文教児童青少年委員会

決算特別委員会 光が丘第四中学校の閉校案について わずか数か月で決定、子どもの声を聞かなくていいのか?

先日の決算特別委員会、教育費では光が丘第四中学校の閉校問題について訴えました。 光が丘四中に関して、今年度入学の生徒が減少した中で、今後の対応を検討するために7月に「教育環境を考える会」が設置され、その提言を受け、教育委員会は9月には「速やかに閉校する。」方針を出しました。しかし、この方針をだすまでに「考える会」の会議が開かれたのはわずか3回、また、当事者である生徒たちは一度も意見を聞かれることはありませんでした。 選択制度で四中を選んだ子ども達の多くは、少人数ならではの魅力も感じ、保護者とともに学校を盛り立てようと頑張ってきたわけです。しかし生徒たちは、意見も聞かれず、わずか数か月で一方的に廃校を決められようとしています。日本も批准している「子どもの権利条約」では「自己に影響を及ぼすあらゆる行政上の手続において、意見を聴取される機会を与えられる。」として、「子どもの意見表明権」を認めています。今回の手続きはこうした考え方にも反するものです。 また、学校は生徒だけでなく、地域にとっても、大きな意味を持つものです。閉校の案について、これまで学校を支えてきた当該地域、とくに廃校によって長距離の通学を強いられることになる光が丘一丁目地域の方々への説明等についてもこれから実施するということです。地域の方への説明も不十分です。 閉校の理由として、区は「今年の入学者が24名しかおらず、今後も減少が予想される学校経営が難しいため」としています。しかし今年度、四中の学区域には同地域で最大となる90名以上の入学予定生徒がいました。今後の予測を見ても、四中の学区域の生徒数は、近くにある1中に比べても3倍近いものです。生徒が少ないのは、学校選択制度で他の学校を選んでいる、という理由によるもので、子どもの数が少ないということとは本質的に異なります。 光が丘全体で子どもの数を減っているのは事実です。中学校が4校必要か考えること自体否定するものではありません。しかし、学校を減らすことが必要だったとしてもそれは統合、新校の設立につながる方法もあります。例えば、光が丘の小学校では2つずつの学校を統合して、新しい学校名を付け、新しい校歌も作りました。 本当に地域や子どもたちのことを考えるのであれば、廃校案はいったん白紙に戻し、四中の教育環境改善に向けた取り組みを行うべきです。また、併せて光が丘第四中学校の適正配置について、時間をかけて話し合う機会を持つべきです。 こうした訴えに対して、教育振興部長は閉校の判断については、子どもの意見をふまえる必要はないといった回答でした。教育委員会は今回の閉校の件で、「子どもの教育環境を守るため」と言い続けています。しかし、閉校の判断には、一番配慮すべき在校生の意見は聞かなくていいとはっきり答えてしまうことに衝撃を受けました。 区は地域の声を聞く、子どもたちの声を大切に、と言っていますが、実態は、行政が決めたことに区民や子ども達を従わせる、という姿勢を見せています。こうした強引な手法で閉校が決まってしまうことのないよう訴えていきたいと思います。

練馬区の来年度に向けた待機児童対策「待機児童ゼロ作戦」について 質や継続性を守ったうえでの待機児童対策を!! (文教児童青少年委員会)

