ブログ2023-02-06T17:39:37+09:00

総合災害対策等特別委員会 家具転倒防止器具の配布にみる行政の在り方について

先日、総合災害対策等特別委員会が開催されました。

その中で議論となったのが、練馬区が5月から実施する家具転倒防止器具の配布についてでした。阪神・淡路大震災では多くの方が家屋の倒壊や家具の下敷きにより亡くなっており、新潟中越地震でも負傷原因の4割が家具の転倒や落下物によるといわれています。

そうした中、練馬区では、満65歳以上になる方がいる世帯と、身体障害者手帳1・2級、または愛の手帳をお持ちの方がいる世帯を対象に、家具転倒防止のための器具を無料で配布する事業を開始することになりました。

事業自体は意義があると思うのですが、問題はその中身です。

まず、この事業の目的として、「家具転倒防止器具を配置することで、防災に関する動機づけを行う」とのことですが、具体的な数値目標はないとのこと。
例えば、区の調査によって、練馬区では、家具などの転倒防止をしている方は全体の42%であると判明しているわけですから、事業を通じて50%にする、といった目標を立てることもできるはずです。しかし、ただ配って終わり、ということでは大きな効果は期待できません。

さらに、器具を配布しても自分で取り付けられない方もいらっしゃる中で、どのような支援を行うか確認したところ、事業者を紹介するので自分で連絡し、費用負担をするように、とのことでした。

しかし、練馬区ではこうした器具を設置するための対策として、「家具転倒防止器具当設置助成費」事業を行っており、最大で20,000円までを支援することになっています。ですので、同事業も併せて周知するとともに、申請も同時にできるようにすべき、と提案しましたが、担当部署が違うので一緒には行うことは考えていない、とのことでした。

しかし、これはあくまでも区の論理であり、当事者の方にとっては、全く理解できないものです。そもそも、大半の方が、助成金があることも知らない中で、自分で助成に関する資料を探し、申請を行うというのは非常に難しいことだと思います。
今回の件に象徴されるように、区民の方、当事者の方ではなく、練馬区の都合でものごとが決まってしまうというあり方は改善すべきだと思います。

2016年4月18日|Tags: |

地域での懇親会

先日、地域で活動を支えてくださっている方々をお招きして一品持ち寄りでの懇親会兼、一年の振り返りを行いました。平日の午後、しかも土砂降りの中での開催だったにも関わらず、16名もの方が参加してくださいました。皆さん、手のこんだご馳走をご準備いただき、これほどの種類のおいしい物を一度に食べたのは本当に久しぶりでした。

懇親会では、皆さんの自己紹介をしたのですが、安保法制が施行されたことを受けて、自然と戦争の話に。その場に数人の戦争体験者がいらっしゃったのですが、一人の方は、5歳の時、神戸で空襲にあい、酷い怪我を負ったとのこと。

あまりのリアルな回想に聞き入り、その日は寝付けませんでした。

要約すると、防空壕に避難していたら、隙間から焼夷弾の破片が飛び込んできて、お母さまの腰と腿を突き抜け、彼女の脚に刺さったのだそうです。お姉さんと義理のお兄さんにおぶられ、病院へ。麻酔もないまま手術をし、その時に妊婦だったお母さまは死産の上、脚を切断(しかしお母さまは幸い命はとりとめ、ご自身は幸運にも脚は切断せずに済んだそうです)。丘に血だらけで横たわっていると、低空飛行していた飛行機の窓から米軍の兵士が顔を出しました。すると、彼女や周りの人が生きているか死んでいるかを確認するかのように見渡し、「ニターと笑っている姿が見えた」といいます。その顔が今でも忘れられないとのことでした。戦争は人を狂わせる。その単純な事実。安保法制が施行された今、日本の自衛隊も人を殺す立場に立たされざるを得ない。イラクから帰ってきた多くの米兵や日本の自衛隊の人々がトラウマで自殺したり精神を病んだり廃人同然になったりしている話はよく聞くが、そんな経験をもう、誰にもしてほしくない、と皆さんから次々と声が上がりました。

今回話してくださったかたは、ずっと近しい知り合いだったのにそんな体験をしているとは全く存じ上げませんでした。エレガントでもの静かな彼女からは全く想像もつかない過去の経験。これまで話したくても理解してもらえるかわからず、一度も話したことがなかった、でも、今こそその記憶をしっかりと伝えなければと勇気をだしたとのことで、話しながらも手が震えていました。

直接、戦争を知っている方が減り続けている中で、体験した方からお話を伺うことは非常に重要だと思います。私自身、福岡で幼少期を過ごしましたが、小学校では毎年、長崎に原爆が落ちた日に、経験者の方から話を聞くことになっていました。そのときのお話が私にとっての戦争に対する拒否感や現在の憲法を守らなければいけないという思いの原点になっています。

特に子どもたちが戦争がどういうものかを知るためにも、こういった機会を今後地域の中でもてるよう、私自身も取り組んでいきたいと思います。

2016年4月15日|Tags: , |

区政報告(いわせてかわら版)のご連絡

3月に終了した第一回定例議会のご報告「いわせてかわら版」が完成しました!

