<一般質問の内容④ どうやって子どもが生まれるのかも教えない、そんなの性教育といえるの?子どもたち自身を守るために性教育の充実を!>

年にたった一度の一般質問、どんなテーマでも扱うことができる貴重な機会。私が訴え続けてきたのは「マイノリティが住みやすい社会は誰にとっても住みやすい社会」。 今回の一般質問では性的マイノリティ、学校の制服、外国籍住民(ヘイトスピーチ)、子どもの性教育、などをテーマに取り上げました。今回は性教育についてご紹介します。 ●はじめに みなさんは中学校の性教育で何が教えられているか知っていますか? 実はいまだに「妊娠の経緯については扱わない(どうやって子どもができるかは教えない)」と国の規則(学習指導要領)で決められています。信じられますか? 性について、子どもがどうやってできるかを教えるのは早すぎる、寝た子をおこすな、と言う方もいます。 しかし子どもは、何も言わなくても、情報を探すものです。そして、出てくる情報は、どんなものでしょうか。避妊具をつけずに性行為するのが当たり前のような動画等の数々。そのうえ、日本では特に、女性に対する暴力的な行為がネットに蔓延しています。こうした情報ばかりを得て大人になると、性行為には相手の同意が必要であるということをきちんと認識できないばかりか、相手を対等な関係として見られないという結果につながってしまうのではないでしょうか。 私たちがすべきことは、子どもに対し、性に関することはかけがえのない命の誕生につながったり、愛する相手と自分を大切にし、思いやったりという、自然な行為であることを説明し、セクシャリティの多様性とともに、なるべく早く、正しい知識を教えることではないでしょうか。そんな観点から昨年に続いて性教育の充実を訴えました。 ●今回の主な訴え 性教育の指導を適切に行うために教員向けの研修を充実すべき!保護者の理解を得るために区として性教育の重要性を宣伝すべき!区の男女共同参画計画の中にも性教育の重要性を位置づけるべき! <ここから> 去年の一般質問で学校での性教育を充実すべきと訴えたところ、練馬区は、「既に適切に行われていて、教員研修等を実施する考えはありません。」と答えました。 しかし、「適切に実施している」という区の考えは、現実とはかけ離れたものでした。東京都教育委員会は2018年9月に都内の中学校を対象に性教育の実施状況を調査しました。練馬区の結果を見ると「生徒は正しい性に関する知識を身に付けていますか」という質問に対して「あまりそう思わない、思わない」と答えた学校が区内34校のうちの20校に達しています。また、「教員は自信を持って性教育を指導していると思いますか」という質問に対して「あまりそう思わない、思わない」と答えた学校は23校にのぼっています。 東京都は3月、15年ぶりに教員用の「性教育の手引」を改訂しました。手引きでは、学習指導要領の範囲を超えて「妊娠の経緯(どうやって子どもが生まれるか)」を教えてもいいと初めて明記しました。 <質問> 改訂に従って、学校での性教育を充実すべきです。また、保護者の理解を得るために区として様々な機会を通じて性教育の重要性および今回の改訂の内容を周知すべきです。 <区の回答> 改訂された「性教育の手引き」では、学習指導要領に含んでいない内容を教えてもいいとは言っていますが、学習指導要領にないことを積極的に教えろと言っているものではありません。練馬区として推奨する考えは現時点ではありません。教員研修については、都から性教育モデル授業実施校の指定を受けた中学校で外部講師を活用した授業公開を予定していて、広く参加を呼びかけます。 <質問> 性教育の重要性については男女共同参画計画のなかでも積極的に位置づけるべきです。 <回答> 計画の中でリプロダクティブヘルス&ライツの一環として検討していきます。 <岩瀬の感想> 東京都が15年ぶりに性教育の手引きを改訂し、ようやく練馬区の性教育も一歩前進するかと思っていたのですが、区の回答は都は教えろとは言っていない、ということで拒否。もちろん保護者の理解を得ることも重要ですが、社会が大きく変わっている中で、30年前、40年前と同じような教育では、子どもたちが一番犠牲になってしまいます。とはいえ、昨年に比べて教員の研修など、少しずつ進展が見られてもいます。あきらめずに引き続き訴えていきたいと思います。

