文教児童青少年委員会報告 光が丘第四中学校の閉校について(変更案の報告)
本日の文教児童青少年委員会、光が丘第四中学校の閉校について、区の対応方針の変更案が示されました。この変更、保護者説明会で出されたたくさんの要望を受けて実施されたものです。
ただ、その内容は、閉校の時期を平成29年度末から30年度末に変更する、生徒・保護者のケアのために心のふれあい相談員を加配する、転校を希望する生徒の学用品について、公費負担を行う、といったもので、生徒・保護者が最も求めていた計画の白紙撤回ではありませんでした。
委員会では、この間の練馬区の強引な進め方を追求するとともに、委員会での議論や地域の声を全く反映しようとしない状況を指摘し、改めて撤回を求めました。
まず、閉校の方法についてです。練馬区は平成16年に「適正配置の基本方針」を策定し、その中で「学校の統合については、原則として、統合の対象校をいずれも廃止し、新たな新校を設置する。統合は規模、および設立からの経過年数にかかわらず対等な関係の統合とする。」としています。
これは、「対等でない吸収合併方式の場合は、吸収される側に大きな負担がかり、他の自治体においても、学校が荒れてしまう、また不登校児が顕著に増えるといった問題行動も起こっている」からです(和光大学教育学部教授 山本由美さんの意見)
こうしたこともあり、かつて光が丘で8つの小学校を4校へと統廃合した際には、校舎は既存のものを使うにせよ、学校名、校歌なども変更し、新たな学校として再スタートしています。
こうした方針があるにもかかわらず、練馬区は今回、自ら定めた方針を無視して、わずか3か月、しかも非公開での議論を通じて、光が丘4中は3中に編入するという吸収合併型での廃校を決定してしまいました。これはあまりに乱暴です。
このことについて、練馬区の答弁は、光が丘3中の生徒が多かったために、3中に寄せる形を採った、とのことでしたが、そもそも基本方針では、統合は規模に関わりなく対等な関係とする、としており、理由にはなっていません。
続いて、長期的な展望についてです。4中の閉校は長期的な視点の上で決定したと区は述べていますが、本年6月、委員会で報告された「小中一貫教育基本方針」の中では、「光が丘1中、2中、3中については、通学区域内に居住する幼児、児童が100名以下となっており、中学校の適正規模を維持することが難しい。」とする一方で、4中のことは全く触れていませんでした。これに基づき、光が丘秋の日小と来年度の小中一貫教育発表に向けての研究が現在も続いています。つまり、6月の段階では、すでに入学者数は明らかだったのに、4中の閉校は全く教育委員会としては想定していなかったことになります。
このことについて、練馬区の答弁は小中一貫教育と学校の統廃合は必ずしも一致するものではない、との回答でした。しかしこれまでの議論で、小中一貫と学校の統廃合は常に同一線上に議論をされており、また方針の中でも学校の適正配置について明示している中で、この理由は全くあたりません。
和光大学の山本先生によると、学校の統廃合は非常に微妙な問題なだけに、時間をかけて丁寧に議論することが必要とのことです。そんな中で練馬区は今回、わずか数か月、「日本最速」で閉校を決定してしまったのではないか、そしてそれは全く道理に合わないとの指摘でした。
今回の閉校、住民の意思やプロセス、また、これまでの委員会での議論をも完全に無視したものです。だからこそ、光が丘四中の生徒、保護者、地域の方のためにどのような方法が望ましいのか、一度廃校計画を白紙に戻して、議論を行うべきだと思います。
10分間の価値は?決算特別委員会
先週の金曜日、決算特別委員会がようやく終了しました。
今回の委員会、一番苦労したのが、削減された時間の中で、いかに意義のある質疑を練馬区と行えるか、ということでした。決算や予算の委員会では、会派の人数によって質疑時間が決められており、最大会派の自民党は70分以上の持ち時間があるのに対して、私たちは、昨年の議会でさらに1分短縮されたため、わずか10分となってしまいました。一人会派は6分のみです。しかもこれは区からの回答の時間も含むものであり、実質的に質問できるのは半分程度しかありません。
