<練馬区人権セミナー 小林りょう子さん【LGBTの家族と友人をつなぐ会】のお話…子どもではなく家族が変わることが大事、そして練馬区も変わらなくては!>
練馬区人権セミナー「LGBTのわが子と関わる中で~LGBT支援者としてできること」に参加しました。講師の小林さんはご自身のお子さんもFtM(female to male)のトランスジェンダーで、22歳でカミングアウト、29歳で戸籍を変更し結婚したとのこと。
NPO法人のLGBTの家族と友人をつなぐ会で活動する中で、相談を受けた多くのケースでは、カミングアウトをされた家族も戸惑い、孤立しているとのことでした。その中で「家庭環境が悪かったからではないか」、「育て方を間違えたのではないか」といって、自らを責めてしまうケースや、「病院で治療してもらえ」「もう学費を払わない!」などと、当事者を責めてしまうケースが多かったとのことです。また、カミングアウトを受けて、家族が現実逃避のためにアルコールやギャンブルに依存してしまうケースも見てきたとのこと。大切なことは「子どもに変わることを求めるのではなく、自分(親)が変わらなければ、と気づけること」という言葉がとても印象的でした。
話を聞いていて、もし私の息子がカミングアウトしたらどんな対応をとれるだろう、すごくリアルに考えさせられました。そして、当事者だけでなく、家族が孤立してしまうことのないよう、地域でのネットワークを作ることや相談体制を整えていくことの必要性を改めて感じました。
また、当事者の苦しみも改めて実感しました。小林さんのお子さんはセーラー服を着るのが嫌で私立の中学校に進学したとのこと。ランドセルの赤色がつらくて仕方がなかった、みんな一緒の入浴が嫌で修学旅行に行けなかったという他のお子さんの話も伺いました。練馬区ではいまだに区内の小中学校には一人も性的マイノリティの当事者を把握していないと言っています。中学校の制服についても、他の区のようにズボン、スカートを自由に選択できるようにすべき、と訴えても取り組もうとしません。今日の話を区のすべての職員に聞いてもらいたい、と思うとともに、練馬区も変わらなくては!と改めて思いました。
<れいわ新選組の躍進と練馬区で変わらなきゃいけないこと 「当事者抜きに当事者のことを決めるな!」”Nothing about us without us!”>
今回の参議院選挙、山本太郎さん党首の「れいわ新選組」が二議席を獲得したことがニュースで大きく取り上げられました。選挙の時に山本太郎さんに推薦いただいたこともあり応援させていただきました。
れいわ新選組から当選したのは、難病「ALS(筋萎縮性側索硬化症)」患者の船後靖彦氏と、脳性まひで重度障害者の木村英子氏。山本さん自身の票を二人に向けることで当選が叶いました。
山本太郎さんが訴え続けたのは「当事者抜きに当事者のことを決めるな!」ということ。そして、「障害者を利用するつもりか」という批判に対しては「上等です。障害者を利用して障害者施策を変えようじゃないか」と答えています。
二人の当選で間違いなく国は変わります。そして、練馬区も変わるべき時が来ています。「Nothing about us, without us!」(私たちのことを私たち抜きで決めるな!)、これは1960年代のアメリカ、自立生活支援運動で出てきた言葉であり、日本も批准している障害者権利条約の基本的な考え方です。世界から遅れること数十年、ようやく日本の国会でも重度障害の当事者の方が政策に参画できるようになったこと、大きな一歩です。
そして、地域でも同じことが必要です。練馬区はこれまでも「パブリックコメント」や「意向調査」などを通じて様々な当事者の意見を反映させている、と言っています。しかし、それだけではなく、もっと直接的に政策を決める場に参画できる仕組みを作ること、それは議員になることだけでなく、重度障害の方だけでなく、貧困に苦しむ方、LGBTQの方、不登校の方、外国籍の方、様々な当事者の声が私たちの暮らしを変える政策にもっと反映できる仕組みが作られることが必要です。
例えば、私たちはこれまでも川崎市のように外国人が直接区政に参画し、政策を提言できる場を設けるべき、と訴え続けてきましたが、区は対応してきませんでした。時代は変わるのに練馬区はいつまでたっても変わらない、当事者の声をもっと区政に届けられるような仕組みを作ること、それはすべての私たちが住みやすい社会をつくるために必要なことです。これからも訴えていきたいと思います。
<部落差別のイベントを開催して。決して過去の問題ではありません>
「部落差別なんて、もう昔のことでしょ。そのうちみんな忘れるんだし、あえて話すべきではないよ」こうした意見を聞くこともありますが、本当にそうなのでしょうか??