先日の委員会では、「練馬区 待機児童ゼロ作戦」の進捗が報告されました。このゼロ作戦、来年4月までに0歳~2歳の枠を1,000人分拡大することを目標にしています。 待機児童対策で大切なことは、量を増やすだけではなく、質や継続性をいかに担保するかということです。今回の委員会ではそれぞれの項目について質疑を行いました。 まず待機児童の考え方について。練馬区は本年度の待機児童数は166名、全申し込みの1%だったとしていますが、捉え方自体に問題があります。昨年度から訴え続けてきましたが、現在、待機児童の定義は自治体に委ねられており、練馬では、保護者が育休を延長せざるを得ないケースや、近くに認証保育園に空きがあって申込をしなかった場合は待機児童とカウントされない、非常に厳しいものになっています。 こうした実態について、政府も問題を認識しており、本日の朝日新聞の記事によると、厚生労働省が把握したいわゆる”隠れ待機児童”は練馬区では公表された数字の5倍以上、923名に達しています。この問題を解決するために厚生労働省は年度内に統一した基準を設けるとしています。そのため、委員会では来年度の入学に併せて練馬区の基準を今から見直しをすべきと訴えました。 それに対して、区の答弁では、そもそも”隠れ待機児童”の定義はない。また、現時点では厚生労働省から何の指針も示されていないため、現時点で検討する予定はないとのこと。しかし、来年3月に新たな定義が公表されても、それから対応するのでは遅すぎます。だからこそ、今から対応すべきと重ねて訴えました。 続いて、質について。今回の対策では、新たに「一歳児預かり保育」が導入されます。これは、1歳の待機児が最も多いことを受け、特化して保育を行うものです。 しかし、この制度、大きな課題があります。まず、こちらは名前のとおり1年間しか預かることができず、結局、次年度には新たに保育園を探さなければいけません。特に、この制度、10月や11月にも開始しますが、そこで預けた場合、来年の3月までしか預けられず、4か月後には、新たに保育園を探さなければなりません。また、幼稚園の空き教室を利用した一年間の預かり保育も行うとしていますが、そもそも幼稚園と保育園はその役割、機能も全く異なるものです。例えば給食、長期休暇、預かり時間、保育士の確保など解決すべき課題は山積しています。こうした課題に対してこれから調整するとしていますが、まずは数ありきで進めているという印象が拭えません。 新たな制度で、待機児童の数は減るとしていますが、私も1歳の子どもを育てるものとして、こんな不安定な形での保育は子どもにとっても、保護者にとっても大変に大きな負担になると思います。保育として行う以上、質と共に継続性を担保すべきであると訴えました。 一歳児預かり保育や定員の拡大を通じて、目に見える待機児童数は減少しますが、そこで質や継続性が犠牲になっては本末転倒です。練馬区が待機児童対策に乗り出すことは大切です。しかし、目に見える数だけを増やすのではなく、質を維持した制度を構築するよう訴えていきたいと思います。

あまりに拙速では? 「光が丘第四中学校」の廃校案について(文教児童青少年委員会報告)

今回の委員会では、「光が丘第四中学校の課題への対応」が報告されました。 光が丘第四中学校の生徒が減少している中、本年7月に「教育環境を考える会」が設置されたのですが、その意見を受けて区の方針案として「中学校を速やかに閉校する。」という考えが示されました。具体的には、来年度、ないし再来年度末の閉校を想定しているとのこと。 しかしこの案、あまりに乱暴です。 そもそも、区の説明では、「当該の学校では、今年の入学者が24名しかおらず、今後も減少が予想されるため学校経営が難しい」とのこと。しかし、今年度、同中学校の学区域には90名以上もの入学予定生徒がいました。入学が少ないのは、区が実施している学校選択制度によって70名が他の学校を選んだことによるものです。 さらに、来年度も学区内には92名の入学予定者がいるとのこと。つまり、地域の子どもに選ばれていないだけのことで、子どもがいなくて廃校にすることとは本質的に異なります。 そもそも、学校選択制度を導入した時点で、人気校と不人気校が発生することは想定されていました。そこで必要なのは、なぜ不人気なのか、問題を分析しその学校をサポートすることです。問題に向き合うことなく淘汰したところで、問題の本質的な解決にはならず、他の学校でも起こりうる同様の課題を防ぐこともできません。 また、案を作るまでのプロセスもあまりにも早急です。7月19日に考える会の設置が報告されてから、会議が開かれたのはわずか3回。会の参加者10名だけで学校の方向が決められてしまう、しかも、時期も来年度か再来年度ということで、在校生への影響も甚大です。 練馬区は、これはあくまでも案である、と言っていますが、これまでの例を見ても、案ができた以上、そちらに議論の方向が一元化されていくのは、明らかです。 今回の案、練馬区は子どもたちのためと言っていますが、実際に通っていて、今後転校を求められる子どもたちや保護者への説明や聞き取りも一切行っていません。9月中に説明会を開くとしていますが、こうした案をもって説明会を開くこと自体が問題だと思います。 本当に地域や子どもたちのことを考えるのであれば、生徒や保護者、地域の意見を広く聞きながら、すぐに廃校という案を示すのではなく、その学校が抱える課題をどのように改善するか、一緒に考えるべきだと思います。 http://www.hikarigaoka4-j.nerima-tky.ed.jp/

2015年度の練馬区のいじめについて(いじめの状況と対策)(文教児童青少年委員会報告)