昨年までは、人数が少なくても発言の機会を確保する、という方針のもとに、一人会派は7分、二人会派は11分だったのですが、その配分が「平等ではない」という理由で削られてしまったこと、そして、その決定は幹事長会や議会運営委員会でなされ、少数会派は参加すらもできなかったということに、まさに民主主義とはなにかと、強い違和感も感じています。
とはいいながら、その中で実りある答弁を引き出すために、10分の質疑のために数十時間をかけて資料を纏めて論点を整理し、何種類もの想定問答を検討し、決算に向かう、という準備を行いました。
もちろん、どんなに準備をして臨んでも、全く想定外の回答がなされることもあり(または全く回答になっていない回答がくることのほうが多いのですが)あり、その時にはその場で効果的な質問を考えなければいけません。すべての議員、そして理事者の方が厳しい視線で見ている中で、一問一答方式で討論を行う事、こうした緊張感は区議になる前の人生ではなかなか経験したことがないもので、去年は、前日の夜は眠れなくなるほど緊張していましたが、一年たって少しだけ神経が太くなったのか(?)、無事に乗り切ることができた気がします。とはいえ、この10分のあとは、ものすごく精神的に疲れが出て、それを理由に大好きなチョコレートや甘い物をパクパク食べています(笑)
ただ、今回の決算では、池尻さんや皆さんのおかげで、昨年に比べてとても具体的で、かつ広がりのあるテーマを扱うとともに、アスベストや災害トイレ対策などにおいて、かなり踏み込んだ答弁を得ることができたと感じています。一方で、決算委員会を通じて数キロ太った気もしています。。。
今回は10日間の質疑の中の4日間を担当しました。私が訴えたのは、1) 議会費・総務費では、災害時のトイレ対策、2) 産業経済費・環境費では、建物の解体・改修のアスベスト対策、3) 教育費では、光が丘4中の廃校に関わる問題です。どのテーマも個別的で、かつ、区全体の在り方にも関わるものですので、ぜひ議事録を過去の記事や今後公表される議事録をご覧ください!
決算特別委員会 光が丘第四中学校の閉校案について わずか数か月で決定、子どもの声を聞かなくていいのか?
先日の決算特別委員会、教育費では光が丘第四中学校の閉校問題について訴えました。
光が丘四中に関して、今年度入学の生徒が減少した中で、今後の対応を検討するために7月に「教育環境を考える会」が設置され、その提言を受け、教育委員会は9月には「速やかに閉校する。」方針を出しました。しかし、この方針をだすまでに「考える会」の会議が開かれたのはわずか3回、また、当事者である生徒たちは一度も意見を聞かれることはありませんでした。
選択制度で四中を選んだ子ども達の多くは、少人数ならではの魅力も感じ、保護者とともに学校を盛り立てようと頑張ってきたわけです。しかし生徒たちは、意見も聞かれず、わずか数か月で一方的に廃校を決められようとしています。日本も批准している「子どもの権利条約」では「自己に影響を及ぼすあらゆる行政上の手続において、意見を聴取される機会を与えられる。」として、「子どもの意見表明権」を認めています。今回の手続きはこうした考え方にも反するものです。
また、学校は生徒だけでなく、地域にとっても、大きな意味を持つものです。閉校の案について、これまで学校を支えてきた当該地域、とくに廃校によって長距離の通学を強いられることになる光が丘一丁目地域の方々への説明等についてもこれから実施するということです。地域の方への説明も不十分です。
