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【練馬区の無駄遣いについて 広報誌の差し替えに数百万円…】

皆さんは「ねりま区報」ご存知ですか? 練馬区が月に3回発行している広報誌で、皆さんのご自宅にも新聞と一緒に配布されています。 8月1日号の区報の表記に不適切な表現があったということで、印刷後に差し替えがされたとの報告を受けました。確認したところ、数十万部が無駄になり、合計で300万円近くが使われたとのこと。そもそも何を間違えたのかというと、当初の区報は「ねりマイスター」という名前で地域の特定の商店などを紹介していたのですが、そのような制度もない中で適切ではないと、印刷後に気づいたとのこと。 なぜそんな初歩的なミスを印刷前に気づけなかったのか、ということもさることながら、委員会では全く報告がなく私が指摘して初めて認めた、ということには隠蔽の意図があったのではないかとも思ってしまいます。文字通り税金の無駄遣いですし、こうした間違いを繰り返さないためにも、内部の問題だと言って蓋をしてしまうのではなく、少なくとも委員会などの公開の場でしっかりと報告をして、今後につなげることが必要だと思います。

2019-08-28T17:21:51+09:002019年8月28日|Tags: , |

【23区で練馬区だけが児童相談所設置に反対、本当にそれでいいのか?】江戸川区を視察して。

各地での児童虐待が深刻化するなか、これまで都しか設置できなかった児童相談所が区でも開設できるようになりました。そんな中、23区で唯一、児童相談所(児相)の設置に反対しているのが練馬区です。 江戸川区、荒川区、世田谷区では来年度からの開設に向けて準備が進んでいます。今回は会派で江戸川区を視察しました。担当の部長、課長から話を伺うなかで、開設に向けてどんな困難があっても児相を開設し、江戸川区での虐待を無くす、という強い決意を感じました。そして、背景には平成22年に区内で発生した7歳の児童が虐待死した痛ましい事件があるということでした。 課長が繰り返したのが、区が児相を持つことで虐待の「予防」と「介入」を一元的に行うことができる。指揮命令系統が一元化されることで、支援対応も一元化される、ということのメリットでした。現在、児相が行っているのは虐待への対応であり、家庭への支援はすべて市区町村が実施している。その連携が取れていないことが問題の元凶の一つであり、学校、市区町村(子ども家庭支援センター)、児相で一元的に指揮系統をとるためにも児相の設置は不可欠とのことでした。 江戸川区では来年度の開設に向けて数億円をかけて新たな施設を建設しているほか、50人近くを新たに採用して、150人体制で対応しようとしています。また、これまでに38名を他の児相に派遣し、ノウハウを学んでいるとのことでした。 児相の設置には開設だけで(イニシャルコスト)数十億円、毎年の運営でも数十億円が必要になります。都との協議のなかで、財源(予算)をどうするかといった大きな問題も残っています。しかし、もし都から予算がもらえなくても、児童相談所は絶対に必要であり自分たち(区独自)の財源ででもやるべきだ、という強い主張が印象的でした。 練馬区は人材のことや、他の自治体との連携のこと、財源のことなどを理由に区としての児相の設置に反対しています。しかし、他の区では同じ課題を抱えながらも、それでも地域の子どもは地域で守るんだ、という強い意志で児相の開設を行おうとしています。区がやるべきことは、やれない理由を見つけることではなく、問題を見据えながらも、子どもたちを守るために江戸川区や他の区の姿勢から学び、児相設置に向けて動き出すことだと改めて思いました。写真は江戸川区が建設中の児童相談所の前で撮ったものです。

