練馬区議会での国旗掲揚について
今回の定例会(議会)で、大きな争点の一つが練馬区議会の議場での国旗掲揚を行うか否か、というものです。
これまでの練馬区議会、議場には国旗はなく、代わりに練馬区の区章が掲示されている、という状況が戦後から続いてきました。ちなみに他区の状況を見ると、議場で国旗を掲げているのは東京23区では15自治体(2015年12月現在)となっています。
先日「練馬区議会の議場で国旗を掲揚すべき」という陳情が区民の方から提出されました。こうした陳情はこれまでにも議会に提出されていましたが、「国旗を掲揚すべきではない」という陳情も多く出ている中、議論が十分ではないということで、毎回、審査が継続されていました。
そうした中、議会運営委員会が行われました。この委員会は3人以上の会派が参加することになっていますので私たちは参加していません。この中で自民党から、これまでに議論は尽くされている、という理由で結論を出したいという主張がなされました。
これに対して公明党は、まだ十分な議論は尽くされていないということで、委員会での採決を退席しました。公明党は練馬区でも与党の一角として自民党と行動を共にしており、このような形で退席したのは非常に大きなことでした。
しかし、最終的には自民5と民主2が賛成、共産2、ネット1が可決されてしまい、11日金曜の本会議で議決されることになりました。
このことで、戦後長く続いてきた練馬区議会に変化が起きようとしています。
国旗掲揚については、私自身は、議会の中で議論が十分に尽くされていない中、議決を急ぎ議場に掲げるべきではないと思います。
私は、生まれ育った国を愛するということそれ自体は素晴らしいことだと思います。しかし、国を愛する形は人それぞれであり、国旗の掲揚や国歌の斉唱という形で国を愛する心を外部が求めるべきではないと思います。
明日の13時から本会議の場で採決が行われます。池尻さんが会派を代表して討論を行いますのでお時間がある方はぜひ傍聴にお越しください。
(写真は練馬区議会の議場の写真、現在は練馬区の区章のみ掲げられています。)
練馬区図書館での指定管理業者の導入について
今回の議会、文教児童青少年委員会では、平和台図書館について指定管理業者の選定が議論となりました。6月の議会で指定管理業者を導入すること自体は決定したのですが、それを受けて、今回の議会で指定管理業者を決定する、という流れです。
まず、私の考えは、図書館の目的は、国民が文化的な生活を送るためのインフラを提供することであり、指定管理業者による運営には馴染まない、ということです。
一般的に、指定管理業者に運営を任せることによるメリットとして、業務の効率化とコストの削減があげられています。
業務の効率化について、そのモデルとも言われている佐賀県の武雄市にある通称ツタヤ図書館を視察しましたが、そこで見られたのは、図書館が本来果たすべき役割よりも、目に見える成果である来場者数を増やすことに重点が置かれている、そんな姿でした。
コストの削減についても、大半は従業員の賃金を抑えることによって実現されています。指定管理業者が運営する図書館は、働く職員の方についても非正規の契約が多く、給料も抑えられています。2013年には足立区の図書館では職員の方が実質、時給180円で働かされていたという事件も起きています。(AERA「代替時給180円 図書館で行われた低賃金労働」 )
そんな中、今回は平和台図書館の指定管理業者の決定が行われました。応募団体5社の中から1社が選ばれたのですが、今回、受注した企業の能力にも疑問を感じています。
同社はこれまで、当該の図書館で窓口業務を担当してきたのですが、一方で、同社が単独で指定管理業者として図書館の運営を行った実績はほとんどありません。指定管理業者になると、施設の維持管理も行うのですが、これまでは共同事業体として維持管理は他社に任せる、という形をとってきました。唯一の例外が区民センター内の図書室、しかし、これは文字通り一つの部屋であり、図書館とは大きく異なります。
こうした状況を受け、私たちの会派では今回の議案に反対しました。しかし、委員会では与党による賛成多数となりました。
しかし、大切なのはこれからです。実際に平和台図書館が、指定管理業者によって、利用する方にとっても、そこで働く方々にとっても、望ましい形で運営されるように、しっかりと見守っていきたいと思います。(写真は視察した武雄市図書館)
「国際協力 カフェ」行いました!