閉校の理由として、区は「今年の入学者が24名しかおらず、今後も減少が予想される学校経営が難しいため」としています。しかし今年度、四中の学区域には同地域で最大となる90名以上の入学予定生徒がいました。今後の予測を見ても、四中の学区域の生徒数は、近くにある1中に比べても3倍近いものです。生徒が少ないのは、学校選択制度で他の学校を選んでいる、という理由によるもので、子どもの数が少ないということとは本質的に異なります。
光が丘全体で子どもの数を減っているのは事実です。中学校が4校必要か考えること自体否定するものではありません。しかし、学校を減らすことが必要だったとしてもそれは統合、新校の設立につながる方法もあります。例えば、光が丘の小学校では2つずつの学校を統合して、新しい学校名を付け、新しい校歌も作りました。
本当に地域や子どもたちのことを考えるのであれば、廃校案はいったん白紙に戻し、四中の教育環境改善に向けた取り組みを行うべきです。また、併せて光が丘第四中学校の適正配置について、時間をかけて話し合う機会を持つべきです。
こうした訴えに対して、教育振興部長は閉校の判断については、子どもの意見をふまえる必要はないといった回答でした。教育委員会は今回の閉校の件で、「子どもの教育環境を守るため」と言い続けています。しかし、閉校の判断には、一番配慮すべき在校生の意見は聞かなくていいとはっきり答えてしまうことに衝撃を受けました。
区は地域の声を聞く、子どもたちの声を大切に、と言っていますが、実態は、行政が決めたことに区民や子ども達を従わせる、という姿勢を見せています。こうした強引な手法で閉校が決まってしまうことのないよう訴えていきたいと思います。
決算特別委員会中のトラブル
決算委員会が続く中、遅くまでパソコンに向かう日々。
そんなある日、「明日は教育費の質疑、今日も頑張るぞ!」いつも通りパソコンを開く。パソコンを起動して、パスワードを入力、そして、エンターキーを押す。
「。。。」
「あれ、画面が変わらない。。。おかしいな?」もう一度パスワードを入力する私。すると、今度はバックスペースキーを反応しない。「??」だんだん焦りだす私。。タッチパッドを使って、なんとか起動するパソコン。
嫌な予感がしつつも、敢えて現実を直視せず、いつものワードファイルを開く。そして、昨夜あたためていたアイデアを入力しようとする。
「。。。」
やっぱりエンターキーとバックスペースキーが反応しない。残酷な現実に圧倒される私。
「昨年買ったばかりのパソコンなのに、なぜ今のタイミングで、しかもなぜあんまり使わないキーじゃなくて、一番使うキーが壊れるんだ!」疲れのせいか、意味もなくやつあたり。
修理に電話したところ、預けて5日はかかるとのこと。パソコンは一台しかないし、とても間に合わない。そこで思いついたのが、キーボードを買う事。慌ててアマゾンを見ると、当日お届けのキーボードが売ってる!ということで、サイズも見ずに慌てて購入。
夕方には届きましたが、開けてみるとパソコン本体よりも大きいキーボード。「これを持ち運ぶのか。。。」、と思いながらも取りあえず問題は解決しました。
息子2歳の誕生日
生まれたばかりと思っていたらもう2歳の誕生日を迎えた息子。
私の両親もやってきて、みんなでお祝いしました。
今日ばかりは息子の好きなことはなんでもやらせてあげようと、普段は絶対に食べさせないケーキも買って、両親は大好きな新幹線のプラレールをプレゼント。見せてあげると、あまりの喜びに絶叫する息子。新幹線のことを「かんしん車!」と大喜びしながら踊り出す。「かんしん車ってなんだ?いろいろ間違ってる。。。」と思いながらも喜ぶ息子を見て私たちもなんだかうれしい。
そしてせっかく買ったホールケーキも、切るまで待てずにそのままかぶりつく。。。「私もホールケーキにかぶりつくのが夢だったのに、いまだに実現してない39歳…」と思いながら喜ぶ息子を見てなんだかうれしい私たちでした。そして、その後、息子がぐちゃぐちゃにしたケーキの残りを頂きながら、こんな誕生日もいいな。。としみじみしました。
<決算特別委員会報告 2) 私たちの身近にもアスベストが??