本日の委員会では「平成27年度 練馬区立児童・生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題の調査」に基づき昨年度(2015年度)の区内の小中学校でのいじめの認知件数とその対応の報告がありました。こちらの調査は毎年、全国すべての学校で行われており、定期的な全生徒、教職員へのアンケートや聞き取りをまとめたものです。 まず、いじめの認知件数について、2013年度は小学校では276件、14年度は197件だったのに対し昨年度(15年度)は167件、中学校はそれぞれ233件、194件、258件となりました。数字だけを見ると、昨年度、小学校ではいじめは減っていて、中学校は増えているように見えます。 しかし、この数値はあくまで教員等によって「認知された件数」でしかなく、いじめの大半は当事者しか知らないものです。だから、「数字が多いのは問題」「数字が少なければよい」と満足すべきではありません。例えば、区内のある小学校では、案内の中で「我が校はいじめ0、不登児校0の学校」と宣伝していましたが、いじめは常に存在するものだと考えて謙虚に向き合うことが必要だと思います。 続いて、いじめへの把握について。生徒にとって一番身近ないじめを学級担任が発見したのは、中学校では15件、全体のわずか5%にすぎません(最も多いのはアンケートによる発見で全体の63%)。 また、いじめを受けた児童、生徒について、学級担任に相談した数が最も多いものの、誰にも相談できていない比率も上がり続けており、昨年度は12%に達しています。 いじめを一教員に相談しても抱え込んでしまったり経験不足であったりして効果的かつ組織的な対応がとられなかったというケースも多々あるとされます。実際私も、「先生に相談しても報復としてますますいじめられるんじゃないか」と考え相談しなかったという子どもや、「先生に相談してもすぐ再発して、先生は見て見ぬふりだった」という子どもに話を聞いたことがあります。 なぜ、教師がいじめに気付けず、また、生徒との信頼関係を築いて対処できないのか。数年前に発生した大津市立中学校でのいじめに関する第三者委員会調査報告書では、いじめ対策の大きな課題として「教員の多忙化」を挙げています。「教員の負担を軽減して、子ども達と向き合えるようにするための改革を最優先に進めるべきである。」としています。また、文科省の「いじめ防止対策における組織的対応について」の論点ペーパーでも、「日常業務が多忙であることがいじめの抱え込みの背景にある」としています。 だからこそ、今日の委員会では、教育委員会としても、教員の配置、職員の配置をしっかりと再検討すべきと訴えました。これに対して、教育委員会は、教員の本来業務である子どもたちと向き合う時間が損なわれることのないよう、今後も検討していくとのことでした。 いじめの問題は非常に根が深く、この何十年という各関係者の取り組みをもってしても無くせなかったことを見ても、決して完全に解決できるものではないと思います。だからこそ、いじめに向き合う体制をしっかりと作っていく必要があります。また、場合によっては学校以外の多様な学びの場の活用を含めた包括的な対応が必要だと思います。

地域の小学校の統廃合について 学校は誰のもの?(文教児童青少年委員会報告)

先日の委員会では、「練馬区の旭丘小学校、小竹小学校、旭丘中学校の課題への対応について」という報告がされました。これは、旭丘小学校では生徒が少なく、合計で6クラスしかない状況が続いていて、学校経営が難しい。だから、老朽化が進んでいる旭丘小学校を建て替える際に、近くにある小竹小学校と旭丘中学校も一つの校舎にして、練馬区では二校目となる小中一貫校を設置しよう、というものです。 委員会では、練馬区として、この計画を地域の方に理解してもらうために、今後説明会を行う、ということが報告されました。 この件、大きく3つの問題があると思います。 まず、小学校は地域の拠点としての役割を持っています。旭丘小学校の人数が少ない、というだけの理由で、なぜか隣にあって、生徒数は十分に確保されている小竹小学校を廃止してしまう。このことについて、特に学校が無くなってしまう小竹小の在校生や保護者、卒業生の十分な理解が得られていません。実際、住民の代表等合計40名が参加している「考える会」では議論が平行線を辿り、合意に至っていない状況です。 次に、旭丘小学校の生徒が少ないことを解決するために、なぜ中学校までも一緒にする必要があるのか、明確ではありません。特に、練馬区では、現在、小中一貫のモデル校が存在していますが、その運営に対する検証が現在でも進められている最中です。旭丘小学校の課題を解決することと、小中一貫教育を進めることは全く別の事であり、それを一つの議論として進めることは無理があります。 そして、10月から地域での説明会を行うとのことですが、この説明会も、小学校の統廃合と小中一貫を前提として進めるものになっています。今回初めて住民に説明会を行うのですから、そもそも、少人数学級であることが解決すべき問題なのか、また、もし問題だとしても、通学路を変えるなど他の選択肢はないのか、などといった包括的な議論を行うべきだと考えます。 その地域に暮らしてきた方々の思いや考えを蔑ろにして、最初から区による結論ありきで議論を進める、そんなことが起こらないよう、今後行われる説明会の在り方についても、注視していきたいと思います。