本日は、地元の大泉学園で「いわせてカフェ」を実施。
このカフェ、地域の方々と紅茶を飲みながら、ざっくばらんに様々なテーマについてお話しするというもの。5月から始めて今回で4回目。これまでは議会の報告を行ったり、皆さんから地域の課題についてざっくばらんにお話しを聞いたりしていましたが、今回は少し内容を変えて、私がこれまで活動してきた、国際協力の分野をテーマに、援助活動の実情や現地での生活、そして現在の国際情勢などについて、皆さんとお話しさせていただきました。
なかなか身近に感じにくいテーマだけに、どれだけの方が来てくれるか心配していたのですが、直前の通知だったのにも関わらず、20名以上の方にお越しいただきとてもありがたかったです。
カフェでは、私のこれまでの途上国での援助活動をふりかえるとともに、地域でできる国際協力って何だろう、といったことや、日本が果たすべき役割は何か、ということを皆さんと話しあいました。
特に印象深かったのがフリーディスカッション。皆さんから、シリアの難民問題についての意見や、日本と近隣諸国との関係、そして地域で多文化共生を実現するためにできることなど、それぞれが関心のあるテーマについてたくさんの意見をいただけました。そしてそこから、外国人だけでなく、地域におけるマイノリティの権利を守るために区が果たすべき役割や、地域で行いたいことなど、どんどんと話しが広がっていき、たくさんの示唆をいただけたこと、とても有難かったです。
国際協力から地域の話につながり、そこから区政の課題が見えてくる、私自身にとってもとても勉強になりました。ぜひこうした取組、今後も続けていきたいと思います。
性的マイノリティへの偏見や差別について
先日の本会議における自民党の議員の性的マイノリティや結婚のあり方に対する発言に関して、皆さまからたくさんのご意見をいただいた中、改めて私自身の考えを述べたいと思います。
前提として、一般質問でも述べたとおり、私は日本国憲法が保障する個人の尊重と法の下の平等という理念に基づいて、すべての人がその性的な指向や性の自認にかかわらず基本的人権を享有する個人として、差別を受けることのない社会を実現しなければならないと思います。この問題は、アイデンティティの問題であり、同時に、個人の尊厳の問題だからです。
夫婦のあり方について、私は、夫婦になるということは決して子どもを産み育てることだけではなく、パートナーと尊重しあい、受入れ、ともに成長することだと信じています。
夫婦のあり方には個人が多様であるのと同様に多様性が認められるべきであり、同性であったとしても、法律で認められるべきです。性的マイノリティは人口の常に5%~7%は存在すると言われています。異性には婚姻による全ての権利と義務を持つ関係を認める一方、性的マイノリティに対しては同性であることを理由に否定するなら、それは差別だと思います。
そして、性的マイノリティの置かれている状況について、日本には差別や偏見が存在しない、という指摘でしたが、決してそうではありません。内閣府が策定した自殺総合対策大綱でも、性的マイノリティの方が周囲の無理解や偏見によって、自殺をしたいと思う比率はそうでない方に比べて高いとされています。学校でも性的マイノリティであることを理由にいじめにあう子供の数は多く、これを受けて文部科学省は、性的マイノリティの子供について、配慮を求める通知を全国の国公私立の小中高校などにも出しています。
こうした中、地方自治体が果たすべき役割は、地域の中で性的マイノリティに対する偏見や差別を解消していくことだと思います。
そして、そのためにまずは区の基本方針である男女共同参画計画の中で、性的マイノリティの権利保障を明記すること、そして、偏見や差別に苦しむ当事者のための相談窓口を設けること、学校などで性的マイノリティに対する理解を進めることなどを訴えてきました。法律を改正する前に自治体で出来ることとしてパートナーシップの認定などもありえると思っています。
だからこそ、これからも、性的マイノリティの人権保障を訴え続けるとともに、今後の対応についても、当事者の方の声、そして議会のあるべき姿を考えながら、検討したいと思います。
渋谷区条例「日本の価値観否定」練馬区議が議会で批判(東京新聞のタイトルより)
先日の一般質問で練馬区の自民党議員が、渋谷区の同性パートナーシップ条例や世田谷区のパートナーシップ証明書に対して批判的な質問を行いました。