今回は、2016年度の予算とともに、議会で議論となった保育園の待機児童問題、
国民保護計画に関わる議論、地域の中学校を十文字に分断する道路建設計画などについて取り上げました。ウェブでも公開しておりますが、毎週水曜~金曜、朝7時から8時まで大泉学園駅でもお配りしていますので、よかったらぜひお手に取ってご覧ください!

2016年4月14日|Tags: , |

生活・法律相談会のご案内

今週の土曜日(4月16日)、13時半から17時まで、私の事務所で、市民の声ねりまの運営委員で友人の伊藤朝日太郎弁護士と、無料の生活・法律相談会を行います。

これまでも地域の方々からたくさんのご相談やお話をいただいています。今までいただいた主なご相談として、起業の方法、お子さんの学校での問題、外国籍の方の地域での生活における相談、生活保護に関わるもの、相続に関わるもの、など多岐に亘ります。また、区政に対するご意見やご要望も承っています。

既に予約をいただいていますが、まだ少しだけ余裕がありますので、ご関心がある方はぜひご連絡ください!キッズスペースもありますので、お子様連れの方もお気楽にご参加ください!

2016年4月12日|Tags: |

区政報告会(いわせてカフェ)の開催③

先日は大泉学園町で区政報告会(いわせてカフェ)を開催しました。3月に議会が終了してから各地で開催して今回が三回目。同じテーマでご報告をしても、参加者の皆さんの反応が大きく違うので毎回楽しみにしています。例えば、1回目のカフェでは、塾の先生から、外国語指導助手(ALT)の労働条件から教育全般についてお話いただき、2回目のカフェでは、これまでの区政の歴史、転換などについて、地域で長く活動をされてきた方からお話を伺いました。

そして今回は16名の方に参加いただきましたが、今回も、地域で長く福祉行政に関わった方、家族の介護をなさっている方、世界で活躍された牧師さんや難民を支援する団体の代表など非常に多岐に亘っており、様々なご経験を共有いただきました。
その中で強く印象に残ったのが、昨年お連れ合いを亡くした方(ご自身もお連れ合いも名高い活動家でいらっしゃる)が仰った「年齢を重ねて、体が動かなくなり、声も出なくなっている。でも、そういった『弱さ』があるからこそ、当事者の痛みがわかるようになって、周囲への感謝の気持ちが高まった気がする。そして、妻がどんなに有難かったか改めてわかるようになった。だからこそ、私は『弱さ』が必ずしも悪いとは思わない。」という言葉でした。そして、参加者の方から言われたのが「あなた(岩瀬さん)は、まだ経験が不足している。だからこそ、たくさんの当事者から意見を聞いて、思いを感じられるようになって欲しい」ということでした。

一年を振り返ると、右も左もわからないまま、とにかく行政の制度や仕組みを理解することに必死だった気がします。その一方で、私自身、当事者の一人ひとりに寄り添えてきたのか、その思いを汲み取ることができたのか、というと、そこまで及ばなかったという反省があります。私はマイノリティが住みやすい社会こそが誰にとっても生きやすい社会である、という思いで活動をしてきました。二年目が始まる中で、初心を忘れずに、しっかりと区政に向き合っていきたいと思います。

2016年4月11日|

高畑勲監督の講演会「今私たちに伝えたいこと 君が戦争を欲しないならば」

先日、「平和を育てる大泉9条の会」が主催した高畑勲監督の講演会に出席しました。

高畑監督は大泉在住で、「アルプスの少女ハイジ」、「火垂るの墓」、「かぐや姫の物語」などを生み出すとともに、憲法9条に象徴される平和の大切さを訴え続けています。本日お話を伺うことを楽しみにしていました。

高畑監督のお話、太平洋戦争のことから、現在の安保関連法制や辺野古基地問題まで多岐に亘っていましたが、それぞれの問題の背景には「和をもって貴しとなす」に象徴される「同調圧力の強さ」や「空気を読むことに長けている」といった日本人気質もあるとのことでした。