2019-08-06T10:53:23+09:002019年8月6日|Tags: , , |

<大泉で「戦争」を考える…【戦争体験者のお話】6歳で終戦を迎えた少女。死んだ3歳の妹を背負って帰国したことが70年経っても脳裏を離れない>

岩瀬事務所の夏の平和企画、「大泉で『戦争』を考える」、今年で3回目を迎えました。大泉に落ちた焼夷弾の破片や戦時中に配られた教育勅語、兵士が戦地に持参した戦陣訓などのほか、今年は戦争体験者からのお話を中心にプログラムを組みました。35度を超える中にも関わらず、会場は満員、50名ほどが参加されました。 体験者の一人は6歳の時、終戦を満州の奉天で迎えたとのこと。ソ連軍が町を占領し、生活が苦しかった彼女は、極寒の中で兵士が鼻をかんだハンカチを洗って販売する仕事をしていたとのこと。いまだに「ハンカチはいりませんか」というロシア語を覚えていました。1946年、ようやく帰国できるとなったときに、引き揚げ船の環境が劣悪だったために当時3歳の妹がなくなってしまったとのこと。しかし、死んだことが見つかると海に捨てられてしまうので、7歳だった彼女が背中で負ぶって、生きている振りをして佐世保まで連れ帰ったとのことでした。そして、港のすぐ近くの線路沿いの枕木で、頭からガソリンをかけて火葬をしたとのことでした。その様子は今でも脳裏にこびりついて離れない、今でも夢に見るという話でした。他のお二人も、校庭からB29に突っ込んでいく特攻隊を見て、同じ世代の若者がこうして死んでいくんだ、と思ったという話や、小学校に入ったばかりの時に戦死した山本五十六の肖像を見せられて、山本元帥に続け!と叫ばされたときに、なんで死ななきゃいけないんだ、と思ったという話など印象的でした。 近年では戦争を美化しようとする動きもある中で、実際に経験した方のお話はとても重いものでした。当時小学生から高校生だった人々が70年以上たっても癒すことのできない傷を負ったという事、そして戦争では特に一番弱い人から被害にあうということ、改めて思うとともに、こうした話はぜひ若い方々にこそ知らせていくことが大事だと感じました。

【精神障害者の地域生活を支えるために必要な資源とは】日本の三大健康被害要因の二位が精神疾患、患者は400万人。差別、偏見をなくすことが必要!

議会の合間、石神井保健所が実施した講演会に参加しました。講師は国立精神・神経医療研究センターの藤井千代さん、平日の昼間にも関わらず、会場には100人以上の方で超満員。 現在の日本では、精神障害の方は約400万人いるといわれています。そのうち、最も多いのが認知症で約50万人、うつが続いています。 藤井さんのお話では、社会ではまだまだ精神障害者に対する差別が多く残っているとのこと。例えば、メディアでは精神障害と犯罪が常に関連付けられていますが、データを見ると、実際に逮捕された犯罪のうち、いわゆる一般市民は全人口の0.21%なのに対し、精神障害者は0.1%。精神障害者の方が低い数字です。殺人や放火などの凶悪犯罪についても、ほとんど一般の方と犯罪率は変わりません。 ディズニーの映画でも、1937年から2001年までに作られた40本のうち、85%で精神障害者に対して「狂っている、発狂している」などの差別用語が用いられていたとのことです。 現在の日本における三大健康被害要因のうち、1位ががん、二位が精神疾患、三位が循環器系疾患となっている中で、地域での差別意識をなくし、地域で暮らしやすい社会をつくることの大切さを改めて感じました。 藤井さんのお話では、差別や偏見をなくすための一番の方法は、まずは学校できちんと精神障害について教えること、そして、精神障害を持つ方が身近にいることでした。 どんな箱物をつくることよりも、精神障害の方が身近に一緒に暮らせる環境をつくる、それが当事者の方にとっても、地域の方にとっても重要なこと、改めて思いました。

2019-07-31T19:46:08+09:002019年7月31日|Tags: , , , |

<消費税が10%に上がるかも…。そのとき練馬区はプレミアム商品券をばらまく、本当にそれでいいのでしょうか???>

10月から消費税が10%、いよいよ現実になろうとしています。 そんな中で先週から多くのご家庭に練馬区から郵便が届いています。中身はプレミアム商品券の申し込み用紙。生活の苦しい世帯(住民税非課税世帯)や小さいお子さんがいる世帯(2歳以下)に対して、国の予算を受けて20,000円のお金を払えば25,000円の商品券をもらえるというもの。 https://nerima-premium.com/ 私たちに必要なこと、それは消費税があがるから、ということで一時しのぎのプレミアム商品券をバラまかれることではなく、増税そのものを廃止することです。そもそも、生活が苦しい方にとって、2万円というまとまった出費自体が苦しいというのも現実です。また、今回のプレミアム商品券を発行するために、国からの支援のほか練馬区でも印刷費や事務手数料として数千万円の税金が使われることになり、それこそ大変な無駄です。練馬区がやるべきことは、消費税が上がりそうだからといって、プレミアム商品券をバラまくことではなく、消費税をあげるな、と国に対して働きかけを行うことだと思います。