今回の「いわせてカフェ」では、「部落差別」をテーマに当事者でburaku heritageのメンバーの上 川多美さんをお招きして話を伺いました。私と同世代で幼稚園と小学校のお子さん二人を育てています。3連休の初日にも関わらず50人近くがお越しになりました。
上川さんの親戚が、結婚の時に部落出身であることを理由に家族との縁を切れと言われ、消息不明になったこと。学校のすぐ近くにある会社の工場でも就職差別が問題になったということ 。十代の頃に周りにこうしたことを話そうとしても、「もう昔のことじゃないの?」と、理解されずに自分の存在が否定された気がしたとのことでした。
上川さんのお話を聞いて、部落差別について「寝た子を起こすべきではない」と話題にすることを避けるべきという意見もありますが、一見正しいようで、これは差別を受けて苦しんでいる人に「黙れ」「我慢しろ」と言っているのと同じことなのだということを実感しました。しかも、今はインターネットなどで部落に関する個人情報などが次々と暴露されており、名字や出身地による新たな差別も生み出されています。
練馬区が今年行った調査でも、「もし自分のお子さんが同和地区出身の方と結婚したいと言ったらどうしますか?」という問いに「賛成する」と答えた方は30%しかいなかったという衝撃的な結果が出ています。多くの方が部落差別なんて存在しないと考える一方で、自分の子どもが部落出身者と結婚しようとすると反対する。問題の根深さを象徴しています。
上川さんも家族の情報や自宅の住所までネット上で公開され、嫌がらせを受けたりもしているとのことです。しかし、それでも自分が声を挙げることを通じて差別がなくなるために、SNSでの発信も含めて活動されています。「差別を許すな!」と叫ぶよりも、部落の素晴らしい文化も紹介したり、笑顔で明るく、ジョークも交えて言ったほうが、特に若い世代には効果的とのこと。自身のお子さんも含め、積極的に食卓等で部落について話すことで、差別を内面化することを防ぎ、多様性が尊重される社会にもつながるという点、会場の皆さんも大きくうなづいていました。
上川さんが活動をするなかで、トランスジェンダーや同性愛者の人等の、いわゆる「差別を受けがち」な、多様な背景の人たちとも仲良くなり、その人たちの輪の中で子育てをすることで、自分自身も子どもの人生も豊かになったという言葉も、印象的でした。
参加した高校生が「今日、参加するまで部落問題というのは外国の話だと思っていました。学校でも全然教えてもらってなかったし。だから、話を聞けて本当に良かった」と発言してくれたのが大きな救いでした。
知らない事は差別に加担しているのと同じこと、という参加者からの感想も印象的でした。
2016年には部落差別解消法が制定され、川崎市では今年度、部落差別を含むすべての差別を禁止する人種差別撤廃条例が制定されることになっています。練馬区においても、学校での啓発ももちろんですが、区として真剣に取り組む姿勢を示すためにも、すべての差別を許さないという指針や条例を作るべきであり、それを区議会でも訴えていきたいと思います。
<一般質問の内容④ どうやって子どもが生まれるのかも教えない、そんなの性教育といえるの?子どもたち自身を守るために性教育の充実を!>
年にたった一度の一般質問、どんなテーマでも扱うことができる貴重な機会。私が訴え続けてきたのは「マイノリティが住みやすい社会は誰にとっても住みやすい社会」。
今回の一般質問では性的マイノリティ、学校の制服、外国籍住民(ヘイトスピーチ)、子どもの性教育、などをテーマに取り上げました。今回は性教育についてご紹介します。
●はじめに
みなさんは中学校の性教育で何が教えられているか知っていますか?
実はいまだに「妊娠の経緯については扱わない(どうやって子どもができるかは教えない)」と国の規則(学習指導要領)で決められています。信じられますか?
