地方議員ってどんな人?
先日、朝の駅で街頭演説をしていたら、若い方から「地方議員ってどんな方がしているのですか?」という質問をいただきました。分かる範囲でお答えしたのですが、改めて考えてみると、私も以前はどんな人が議員なのか想像もつきませんでした。
昨年の4月、多くの自治体で統一地方選挙が行われ、私を含めて多くの議員が誕生しました。そんな中、全国の自治体が加盟する「全国市議会議長会」がすべての市と区、合計813を対象(町と村は含まず)にそれぞれの議員の属性に関する調査を行いました。
本日はその結果から、地方議員の姿を簡単にご紹介します。
<女性の比率>
2015年(平成27年)における市区の議員数は合計で19,370名ということで、平均すると一つの議会あたりの議員数は24名になります。そのうち、女性はわずか14%、2,785名でした。練馬区議会でも、定員50名に対して女性は12名で24%。全国平均よりは高いもののまだ低い数値です。
<議員の年齢>
議員の年齢を見ると、1番多いのは60歳~70歳で全体の42%、70歳以上も11%で合計すると60代以上が53%、高齢化がかなり進んでいます。実際、練馬区議会でも、一番若い方は20代ですが、平均年齢は50歳以上、38歳の私がまだまだ若者と呼ばれています…
<議員在職年数>
在職年数は、10年未満が55%で最も多く、10~20年が33%となっています。ただし、4年前は10年未満の方の比率が68%だったのに比べると、今回が55%になっており、13%近い減少となっています。そんな中で私たちの練馬区議会、今回初当選だったのが、9名とかなりフレッシュになりました。
<兼業の比率>
地方議員は兼業が認められていますが、兼業の割合は年々減少しています。しかし、依然として2015年には59.5%が兼業となっています。ただ、練馬区議会では兼業の方はベテラン議員の方数名に限られているかと思います。私の感覚だと、山積の課題に真剣に取り組もうと思ったら、兼業なんて考えられません(現に私の場合、当選してからほとんど完全なオフは無いです)。
こうした状況から、地方議員のステレオタイプを一言でまとめてみると60歳以上の男性が多く、そのうち10年以上勤めている方が半分近くを占める、ということになるかと思います。政治に若い方や子育て世代の声がなかなか届かない、とよく言われますがその背景には議会の中での多様性が不足していることもあると思います。
そして、もっと様々な方に参加していただくためにも、なるべく多くの方に議会の中で何が起こっているのかを知っていただくことが大切だと思います。だからこそ、私もこれからもなるべくわかりやすく頻繁に議会報告をし、皆様の声を届けるべく努力し続けたいと思います。(写真は練馬区役所です。)
練馬区議会 予算委員会のご報告③ 一分の価値は?
現在行われている予算委員会、毎日特定の項目(費目)ごとに質疑が行われます。
この質疑、会派の人数ごとに一日当たりの発言時間が割り当てられており、昨年まで、最大会派の自民党が71分だったのに対して、二人会派は11分、一人会派では7分でした。
そんな中、昨年、与党会派から、時間配分が正確に人数を反映しておらず「不公平」であるという主張がなされました。しかし、この時間配分、そもそもは少数会派にも十分な発言の機会があるべき、という考えから議会で決定されたものです。
今回、与党の主張によって変更され、その結果として自民党の発言時間が74分になったのに対し、二人会派の私たちは10分、一人会派は6分と一分ずつ削られました。わずか1分ですが、1分あれば約300字分、一つの質問ができることになります。
また、この時間は質問だけでなく、答弁の時間も含んでいるので、質問に対する区の回答が不必要に長いと、答弁だけでほとんど終わってしまうこともあります。例えば、先日の委員会では、ある議員の質疑において、実際に発言できたのは持ち時間の半分以下の3分程度でした。
少数会派がほとんど発言できないという現在の在り方には問題があります。特に、区の答弁の時間が質疑時間に含まれており、答えたくなければ、いくらでも調整の余地があるということは解決すべきだと思います。
そんな中で、与党からは、これでも時間配分が不平等であり、少数会派の時間が長すぎるという声も上がっています。