<練馬区の十代の若者の投票率はわずか43%…主権者教育で何を教えてきたの?>

参議院議員選挙で全国の投票率は48.8%と24年振りの低い数字になりました。特に10代の投票率が低すぎるとニュースでも報道されています。先日の委員会では練馬区の年代別の投票率も報告されました。 練馬区でも投票率は51.65%、18歳と19歳の投票率は43.34%、前回の60.70%よりも17.36ポイントも下がる結果です。年齢別では、18歳が34.68%、19歳が28.05%とのこと。 練馬区でも2016年から学校での主権者教育をスタートして、子どもたちに政治に関心を持たせるための取組を始めています。しかし、今回の数字をみると主権者教育は失敗したと言わざるを得ません。 主権者教育の内容について、文科省から厳しく言われているのが「政治的な中立性」を担保すること。もちろんそれは大事です。しかし現実には、練馬を含めて地域の教育委員会や学校が「政治的中立性」を意識しすぎて、結局、原発や憲法、安保、年金などの具体的な課題について全く教えないという冗談のような内容になっています。その結果、一部の例外を除けば授業で教えているのは投票用紙の書き方とか、選挙の仕組みや方法ばかり。模擬投票もありますが、それも架空の課題を題材にしています。 こうした内容で若者の政治への関心が高まるはずがないですし、そもそも現実的な政治の課題について子どもに教えたら正しく判断できない、と考えるのは子どもをあまりにバカにしているのではないでしょうか? 政治的中立性を守るというのは、具体的な政治的課題について教えないのではなく、様々な意見などを子どもたちに教えたうえで、自分たちで考えられるよう指導することではないでしょうか。そのうえで、先日の委員会では主権者教育として、各政党の政策なども学校で教えるべき、といったことを訴えました。 区の答弁は、各党の政策を伝えるのは政党の仕事である、という回答でした。しかし、現実的な政治の課題を教えずにどうやって若者の政治への関心を高めるというのでしょうか?区の主権者教育についても抜本的に見直すべきであり、この問題についても今後も訴えていきたいと思います。    

<練馬区人権セミナー 小林りょう子さん【LGBTの家族と友人をつなぐ会】のお話…子どもではなく家族が変わることが大事、そして練馬区も変わらなくては!>

練馬区人権セミナー「LGBTのわが子と関わる中で~LGBT支援者としてできること」に参加しました。講師の小林さんはご自身のお子さんもFtM(female to male)のトランスジェンダーで、22歳でカミングアウト、29歳で戸籍を変更し結婚したとのこと。 NPO法人のLGBTの家族と友人をつなぐ会で活動する中で、相談を受けた多くのケースでは、カミングアウトをされた家族も戸惑い、孤立しているとのことでした。その中で「家庭環境が悪かったからではないか」、「育て方を間違えたのではないか」といって、自らを責めてしまうケースや、「病院で治療してもらえ」「もう学費を払わない!」などと、当事者を責めてしまうケースが多かったとのことです。また、カミングアウトを受けて、家族が現実逃避のためにアルコールやギャンブルに依存してしまうケースも見てきたとのこと。大切なことは「子どもに変わることを求めるのではなく、自分(親)が変わらなければ、と気づけること」という言葉がとても印象的でした。 話を聞いていて、もし私の息子がカミングアウトしたらどんな対応をとれるだろう、すごくリアルに考えさせられました。そして、当事者だけでなく、家族が孤立してしまうことのないよう、地域でのネットワークを作ることや相談体制を整えていくことの必要性を改めて感じました。 また、当事者の苦しみも改めて実感しました。小林さんのお子さんはセーラー服を着るのが嫌で私立の中学校に進学したとのこと。ランドセルの赤色がつらくて仕方がなかった、みんな一緒の入浴が嫌で修学旅行に行けなかったという他のお子さんの話も伺いました。練馬区ではいまだに区内の小中学校には一人も性的マイノリティの当事者を把握していないと言っています。中学校の制服についても、他の区のようにズボン、スカートを自由に選択できるようにすべき、と訴えても取り組もうとしません。今日の話を区のすべての職員に聞いてもらいたい、と思うとともに、練馬区も変わらなくては!と改めて思いました。  

