった方、遠くに引っ越した方。 そうした方々を思う度に、感謝と共に頂いた言葉を思い出します。一つだけご紹介すると、数年前に亡くなったある方は初当選した時、自分のことのように喜んでくれて、こんな句を詠んでくださいました。「一票の 重み実りて 柿若葉」。頂いた句は額に入れて事務所の壁にかけて、いつでも眺められるようにしています。 「一人称単数」、久しぶりに自分のことを振り返るいい機会になりました。よろしければご覧ください。

3歳の子への虐待死事件について…「私も同じことをしたかもしれません。」

大田区で保護者が3歳の子どもを放置して餓死させてしまった事件、私にとってもあまりに辛く、しばらくはニュースを見ることができませんでした。そんな中で、ひとりの方からご連絡をいただきました。彼女は25歳で今回の事件の容疑者(24歳)と同年代、同じように児童養護施設で育った方でした。 「あの事件、とても胸が痛みますが、もしかしたら私も同じことをしたかもしれません。 ぜひ知っていただきたいのですが、児童養護施設で育った私たちの多くは家庭で虐待を受けてきて、まともな家庭を知りません。そして、18歳か20歳で施設を出ると、何も知らないまま社会に放り出されます。私自身、施設では職員のお姉さんたちの指示に従うだけでしたので施設を出た時は自分で何かを考えることなんてできませんでした。料理や掃除の仕方すらもわかりませんでした、まして子育てなんて全然わかりません。施設では全て職員さんがやってくれます。でもそれは保護者じゃないんです。 外へ出た時に助けてくれる人なんて一人もいません。誰かに頼りたくても頼れないんです。この事件をテレビで見て、私も苦しかった。たぶんこの子は私と同じように、親を見てこなかったんだと思います。もちろん彼女がやってしまったことは許されることではありません。だけど、なぜこんなことになってしまったのか、そのことにも目を向けてください。」 泣きながら話しているように聞こえた彼女の言葉、とても重いものでした。 どうしたらこのような事件を二度と起こさないようにできるのか、負の連鎖を止められるのか。児童相談所や養護施設を含めた虐待を受けた子どもの支援のあり方、そして育児ができない保護者をどう支援するのか、行政として取り組むべき課題はたくさんあります。地域で行うことの第一は、こうした方がためらわずに相談できるような環境を作ること、アウトリーチできる環境を作ること、そして、しっかりと向き合える体制を作ることです。そしてそのためにも職員を増やすこと、予算を増やすこと。児童相談所を練馬区に作ること。なんとしても実現するよう、これからも訴えていきます。

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