2018-08-21T09:41:51+09:002016年8月29日|Tags: , |

練馬区の認可保育所の保育料の値上げ(案)について(文教児童青少年委員会報告)

先日の文教児童青少年委員会、認可保育所の保育料見直しに関わる報告がありました。 練馬区の説明では、保育料は19年間改訂しておらず、保育所の運営経費全体にしめる収入の割合は9.5%にとどまっているとのこと。そのため、来年4月から保育料の値上げを図るべく、今回の委員会で見直し案を報告したというものです。 今回の案、大きく二つの問題があると思います。 区のこれまでの説明は、応能負担の原則で収入が高い方を中心に、保育料値上げを考えるというものでした。しかし今回の案をみると、値上げの対象となる世帯は全体の73.6%に及びます。例えば、世帯推定年収500万円のご家庭においては、年間で1万円の増額、年収300万円のご家庭では約3,600円の増額となります。 第二に、これまで保育料の計算は世帯の所得税を基準に金額を決めていましたが、今回の案では住民税を基準にするとのこと。そもそも、所得税は累進課税であり、所得が高い方ほど税率も高くなりますが、住民税は定率でどの方でも同じ比率となります。区の説明にあった高所得者の方からの増収を目指すというのであれば、住民税に変更する必要はないと思います。 今回の見直しによって、練馬区にとっては、年間3.2億の増収になり、この金額で他の保育サービスの向上に努めるとのことですが、その内容も明確ではありません。 この案について、練馬区では9月11日から30日までパブリックコメントを実施することになっています。皆さまもぜひ区のホームページから今回の案をご確認いただき、ご意見を練馬区にお寄せください。

2018-08-21T09:41:51+09:002016年8月27日|Tags: , |

文教児童青少年委員会報告 練馬区の小中学校の統廃合:学校の質の問題?

学校の統廃合は一番の優先課題なのでしょうか? 先日の委員会では、練馬区の小中学校の適正配置についての報告がありました。練馬区では、小学校12学級以下、中学校11学級以下、を過小規模としています。この基準で見ると、小学校で6校、中学校で13校が過小規模となります。 過小規模校への対策を検討するための委員会が5月に設置され、委員会で中間提言がなされました。それによると、今回、特に、光が丘第四中学校と旭丘小学校については今後の具体的な方策について速やかな検討が求められるとのことでした。 小規模で学校として成り立たないから統廃合するというのは、一般論としては理解できなくもありません。 しかし、具体的なケースとしてはどうなのでしょうか? 例えば、光が丘第四中学校について、今年入学した生徒は24人で確かに少なかったといえます。しかし、学区内に住んでいる生徒の数だけをみると、94人と、付近の中学校の中では最も多い数字です。しかし、学校選択制度を活用して、ほとんどの生徒が隣にある、光が丘第一、第二、第三中学校を選んでいる現状があります。 つまり、問題は生徒がいないのではなく、生徒がその学校に行きたくない、という事にあります。ですので、最初に考えるべきことは、生徒が少ないから統廃合する、というのではなく、なぜ、この学校に行きたいと思う生徒が少ないのか、その原因を考えて対策を練る事だと思います。 学校は単なる学びの場、というだけでなく、地域の避難拠点でもあり、コミュニティーの核として機能しています。だからこそ、学校の適正配置については様々な視点による慎重な議論が必要です。 今後の委員会でもしっかりと議論していきたいと思います。

