乳幼児の子育て環境、コロナで更に厳しく。区として改善を!

補正予算では子育て環境の改善として、コロナで大きな影響を受けている特に就園前の乳幼児を対象とした子育てのひろばや一時預かりを改善するよう求めました。 子ども家庭支援センターなどが実施している保護者と乳幼児が気軽に集まれる「子育ての広場」(ぴよぴよ)について、感染症対策として人数の制限が設けられた中で、「子どもを抱っこして猛暑の中で訪問したのに満室で入れなかった」そんな声が相次いでいます。 一方でスタッフの方からは、「今年生まれた赤ちゃんは、外に出る機会が少なかったせいか、例年に比べて人見知りしたり、はいはいしないですぐ立ち上がったり、握力が弱い気がします。保護者の方についても、初めての子育てで不安な中、里帰り出産もできず、ご家族や周囲の支援も受けられずに不安感や孤立感がすごく不安が大きいと感じます。」 また、子ども家庭支援センターなどでお子さんを半日程度預かってもらう「一時預かり」についても、以前から希望者が多くて予約が取れないことから「プラチナチケット」と呼ばれていましたが、コロナの影響でさらに競争は激化。当日予約については、全く電話が繫がらず、100回電話してようやく繋がったと思ったらダメだったといった訴えが届いています。練馬区として施設を増やすなどしてすぐに改善するよう求めました。 区の回答は児童館を活用するなど、すでに様々な努力を行っているとのこと。また、子育てのひろばについてはそれほど混雑しているとは認識していないとのことでした。 区としても対応に努力しているとのことですが、枠自体が圧倒的に不足しています。子育てのひろばにしても、ただ集まるだけの場所ではなく、保護者同士で悩みを共有したりできる非常に貴重な場です。来年度の予算に向け、環境を改善するよう引き続き訴えます。

補正予算の訴え① コロナによる経済的な問題、特に若い世代への影響が深刻!

補正予算では最初に、コロナに関連して経済的に困窮している特に若者世代への支援を訴えました。概要を報告します。 コロナなどで経済的に苦しい方へ生活保護を受ける前の支援として「住居確保給付金」があります。こちらは住宅費について、3か月の期間で最大9か月まで区が支払うというもの。過去3年間では、1年で平均40件程度の支給でしたが、今年度は7月までのわずか3か月でなんと1,900件!たった3か月で40倍もの給付が実施されています。 しかもその内訳をみると、20代から40代が全体の8割以上となっていて、半数が非正規雇用の方でした。3か月ごとに延長の審査が行われますが、景気が厳しい中で、これまでに6割の方が延長しており、次の最終回の審査でも6割程度が再延長をすると見込まれています。期間が終了する12月以降は、その多くが生活保護に移行する見込みです。 練馬区では過去5年以上、生活保護の受給者は減り続けてきました。しかし見込みでは12月以降に500世帯以上も増えるとのこと。しかもその大部分が20代から40代の若い世代になります。もちろん生活保護は大切ですが、若い世代にとって一番必要なのは仕事です。 他自治体ではコロナ対策として臨時職員の雇用などを積極的に行っており、23区でも8区では実施しています。民間企業の採用が厳しい中で練馬区でも直接雇用を含めて雇用促進を行うよう訴えました。 区の回答は、他の自治体では募集をかけても定員割れの所もあり必ずしも効果的ではないため、練馬区では検討しないとのことでした。しかし、それはやり方次第だと思います。自治体によってもすぐに応募が埋まるところもあります。失敗した自治体を見るのではなく、成功した自治体を参考に、区として若者の就業支援に取り組むよう引き続き訴えていきます!