私自身は、9月の一般質問で性的マイノリティの人権擁護について訴えていたので、その内容には驚きました。(⇒記事を読む)
先日の発言は本日の東京新聞の記事「渋谷区条例「日本の価値観否定」 練馬区議が議会で批判でも取り上げられ、反響をよんでいます。
数日後に練馬区議会の公式サイトでも公開されますが、まずは昨日の一般質問の内容について、本日、私が録音から書き起こした内容をご紹介します。
私の感想については、改めて記載させていただきます。
※ただし、こちらはあくまでも私が書き起こしたものですので、公式版ではなく、不明な点や聞き間違いなどがあることもご理解ください。区からの答弁も後半部に記載しています。
(■は不明な箇所です。)
「次に、この4月から渋谷区で施行された条例『渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例』に関してお伺いをいたします。
ここで取り上げるのは渋谷区に続いて、世田谷区においても条例とはいかないまでも、区長権限においてパートナーシップ宣誓書を受け取る仕組みをつくるというように、流行好きのマスコミが煽るなか他の自治体においても区民を混乱に陥らせかねない動向が見えるからであります。
渋谷区のこの条例は、性的少数者、LGBTの人権尊重をうたい、この(件)に関して、区・区民・事業者の責務を規定、それを推進会議を設置して施策をすすめると共に、禁止事項や相談窓口を設け、違法行為に対する勧告に従わない場合は関係者の氏名などを公表するという制裁規定まで設けたものであります。
この条例の制定に関しては、その制定の有り方において問題点が指摘され、またその中身において憲法24条と94条に抵触しかねないとする見解が法学者からも出されており、多くの問題を孕んだものと考えられます。まず、その制定過程は伝えられるところでは渋谷区が条例案を3月区議会へ提出すると発表したのは5月12日、ところがその前に、内容が報道機関にもらされ同日朝には報道されていたようです。委員会での事前説明などは一切なく、まさに議会軽視。渋谷区議会自民党の木村幹事長の表現を借りるならば、「議会に何の報告も無い、これでは行政への議会へのテロではないか」というものでした。
その裏では、区は昨年7月に弁護士や有識者など8名からなる検討会を設置、それも推進派のみで構成した会で、9回にわたり、9回にわたり検討を重ねていたのです。しかし、議会の委員会に対する検討会に関する詳しい説明は一切なかったそうです。さらに問題なのは、この間、条例案が区民にも非公開とされ、制裁規定まで設けていながら区民の意見を聞くパブリックコメントも行われないままでした。
普段は憲法違反や、民主主義のルール違反については敏感に反応する政党会派が、採決で反対しなかったのは不思議なくらいであります。いかに、性的少数者の人権や多様性を尊重する社会の実現という(未明)があるとは言え、行政の独断にブレーキをかける役割を放棄するならば、議員の責務を放棄したと言われても仕方のないことだと思われます。
そこでまず、お伺いいたします。渋谷区ですすめられたそのような条例制定のプロセスを、区長はどのようにお感じでしょうか、お示しください。
次にその、中身であります。
一般的な考え方として、民法における婚姻の規定を見ますと、東大の大村敦志教授の著書『家族法(有斐閣、2004年)』では「民法は、婚姻の当事者は性別を異にすることを前提にしている。同性では子どもが生まれないので、同性カップルの共同生活は婚姻とはいえないということだろう。民法典の起草者は書くまでもない当然のことと考えていたので、明文の規定は置かれていない。しかし、あえていえば、憲法24条の「両性の合意」という表現、あるいは民法731条の「男は・・・、女は・・・」という表現や民法750条以下の「夫婦」という文言に、このことは示されているといえる。」と明確に示しておられます。つまり、婚姻はつぎの世代を産み育てる人的な関係だからこそ、子どもの福祉を考えて特別に保護していると言えます。
