いわせてカフェ 地域から貧困を考える。「あきらめること」に慣れてしまうということ
週末、「いわせてカフェ」を行いました。特定のテーマについてゲストをお招きして皆さんと一緒に考えるもので、これまで性的マイノリティや障害、街づくりなどを取り上げてきました。今回は「貧困」をテーマに財団法人「子どもの貧困支援センター」(あすのば)で活動する大学生、工藤鞠子さんをお招きしました。初めてお会いしたのは地域の子ども食堂で、受験で一番大変な時期でも、毎週のようにボランティアをしていて、大学に入学後も「あすのば」で活動している姿にずっと話を伺いたいと思っていました。 彼女が子どもと向き合う中で感じたことの一つが「あきらめること」に慣れてしまう子どもが多かったということでした。自分だけ欲しい物を買ってもらえない、自分だけ習い事に行けない、そういった経験が小さいころから繰り返される中で、自然に多くのことをあきらめてしまう、例えば大学への進学についても最初から発想に入らない、将来の展望や目標もどうせ叶わない、ということで無意識に持とうとしない子どもが多いとのことでした。そして、「エネルギーがない」子どもも多いとのことでした。あきらめることや挫折に慣れてしまっているために、何かを自分の力でやりたい、そういう気持ちになるのが難しいと感じているとのことでした。そんな中、「あすのば」でアンケートを行った中、自由記述欄に、欄一杯に大きな字で「たすけてと言いたいときもある」と書かれていたそうです。友達にも家族にも助けを求められない、そんな子どもがたくさんいること、そのために周囲がしっかりと対応すべきとのことでした。 参加者の方からもたくさんのご発言がありました。ご自身も生活保護を受給しながらお子さんを育てた方から、「エネルギーがないのではなくて、エネルギーを出すことができない、隠れなくては生きていけないのです。生活保護を受けているということだけでいじめの対象になってしまう、だからなるべく目立ってはいけない。例えば修学旅行のとき、保険証のコピーを持ってくるよう言われるが、生活保護世帯ではそれがない、その時どんな気持ちになるか?また、授業参観や運動会、三者面談にも絶対に来ないでくれと言われてきた、なぜなら、生活保護を受けているから。そんな気持ちが分かりますか?」そんな切実な話を伺いました。また、すべての人間が「当事者」としてできることをやっていかなくてはいけないという意見もありました。 現在、練馬区では約13,000世帯が生活保護を受給していて、準要保護世帯(生活保護世帯の収入の1.2倍)も含めると、小中学生のいる世帯では25%にあたります。その中、私が議会で訴えてきたことの一つが制服に関わるものです。就学援助として支給される入学準備費、練馬区の中学校では26,860円ですが、現在、公立の中学校では入学に際して、制服代などで10万以上かかるといわれています。新宿区では4万円以上支給されている中で、実態にあわせて修正することが必要です。 皆さんと意見を共有し、理解を深めていくこと、そしてそこから地域や社会を変えていくこと、こうした事を何とか実現していきたいと思います。いわせてカフェ、次は5月に行います。ぜひご参加ください。