民主主義とは数だけで決めることなのか?わずか一分のことですが、非常に象徴的な問題だと思います。
練馬区の保育園の抽選結果について
「保育園落ちた、日本死ね」という匿名のブログが話題になっています。このブログ、子どもが認可保育所に受からなかったことで、会社を辞めざるを得ないという切実な思いとともに、制度の在り方を批判しています。
先日、練馬区でも保育園の第一次募集の結果が発表されました。練馬区で認可保育所に入るためには都内でも有数の高倍率、近くの保育園でも20倍というとんでもない数字でした。そんな中、妻のママ友からも次々と結果の連絡が届いたのですが、半数以上がなんと一つも受からなかったとのこと。保育園問題を扱う文教児童青少年委員として、また一歳児の子育て中の当事者としても、強い憤りを感じます。
ママ友のみなさんの多くは育休中。育休を勝ち取る(本来は権利ですが、現実はそういう感覚だと思います)ために会社で何年間も頑張ってきています。しかし、せっかく得た育休も子どもに向き合うよりも、どうやったら保育所に受かるのか、そこに多くの労力を使わざるを得ない状況です。知り合いの一人は、認可保育園に入れなかった時のために都からの認証保育園に申し込みをしたのですが、それも先着順とのことで雪が降る中、凍えながら前日の夜11時から一晩かけて並んだとのこと。応募用紙には13希望まで枠があるのですが、13園書くためにすべての園に、生後2か月の子どもを抱っこして下見に行ったという人も。そしてその後は区の担当課に自分の点数がどれくらいかの見積もりが正しいか、どうやったら確保できる確率が高まるか等を教えてもらうため、毎日のように問い合わせ、そしてママ友同士の情報交換。結果が不安で発表の前日は一睡もできなかったという人も。
皆さんの話を聞く限り、いわゆる保活のためにかける総時間は最大数百時間に及ぶのではないでしょうか。そして、それでも多くのママ友、特に80点以上のポイントを持っていると思われるママ友たちが落ち、職を失うかもしれないという状況になった人も。また、求職中のママ友たちは、保育園が見つからないと就職できない、また保育料が高いと働く意味が無いが認可には入れなかったと就職をあきらめかけています。あってはならないと思います。
練馬区でも待機児童解消のために、小規模保育の拡充や保育園の増設など行っていますが、今回の結果が示す通り追いついていません。特に、新園の建設には、将来、少子化で保育園は無駄になるからそれほど新たに作る必要はない、という反対の声もあります。しかし、これでは悪循環が止まりません。なぜ少子化が進むのか、それは子どもを安心して産み育てることができないからだと思います。まわりのママ友からもこれでは二人目のこどもなど考えられる訳もないと言われます。
練馬区の予算の使い方・プライオリティ付けが、人の生活中心でないということは今まで何度も議会の場で訴えてきました。まさにその典型例です。
さらに、いくら園を作ってもそこで働く方がいなければ何の意味も持ちません。しかし、低賃金重労働な環境のため、保育士不足は深刻です。こうした状況を改善するため、日本全体として、そして練馬区としてもしっかりと向き合っていかなければいけないと思います。
予算特別委員会のご報告② 練馬区の国際・都市間交流のありかたについて
本日は、先日に続いて現在開催されている予算特別委員会で行った練馬区の国際・都市間交流の在り方に関する質疑の要旨をご報告します。
<発言の要旨>
練馬区は来年度、姉妹都市であるオーストラリアのイプスウィッチ市に、区長を含む3名が4泊6日をかけて視察するために、375万円の予算を計上しています。
予算の内訳は、すべて視察に関わる旅費、具体的には交通費や宿泊費、通訳費、車両借り上げ代等と聞いています。オーストラリアの一つの都市を4日間訪問するだけで一人あたり120万円かかるということ、民間企業で働いた感覚としては驚くものです。
加えて、今回の視察は「中学生の海外派遣制度」と合わせて行われるということですが、昨年は68名の中学生を派遣したのに対して、添乗員を含めて16名もが引率者として随行しています。中学生4人に対して一人の引率者をつけることが必要なのか、こちらも疑問を感じざるを得ないものです。