性について、子どもがどうやってできるかを教えるのは早すぎる、寝た子をおこすな、と言う方もいます。
しかし子どもは、何も言わなくても、情報を探すものです。そして、出てくる情報は、どんなものでしょうか。避妊具をつけずに性行為するのが当たり前のような動画等の数々。そのうえ、日本では特に、女性に対する暴力的な行為がネットに蔓延しています。こうした情報ばかりを得て大人になると、性行為には相手の同意が必要であるということをきちんと認識できないばかりか、相手を対等な関係として見られないという結果につながってしまうのではないでしょうか。
私たちがすべきことは、子どもに対し、性に関することはかけがえのない命の誕生につながったり、愛する相手と自分を大切にし、思いやったりという、自然な行為であることを説明し、セクシャリティの多様性とともに、なるべく早く、正しい知識を教えることではないでしょうか。そんな観点から昨年に続いて性教育の充実を訴えました。
●今回の主な訴え
性教育の指導を適切に行うために教員向けの研修を充実すべき!保護者の理解を得るために区として性教育の重要性を宣伝すべき!区の男女共同参画計画の中にも性教育の重要性を位置づけるべき!
<ここから>
去年の一般質問で学校での性教育を充実すべきと訴えたところ、練馬区は、「既に適切に行われていて、教員研修等を実施する考えはありません。」と答えました。
しかし、「適切に実施している」という区の考えは、現実とはかけ離れたものでした。東京都教育委員会は2018年9月に都内の中学校を対象に性教育の実施状況を調査しました。練馬区の結果を見ると「生徒は正しい性に関する知識を身に付けていますか」という質問に対して「あまりそう思わない、思わない」と答えた学校が区内34校のうちの20校に達しています。また、「教員は自信を持って性教育を指導していると思いますか」という質問に対して「あまりそう思わない、思わない」と答えた学校は23校にのぼっています。
東京都は3月、15年ぶりに教員用の「性教育の手引」を改訂しました。手引きでは、学習指導要領の範囲を超えて「妊娠の経緯(どうやって子どもが生まれるか)」を教えてもいいと初めて明記しました。
<質問>
改訂に従って、学校での性教育を充実すべきです。また、保護者の理解を得るために区として様々な機会を通じて性教育の重要性および今回の改訂の内容を周知すべきです。
<区の回答>
改訂された「性教育の手引き」では、学習指導要領に含んでいない内容を教えてもいいとは言っていますが、学習指導要領にないことを積極的に教えろと言っているものではありません。練馬区として推奨する考えは現時点ではありません。教員研修については、都から性教育モデル授業実施校の指定を受けた中学校で外部講師を活用した授業公開を予定していて、広く参加を呼びかけます。
<質問>
性教育の重要性については男女共同参画計画のなかでも積極的に位置づけるべきです。
<回答>
計画の中でリプロダクティブヘルス&ライツの一環として検討していきます。
<岩瀬の感想>
東京都が15年ぶりに性教育の手引きを改訂し、ようやく練馬区の性教育も一歩前進するかと思っていたのですが、区の回答は都は教えろとは言っていない、ということで拒否。もちろん保護者の理解を得ることも重要ですが、社会が大きく変わっている中で、30年前、40年前と同じような教育では、子どもたちが一番犠牲になってしまいます。とはいえ、昨年に比べて教員の研修など、少しずつ進展が見られてもいます。あきらめずに引き続き訴えていきたいと思います。
<大泉学園、一つの時代の終わり 50年目の閉鎖>
大泉学園駅近くの自転車置き場、「千代田駐車場」をご存知ですか?