決算特別委員会、「産業経済費・環境費」では練馬区のアスベスト問題について訴えました。
アスベストの繊維はとても細く、吸引すると肺の奥にまで入り込み、長期間にわたって体内にとどまります。その後、15年から40年の潜伏期間を経た後に肺がんや中脾腫などの病気を引き起こすことがあります。
アスベストといえば、かつて社会的にも大きな問題となりましたが、最近ではあまり報道で取り上げられる機会はありません。しかし、アスベスト問題、むしろ今の方が私たちの生活により身近に迫っています。
なぜなら、アスベストは建物を解体する際に多く飛散しますが、1960年代から建築物への使用が開始された中、これらの建物の解体は2030年頃をピークに全国的に増加することが見込まれているからです。
国は2005年以降、廃棄物処理法、建築基準法などの諸法令を改正し、アスベストの飛散防止対策を強化し、2014年には「大気汚染防止法」が改正、建築物の解体時にアスベスト含の有無の事前調査を義務付ける等、飛散・ばく露防止対策を強化しました。これを受けて練馬区でも「練馬区アスベスト飛散防止条例」が改正されました。
練馬区では条例によって、一戸建てを含めて、すべての解体・改修に関わる建築物について、アスベストの有無の事前調査、および現場での結果についての標識の掲示を義務付けています。
しかし、すべての業者が実際に調査を実施し、結果を現場に掲示しているわけではありません。
先日、私の家の近くで小学校の通学路に接する場所で数年にわたって空き家だった建築物の解体が行われました。しかし、現場にアスベストの有無を示す事前調査の掲示はなく、住民の方は物件にアスベストが含まれていたのか、また、適切に対応しているのかわからず不安な思いを抱いていました。
昨年度、事前調査の掲示に不備があった、ないし全く行われていなかった、として指導されたものは一年で54件だったとしています。この数字から見ると事前調査が適切に行われないまま、解体・改修が行われた件数はさらに多いと思われます。
現在の一番の問題は、業者は解体・改修前にアスベストの有無を調べる事前調査を義務付けられていますが、行政に対しては、アスベストがあったときのみ報告することになっていることです。つまり、調査しても報告しない場合、そもそも調査すらしていない場合には、行政としては把握することはできないのです。
調査されたか判断する唯一の方法は、実際に工事現場に行って調査結果の標識の有無を確認することですが、実際には不可能です。そこで以下の改善を求めました。
1) 事業者に対して事前調査の掲示の届け出を求めること。これによって、事前調査の実施の有無も含めて行政が把握することができるようになるわけですから、多くの課題が解決されるようになります。
2) 法規制や条例について事業者に周知されているとはとても言えません。そこで、アスベスト飛散防止を実効的に行うためには、業者への周知の徹底を図ることを求めました。
3) 住民の方の協力も必要です。そのためにも、アスベストの危険性とともに、すべての解体工事で事前調査とその結果の掲示が義務付けられていることを住民の方に知っていただくための働きかけが行うべきです。
こうした訴えに対して、練馬区としても課題を認識していることを認めたうえで、まずは事業者や住民の方への条例の周知に取り組むとの回答でした。残念ながら、事前調査の届け出を求めることについては現時点では考えていないとのことでしたが、少なくとも区がアスベストの飛散に関する課題を認め、対応を取るということについては前進だったと思います。
決算特別委員会始まりました 1) 災害時のトイレ対策について
今週から決算特別委員会が始まりました。
委員会では毎日、教育費や環境費などの項目(費目)ごとに政策について、区の担当者と直接質疑を行います。
決算特別委員会の大きな特徴は、練馬区の担当者と一問一答形式でのやり取りができることです。最終的に何を訴えたいかを考えながら、区が何と答えるか想定して次の質問や回答をいくつも考える。ですので、実際のやり取りよりも何倍もの準備が必要となります。
質疑の時間は会派(政党)の人数によって割り振られていて、私たち「市民の声ねりま」は10分。区の答弁を含めての時間ですので、実際に私が質問できるのは、7分程度ですが、その中で意味のあるやり取りができるように、10分のために数十時間を準備のために費やしましています。