例えば、太平洋戦争についても、始まる前には米国との戦争は勝てるはずがない、といった意見も多く上がっていたものの、一度始まったら協力せざるを得ないといった雰囲気ができあがってしまったとのこと。だからこそ、大切なのは、回りを気にせず、どこまで信じぬけるか、また、同調圧力に屈することのないように、しっかりと意識をしなければならないとのことでした。そして、しっかりとした判断基準を持つためには、歴史を学ばなければならない、という事とともに、戦争ができないよう規定している憲法9条を守らなければいけない、とのことでした。

主催者の方も仰っていましたが、「かぐや姫」のエンディングロールで流れる歌詞に「今のすべては過去のすべて、今のすべては未来の希望」とありますが、監督の訴えそのものだと思います。

議会の中でも、同調圧力は非常に強く、その中で自分の意見を貫くことに、折れそうになることもあります。しかし、その中でどのように抗っていくのか、その勇気をいただける、素晴らしい機会でした。

2016年4月10日|Tags: |

性的マイノリティを取り巻く現状について(平良愛香牧師の講演)

先日、牧師の平良愛香さんの講演会に参加しました。
平良さんは日本で初めてゲイであることをカミングアウトした牧師で、性的マイノリティの方に対する差別や偏見の解消や、当事者支援のための活動を各地で行っています。家族が通っている大泉教会とも深い縁のある方で、今回お話を伺うことを楽しみにしていました。

講演会ではご自身の経験とともに性的マイノリティを取り巻く状況についてお話されました。ご自身が性的マイノリティであることをカミングアウトされた際、最も傷ついた言葉が、「大丈夫、そのうち治るよ」だったそうです。誰を好きになるか、それは決して病気ではない、にも関わらず、病気であるかのようにレッテルを貼られることが辛かったとお話されました。

また、平良さんにとって大変な勇気を必要としたのが、カミングアウトすること。だからこそ、カミングアウトしやすい環境を作ることが大切とのお話でした。
平良さんもおっしゃっていましたが、日本では同性愛者であることで処罰されることを理由として難民申請したイランの人が不認定(裁判でも敗訴)になったりしているそうです。この根本には、「隠せば処罰されることはないのだから、隠して生きればいい」というような、性的指向がアイデンティティの大切な一部であることに関する日本特有の無理解があるのではないかと思います。

この1年を通して、私が一般質問等で訴え続けたことを通じて、男女共同参画計画の中に性的マイノリティの方のニーズへの対応が盛り込まれたり、性的マイノリティも対象とした相談窓口が整備されることになったり、様々な進展がありました。しかしこうした制度を作ることとともに、実際に制度を担う方々がしっかりと本質を理解することも大切だと実感しました。

多様な生き方が認められる寛容な社会は、誰にとっても生きやすく住みやすい社会です。
少数者が生きづらい社会は、自由な社会とは言えないと思います。だからこそ、これからもこの問題にしっかりと向き合っていきたいと思います。

2016年4月8日|Tags: |

クルド人が多く住む地域、ワラビスタンの視察

先日、リトルチャイナへの訪問後、埼玉県蕨駅のすぐ近くにあるクルド人の方が多く住む地域、通称ワラビスタンへの視察を行いました。

クルド人とは、トルコやイラン、シリアなどの山岳部に住む民族で、人口は約3000万人、世界で最大の自らの国を持たない民族と言われています。クルドの方々の状況はそれぞれの国でも違うようですが、多くの人が差別や迫害を受け、主に欧州方面に移住したり、逃れたりしています。日本でのクルド人の数は90年代から増加し、現在は1500名程度と言われています。そして、その大半が蕨駅の近くの埼玉県蕨市と川口市に住んでいます。

そんな中、日本クルド文化協会の方から日本での生活について話を伺いました。
彼らのほとんどはトルコ出身で、難民認定申請をしているが、在留資格が出ず仮放免の状態にあるとのこと、そのため、仕事に就けず、また社会保障などを受けられないので非常に厳しい生活を余儀なくされているとのことでした。特に学齢期のお子さんについては、学校に通う事はできるものの、例えばランドセルや教材代などが支払えない、といったことや、そもそも言葉がわからず授業についていけない、いじめを受ける、といった問題を訴えられました。

その一方で、地域の日本人との共生や連携を促進するために様々な取り組みを行っているとのことでした。その象徴的なものが、クルドのお祭りの紹介や、公園の清掃、防犯ボランティア隊を組織してのパトロール等とのこと。特に、パトロールについては、クルドの方が増えたことで治安が悪化するのでは、という地域の方の心配を払しょくするために、自ら組織して、地域の住民の方とともに毎週日曜日に行っているとのことでした。こうした活動や交流を通じて、当初は冷たい視線を向けていた地元住民の方々も少しずつ、クルドの方々への理解をするようになっているとのことです。