しかし、今回の条例は端的に表現すると同性愛に基づくカップルを結婚に相当する関係と認め、パートナーシップ証明書を発行するというものです。もちろん、同性のカップルからは子どもは産まれません。その発想の根拠となったのが同渋谷区長である長谷部健氏が区議会議員時代に行った3年前の質問、区在住のLGBTの方にパートナーとしての証明書を発行してあげてはどうか、とあたかも渋谷区では性的少数者が虐げられているかのように質問したことに由来します。
その理由としたのが、結婚式場での挙式や、病院での面会などが断られるケースを解決したいというものでした。
この条例の制定を置き土産に引退した桑原前区長の回答は、その時点では、性同一性障害者特例法、これは性別適合手術後に法的な性別の変更を求める法律でありますが、性同一性障害者特例法が2003年に成立したと紹介し、「パートナーシップ証明書の発行がいったいどういう意味をもつのか、自治事務の範囲内として考えることができるのか、研究する必要がある。」というものでした。ここまでは理解できるところであります。
性同一性障害者、トランスジェンダーは自己の性自認の障がいに苦しむ人たちであり、■国連法(国内法)にもあるように法的にも認知されているわけです。
しかし、自己の性的指向を現すLGB、レズビアン、ゲイ、バイセクシャルとは明確に区別されるべきものであります。ところが、それが(■制定された?) 今回の条例はその区別をあえてせずに、意図的な混同がなされています。
そして、事実認識においても問題があります。
性的少数者の権利が不当に侵害されている事実は日本においてはほぼないということであります。
法務省人権擁護局によれば、全国で認知される人権侵害は毎年5万件以上あります。そのうち、性的少数者に関する事件はごくわずかであります。
昨年一年間では、性同一性障害に関する事案が7件、LGBに関する事案は0件であります。
また、電通総研の2012年の調査では日本の同性愛の数は5%程度、人口を一億二千万人として、約600万人が該当します。それだけの数がありながら、全国で一件の人権侵害も報告されていないということは実は日本は同性愛を罪とみるキリスト教文化圏とは異なり、同性愛者に寛容な国ということでもあります。
また、出来上がったこの条例は、当初の説明である結婚式場での挙式やアパートの入居、また病院の面会をしやすくするといった個別的な範囲を超え、渋谷区の区民や事業者などすべてを対象とすることが決まっています。言い換えれば、渋谷区の学校に通学するもの、事業所に勤める人なども、すべて対象にはいっているわけです。例えば、第7条.2では事業者の責務を定め、「事業者は、男女平等と多様性を尊重する社会を推進するため、採用、待遇、昇進、賃金等における就業条件の整備において、この条例の趣旨を遵守しなければならない。」としています。つまり、事業者はこれら同性カップルに対して会社からの家族手当や住宅手当などを支給しなければならないわけです。そして、証明書を取得したカップルは、家族向け 区営住宅に申し込むことも出来るのです。
さらに問題は、第4条、または第8条にあります。
第4条の(3)、性的少数者の人権の尊重においては「(3)学校教育、生涯学習その他の教育の場において、性的少数者に対する理解を深め、当事者に対する具体的な対応を行うなどの取組がされること。」とあります。これは第8条、禁止行為に「何人も、区が実施する男女平等と多様性を尊重する社会を推進する施策を不当に妨げる行為をしてはならない。」とする規定や、(■施策、持続)する上での「区、区民及び事業者は、性別による固定的な役割分担の意識を助長し、若しくはこれを是認させる行為又は性的少数者を差別する行為をしてはならない。」と共に、伝統的価値観でもある男らしさ、女らしさ、男女による結婚を尊重し、祝福する日本社会の価値観を否定するだけでなく、教育の場にまで介入したことで、家庭をも巻き込んで子どもたちの価値観をも混乱に落としかねない、非常に危ういものと断じざるを得ません。さらに言うならば、「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。」とする憲法19条の趣旨に反するものと言わざるを得ません。
渋谷区は、憲法が定める婚姻と全く別の制度、「パートナーシップ証明書に法的拘束力はなく、婚姻制度とは別の制度」と逃げをうっていますが、これに準ずる制度である以上、憲法との整合性をまずは図らねばならないはずであり、明らかに一自治体ごとに完結するテーマではなく、国民的な議論を喚起したうえで展開すべきテーマであります。