2019-07-26T15:20:23+09:002019年7月26日|Tags: , , |

<れいわ新選組の躍進と練馬区で変わらなきゃいけないこと 「当事者抜きに当事者のことを決めるな!」”Nothing about us without us!”>

今回の参議院選挙、山本太郎さん党首の「れいわ新選組」が二議席を獲得したことがニュースで大きく取り上げられました。選挙の時に山本太郎さんに推薦いただいたこともあり応援させていただきました。 れいわ新選組から当選したのは、難病「ALS(筋萎縮性側索硬化症)」患者の船後靖彦氏と、脳性まひで重度障害者の木村英子氏。山本さん自身の票を二人に向けることで当選が叶いました。 山本太郎さんが訴え続けたのは「当事者抜きに当事者のことを決めるな!」ということ。そして、「障害者を利用するつもりか」という批判に対しては「上等です。障害者を利用して障害者施策を変えようじゃないか」と答えています。 二人の当選で間違いなく国は変わります。そして、練馬区も変わるべき時が来ています。「Nothing about us, without us!」(私たちのことを私たち抜きで決めるな!)、これは1960年代のアメリカ、自立生活支援運動で出てきた言葉であり、日本も批准している障害者権利条約の基本的な考え方です。世界から遅れること数十年、ようやく日本の国会でも重度障害の当事者の方が政策に参画できるようになったこと、大きな一歩です。 そして、地域でも同じことが必要です。練馬区はこれまでも「パブリックコメント」や「意向調査」などを通じて様々な当事者の意見を反映させている、と言っています。しかし、それだけではなく、もっと直接的に政策を決める場に参画できる仕組みを作ること、それは議員になることだけでなく、重度障害の方だけでなく、貧困に苦しむ方、LGBTQの方、不登校の方、外国籍の方、様々な当事者の声が私たちの暮らしを変える政策にもっと反映できる仕組みが作られることが必要です。 例えば、私たちはこれまでも川崎市のように外国人が直接区政に参画し、政策を提言できる場を設けるべき、と訴え続けてきましたが、区は対応してきませんでした。時代は変わるのに練馬区はいつまでたっても変わらない、当事者の声をもっと区政に届けられるような仕組みを作ること、それはすべての私たちが住みやすい社会をつくるために必要なことです。これからも訴えていきたいと思います。

2019-07-24T11:18:57+09:002019年7月24日|Tags: , , |

<部落差別のイベントを開催して。決して過去の問題ではありません>

「部落差別なんて、もう昔のことでしょ。そのうちみんな忘れるんだし、あえて話すべきではないよ」こうした意見を聞くこともありますが、本当にそうなのでしょうか?? 今回の「いわせてカフェ」では、「部落差別」をテーマに当事者でburaku heritageのメンバーの上 川多美さんをお招きして話を伺いました。私と同世代で幼稚園と小学校のお子さん二人を育てています。3連休の初日にも関わらず50人近くがお越しになりました。 上川さんの親戚が、結婚の時に部落出身であることを理由に家族との縁を切れと言われ、消息不明になったこと。学校のすぐ近くにある会社の工場でも就職差別が問題になったということ 。十代の頃に周りにこうしたことを話そうとしても、「もう昔のことじゃないの?」と、理解されずに自分の存在が否定された気がしたとのことでした。 上川さんのお話を聞いて、部落差別について「寝た子を起こすべきではない」と話題にすることを避けるべきという意見もありますが、一見正しいようで、これは差別を受けて苦しんでいる人に「黙れ」「我慢しろ」と言っているのと同じことなのだということを実感しました。しかも、今はインターネットなどで部落に関する個人情報などが次々と暴露されており、名字や出身地による新たな差別も生み出されています。 練馬区が今年行った調査でも、「もし自分のお子さんが同和地区出身の方と結婚したいと言ったらどうしますか?」という問いに「賛成する」と答えた方は30%しかいなかったという衝撃的な結果が出ています。多くの方が部落差別なんて存在しないと考える一方で、自分の子どもが部落出身者と結婚しようとすると反対する。問題の根深さを象徴しています。 上川さんも家族の情報や自宅の住所までネット上で公開され、嫌がらせを受けたりもしているとのことです。しかし、それでも自分が声を挙げることを通じて差別がなくなるために、SNSでの発信も含めて活動されています。「差別を許すな!」と叫ぶよりも、部落の素晴らしい文化も紹介したり、笑顔で明るく、ジョークも交えて言ったほうが、特に若い世代には効果的とのこと。自身のお子さんも含め、積極的に食卓等で部落について話すことで、差別を内面化することを防ぎ、多様性が尊重される社会にもつながるという点、会場の皆さんも大きくうなづいていました。 上川さんが活動をするなかで、トランスジェンダーや同性愛者の人等の、いわゆる「差別を受けがち」な、多様な背景の人たちとも仲良くなり、その人たちの輪の中で子育てをすることで、自分自身も子どもの人生も豊かになったという言葉も、印象的でした。 参加した高校生が「今日、参加するまで部落問題というのは外国の話だと思っていました。学校でも全然教えてもらってなかったし。だから、話を聞けて本当に良かった」と発言してくれたのが大きな救いでした。 知らない事は差別に加担しているのと同じこと、という参加者からの感想も印象的でした。 2016年には部落差別解消法が制定され、川崎市では今年度、部落差別を含むすべての差別を禁止する人種差別撤廃条例が制定されることになっています。練馬区においても、学校での啓発ももちろんですが、区として真剣に取り組む姿勢を示すためにも、すべての差別を許さないという指針や条例を作るべきであり、それを区議会でも訴えていきたいと思います。