リトルチャイナもワラビスタンもすぐ近くの地域に集中しており、地域が多文化との共生をさらに進める中での一つの縮図となっている気がしました。練馬にも30,000人を超える外国籍の住民が生活する中で、どのように共生を進めるか、大きな課題となっています。そして、そのために、日本人住民と外国人住民の相互理解や交流を深めることが必要であり、そのための支援を行政としてもっと果たすべきと実感しました。

2016年4月6日|Tags: |

埼玉県のリトルチャイナの視察

先日、他の自治体における多文化共生の現状を視察するため、埼玉県の蕨市と川口市の市境にある、中国人の方が多く住む団地(通称リトルチャイナ)への視察を行いました。

埼玉県の蕨駅の近くに「芝園団地」というURの団地があります。こちらの団地、1978年に建設され、最盛期は10,000人近い人が住んでいましたが、入居者の高齢化が進む中、新たに外国人の入居が増えており、現在は4,500人の住民の中で2,000人を外国人、特にそのうち9割を中国の方が占めるようになっています。そのため、この団地は通称リトルチャイナとも呼ばれています。

平日の昼間に訪れたのですが、団地内の公園で遊ぶ若い親子のほとんどが中国語で会話をされていた他、団地内の標識やお店もすべて中国語での記載もされており、新鮮でした。

この芝園団地、一つの特徴として、外国籍の住民と日本人の住民との交流が近年になって活発になっていることがあります。例えば、外国籍住民が増え始めた90年代初頭には、ごみの出し方や生活リズムの違いなどで多くの問題が発生したそうです。しかし、その後、町会を中心に地域の方々とそこに住む外国人の方々の協力によって、現在では地域の町会の役員にも外国の方が入ったほか、防災訓練などにも多くの方が参加することになっているとのことです。また、数年前に団地内のベンチで差別的な書き込みが発見されたそうですが、これについても、団地の方々がこうした事を許さないという意思を込めて、外国籍の方とともに、そのベンチを共同で塗り直し、一つの作品として展示しているとのことでした。

多文化共生という言葉はよく使われていますが、それを実践するのは非常に難しいと思います。その中で、地域の方々と外国籍の方が共同して運営を行っている芝園団地の在り方はすべての地域にとって参考になるものだと思います。

2016年4月5日|Tags: |

いわせてカフェの開催②

先週に続いて二回目の区政報告(いわせてカフェ)を行いました。
今回は西大泉で行ったのですが、こちらでカフェを開催できたのは約1年ぶり。どんな方にお会いできるか楽しみにしていました。

そして当日、ちょうど桜が満開の中、今回も地域にお住まいの方を中心に合計で十数名が参加してくださいました。

今回のカフェも、最初に前回の議会の報告を30分程度行って、その後皆さんから興味のある地域の課題についてお話いただく、という流れだったのですが、改めて実感したのがやり方が同じでも、参加者の方によって全く異なるものになるということでした。

先週のカフェでは、周辺住民の方から関越高架下の高齢者施設への反対の意見や、進学塾の英語の先生から練馬区におけるALT(外国語指導助手)の労働条件のお話、図書館で働いていた方から図書館の民間委託のお話などについて伺いました。

一方で今回のカフェ、地域で40年以上に亘って生活されている方が多く、長く福祉関係の活動に携わってきた方から練馬区の福祉行政の歴史や、高齢者の介護をなさって来た方からご自身の経験を伺うことができました。また、80年代の田畑区政から岩波区長、志村区長、そして現在の前川区政に至るまでの変遷や政治の変化などに共有していただきました。特に印象に残ったのは、地域でずっと活動をしてきた方が仰った「私たちは非力だけれど、無力ではない」という言葉でした。地域でずっと活動をされてきた方々から、貴重なご経験を聞かせていただけるとともに、区政の課題についてご指摘いただく、非常に密度の濃い時間をすごさせていただきました。

息子はというと、パパが話している間、お気に入りの図鑑(どこでも携帯)をひっくりかえしながら、ところどころで「くうくうしゃ!」(救急車。機嫌が良いときに発せられる単語)という合いの手を入れてくれたり、皆さんの机を順にまわってクッキーをひとかけらずつもらったりと、ご満悦でした。

来週は大泉学園町、また新たな出会いを楽しみにしています。

2016年4月2日|Tags: |
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