憲法24条では、「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し」とする規定しかなく、そうである以上、渋谷区のこの条例は憲法94条の規定にある法律の範囲内で制定しなければならないものであります。よって、この条例はいくつかの点で条例制定権を逸脱したもの、と考えざるを得ないものであります。区長はこうした他区の動向に関してどのような認識、考えをお持ちでしょうか。率直にお答えください。
<区の答弁>
<総務部長>
私から渋谷区の男女平等および多様性を尊重する社会を推進する条例に関連するご質問にお答えいたします。
はじめに条例制定の手続きについてであります。新たな条例の制定につきましては、区議会、区民への十分な協議と説明が不可欠です。練馬区では条例制定に際しましては、適宜区議会への報告、相談を行うとともに、パブリックコメント等を通じ広く区民の意見を反映させて進めております。今後も適切な手続きを踏みながら事務執行に努めてまいります。次に他区の動向に対する区の認識についてです。
渋谷区のパートナーシップ証明、世田谷区のパートナシップ宣誓、などの取り組みについては、これらの区において、性的少数者の方々への配慮の一つとしてなされたものと認識しております。しかしながら、現実的な施策の効果が不明であること、また、現行法との整合性など、検証すべき課題があることなどから、練馬区ではこのような取り組みをする考えはありません。
性的少数者の方々は、周囲の誤解や偏見、無理解により、さまざまな困難に遭遇することがあります。また、ご自身の性のあり方について、知識や認識がないまま、成長された場合、他者の誤解や偏見と相まって、自己肯定感や自尊感情が形成されにくいこともあるといわれております。区では、まず、誤解や偏見を取り除き、性のあり方には様々な形があることなどを広く区民に周知するための啓発が重要であると考えます。引き続き区民への周知、啓発、および当事者への相談窓口などの情報提供などに取り組んでまいります。
子育てイベント「パパ・ママで考える・変える父親の子育て」の開催
昨日は「市民の声ねりま」主催で子育てイベントを実施。
最近になって女性活躍省が創設されたり「女性が家庭でも職場でも輝く社会を!」というスローガンが立てられたりしているが、それは結局のところ、女性だけにさらなる負担を負わせる結果になりがち。むしろ、男性こそ職場だけでなく、地域や家庭でも輝くことが必要だ。例えば、日本では6歳以下の子どもを持つ家庭で家事育児にかける時間は女性が10時間近い一方で、男性はわずか1時間40分。この数字、先進国の中で、圧倒的に低い。こうした状況を変えていかない限り、社会はかわらない。こうした思いから、父親がもっと地域や家庭で輝くために、行政が果たすべき役割、改善すべき点を皆さんと話し合い、区政に皆さんの声を届けることを目的に実施した。
パパを対象にしたイベントというのはなかなか参加者が集まりにくいということもあり、今日もどれだけの方が集まるか最後まで不安だった。しかし、蓋を開けてみると、こどもたちを除いて合計で40名近い方が集まってくださる。しかも、その大半はいままでこうしたイベントに参加したことがないという方々。それだけでもすごくうれしい。
イベントの講師・ファシリテーターには、私とともに、年間1000人以上を対象に父親教室を実施している渡辺大地さん、そして、二人のお子さんを育てながらフォトグラファーとして活躍している井上さゆりさんを講師にお招きした。グループワークでは池尻せいじ議員もコメント。
井上さゆりさんには、スマホを使ってどうやったらいい写真が撮れるのかアングルや背景、距離の取り方など、非常にわかりやすく実践的にご講義いただく。
私からは日本における父親の子育てへの参加が、先進国の中で最も遅れているという状況を説明したうえで、練馬区における子育て支援政策の課題として、待機児童や病児保育、プレパパママ教室の内容等を挙げさせていただく。
そして、渡辺さん、子育ての行政の課題がどこにあるのか、全国の自治体との比較をしながら子育てのしやすい街とはどんな町か、ということをユーモアを交えながらわかりやすく解説していただく。