そんな中、初日の「議会費/総務費」では、災害時のトイレ対策について訴えました。
1. 区内の各避難所でのトイレの備蓄の充実について
災害によって上下水道が機能しなくなると、排泄物の処理が滞り、感染症などが発生します。トイレが不衛生であるために不快な思いをする被災者が増え、何度も足を運びたくない、という理由で水分を控えることにもなります。それが一因となり、血栓ができて、エコノミークラス症候群を引き起こす可能性もあります。
そんな中、「練馬区地域防災計画(本編)平成26年度修正」によると、避難拠点での災害用トイレ対策として、「避難所75名あたり一基の災害用トイレの確保に努める」としています。
しかし現在は、避難所となる区内の小中学校(99カ所)にはそれぞれ、マンホールトイレ3基と携帯トイレ700枚しか備蓄されていません。現在、一つの避難拠点に700名が避難すると想定されています。その場合、75名あたり一基と考えると、上下水が止まった場合最低でもマンホールトイレ10基は必要となります。それが今、3基しかない。計画ではマンホールトイレと携帯トイレを組み合わせるとのことですが、携帯トイレの備蓄は700枚。一日ひとりあたり5回のトイレに備えることが必要とされているなかで、この数は到底足りません。そのため、過去の事例を検証したうえで、マンホールトイレや携帯トイレの必要な備蓄数の見直しを訴えました。
<区の回答>
それに対して、練馬区としては過去の災害の事例を検証したうえで、必要数を確保するとの回答でした。この回答、備蓄のカスについて、今後の見直しをも考えうるというもので肯定的だったと思います。
2. 震災時に排出される使用済みトイレ(ゴミ)の回収について
避難所での受入可能人数は約70,000人であり、それ以外、つまり数十万人は在宅での避難となります。練馬区は「地域防災計画」の中で、各家庭に対して、3日分の災害用トイレを備蓄するよう周知する、としていますが、周知を進める上で、家庭から出る使用済み携帯トイレのゴミをどのように保管し、また回収するのか、大変大きな課題です。地域の方が行政に確認したところ、収集できるかまだ決まっていないとの回答を受け、非常に困ったというご相談も聞いています。例えば4人家族で考えると、一日あたり4人×五回で20個、三日で60個もの携帯トイレのゴミがでます。震災時の使用済み携帯トイレ、回収の体制は整っているのか、その構えを備えるよう訴えました。
<区の回答>
「区としましては災害状況をふまえ、東京都や他区との調整等により収集できる車両を配備し、収集運搬を行ってまいります。」というもので、明確に「収集運搬を行う」と答弁した、つまり携帯トイレをそれがし尿を含む等の理由で収集しないということはないということであり、その意味では肯定的だと感じています。とはいえ、もちろん、どんなルールや態勢で収集するかについては、今からでも議論すべきことがあります。
3. おが屑トイレの普及について
災害時の携帯トイレの一つである「おが屑トイレ」、区民の中でも普及が進んでいます。おが屑トイレ、建築廃材を使うので、環境にやさしく、臭いも消え、また安価に手に入るものです。練馬区でも積極的に普及に取り組んでいただきたいと訴えました。
<区の回答>
「おが屑トイレは私どもも承知しているところです。アイデアとしてはとてもよいもののひとつであると考えておりまして、地域の防災訓練などでお尋ねがあったらその市民の方をご紹介しているところであります。」との回答で、非常に肯定的なものでした。
今回の質疑は震災時のトイレ対策について、大きく3項目の質疑を行ったのですが、どの訴えも区からは肯定的な回答だったと感じています。トイレは食料、水と同様に人々の生活を支える社会基盤サービスであることからも、今後もフォローアップを行い、練馬区がしっかりと備えるよう訴えていきたいと思います。
練馬区の来年度に向けた待機児童対策「待機児童ゼロ作戦」について 質や継続性を守ったうえでの待機児童対策を!! (文教児童青少年委員会)
先日の委員会では、「練馬区 待機児童ゼロ作戦」の進捗が報告されました。このゼロ作戦、来年4月までに0歳~2歳の枠を1,000人分拡大することを目標にしています。