2018-08-21T09:41:52+09:002016年7月20日|Tags: , |

文教児童青少年委員会報告 練馬区の小中学校での体罰について

皆さんは、体罰は必要悪だという意見をどう思いますか? 本日の委員会では、平成27年度の区内の小中学校での体罰の状況について報告がありました。練馬区では当該年度だけで5校(石神井西小、大泉第三小、大泉学園緑小、谷原中、大泉西中)で7件の体罰が発生したとのこと。(詳細は東京都教育委員会のサイトをご覧ください http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/press/2016/pr160623a.html) 体罰は教職員による生徒にたいする暴力であり、子どもの体のみならず、尊厳を傷つけるものであり、人格を否定し屈辱を与える行為です。クラスメートの前で体罰を受けることも、こどもの自己肯定感を傷つける。どんな形であっても許されないものです。 海外を見ても、先進国であるアメリカやフランス、ドイツなどでは体罰は犯罪と認識されており、社会的に全く許容されていません。他方で、日本においては、いまだに体罰は必要であるかのような意見も聞かれます。 そこでまず、練馬区として、どのような事情であっても体罰は許されないものであるとともに、体罰を犯した教師には毅然とした姿勢で臨むということを、質疑を通じて確認しました。 そのうえで、体罰の調査の方法について質問を行いました。 体罰は教員と生徒へのアンケートを通じて把握していますが、生徒へのアンケート、昨年までは生徒に名前を書くことを求める記名方式でした。 生徒にとって、教師の暴力を訴えるのは大変な勇気が必要です。その中で、さらに自分の名前を明らかにすることを求められる、これでは生徒は報復等を恐れ、正直に申告できないでしょう。そこで、昨年の委員会では、心理的負担を軽減するために無記名にすべきと提案したのですが、事実 関係を確認するには名前の記述が必要である、と答えていました。 この件について、本日の委員会で再度確認したところ、今年度から学校によっては無記名での調査を開始しているとのことでした。これは大きな進展です。来年にはこうした動きがすべての学校で広がるように要望するとともに、教師に対する更なる研修の実施を求めました。 いじめは生徒間の暴力であり、体罰は教師による生徒に対する暴力です。暴力という点では同じであり、練馬区の学校でのすべての体罰が根絶するよう訴えていきたいと思います。

文教児童青少年委員会のご報告④ 練馬区の組体操の事故について

*6月27日追記 組体操の事故について、同じ中学校で3件続いたと記載しておりましたが、2件の誤りでした。お詫びの上、訂正させていただきます。 先日の委員会では、今年の運動会に関わる怪我の状況についての報告もありました。それによると、4月~6月の2か月で組体操だけで5件の重大事故(骨折事故)が発生したとのこと。 組体操の事故、大きな問題となっています。 練馬区は今年の4月、すべての学校に対して「組体操の実施に関する方針について」を配布し、安全性に十分留意するとともに、大きな事故につながる可能性がある技を実施しないこと、安全な状態で実施できないと判断した際は、技の実施を見合わせること、などを示していました。 しかし、それでも5件もの骨折事故、しかも、そのうち2件が同じ中学校で起こってしまいました。 なぜ事故が防げなかったか、原因の一つには、組体操の実施の可否を各学校の校長先生に委ねたことにあると思います。地域からの組体操への期待や、周囲の学校が組体操を行う中で、自分の学校だけ行わない、そうしたプレッシャーがある中で、厳しい判断だったと思います。その結果3件も続いてしまった。いうまでもなく、一番の被害者は子どもたちです。 練馬区として、しっかりと方針を出し、タワーやピラミッドなど、危険を伴う技を中止することを含め てしっかりと意思表示することが大切だと思います。 今後、第三者を含めた検討組織を開催し、7月までに安全対策を検討するとのことですが、その報告を受けて、こうした事故が二度と繰り返されないよう、委員会でしっかりと議論していきたいと思います。

文教児童青少年委員会のご報告③ 練馬区の生活保護、準保護世帯への「学習支援事業」の問題点

先日の委員会、練馬区が生活保護、そして準保護世帯の中学三年生を対象に実施する「学習支援事業」について報告がありました。 こちらの事業、これまでは生活保護世帯は福祉事務所が、準保護世帯は学校教育支援センターが別々に行っていましたが、今年度から統合するとともに拡大して、練馬全域で行おうとするものです。 この事業は、塾の代わりに練馬区が勉強を教える、というものではなく、福祉的な側面、つまり、生徒一人ひとりに寄り添い、個々の個人的な相談に載ることや、家庭や学校での課題などを把握することも重視するものです。 しかし、今回の仕組でそれができるのか、疑問に思うことがままありました。 まず、これまでは、不登校児の支援などを専門に行ってきたNPOが事業を担ってきたのですが、今回は合計で4社が携わることになり、そのうちの二社は大手学習塾に決まりました。 学習塾だからといって、すべて不適切とは言えません。しかし、この塾について調べたところ、一社では、ネットで、まさにこの学習支援事業の講師となる学生をアルバイトで募集していました。 問題はその中身です。募集の内容を見ると、事業の内容を全く説明せず、塾のスタッフとして募集しています。また、コメントとして、「未経験者大歓迎」とあり、これでは雇われた学生も、全く何もわからないまま、対応を求められることになります。 労働条件を見ても、全部で三時間、2時間の授業と前後30分の準備、片付け、ミーティングとなっており研修の時間はほとんどないのが実情です。 今年度については、既に事業者が決定した、との報告でしたので、まずはこうした対応の改善を求めました。 学習支援事業の主旨をもう一度考えなおすともに、将来的には制度の設計自体を再構築すべきだと思います。

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