そして今回の目玉のグループワーク。保育活動(保活)をよりスムースにするにはどうしたらいいか、パパ・ママ教室の内容をどうしていったらいいか、そして、女性も男性も子育てと仕事を両立できるように企業と行政に求めることの3グループに分かれて議論を行った。
最初は皆さん、あまり意見が出なかったらどうしよう?と不安に思ったが、びっくりするくらいたくさんの意見が出る。そして出てくる意見も非常に具体的。例えば、保活では、地域での説明会の数が少なすぎる、自分の点数がわからない、窓口での対応が不親切、といったことから、最近では0-2歳用の保育園が多くできている一方で、3歳になったとき、再度保育園を探さなければいけない、といった切実なものも。また、パパ・ママ教室の改善についても、土曜日にしか実施しておらず参加できない、といった声や、産後の女性の体調の大変さなどにももっと言及すべき、といった非常に具体的なコメントをいただく。働き方の問題についても、在宅勤務等フレキシブルな働き方の促進、イクボスの育成、正規と非正規の待遇格差縮小や法定労働時間短縮の問題など、多岐にわたるご意見をいただいた。
今まで区政について関心のなかった方、こうしたイベントに参加したことがなかった方が参加してくれたこと、そして感想を拝見しても、初めて区政について関心を持っていただけたという方もいたこと、すごううれしい。そして、何よりもたくさんの(抱えきれないほどの!)行政に関する具体的な要望や宿題をいただけたこと、身が引き締まる思いだった。こうした声を今後、しっかりと議会や委員会へ届けるとともに、少しでもパパにもママにも子育てのしやすい練馬区を作るために貢献していきたい。
2016年の練馬区の中学校の選択制度の抽選状況について
先日の文教児童青少年委員会では、来年4月に向けた、区内の中学校選択制度の募集状況についても説明があった。
中学校選択制度、これは生徒が自分の好きな中学校を選択できる制度で練馬区では10年ほど前から導入。この制度、生徒が学校を選択することを通じて学校ごとの特色を出すことを目標の一つにしていた。
しかし、10年が経つ中で様々な問題も発生している。その代表的なものが人気校と不人気校の格差で、人気校では、域外から数百人が入学を希望する一方、不人気校では、域内の生徒が外部の学校を希望するため、生徒数が減少している。例えば今年は、最も人気がある学校では学区外から94人が入学した一方、人気のない学校では、大半が外の学校を希望し、その結果、学区内の生徒180人のうち、わずか30%しか学区内の学校には入学しなかった。各校の予算は生徒数によって配分されるため、生徒数の偏りにより、学校間で多くの格差が発生するという問題もある。
こういった状況を改善するために、練馬区では今年度から学校選択制度にかかわる新しい仕組みを導入した。これまでは、各学校の受入人数枠の二倍まで生徒の受入を行ってきたが、今後は、枠の2割を上限として、それ以上の場合は抽選とした。例えば、これまで受入人数枠が40名の場合は80名までを受け入れてきたが、これからは48名までとなり、それを超える分については抽選となる。
委員会では、10月末時点での選択希望状況の報告があったが、昨年は抽選が行われた学校が2校だったのに対して、今年はなんと12校、練馬区には34の中学校があるので35%もの学校で抽選が行われることになる。
確かに、学校間の格差を埋めることは重要である。
しかし、その一方で、短期的には希望する学校に通えない生徒が増えることになる。
そこで、委員会では、希望する学校へ行けなくなる児童へのケアについて質問、要望を行った。また、いじめなどにより、指定校以外の学校に通いたい児童への対応を充実させるためにも、すでに存在する「指定校以外を希望する際の申請制度(8条申請)」を周知することの重要性も同時に訴えた。
これに対して、練馬区では、今後、教師やスクールカウンセラーを通じて、児童の心のケアをより一層充実させるということ、また、「指定校変更の申請(8条申請)」については、より周知を進めるために、今年度から学校案内に記載したほか、今後も学校説明会などの場での積極的な周知を行うとのことだった。
制度を変えることによって、一番影響を受けるのは児童やその家族である。だからこそ、当事者の方々が翻弄され、苦しんでしまうことのないよう、今後もしっかりと委員会や議会の場で発言をするとともに、みなさんと情報を共有していきたい。
いわせてカフェ国際協力カフェ開催のお知らせ!