2019-07-10T15:46:36+09:002019年7月10日|Tags: , , |

<議会の様子、公開されました!最初の3分固まってますが。。。>

一般質問の動画が今日から公開されました。ぜひご覧くださいね!ただし、機器のトラブルで最初の三分は映像が写ってません…。けっして固まっていたわけではありませんのでご了解ください☺今回はLGBTの権利保障、学校の制服、ヘイトスピーチ、性教育などを取り上げました。どれもずっと訴えてきたテーマ、思いを込めました!リンクはこちらから!

<一般質問が終わりました>

年に一度の一般質問が終わりました。 今回はこの間訴え続けてきた性的マイノリティの権利保障、ヘイトスピーチへの対策、中学校の制服、子どもの性教育などを取り上げました。 平日の昼間にも関わらずたくさんの方に傍聴に来ていただいてとても心強かったです。一般質問、毎回とても緊張するのですが、演台に上がって視線を挙げた時に飛び込んできたのは、LGBTの象徴である華やかなレインボーカラーを身にまとった方々☺こんなにカラフルな(?)傍聴席になったのは区議会でも初めてだと思います。おかげで、皆さんの思いを代表している、そう思ってリラックスすることができました。 残念ながら区の回答は多くが納得できるものではありませんでした。特にパートナーシップ制度の導入については「現実的な効果が無い」、「法律との整合性に問題がある」という理由を繰り返していて、当事者の思いに寄り添おうとする姿勢は見られませんでした。詳細は改めてご報告します。 今回の質問の作成には、たくさんの方からアドバイスをいただきました。また、当日来られないという方々からも多くの応援のメッセージを頂いていました。だからこそ、今回の一般質問で終わらせるのではなく、皆さんの思いを形にするためにも粘り強く訴え続けたいと思います。 写真は家族がくれたレインボーのピンバッジ。今日もポケットにいれてました。。

一般質問のご報告③ 練馬区の学校の性教育を充実させるべき!