みんなで考えよう、お金の話

友人のファイナンシャルプランナーの方を講師にお招きして、身近なお金についての勉強会をzoomで行いました。「お金は大切」とは分かっているけれど、学校で学ぶのは経済だけ、自分のお金をどう考えるか、ほとんど学ぶ機会はありません。 参加者は約20名、仕事も年代もそれぞれ異なる中で、皆さんそれぞれが考えるお金のあり方、とても勉強になりました。そして、何よりも経済格差をどう埋めていくか、という話。二千万の貯金が必要と言われる一方で、生活保護を受給されている方の半数以上は高齢者世帯という現実、そして、子どもでは7世帯に1世帯が貧困(親子二人世帯では月収14万未満)の中で、どう格差を埋めていくのか、ベーシックインカムの話や資本主義そのものの問題など、非常に勉強になりました。ぜひこうして身近で学ぶ機会を今後も持っていきたいと思います。次回はPTAに関する勉強会やHIVの当事者の方からお話を持つ会を設けたいと思いますのでぜひご参加ください☺

練馬区の学校、給食はどうなってるの?

コロナによる学校の再開後、子ども達からこんな相談を頂きました。「学校の給食が始まったけど、毎日カレーや中華丼、親子丼ばっかり。食事の時も前を見て黙って食べなければいけないし、全然楽しくないよ。」 そんな中で先日、こんなニュースが紹介されているのを拝見しました。「給食のおかず 一品だけ、食べるときは“後ろ向き”」。 https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4056128.html 練馬区ともこの間やり取りをしてきたのですが、区ではおかずは一品という指定はありませんが「配膳による密や感染を防ぐために、なるべく簡素化することを求めている」とのこと。そのため、学校ごとに涙ぐましい努力や工夫をしている中で、どんぶりものなどが中心になっています。例えばある学校の夏休み後の献立(写真をご覧ください)を紹介すると、(月)チキンカレー、㈫ガバオライス、㈬五目御飯、(木)スパゲティラタトゥユ、(金)四川豆腐など。また、食事中は前を向いてなるべく会話しないことも求められています。 各学校が厳しい条件の中で努力されていることは素晴らしいですが、そもそも区として配膳の簡素化まですることは望ましいのでしょうか。先日読んだ「給食の歴史」にもありましたが、給食は子ども達の生を明日につなぐ行為であり、そのありさまがにじみ出る場所です。給食は教育の基本でもあり、簡易化するよりもむしろ今の時期だからこそ、免疫を高めるためにもより良いものを食べられるよう、配慮する必要があると思います。

the BIG ISSUE ある猫が残したもの

久しぶりにビッグイシューの販売員の方にお会いして、嬉しくなってバックナンバーも購入。今週号(8月15日号)の表紙は世界で一番有名なストリートキャットのボブ。ジャケットだけでついニッコリ。6月に事故で亡くなったとのこと。ボブと出会ったことでホームレス状態や薬物依存から抜け出せたジェームズ・ボーエンの手記が印象的でした。 「僕にとってボブは「猫」や単なる「相棒」をはるかに超越していた。親友であり、僕とソウルメイトだった。そして兄弟にも近い存在だった。傷ついた二つの魂が出会い、お互いの人(猫)生を変えた」 「人は誰でも愛する者の死を経験する。しかし、人はその悲しみの果てに大きな心の安らぎを見出す。僕自身も悲嘆にくれる日々を過ごすうちに、ボブが残したものの大きさを実感した…。」 人間かどうかは関係なく、こうした関係を築けたことの美しさに胸を打たれます。ボブの訃報を受けて、日本でも稲葉剛さんがホームレス状態の人がペットと入居できるシェルター「ボブハウス」を創設すると表明したとのこと。とても美しい記事ですので、よろしければご覧ください。*450円のうち、230円は販売者の収入になります。

★誕生日、43歳になりました 10年前は何してた??