私自身、国際・都市交流事業の価値や意義について異議を唱えるものではありません。だからこそ、限られた予算を、連れていく生徒の数を増やすことや、市民レベルでの交流を促進するためにこそ使うべきだと思います。
これに対する区の回答は、市民レベルでの交流はこれまでにもNGOなどへの情報提供や光が丘でのイベントなどを通じて行っており、視察についても正式な見積もりを経ており金額については問題ないとのものでした。
<ここまで>
現在、全国の自治体で都市間交流の在り方が見直されており、その中で、特に首長や議員の視察については事業の縮小が進められています。そうした中で、練馬区においても草の根レベルでの国際交流、都市間交流を進めるためにこそ、力を注ぐべきだと思います。
予算特別委員会のご報告① 練馬区の非核都市宣言について
昨日から予算特別委員会が始まりました。
委員会では、来年度の予算について項目ごとに質疑を行うことになっています。
まずは議会費と総務費について。私からは、総務費の中の「平和推進経費」と「国際・都市交流推進経費」に関連して、練馬区の非核宣言都市としての考え方と国際交流の現状や課題について質疑を行いました。
本日は、練馬区の非核宣言都市としての姿勢についての質疑の要旨をご報告します。
<要旨>
練馬区は日本非核宣言自治体協議会に加盟しており、今年度も会費を予算計上しています。練馬区は非核都市宣言を1983年に出しており、その趣旨を踏まえ協議会に参加したものです。参加自治体は300を超えていて、23区でも7区が参加しています。
協議会の目的は、全国の自治体さらには、全世界のすべての自治体に核兵器廃絶、平和宣言を呼びかけることと、非核都市宣言を実施した自治体間の協力体制を確立することにあります。この協議会では2010年から「北東アジアの非核兵器地帯の創設」を目標に掲げています。これは、核不拡散の考えから進み、北東アジアの安定に関わる国々、日本はもちろんのこと、北朝鮮、中国、さらにはアメリカ、ロシアをも含めて非核化しようというものです。協議会のこうした考えについて、練馬区の認識と実際の取り組みを質問しました。
練馬区の回答は、協議会の会合にもほとんど参加していないということでした。また、「まずは核の不拡散に向けた取り組みを行う」ことは言及されましたが、漠然としており、協議会の趣旨である「全ての国からの核廃絶を求めて積極的に発信していく」という姿勢は感じられませんでした。
そのため、練馬区の非核都市宣言以来の思想やこれまでの施策をふまえながら、今後ぜひ協議会に積極的に参加したうえで他の自治体とともにこの理念を実現するために活動していくことを区に対して求めました。
保育園、幼稚園の先生の離職率について
先日、私立幼稚園協議会の研究大会に参加しました。この研究大会、練馬文化センターで行われたのですが、会場は数百名の先生や関係者の方でほぼ満員。
大会では、代表の方の挨拶、来賓の方の挨拶に続いて、永年勤続者の表彰が行われました。大変和やかな雰囲気の中、表彰が行われたのですが、一つ驚いたのが、20年以上、15年以上、10年以上の勤続に続いて、5年働いた方も表彰したことでした。民間企業で働いた感覚として、5年働いたことを表彰されるというのは聞いたことがありません。つまり、それだけ離職率が高いことだと思います。
実際、5年勤続で表彰された方が48名だったのに対して、10年勤続で表彰されたのは21名、15年以上は3名、20年以上は1名と急激に減少していました。保育園も幼稚園も保育士や幼稚園教師の不足が深刻な課題となっていますが、その背景には、労働条件が厳しくて継続して働くことができないこともあると思います。
保育園も幼稚園も、人間形成に最も重要な幼児期において大切な役割を担っています。だからこそ、そこで働く方々も安心して子どもと向き合うことができるために、子育てに関わる方々の労働条件が保障されるように、行政がしっかりと向き合わなければならないと思います。
小中学生の体力テスト・生活習慣調査の結果からみる練馬区の課題
先日の委員会、2015年(平成27年)4月~7月にかけて実施された体力テストと生活・運動習慣調査の結果も報告されました。このテスト、練馬区だけでなく全国ですべての小中学生を対象に毎年行われています。
結果をみると、報道でもいわれているように、全国的に子どもたちの体力はなだらかな低下傾向にあります。その中で、練馬区の子どもたちの特徴をみると、さらにいくつかの特徴がみられます。