北口のゆめりあの裏、ダイソーなどが入っているOak plazaを少し入ったところにあります。営業を始めたのはなんと今から50年前、建物にも歴史を感じます。今時めずらしい有人の駐輪場、一日預けて250円という良心的な価格。そしてなによりも管理しているおじさん達との会話がとても楽しい。「今日は早いね!」「雨降りそうだから気を付けてね」「坊やも大きくなったね!」。毎日のように利用していました。しかし従業員の高齢化のために8月10日に閉鎖するとのこと。いつも元気なおじさんが申し訳なさそうに「2週間も経てば新しい自動の駐輪場ができるから大丈夫だよ」と教えてくれました。でも、必要だったのはただお金を入れるだけの駐輪場じゃない、そこにいる皆さんとの日常の会話でした。「今日のお夕飯何にするの?」「餃子です!」「うまそうだね!」地域の方とのそんな他愛の無い会話が実は一番大事だったんだな、と思う私。「時代だから仕方ないよね」という話を聞きながら、大泉の一つの時代が終わるんだな、寂しくなりました。8月10日まで、ぜひ皆さんもご利用くださいね。
<それ、子どもにあげて大丈夫? 食品添加物を科学する…学校給食も検討すべき!>
日曜日、ごたごた荘が主催した練馬区の「子どもの食を考える講座Ⅱ」に参加。NPO法人コミュニティスクール・まちデザインの近藤恵津子さんからお話を聞きました。今回のテーマは食品添加物。
中南米で生活してた頃は必ず、毎日コーラを愛飲してた私。学生時代は、ハンバーガーが一個70円(?)くらいだったこともあり、一日3個とか食べてたことも。その後、妻に教育されて最近は生活クラブの食材にこだわりめっきりジャンクな食事も減ってます。でも、そもそも何がいけないんだ?ということで参加しました。
食品添加物として現在認められているのは800以上あるということ、その中には外国では既に禁止されているものだったり、発がん性など問題が指摘されているものもあるとのこと。驚いたのはコーラなどで使われているタール系色素は石油由来のナフサが原料とのこと。実は以前化学会社で働いていたころ、私の仕事は中東から石油製品の原料としてナフサを輸入することでした。数十年ぶりにナフサの名前を聞いたと思ったら、実は毎日のように口にしてたのね、と嬉しいような悲しいような…
講座では売ってるジュースを実際に作るということで、炭酸水に酸味料、着色量、香料を加える実験をやりました。最初はただの甘い炭酸水だったのが、クエン酸やカラメル色素、香料を加えることであっという間にコーラの味に。そして、同じものに着色量(色)と香料(香り)を変えるだけでファンタやレモンソーダのような味に。これほど多くの糖分を使うという事、そして果汁を一切使わなくても同じような味ができることに驚きました。
また、カロリーハーフのマヨネーズの裏側やトクホや機能性表示食品の問題などとても勉強になりました。
近年、食の安全についての意識が高まっていますが、添加物に対しては依然として多くの問題があります。また、家庭で食について守ることはできても、例えば子どもの学校での食事をどう考えるか、などの課題もあります。先日も取り上げましたが、海外ではオーガニックの食品だけを給食に使うという取組が進んでいて、日本で一部自治体では導入を始めています。子どもの食を守るためにも、給食の無償化だけでなく、質、特に原材料や添加物等についても区として検討を進めるよう、訴えていきたいと思います。
<参議院選挙が始まりました、ぜひ選挙へ行きましょう!>
いよいよ参議院選挙がはじまりました。消費税や年金、沖縄、憲法改正など多くのことが争点になっています。とにかく野党に勝ってほしい、そんな思いの中で今回の参議院選挙では、私たちの所属する「市民の声ねりま」は、比例区では山本太郎さんと川田龍平さん、東京選挙区では私たちのこれまでの考え方に近い方に対して自主投票することになりました。私は山本太郎さんを応援します。彼のこれまでの国会での訴え、そして今回の選挙でも特定枠で重度の障害を持った方を二名、山本さんの前に国会へ送り出そうとしている姿勢を見ても、何としても彼には国会で引き続き活躍してほしいと思っています。そして何よりも心配なのは投票率が下がり続けていること、直近の統一地方選挙でも練馬区の投票率は過去最低でした。投票に行かない限り、絶対に社会はかわりません。ぜひ皆さんも投票へ行きましょう!
<一般質問の報告④ 練馬区は多様性を尊重するというけれど、それは本気なのか? 区でもヘイトスピーチを規制する条例や方針を!>
練馬区に住む外国籍住民の数、4月に初めて20,000人を超えました。わずか5年で5割以上も増加したことになります。そんな中、練馬区でも外国籍住民に対する差別、排斥などヘイトスピーチも増加しています。政治活動を理由にしながら、在日の方への憎悪的な偏見を煽る候補者がいたり、朝鮮高校無償化を求める最中に生徒に向かって聞くに堪えないヤジを飛ばす者がいたり。
私が訴え続けてきたのは「マイノリティが住みやすい社会は誰にとっても住みやすい社会」。
今回の一般質問では練馬区でのヘイトスピーチ規制について改めて取り上げました。
●今回の主な訴え
1.東京都でもヘイトを防止する条例ができたのだから、少なくとも都の基準にあわせて公の施設の利用制限などをすべき!