43歳になりました。たくさんの温かいお祝いの言葉を頂けて本当に嬉しいです。ちょうど10年前、誕生日は仕事先の中東のオマーンで迎えていました。当時は一年の半分以上を途上国で過ごす、そんな暮らしでした。灼熱の太陽、毎日部屋まで聞こえるアザーン(お祈り)の音、石でできた真っ白な街並み、先日のように感じます。一緒に働いていたのは女性の職員の方で敬虔なイスラム教徒、どれほど仕事で親しくなっても絶対に男性である私とは同じエレベーターには乗らない、習慣の違いにも驚かされました。 海外での仕事にやりがいも感じていましたが、部外者として支援を行うよりも、自分自身が地域に根差して活動したい、そんな思いが募り6年前に議員を志しました。10年前の自分からは想像もつかなかった現在です。この間、私にとって一番の喜びはこうしてたくさんの方とつながることができたこと。仕事の繋がりではない、価値観を共にして住んでいる地域や社会を少しでも良くするために、アドバイスをくださったり、一緒に悩んでくださったりする方がこれほどいるということ、本当に有難いです。議員となって6年目、「マイノリティが住みやすい社会こそ誰にとっても住みやすい社会」という信念を実現するために、これからも頑張りたいと思います。  

★読んだ本 「同調圧力」

改めて読んでいます。東京新聞の望月衣塑子氏、文科省の元事務次官の前川喜平氏、NYT元東京支局長のマーティンファクラー氏の共著。 それぞれが「権力はつねに暴走し、自由や権利を蹂躙する」ことを念頭に、同調圧力に屈しないで信念を貫こうとする姿は印象的でした。 特に印象的だったのがマーティンファクラーさんの話。 「日本のジャーナリズムは…役人たちに依存し、プレスリリースなど情報をもらえなくなるため、怒らせることを避けて批判ができない」。「新聞社の社長と総理が会食...欧米のクオリティペーパーではまずありえない。ニューヨークタイムズの社長が大統領と会食したら一大スキャンダルになる。メディアで求められるのは独立性であり、信頼性。誰のために報道するのかと疑念を抱かざるを得ない。」 という話は印象的でした。「忖度」を英訳するとkiss ass (お尻にキスする) という話もつい笑ってしまいました。 先日、神保哲生氏のTwitterで「「オフレコ取材をしないと取れない情報がある」とよく言われるが、オフレコに応じるということはギブ・アンド・テイクなわけで、では何をギブしているのかというと国民の「知る権利」を記者が勝手に差し出している」という指摘が重なりました。 自分が圧力に対してどうふるまうべきか、自戒を含めて勉強になります。よろしければご一読ください。

読んでいる本「アイデンティティが人を殺す」…私のアイデンティティは?

尊敬する方に頂いた本。ヘイトスピーチや差別、分断などを考えるときに、とても勉強になります。 著者のアミン・マアルーフ氏はレバノン生まれ、70年代にパリに移住しています。自分をフランス人と思うか、レバノン人と思うか、何度も聞かれてきました。回答は「自分のアイデンティティは一つではない」ということ。彼の考えるアイデンティティは「自分をほかの誰とも同じにはならないようにしてくれるもの」で国籍、宗教、言語、家族、性的指向など多くが組み合わされているとのこと。大部分は生まれつきのものではなく、その組み合わせは同じになることはない。だからこそ、どんな人間の存在も取り換えが効かない、と主張しています。そのうえで、アイデンティティにはただ一つの帰属しかない、という考え方によって、人々は偏った、不寛容で支配的な態度に陥り、時には殺人者にもなってしまう、という危険を訴えています。 全く同感です。私のアイデンティティは日本語を母語として、スペイン語と英語を少々話して、練馬区が好きで、家族がクリスチャンで、護憲派で、ラテンアメリカも大好きで、サルサを踊るのが好きで、セロリが苦手☺...などといったものになります。 政治家の発言やテレビ番組の中でも、「日本人の美徳は…」「ここがすごい、日本人!」などあまりに単純化して強調されることがありますが、とても危険なことだと思います。 私の経験を話すと、21歳の時に初めてパスポートを取り、エクアドルに留学をしました。そのとき、通りを歩いていると何度も通行人から「チーノ!(中国人!)」と呼ばれると共に、彼らが考える中国語の真似事のような声でからかわれました。自分が日本人であるということに一片の疑問も持った事の無かった私にとっては衝撃的でした。その中で、最初に親しくなったのが、韓国や中国からの留学生であり、アジア人であることがアイデンティティの一つになっています。 60ページほどのエッセイですのでぜひご覧ください。 本の紹介はこちら