待機児童対策で大切なことは、量を増やすだけではなく、質や継続性をいかに担保するかということです。今回の委員会ではそれぞれの項目について質疑を行いました。
まず待機児童の考え方について。練馬区は本年度の待機児童数は166名、全申し込みの1%だったとしていますが、捉え方自体に問題があります。昨年度から訴え続けてきましたが、現在、待機児童の定義は自治体に委ねられており、練馬では、保護者が育休を延長せざるを得ないケースや、近くに認証保育園に空きがあって申込をしなかった場合は待機児童とカウントされない、非常に厳しいものになっています。
こうした実態について、政府も問題を認識しており、本日の朝日新聞の記事によると、厚生労働省が把握したいわゆる”隠れ待機児童”は練馬区では公表された数字の5倍以上、923名に達しています。この問題を解決するために厚生労働省は年度内に統一した基準を設けるとしています。そのため、委員会では来年度の入学に併せて練馬区の基準を今から見直しをすべきと訴えました。
それに対して、区の答弁では、そもそも”隠れ待機児童”の定義はない。また、現時点では厚生労働省から何の指針も示されていないため、現時点で検討する予定はないとのこと。しかし、来年3月に新たな定義が公表されても、それから対応するのでは遅すぎます。だからこそ、今から対応すべきと重ねて訴えました。
続いて、質について。今回の対策では、新たに「一歳児預かり保育」が導入されます。これは、1歳の待機児が最も多いことを受け、特化して保育を行うものです。
しかし、この制度、大きな課題があります。まず、こちらは名前のとおり1年間しか預かることができず、結局、次年度には新たに保育園を探さなければいけません。特に、この制度、10月や11月にも開始しますが、そこで預けた場合、来年の3月までしか預けられず、4か月後には、新たに保育園を探さなければなりません。また、幼稚園の空き教室を利用した一年間の預かり保育も行うとしていますが、そもそも幼稚園と保育園はその役割、機能も全く異なるものです。例えば給食、長期休暇、預かり時間、保育士の確保など解決すべき課題は山積しています。こうした課題に対してこれから調整するとしていますが、まずは数ありきで進めているという印象が拭えません。
新たな制度で、待機児童の数は減るとしていますが、私も1歳の子どもを育てるものとして、こんな不安定な形での保育は子どもにとっても、保護者にとっても大変に大きな負担になると思います。保育として行う以上、質と共に継続性を担保すべきであると訴えました。
一歳児預かり保育や定員の拡大を通じて、目に見える待機児童数は減少しますが、そこで質や継続性が犠牲になっては本末転倒です。練馬区が待機児童対策に乗り出すことは大切です。しかし、目に見える数だけを増やすのではなく、質を維持した制度を構築するよう訴えていきたいと思います。
あまりに拙速では? 「光が丘第四中学校」の廃校案について(文教児童青少年委員会報告)
今回の委員会では、「光が丘第四中学校の課題への対応」が報告されました。
光が丘第四中学校の生徒が減少している中、本年7月に「教育環境を考える会」が設置されたのですが、その意見を受けて区の方針案として「中学校を速やかに閉校する。」という考えが示されました。具体的には、来年度、ないし再来年度末の閉校を想定しているとのこと。
しかしこの案、あまりに乱暴です。
そもそも、区の説明では、「当該の学校では、今年の入学者が24名しかおらず、今後も減少が予想されるため学校経営が難しい」とのこと。しかし、今年度、同中学校の学区域には90名以上もの入学予定生徒がいました。入学が少ないのは、区が実施している学校選択制度によって70名が他の学校を選んだことによるものです。
さらに、来年度も学区内には92名の入学予定者がいるとのこと。つまり、地域の子どもに選ばれていないだけのことで、子どもがいなくて廃校にすることとは本質的に異なります。
そもそも、学校選択制度を導入した時点で、人気校と不人気校が発生することは想定されていました。そこで必要なのは、なぜ不人気なのか、問題を分析しその学校をサポートすることです。問題に向き合うことなく淘汰したところで、問題の本質的な解決にはならず、他の学校でも起こりうる同様の課題を防ぐこともできません。