まず、全体的な特徴について、練馬区の子どもたちは中学三年生時点で、身長が全国平均よりも男の子では0.9㎝、女の子でも0.5cm高い一方で、体重はそれぞれ300グラム程度軽い傾向があります。
また、体力については、全体的に全国平均より低く、特に中三の男子は、ボール投げでは10%、立幅とびでは中三の男子では4%程度低い数値となっています。
そして、最も驚いたのが生活習慣についてです。
生活習慣では、運動の実施状況、朝食の有無、睡眠時間等を調査していますが、その中で、練馬区の中学三年生において、朝食を全く食べていないという男子生徒は全国平均の2倍近い3.4%、また睡眠時間についても6時間未満と答えた生徒が女子では16%に上っていました。成長期の児童や生徒にとって、食事や睡眠は非常に重要です。特に子どもの貧困も社会的な問題になっている中で、朝食を食べないのか、そもそも食べられないのかなど、その背景も含めて来年度、しっかりと調査したうえで、行政として向き合う必要があると思います。
文教児童青少年委員会② 小中一貫教育の推進について
現在行われている第一回定例会、通常の議案に加えて来年度の予算についても審議されるので、非常に大変。毎日膨大な予算書や資料を眺めながら、この数字はなんだろう??と頭を抱える日々。
そんな中、本日は先週に続いて文教児童青少年委員会が行われました。
今日の委員会、主な議論は練馬区における小中一貫教育の推進(案)でした。小中一貫教育、名前だけ聞くと、9年間を一貫して授業することで子どもへのメリットも大きい、という印象も受けますが、実際にはまだまだ多くの課題があります。
第一に、練馬区の小中一貫教育は文部科学省が認定したうえで実施する9年間を連続して授業を行う形ではありません。練馬型小中一貫教育は、法律上はこれまで通り、小学校、中学校が分かれていて、学習指導要領も通常の学校のものを用いています。その中で、可能な範囲で子どもたちの交流を促進する、というものです。練馬区の小中一貫教育では、小中学校の施設も一体的に使う施設一体型、それに分かれた学校が連携する分離型があります。練馬区では施設一体型のモデル校として大泉桜学園があり、平成28年度中にもう一校を決定することになっています。
小中一貫教育といいながら、実態としては小学校と中学校でカリキュラムが分かれたまま、そして今度どのような方向を目指すのか明確でないまま、事業が進んでいます。そもそも、教育の公平性が求められる公教育の中で、他の公立学校とは異なるカリキュラムを取ることも視野に入れた小中一貫教育をすすめることが望ましいのかどうかについても議論は尽くされていません。
区が舵を切る小中一貫推進の流れの中で、練馬が進めるべき教育の在り方についてしっかりと議論をしていきたいと思います。
文教児童青少年委員会報告① 練馬区教育・子育て大綱(案)について
先日から議会がはじまりました。
本日は文教児童青少年委員が行われました。今回の委員会では報告事項だけでも合計で16件もあり、祝日の昨日も息子が「あうあー(訳:パパ、何してんだよ、遊ぼうよ)!」とおねだりする声に後ろ髪をひかれながら案件の勉強をしていました。
今回の委員会、主な案件は、
1) 練馬区教育・子育て大綱(案)
2) 幼保小連携推進方針(案)、そして
3) 小中一貫教育の推進方針(案)、に関する報告でした。
今日は「練馬区教育・子育て大綱(案)」についてご報告します。
この大綱、国の「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」の改正(平成27年)に基づき、教育に関する目標や施策の根本的な方針について5年程度を範囲として、区でも策定されることになったものです。
昨年の委員会で大綱の素案が報告された後、パブリックコメントを受けて本日の委員会で修正案が報告されました。委員会での主な議論は以下の通りでした。
(詳細は後日公表される議事録をご確認ください)
<大綱の位置づけ>
今回、法改正によって、新たに大綱が作られることになりましたが、特徴の一つに、「区長」が教育委員会と協議して作成することになった点にあります。