<いわせてカフェ~国際協力cafe~のお知らせ!>
日時:12月6日(日)13:30~
場所:大泉教会(大泉学園町2丁目23-54) ※参加費200円
12月のカフェ、今回のテーマは、国際協力。
これまで、JICA(国際協力機構)や環境省等の専門家として全世界で国際協力活動を行ってきました。
『国際協力って何?』
『地域で暮らす私たちにも出来ることってある?』
私のこれまでの世界での活動をふりかえりながら、区政と世界の繋がりなど、皆さまとざっくばらんにお話できればと思います!
ぜひ、初めての方も、お気軽にご参加ください!
お問い合わせ等はこちらまでお願いいたします。
IwaseteNerima@gmail.com
練馬区のいじめの状況文教児童青少年委員会
昨日の文教児童青少年委員会、2014年度の練馬区立小中学校でのいじめの状況の調査結果について報告があった。
この調査、毎年実施され、6月に公開されている。しかし、今年7月に岩手県の学校でいじめによる自殺が起こったことから、再度調査結果を精査することになった。今回の再調査、実際に子どもへの聞き取りを行うのではなく、前回の調査結果を再度見直し、いじめとは認識されていなかった行為についても広くいじめと認識することにしたとのこと。
報告では、小学校でのいじめの認知件数は197件、7月の調査に比べて12件増加し、中学校では185件だったのが194件へと増加した。つまり、7月時の発表に比べて把握件数は小中学校で5%増えたことになる。
いじめの範囲を広げたことで認知件数が増えたこと自体は前進である。しかし、この調査ですべてのいじめが把握できているかについては疑問を感じる。
例えば、中学校でのいじめの発見のきっかけを見ると、教職員等による発見が最も多く、全体の84%を占めている。一方で本人からの訴えはわずか8%である。
つまり、いじめを受けていた児童の90%以上は自分からではなく、教職員や周囲が気づいて初めて認識されている。逆に言えば、周囲が気づいていないだけで、現在も多くの児童がいじめで苦しんでいる可能性も非常に高い。
いじめとは、周囲ではなく、被害者の児童がどう感じるかが重要な判断基準である。
周囲にとってはただの冗談だったり、何気ない一言であったとしても、当人にとっていじめと感じることがあれば、それだけでいじめになる。
だからこそ、委員会では、いじめの早期の把握のためにも、周囲が気づくことだけでなく、教師が日常的に児童からの相談にのるなど、学校等で、本人が相談しやすい環境を作ることを要望した。この要望に対して、区として今後検討を行うとのこと。
いじめで苦しむ児童がいなくなるよう、行政でしっかりと対応する必要がある。今後も議会での活動を通じて、いじめ問題に対してしっかりと声をあげていきたい。
東京大行進2015 Tokyo Democracy Marchへの参加
本日は新宿で行われた「東京大行進2015 Tokyo Democracy March」に参加。
このパレード、LGBTの方や外国人の方、障がいをお持ちの方などを含むすべての差別のない社会の実現と、日本のデモクラシー、民主主義を守ることを訴えていて、今回で三回目とのこと。
ヘイトスピーチに代表される価値感や考え方、文化的背景が異なる方への排斥が社会に広がる中で、「決して差別は許さない」というメッセージを多様性の象徴的ともいえる新宿の街で訴えるということに共感し、今回初めて参加した。