また、案を作るまでのプロセスもあまりにも早急です。7月19日に考える会の設置が報告されてから、会議が開かれたのはわずか3回。会の参加者10名だけで学校の方向が決められてしまう、しかも、時期も来年度か再来年度ということで、在校生への影響も甚大です。
練馬区は、これはあくまでも案である、と言っていますが、これまでの例を見ても、案ができた以上、そちらに議論の方向が一元化されていくのは、明らかです。
今回の案、練馬区は子どもたちのためと言っていますが、実際に通っていて、今後転校を求められる子どもたちや保護者への説明や聞き取りも一切行っていません。9月中に説明会を開くとしていますが、こうした案をもって説明会を開くこと自体が問題だと思います。
本当に地域や子どもたちのことを考えるのであれば、生徒や保護者、地域の意見を広く聞きながら、すぐに廃校という案を示すのではなく、その学校が抱える課題をどのように改善するか、一緒に考えるべきだと思います。
http://www.hikarigaoka4-j.nerima-tky.ed.jp/
2015年度の練馬区のいじめについて(いじめの状況と対策)(文教児童青少年委員会報告)
本日の委員会では「平成27年度 練馬区立児童・生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題の調査」に基づき昨年度(2015年度)の区内の小中学校でのいじめの認知件数とその対応の報告がありました。こちらの調査は毎年、全国すべての学校で行われており、定期的な全生徒、教職員へのアンケートや聞き取りをまとめたものです。
まず、いじめの認知件数について、2013年度は小学校では276件、14年度は197件だったのに対し昨年度(15年度)は167件、中学校はそれぞれ233件、194件、258件となりました。数字だけを見ると、昨年度、小学校ではいじめは減っていて、中学校は増えているように見えます。
しかし、この数値はあくまで教員等によって「認知された件数」でしかなく、いじめの大半は当事者しか知らないものです。だから、「数字が多いのは問題」「数字が少なければよい」と満足すべきではありません。例えば、区内のある小学校では、案内の中で「我が校はいじめ0、不登児校0の学校」と宣伝していましたが、いじめは常に存在するものだと考えて謙虚に向き合うことが必要だと思います。
続いて、いじめへの把握について。生徒にとって一番身近ないじめを学級担任が発見したのは、中学校では15件、全体のわずか5%にすぎません(最も多いのはアンケートによる発見で全体の63%)。
また、いじめを受けた児童、生徒について、学級担任に相談した数が最も多いものの、誰にも相談できていない比率も上がり続けており、昨年度は12%に達しています。
いじめを一教員に相談しても抱え込んでしまったり経験不足であったりして効果的かつ組織的な対応がとられなかったというケースも多々あるとされます。実際私も、「先生に相談しても報復としてますますいじめられるんじゃないか」と考え相談しなかったという子どもや、「先生に相談してもすぐ再発して、先生は見て見ぬふりだった」という子どもに話を聞いたことがあります。
なぜ、教師がいじめに気付けず、また、生徒との信頼関係を築いて対処できないのか。数年前に発生した大津市立中学校でのいじめに関する第三者委員会調査報告書では、いじめ対策の大きな課題として「教員の多忙化」を挙げています。「教員の負担を軽減して、子ども達と向き合えるようにするための改革を最優先に進めるべきである。」としています。また、文科省の「いじめ防止対策における組織的対応について」の論点ペーパーでも、「日常業務が多忙であることがいじめの抱え込みの背景にある」としています。
だからこそ、今日の委員会では、教育委員会としても、教員の配置、職員の配置をしっかりと再検討すべきと訴えました。これに対して、教育委員会は、教員の本来業務である子どもたちと向き合う時間が損なわれることのないよう、今後も検討していくとのことでした。
いじめの問題は非常に根が深く、この何十年という各関係者の取り組みをもってしても無くせなかったことを見ても、決して完全に解決できるものではないと思います。だからこそ、いじめに向き合う体制をしっかりと作っていく必要があります。また、場合によっては学校以外の多様な学びの場の活用を含めた包括的な対応が必要だと思います。