<一般質問の内容④ どうやって子どもが生まれるのかも教えない、そんなの性教育といえるの?子どもたち自身を守るために性教育の充実を!>

年にたった一度の一般質問、どんなテーマでも扱うことができる貴重な機会。私が訴え続けてきたのは「マイノリティが住みやすい社会は誰にとっても住みやすい社会」。 今回の一般質問では性的マイノリティ、学校の制服、外国籍住民(ヘイトスピーチ)、子どもの性教育、などをテーマに取り上げました。今回は性教育についてご紹介します。 ●はじめに みなさんは中学校の性教育で何が教えられているか知っていますか? 実はいまだに「妊娠の経緯については扱わない(どうやって子どもができるかは教えない)」と国の規則(学習指導要領)で決められています。信じられますか? 性について、子どもがどうやってできるかを教えるのは早すぎる、寝た子をおこすな、と言う方もいます。 しかし子どもは、何も言わなくても、情報を探すものです。そして、出てくる情報は、どんなものでしょうか。避妊具をつけずに性行為するのが当たり前のような動画等の数々。そのうえ、日本では特に、女性に対する暴力的な行為がネットに蔓延しています。こうした情報ばかりを得て大人になると、性行為には相手の同意が必要であるということをきちんと認識できないばかりか、相手を対等な関係として見られないという結果につながってしまうのではないでしょうか。 私たちがすべきことは、子どもに対し、性に関することはかけがえのない命の誕生につながったり、愛する相手と自分を大切にし、思いやったりという、自然な行為であることを説明し、セクシャリティの多様性とともに、なるべく早く、正しい知識を教えることではないでしょうか。そんな観点から昨年に続いて性教育の充実を訴えました。 ●今回の主な訴え 性教育の指導を適切に行うために教員向けの研修を充実すべき!保護者の理解を得るために区として性教育の重要性を宣伝すべき!区の男女共同参画計画の中にも性教育の重要性を位置づけるべき! <ここから> 去年の一般質問で学校での性教育を充実すべきと訴えたところ、練馬区は、「既に適切に行われていて、教員研修等を実施する考えはありません。」と答えました。 しかし、「適切に実施している」という区の考えは、現実とはかけ離れたものでした。東京都教育委員会は2018年9月に都内の中学校を対象に性教育の実施状況を調査しました。練馬区の結果を見ると「生徒は正しい性に関する知識を身に付けていますか」という質問に対して「あまりそう思わない、思わない」と答えた学校が区内34校のうちの20校に達しています。また、「教員は自信を持って性教育を指導していると思いますか」という質問に対して「あまりそう思わない、思わない」と答えた学校は23校にのぼっています。 東京都は3月、15年ぶりに教員用の「性教育の手引」を改訂しました。手引きでは、学習指導要領の範囲を超えて「妊娠の経緯(どうやって子どもが生まれるか)」を教えてもいいと初めて明記しました。 <質問> 改訂に従って、学校での性教育を充実すべきです。また、保護者の理解を得るために区として様々な機会を通じて性教育の重要性および今回の改訂の内容を周知すべきです。 <区の回答> 改訂された「性教育の手引き」では、学習指導要領に含んでいない内容を教えてもいいとは言っていますが、学習指導要領にないことを積極的に教えろと言っているものではありません。練馬区として推奨する考えは現時点ではありません。教員研修については、都から性教育モデル授業実施校の指定を受けた中学校で外部講師を活用した授業公開を予定していて、広く参加を呼びかけます。 <質問> 性教育の重要性については男女共同参画計画のなかでも積極的に位置づけるべきです。 <回答> 計画の中でリプロダクティブヘルス&ライツの一環として検討していきます。 <岩瀬の感想> 東京都が15年ぶりに性教育の手引きを改訂し、ようやく練馬区の性教育も一歩前進するかと思っていたのですが、区の回答は都は教えろとは言っていない、ということで拒否。もちろん保護者の理解を得ることも重要ですが、社会が大きく変わっている中で、30年前、40年前と同じような教育では、子どもたちが一番犠牲になってしまいます。とはいえ、昨年に比べて教員の研修など、少しずつ進展が見られてもいます。あきらめずに引き続き訴えていきたいと思います。

2019-07-10T15:46:36+09:002019年7月10日|Tags: , , |
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