会場に到着すると、開始前からたくさんの方が差別反対を訴えるおもいおもいのプラカードを手に。印象として、若い方や子供連れの方がとても多い。プラカードも英語や韓国語、中国語やスペイン語などバラエティに富んでいることに驚く。そして、パレードが開始すると沿道の方々、特に外国人の方々からたくさんの声援があがり、どんどんパレードに参加する方の数が増えていく。
パレードは4つのグループに分かれ、それぞれが主張を行う。すべてに参加させていただいたが、特に印象的だったのはSEALDsが先導したグループ。ラップのリズムに載せながら、国会前でも聞いていた「民主主義ってなんだ!」のコール。また、驚いたのが ¡No pasarán!というスペイン語もコールされたこと。直訳すると「決して通さない!」という意味だが、もともとフランコ独裁政権の時にファシズムを許さないという意味でつかわれていたコールがこのように現代日本で「決してレイシズムを許さない」という意味でも輸入されていた。SEALDsの皆さんはあえて悲壮感を出さずに楽し気にやるのでいい。ユルい感じの、それでいて真摯なコールが新宿に響き渡る。デモはかっこ悪い、古臭い、なにかに真剣になるなんてダサいと思っている若者たちも、楽しそうだから参加しようかな?と思ってくれるかもしれたら最高だ。
今回のパレード、感動したのが、SEALDsの先導車両に掲げられていた”Refugee Welcome“(難民歓迎)のメッセージ。私もUNHCRでインターンしたこともあるため、難民受け入れへの思いいれは大きい。
シリアで内戦が続く中、欧州各国が難民の受け入れを積極的に行うための話し合いをしていた矢先、先日のパリのテロが起こった。犯人のうち2人難民申請をしていたことが判明したとたん、今度は積極姿勢を撤回する国まで出てきて、難民受け入れに対する反対運動が勢いを持ちはじめることを、私は非常に恐れている。しかし、第一に、圧倒的多数の難民は、まさにISを含む勢力による攻撃やテロを恐れて命からがら逃れてくるのだ。受け入れの制限をして犠牲になるのは本物の難民たちである。また、9.11含めテロの多くがそうだが、犯人の大部分はベルギー等で生まれ又は育った人々である。彼らがテロリストとなった背景には、イスラム教徒への差別を含む社会統合・多文化共生の問題がある。犯罪者を生まないためには、彼らが生まれ育った国で排除されていると感じずに自身のアイデンティティを持ち続けられる環境づくりも必要なことの一つだ。
日本は昨年も5,000人もの難民申請があったにも関わらず、認定されたのはたったの11人(そのほか30人の人道配慮による滞在許可あり)。シリア人に限っていえば、日本でも国内に500人近くのシリア人が暮らし、そのうち約60人が難民申請をすでにしている。結果がすでに出たのが38人で、その中で日本政府が難民として認定したのは3人。つまり認定率は4%に過ぎない。残りは人道配慮による在留特別許可がなされた。こうした状況の中で、多様性の象徴でもある新宿でRefugee Welcomeを訴えるとともに、すべての差別をなくすために一緒に声を挙げられたこと、すごくうれしい。
練馬区でも、一般質問でも取り上げたように、LGBTや外国人に代表されるマイノリティに対する差別、偏見が多く存在している。その中で、今日集まったたくさんの仲間と意識を共有できたことは私自身にとっても、とてもいい経験をさせていただいた。
Participamos una manifestacion en Tokio para reclamar contra descriminacion a los todos los menores como extranjeros y LGBTs.