先日行った一般質問、テーマの一つに学校における性教育のあり方を取り上げました。 私は議員になるまで、多くの国や地域で子どもや女性、先住民の方など、マイノリティの方の生活改善や権利向上のために活動してきました。その中で数多く直面したのが若者、特に10代の望まない妊娠や中絶でした。そして、その背景の一つに若者の性に関わる科学的で実践的な知識が不足していることを実感しました。 日本においても子どもたちがインターネットなどを通じて、性的な情報に触れる機会が増えています。価値観の多様化などによって、性体験の低年齢化も進むなか、子ども達の性感染症や望まない妊娠のリスクも高まっています。そうした中、練馬区においても性教育のあり方を改善すべきだと訴えました。以下、私たちの訴えと区の回答の概要をご報告します。(詳細は議事録をご確認ください。) <主張1.性教育では性感染症や望まない妊娠から身を守るための科学的、実践的な知識も教えるべき> 学校で行われる性教育について、中学校の保健体育の学習指導要領では、エイズやコンドームについて教えることになっています。その一方で「妊娠の経緯については扱わない」とあります。そのため、実際の授業の内容は「性的接触で感染する性感染症にHIVというのがあって、それを防ぐにはコンドームが有効です」といった私たちが聞いてもわからないようなものになっています。先日、足立区のある中学校で、3年生に対して避妊の方法、中高生の人工妊娠中絶の実態について授業で教えました。それに対して、都の教育委員会は中学校で教える範囲を超えていること、また、保護者の意向を把握しないまま授業を実施したことについて、「課題がある」としました。 性教育では、子ども自身が命や体の大切さを認識することとともに、特に心身の発達が著しい中学生においてはただ性に関わる事を否定するのではなく、性感染症や望まない妊娠からどのように身を守るかという科学的で実践的な知識を学ぶことも大切です。 練馬区の教育委員会として、特に中学生に対して、望まない妊娠や性感染症を防ぐためにどのような教育を行うべきと考えるか、見解をお聞かせください。 <区の回答:学習指導要領に基づき適切に実施している> 性に関する教育は、学習指導要領に基づく正しい知識を学ぶことが重要であり、そのうえで、発達段階や一人ひとりの状況にあわせて、個別の指導を行うべきと考えます。 <主張2 教員への研修および保護者向けの講座の実施を!> 学校で性教育を行う教員も生徒たちにどのように教えていいのかを悩み、試行錯誤しています。こうした状況を改善するために教員を対象に性教育の指導のあり方について、研修の機会を保障することが大切です。 同時に、性に関する知識には個人差が大きいことから性教育は学校だけでなく、家庭においても必要です。しかし、多くの保護者は、自身も性教育を受けてこなかったために、子ども達に対してどのように教えたらいいのかわからないといった不安や戸惑いも抱えています。 そのため、保護者が子どもに対して性についてどのように教えるべきか、そのための講座などを区として行うべきです。 <区の回答:既に適切に実施している> 性に関する教育は区立学校において適切に行われていると認識しており、現時点では教育研修や保護者向けの講座を改めて実施する予定はありません。 <感想> 区の回答は性教育について「既に適切に実施している」とのことでしたが、その内容は学習指導要領で示されているもので、どうやったら妊娠するか、といったことすら含まれていません。お互いの心や体を思いやり、子ども達自身の健全な成長を育むためにも、性に関する教育を充実させるべきです。これからも議会で訴え続けたいと思います。