練馬区にはすでに同様の「練馬区教育振興基本計画」が存在します。この計画、教育の政治的中立性、独立性を担保するために、教育委員会が作成していました。来年度にこの基本計画の見直しを行うことになっていますが、それは大綱に基づいて作成することになっています。これによって中立性、独立性が失われてしまうのではないか、と委員会でも指摘されました。
これに対して、区の答弁は、区が教育委員会と協働することで、「より迅速かつ効果的な対応ができるようになる」、また、教育の独立性についても十分に配慮する、というものでした。
私自身の考えとしては、まず、大綱については教育に関する政治的中立性や独立性が担保されるべきだと思います。そもそも、昨年の条例改正の結果、教育委員会の長である教育長を区長が選任することとなった(以前は教育委員会による選挙の結果選ばれていたが)こと自体が深刻な問題だと考えています。そんななかでいくら独立性に配慮すると言っても、実際には区長の意見がかなり色濃く反映されることになることは間違いないでしょう。だからこそ、これまで通り教育委員会が担うこと、または外部の有識者委員会などによって編成されるべきだと考えます。
<インクルーシブ教育について>
続いて、寄せられたパブリックコメントの中に、区民の方からインクルーシブ教育の視点から学ぶ環境を整えるべきことを加えるべき、という指摘がありました。インクルーシブ教育は、同じ教室や環境で勉強することを通じて障がいがない子も持つ子どもわけへだてなくともに学べるようにするという考え方です。それに対して、区の回答は「取り組みの視点の中に子どもたちが生まれ育つ環境や障がいの有無にかかわらず、等しく公平に質の高い教育が受けられる教育が受けられる環境を整えることが大切」と記述しているというものでした。
しかし、「等しく公平に質の高い教育が受けられるように」というこの回答は、障がいを持つ子どもや外国籍の子どもたちを区別・排除せず、ともに学ぶという考えが抜け落ちており、コメントに対応するものではありません。だからこそ、私はこうした考えをしっかりと含めるべきだと訴えました。
これに対して、区は今後検討するとの回答でした。
後日ほかのテーマについてもご報告いたします。
(写真は今回の委員会の資料です。。。)
地域に住む弁護士の方々との懇親会
先日、日ごろから私や妻がお世話になっていて、たまたま自転車で行き来できるくらい近所に住んでいる(すごい奇遇!)人権・難民弁護士の方5名と国際人権に関心のある司法修習生の方をお招きして持ち寄りパーティ。。(残念ながら一人は当番弁護士で参加できなくなってしまいましたが…)
毎回持ち寄りということで、皆さん何を準備するのかな?ワクワクしていたら手作りのラタトゥユや鳥ガラでスープから作ってチャーシューも手作りの味噌ラーメン(!)など予想をはるかに超えるバラエティ。妻も南米での私の大好物のキヌアのサラダにチリコンカルネを作ってくれる。
食事をしながら、皆さんから難民事件の代理人弁護士としての様々なご経験等を共有いただきました。法的な手続きである入国管理局での難民認定手続きや、そのあとの訴訟。どんなにひどい迫害を受けてきた・受けるとしても、それをきちんと難民の定義にそって説明できない人が多く、代理人弁護士がついていることで難民として認められる率が当然違ってくるようです。印象に残ったのが、これまで一番遣り甲斐があった仕事について伺った際に聞いた、ミャンマーの民主化についてのお話。数十年の間にたくさんのミャンマー難民の弁護を行ってきた中で、ミャンマーで民主化が進むなか、祖国の役に立ちたいと、日本で認定や在留をやっと勝ち取った難民の方々が、祖国に帰り活躍している。まさかこんな日が実際に来るとは思わなかった、というお話はとても感動的でした。
一方でたくさんのごちそうやゲストを前に息子も大興奮。大人たちが地域の外国籍住民の人権問題についてお話している横で、いろんなおもちゃの使い方を教えてドヤ顔をしたり、ミニパトカーに乗って自慢げに動いてみたり…見てないと、ぎゃーぎゃー大騒ぎをはじめる。生まれた直後から愛想の良さでは皆さんに驚かれる息子、どうやら「僕を見て!」というかなり面倒な性格(誰に似たんだろう…)みたいです。。
今日ご一緒した皆さんみたいに、人権のために立ち上がる人になってほしいと願いながら、息子の食べこぼしだらけの服を手洗いしました。。。