★読んでいる本 「未来の学校の作り方」大切なのは多様性

先日、ツーブロックが都立高校の校則で禁止されている、という記事が話題に。小学校の体育で下着を脱ぐよう指導される、という訴えも数多く頂いています。どんな学校がいいのだろう?そんな中で出会った本の一冊です。「未来の学校のつくりかた」(税所篤快 著)。映画「みんなの学校」のモデルとなった小学校の校長、「近い将来、学校が滅びる」と危機感を持って取り組んだ杉並区の元教育長、オンラインが中心のN高の様子など、様々な現場での取材が行われています。 印象的だったのが、取材された全ての方が「多様性」を強調し「学校はあるものではなく、つくるもの。教員だけでなく、子ども、親、地域の人たちで作り上げていくもの」と訴えている点でした。 杉並区の元教育長は 「これまで学校は、時代の変化などによって新しく生まれてきた課題に対して、先生たちの能力を研修などで開発し、”多能化“することで対応してきた。けれども、もはや多能化だけでは対応できない。」 としたうえで学校のシステムそのものの”多様化”を訴えています。また、オンライン授業を中心としたN高の理事は 「今の時代に求められているのは、「多様な人間性に多様なまま対応できる教育」なんです。」 としています。 これまで訴えてきた、子どもの自由や尊厳を奪うような校則の撤廃、不登校の子供の支援、LGBTの児童生徒への配慮、などすべて「多様性」に繋がっています。練馬区でできることととして、学校で子どもの権利が守られること、オンライン授業の推進、性教育の充実、教員の拡充など引き続き訴えます。

3歳の子への虐待死事件について…「私も同じことをしたかもしれません。」

大田区で保護者が3歳の子どもを放置して餓死させてしまった事件、私にとってもあまりに辛く、しばらくはニュースを見ることができませんでした。そんな中で、ひとりの方からご連絡をいただきました。彼女は25歳で今回の事件の容疑者(24歳)と同年代、同じように児童養護施設で育った方でした。 「あの事件、とても胸が痛みますが、もしかしたら私も同じことをしたかもしれません。 ぜひ知っていただきたいのですが、児童養護施設で育った私たちの多くは家庭で虐待を受けてきて、まともな家庭を知りません。そして、18歳か20歳で施設を出ると、何も知らないまま社会に放り出されます。私自身、施設では職員のお姉さんたちの指示に従うだけでしたので施設を出た時は自分で何かを考えることなんてできませんでした。料理や掃除の仕方すらもわかりませんでした、まして子育てなんて全然わかりません。施設では全て職員さんがやってくれます。でもそれは保護者じゃないんです。 外へ出た時に助けてくれる人なんて一人もいません。誰かに頼りたくても頼れないんです。この事件をテレビで見て、私も苦しかった。たぶんこの子は私と同じように、親を見てこなかったんだと思います。もちろん彼女がやってしまったことは許されることではありません。だけど、なぜこんなことになってしまったのか、そのことにも目を向けてください。」 泣きながら話しているように聞こえた彼女の言葉、とても重いものでした。 どうしたらこのような事件を二度と起こさないようにできるのか、負の連鎖を止められるのか。児童相談所や養護施設を含めた虐待を受けた子どもの支援のあり方、そして育児ができない保護者をどう支援するのか、行政として取り組むべき課題はたくさんあります。地域で行うことの第一は、こうした方がためらわずに相談できるような環境を作ること、アウトリーチできる環境を作ること、そして、しっかりと向き合える体制を作ることです。そしてそのためにも職員を増やすこと、予算を増やすこと。児童相談所を練馬区に作ること。なんとしても実現するよう、これからも訴えていきます。

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