一般質問のご報告② 地域施設で政治に関わる活動を制限しようとする動きは撤回を!

先日行った一般質問、テーマの一つが地区区民館などの地域公共施設での政治に関わる活動を制限する動きについてでした。このテーマは以前から池尻さんが何度も議会で訴えてきたもので、改めて一般質問として取り上げました。内容は、区が誤りを認め撤回したという意味で大きいものでした。以下、少し長くなってしまいますが、概要をご報告します。 ・はじめに 先日、西大泉地区区民館の館長名で利用者に出された文書を入手しました。 文書では「部屋の貸し出しにあたり、政治・宗教活動でないことや営利活動ではないことなどを確認しています。」とありました。 そもそも条例では政治や宗教に関わる活動を制限する規定は存在しません。にもかかわらず、個々の地域集会施設が、独自の判断で政治に関わる活動を禁止しようとすることは看過できません。われわれ議員にとっても、地域集会施設での政治活動を禁止されてしまえば、地域の声に耳を傾ける機会が大きく制限されてしまいます。また、文書では他にも参加者の名簿を前日までに持参し、施設の確認を受けるよう求めていますが、名簿の提出を求めることも明らかに行き過ぎです。 <主張1.区はこの文書について誤りを認め文書を撤回すべき> 政治活動の自由は区民の根源的な権利のひとつです。直ちにこの文書を撤回するよう求めます。名簿の提出についても早急な見直しを求めますが、区の見解を伺います。 <区の回答:過ちを認め撤回> 文書に記載されていた地区区民館の政治・宗教活動を理由とした利用制限、および利用にあたって利用者個人の特定を条件とする条例の規定はありません。文書内容の間違いを正し、速やかに修正しました。 <主張2.団体登録について> 地域集会施設に登録できる団体の資格については、区の要綱(基本的な事務の取り扱いについて定めたもの)で「特定の政治上の主義および宗教の教義を推進し、指示し、またはこれに反対することを主な目的としないこと」となっています。しかしこの内容は区民の地域における政治活動などを不当に制限するものです。そもそもこの規定は要綱にあるのみで条例に基づいていないことも踏まえれば、早急に見直すべきと考えますが、見解をお聞かせください。 <区の回答 特定の政治や宗教を支持、反対する場合は登録できないが、勉強会などは問題ない>  「特定の政治上の主義および宗教の教義を推進し、支持し、またはこれに反対することを主な目的」とする団体は登録できません。ただし、政治や宗教の勉強会、研究会などの活動をする団体は、現に登録団体に承認し、ご利用いただいています。不当に活動を制限するとのご指摘は当たりません。 <感想> 今回、地域集会施設を利用するにあたり、政治に関わる活動に対して制限はない、という明確な確認が取れたことは画期的なものでした。地域での自由な政治活動が封じられることのないよう、これからも会派としてしっかりと訴えていきたいと思います。

一般質問のご報告① 練馬区でも同性パートナーシップ制度の導入を!

年に1度だけの一般質問、今回は任期(4年)で最後ということで、今まで力を入れてきた性的マイノリティの権利向上に関連して、同性パートナーシップ制度の導入を訴えました。原稿の作成にあたっては、当事者の方々からたくさんお話しを聞かせて頂き、その思いも訴えさせていただきました。また、池尻さんからも連日深夜までたくさんのアドバイスを頂きました。 私たちが訴えた内容と区の回答を簡単にご報告します。全文は公開される議事録をご確認ください。 <はじめに> 性的マイノリティの権利保障に関連して伺います。 自治体の取組みの一つとして、同性パートナーシップの公的認証制度があります。東京23区では3区(渋谷、世田谷、中野)、全国では8つの自治体がこの制度を導入しています。 練馬区では同性パートナーシップについてこれまで「現実的な施策の効果が不明であること」および「現行法との整合性に課題」があることを理由に「条例を制定する予定はありません」としてきました。 <岩瀬の主張 1) パートナーシップ制度の効果を認めるべき!> 練馬区の姿勢を当事者の友人に話したところ「パートナーシップで差別的な制度が解消することも大切ですが、私たちにとっては、制度が誕生すること自体に大きな意味があります。制度は自分の暮らす自治体が性的指向に対して寛容であることを示すもので、当事者にとって大きな支えになります。」と訴えていました。このようにパートナーシップ制度は啓発的な意義も強いものです。 そこで伺います。当事者の方が感じている啓発的な意義について区はどのように考えますか。また練馬区はパートナーシップ制度について「現実的な効果が不明」としていますが、他の自治体では、区営住宅における同性カップルの入居や緊急時の病院での面会など様々な取組を行い一定の効果も上がっています。他の自治体のこうした取り組みや効果についてどのように考えているのかお答えください。 <区の回答:一定の効果は認めるものの、効果が不明との認識は変わらず。>  制度を導入した自治体では、当事者の方が公的に認められたことで生活していく上でも支援を実感できるようになった。区民が同性パートナーについて考える機会となったなどの声があると聞いています。しかし、制度を導入したものの利用する方が少ない。対応する事業が少ない。パートナーを解消した場合の対応などの課題も多く、「施策の効果が不明である」という認識は変わっていません。 <岩瀬の訴え 2) パートナーシップ制度は法律上も問題はないことを確認すべき!> パートナーシップ制度を導入した札幌市は「自分達の存在を公に認めてほしいとする当事者の気持ちを受けとめるものです。条例や要綱により定める制度であり、法的な権利の発生や義務の付与を伴うものではなく、現行法に反するものではありません。」としています。他の自治体での取り組みは、あくまで法律の枠内で性的マイノリティに対する差別の是正や社会的な周知啓発を図ることを主旨としています。同性パートナーシップの公的認証制度が、具体的にどの法律のどの規定との整合性に問題があると考えているのか、お答えください。 <区の回答: 制度には現行法との整合性など検証すべき課題はある。> 同性パートナーの権利保障については、国でなければ解決できない遺産相続や税金の控除など、現行法との整合性など検証すべき課題があると考えます。 <岩瀬の訴え 3) 同性パートナーシップ導入に向けて検討を始めるべき!> 本定例会では同性パートナーシップの公的認証制度の導入を求める陳情が出され、多くの署名も集まっています。区として当事者の方の思いに応えるためにも制度導入に向けた検討を行うべきです。考えをお聞かせください。 <区の回答: 明確な回答は無し、ただし状況調査は開始> 区では、今年度実施する「人権・男女共同参画に関する実態調査と労働実態調査」で性的マイノリティに関する項目を設け、状況を把握する予定です。また、講演会の講師や参加者アンケート、支援団体などからも意見を伺っているところです。国や東京都の動向を注視し、当事者のニーズに即した支援策などについて、来年度策定する次期練馬区男女共同参画計画で検討します。 <岩瀬の主張 4) 性的マイノリティの権利保障のための条例や要綱などを作るべき!> 東京都は先日、性的マイノリティへの理解やヘイトスピーチ規制などを盛り込んだ条例の制定を目指すことを明らかにしました。練馬区においても同性パートナーシップの公的認証制度も含めて、性の多様性を尊重し、性的指向や性自認に基づく差別のない地域を作っていくためにも条例や要綱、計画の制定など踏み込んだ対応が必要だと考えます。区の見解をお答えください。 <区の回答:条例の制定はしないが、都の動向を注視する> 現在東京都は、本年9月の都議会に性的少数者への差別やヘイトスピーチの解消を目指して、条例の提出を予定しており都民の意見募集を行っています。その動向を注視して対応してまいりますが、区として条例を制定する考えはありません。 <岩瀬の感想> 区の回答、実態調査で性的マイノリティの状況を把握するとともに、支援団体などから意見を聞いて当事者のニーズに即した支援策などについて、次期「練馬区男女共同参画計画」で検討するということで、今後に期待の持てる内容でした。一方で、同性パートナーシップの公的認証について否定はしないものの「現実的な効果が不明」「現行法との整合性に課題」との見解は変わっていませんでした。今回の訴えと区の回答をきっかけとして、今後も地域の中で差別や偏見に苦しむ性的マイノリティの方の権利向上のために取り組んでいきたいと思います。

一般質問の報告④ 練馬区でも、精神障害の方にも福祉手当を!

一般質問、最後のテーマには精神障害の方への福祉手当を取り上げました。 障害者の生活を支える福祉手当、練馬区ではこれまで精神障害者だけは対象とされていませんでした。23区では6区が既に支給を開始しており、練馬区でもただちに実施すべきと訴えました。 以下、要約をご報告します。(全文は区のページをご覧ください) <ここから> 一般質問① 福祉手当について、知的や身体等の障害に比べて精神障害者だけが排除されていることに正当な根拠は見出せません。障害者基本法の成立によって、精神障害者に対する支援、福祉が法律上も位置づけられています。福祉手当の対象者を精神障害にも広げることについて、練馬区議会では家族会から2011年以降、何度も陳情がなされ、今年の6月、ついに所管の委員会で、全会一致で採択されました。練馬区が実施した「障害者の住まい方に関する調査」によると、精神障害者の所得は他の障害に比べて非常に低く、福祉的就労の工賃も含めた賃金と手当を合わせても1か月で10万円未満が63%にも達しています。精神障害者が地域で経済的に自立して生活するために、福祉手当の支給は重要な意味を持つはずです。そこでまず、1)福祉手当は練馬区の事業であり、来年度から速やかに実施すべき。と訴えました。 区の回答① 第二回定例会において、精神障害者に対する心身障害者福祉手当の支給を求める陳情が全会一致で採択されました。現在、他の自治体の状況も参考にしながら検討を進めている所です。 私の感想① 区として約束はしませんでしたが、全会一致で陳情が採択されたこと、そして、他の自治体の状況を参考にしながら検討を進めたい、ということから来年からの実現に向けて前向きの答弁だったと思います。 一般質問② 福祉手当について、他区の実施状況を見ると対象者は手帳1級の所持者に限定されています。練馬区でも一級に限定した場合、対象はわずか180名になります。福祉的な就労などをされている方には2級相当の方も数多います。そこで、2) こうした人々も支給の対象となるように検討すべき。と訴え、福祉手当を二級に拡大することについて見解を求めました。 区の回答② 現在、他の自治体の状況も参考にしながら検討を進めている所です。 私の感想② 他区のように、支給を一級に限定するのではなく、二級まで拡大すべき、と訴えたのに対し、区の回答は他の自治体を参考にしながら検討を進める、という回答でした。しかし、知的障害、身体障害の手帳の所持者のうち、福祉手当の対象となっている方は、身体では66%、知的で100%にも関わらず、精神障害ではわずか3.2%となります。こうした状況では障害間の公平さを欠くと言わざるを得ません。 一般質問③ 関連して、精神障害者の通過型グループホーム退所後の家賃補助について質問しました。 通過型グループホームは概ね3年の間に、少人数で一般の住宅での共同生活を営みながら、必要に応じ、食事の世話や日常生活における相談などを通じて入居者の自立生活を促進することを目的に東京都が独自に制度化したものです。 制度について東京都は、「病院や家族の下での生活から「通過型」グループホームでの共同生活へ移行するだけでなく、一般の住居での単身や夫婦での生活への移行を目指す。」としています。しかし多くの場合、経済的な理由から、グループホームを出るためには、生活保護を受けなくてはいけないという現実があります。生活保護ではなく経済的な自立を促進するためには、工賃や賃金と並び、福祉手当を含めた手当、特に高い家賃を補完する形での家賃補助が必要です。そこで、1) 精神障害の方に対する、一般の住居をも含めた家賃補助の実施すべき、と訴え見解を求めました。 区の回答③ 誰もが安定した自立生活を目指すことができる支援が大切であると考えており、現在、限られた方に対しての家賃補助は考えておりません。 私の感想③ 区の回答は「自立生活」を目指す支援が必要だから家賃補助は必要ない、ということでした。しかし、経済的にも安定した自立生活を送るためにこそ、生活保護ではなく、手当という形での家賃補助が必要だと考えます。 区の答弁、精神障害の方に対する福祉手当については前向きな答弁でしたが、その範囲、また家賃補助の実現は極めて不十分だったと感じています。精神障害者の方々が地域の中で経済的に自立して生活するために、福祉手当の範囲の拡大と家賃補助の早急な実現を今後も引き続き求めたいと思います。

一般質問の報告③ 地域の体育館が改修で半年以上閉館に。その影響は?

一般質問、3つ目のテーマには地域の大泉学園町体育館を取り上げました。 こちらの体育館、2018年から大規模改修が行われることになり、施設は半年以上にわたって閉館します。一部要約してお伝えします。(全文は区のページをご覧ください) <一般質問①> 大泉学園町体育館、3社が2021年までの5年間、運営を行うことになっています。しかし、区が業者に対して改修の予定を説明したのは、業者が決定した後でした。各社は5年間にわたる事業計画を立て、資金繰りや雇用確保を図ってきました。大規模改修が明らかになったことで、さまざまな影響が出ています。そこでまず、1) 来年度の指定管理業務費の算定にあたり、大規模改修による減収の影響をどのように考慮するのか、確認しました。 <区の回答①> 通常に運営する期間の経費、休館期間中でも必要となる業務にかかる経費、減額となる利用料等を指定管理業者と協議します。 <区の回答への感想①> 休館中でも必要となる業務にかかる経費に加えて、減額となる利用料についても協議を行う、ということは重要だと思います。休業補償の考えも含め、今後の協議を見守りたいと思います。 <一般質問②> 閉館で影響を受けるのは業者だけではありません。体育館では地元の方を中心に62名もの方が働いています。業者によると、職員の方に対して、閉館中に就労先を確保することには限界があるとのこと。区の判断と意向によって閉館となる以上、練馬区も事業者の経営と特に職員の雇用に対して十分な配慮を行うべきです。そこで、1) 職員の方ができる限り、働き続けられるよう、また、生活に影響が及ばないよう、区としても対応すべき、と訴えました。 <区の回答②> 工事着手まで1年半以上あるので、指定管理者が十分準備し、対応できると考えています。 <区の回答への感想②> 職員の雇用は確かに業者の責任ですが、今回、区の事情によって閉館するもので、働く方の多くは地域の方です。ですので、すべてを業者の責任としてしまうのではなく、区としても他のスポーツ施設での求人の案内など、努力や配慮を行うべきだと思います。 <一般質問③> 事業者や従業員とともに、利用者への配慮も必要です。大泉学園町体育館の年間の利用者数はのべ20万人にも達しています。半分はプール利用で、多数の障害者が含まれています。障害者にとってプールは数少ない身近なスポーツの機会であり、リハビリなども含めて大変重要な場所となっています。そこで1)体育館利用者、とりわけプール利用への影響を最小限に抑えるために6月から9月までの期間での工事を避けること2)たくさんの障害者の方がプールを利用している中、こうした皆さんが地域的にも離れた代替施設を円滑に利用するための配慮を求めました。 <区の回答③> 工事の時期については、利用者の影響をなるべく少なくすることを前提に計画を進めます。障害者への配慮について、他の区立温水プールの指定管理者や福祉園などの関係者と連携、調整を図り、利用しやすい環境を整えます。 <区の回答への感想③> 時期について利用者の影響をなるべく少なくすること、特に障害者への配慮として関係機関と連携、調整を図る事を約束したことは大きいと思います。     今後、他施設でも同様の改修等が予想される中で、まずは大泉学園町体育館の大規模改修によって、利用者の方やそこで働く方々への影響が最小限に抑えられるよう、しっかりとu訴えていきたいと思います。

一般質問の報告② 練馬区の小中学校、多くのエアコンに不具合が! 区の取り組みは?

一般質問、二つ目のテーマには、地域の方からいただいたご相談から、特に区全体で取り組むべき課題として、小中学校のエアコンの不具合について取り上げました。内容を一部、要約してお伝えします。(全文は区のウェブサイトをご覧ください) <ここから> <一般質問①> 先日、ある小学校の保護者から「暑い時期なのに、エアコンが効かず困っている」というご相談が…調査の結果、その学校に設置されている21台のエアコンのうち、19台もが機能せず、機械内部の分解洗浄が必要だとわかりました。 区に確認したところ、これは一つの小学校だけの問題にとどまりませんでした。練馬区では、2008年に10年間のリース契約を締結し、全ての小中学校の普通教室や幼稚園等に約1,600台のエアコンを設置しました。しかし、昨年度から問題が相次いでおり、今年の8月までに小中学校あわせて132台もの機器で分解洗浄が必要となっています。この件からは、業者の杜撰な対応とともに区の不適切な契約管理が明らかになっています。 契約では設置、ガス、電気の配備に加え、機器のメンテナンスが含まれていて、項目として「1年間のうち2回以上、適当な時期に点検を実施すること。」と定めていました。しかし、132台もの機器で不具合が発生し、しかもそれは毎年行っていた定期点検では一度も発見されず、子どもや教員の訴えで明らかになりました。そこで、1) 選定時の評価が適切だったのか、またメンテナンスが的確に行われたのか、質問しました。 <区の答弁①> エアコンに異常がある場合には、学校等から連絡を受け、教育委員会がメンテナンス業者に確認を指示することで、児童生徒の学習環境は適切に維持されています。 <私の感想①> 学校から連絡を受け、メンテナンス業者に指示することは必要ですが、そもそも定期的に行われる点検では、一件も不具合を発見できませんでした。さらに、今年の5月の点検に至っては、3か月以上たった現在でも報告書は区に届いていません。学校から連絡が無ければ、そのままの状況が続いているわけです。また、対応が後手に回ってしまったことで、学校によっては長期に亘ってエアコンが効かない状況を我慢しなくてはなりませんでした。メンテナンスは杜撰であったと言わざるを得ません。 <一般質問②> 多数のエアコンの分解洗浄が必要となる中で、だれが経費を負担するのかも問題です。分解洗浄には1機につき5万円程度かかります。契約書では「メンテナンスはフルメンテナンスとし、部品および経費は賃貸者負担とする。」としています。しかし、分解洗浄は全額を区が負担しています。そこで、1) これまでに行った分解洗浄に関わる経費の総額と2) 分解洗浄にかかる経費を区の負担とすることになった経緯と判断の根拠、を質問しました。 <区の回答②> これまでの支出額は約700万円で、熱交換器の洗浄は契約には含まれていないと認識しています。別の契約により、必要な作業をお願いすることになります。 <私の感想②> 契約上、メンテナンスの内容は明示されていません。契約書では「本要領に明示の事項が無い場合、区担当者と協議する」となっていますが、メンテナンスの内容の協議の経緯や結果を記した書類は一切なく、契約の解釈は業者の主張をそのまま受け入れたものになっています。区民の貴重な税金を支出する手続きとしては極めて不透明で、財政支出を行うことは納得できるものではありません。 <一般質問③> 今回の問題は区における契約の在り方、ならびに契約管理の状況に厳しい点検を迫るものです。全庁的に検証、対応を図るべきと考えます、所見をお聞かせください。 <区の回答③> 契約締結および履行確認は適切に行われていると認識しており、現時点では検証等を行う考えはありません。 <私の感想③> 区として契約はしっかりと管理しているという回答です。しかし、今回のエアコンの件が象徴しているように、3か月以上も点検報告書が届いていないことを黙認してきたことなど、改善すべきことは多いと思います。 この件を通じて、区の契約管理の在り方を再点検するとともに、小中学校における子ども達の教育環境がしっかりと守られることを改めて求めていきたいと思います。

2018-08-21T09:41:32+09:002017年9月14日|Tags: , , |

一般質問の様子が動画で公開されました、ご覧ください!

9月11日に行った一般質問の様子、動画で公開されました。 議員になって驚いたことの一つが、区議会が時代の流れに追い付いていないこと。他の自治体に比べても遅れています。 象徴的な例として、練馬区では議会の中継も行われず、傍聴者が実況することも禁止。もちろん議場や委員会でのパソコンなどの電子機器の持ち込みも認められていません。 今回の一般質問も公開されたのは二日が経過してからでした。しかも、パソコンで見ようとしても、画面が固まってしまいます…よく見ると、インターネットエクスプローラーでなくては動かないとのこと。今の時代、グーグルクロームやマイクロソフトなど、ブラウザーは多数存在し、今年8月の調査ではエクスプローラーを使っている方はわずか23%。なぜ、こんなに不便なのでしょうか… 他の自治体の議会では、ネット中継はもちろん、パワーポイントを用いたプレゼンを認めているところも。区民の方にわかりやすく、また開かれた議会にするためにも議会改革が必要だと改めて思いました。 前置きが長くなってしまいましたが、私の一般質問の様子、公開されましたので、ぜひご覧ください。スマートフォンでの映像は問題ないようです。http://gikai02.kaigiroku.jp/dvl-nerima/2.html (9月11日 本会議1の真ん中辺りからです。)

2018-08-21T09:41:32+09:002017年9月13日|Tags: , , |
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