2.練馬区でもヘイトスピーチに対する方針や基準、条令等を策定すべき!
<ここから>
これまでに何度もヘイトスピーチを防止するために公共施設の利用禁止も含めた積極的な防止対策をとるべき、と訴えてきました。練馬区は「法律に罰則規定が設けられていないため、直接的な禁止対策(防止)は現時点では考えていません。」と答えてきました。
東京都は昨年、「東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例」を策定しました。この条例は、本邦外出身者に対する差別の解消のために「防止」策も盛り込んでいます。中身では「公の施設の利用制限について基準を定める」ことと「差別的な表現の内容の拡散を防止するために必要な措置を講ずる」ことを示しています。
<質問①>
練馬区はこれまでの回答でも、ヘイトスピーチに対して「直接的な禁止対策は現時点では考えていない」ものの「都の条例を注視し、対応していく」とのことでした。都で条例ができたのですから、少なくとも、都の基準に合わせて区の施設の利用制限や差別的表現の拡散を防止するための措置を講ずるべきです。
<区の回答>
区の施設は利用の条例、規則などに基づいて利用の可否を判断しています。支障が生じた時にはその場での注意喚起を行うとともに場合によっては次回の利用をご遠慮いただくなどの対応を行っています。
<質問②>
国や都の取組も大きく進む中で、地域でも、ヘイトスピーチに対する方針や基準、条令等を策定すべきです。
<区の回答>
東京都や他自治体の対応について注視し、研究を進めますが現時点で施設の利用制限の基準やヘイトスピーチに対する条例、基準、方針を作ることは考えていません。
<岩瀬の考え>
練馬区でも研究は続けるけど、ヘイトスピーチを規制する条例などを作る予定はない、対応もこれまで通りです、とのことでした。そんな回答で本当にいいのでしょうか?川崎ではヘイトスピーチに対する罰則規定も盛り込んだ条例を作成するとしています。東京都ですらヘイト団体への公共施設の貸し出しを禁止する条例を作ったのに、なぜ23区で二番目に人口が多く、外国籍住民も数多く暮らす練馬区では対応をしないのでしょうか。「多様性や一人ひとりのあり方を尊重する」というのであれば態度で示すべきです。今後も繰り返し訴えます。
<壁にぶつかったとき、みなさんはどうしますか?>
選挙後初めての議会が終わりました。
今回もいくつもの壁にぶち当たりました…。
同性パートナー制度もダメ、ヘイトスピーチを規制するための条例もダメ、中学校の標準服で女子生徒もスラックスを自由に選べるようにすべき、という訴えもダメ。社会は大きく変わって、他の自治体では当たり前のように認められているのに、練馬区だけ鎖国してるんじゃないか、そんな無力感を感じることもあります。
皆さんは、大きな壁があると感じた時やストレスを感じた時、どうしますか?
私がやること、一つはジムで筋トレ。10年以上続けています。ロッキーのテーマ曲とか聴きながらひたすらベンチプレスや懸垂。すると、いつの間にか「あきらめないぞ!」とポジティブな気持ちに。ストレスが溜まるほど重いバーベルを挙げられるという嬉しくない(?)特技を持つようになりました☺。そしてもう一つが本。今読んでいるのは「正義とは何か」(神島裕子)、「幸福とは何か」(長谷川宏)。タイトルを見るだけで、私が今何を必要としているかわかるとても単純なもの☺。。。。皆さんも何をするか教えてくださいね!
<一般質問の内容② なぜ学校の制服は性別によって決められるのか?中学校でも性別に関係なく、スカートとスラックスを選べるようにすべき!>
女性が職場でハイヒールを強制されることはおかしい!SNSではじまった“#Ku too”の動きが社会で広がっています。ジェンダー平等の観点から、最近では同じように中学校でも女子生徒がスカートだけでなく、スラックスを選べる動きが広がっています。
今回の一般質問では学校の制服についても取り上げました。
●今回の主な質問
1.そもそも公立の中学校で制服は着なくちゃいけないの?
2.もし生徒自身が制服を選んで着るとしても、「女子生徒」はスカートしか履けないというのは差別じゃないの?
<ここから>
1.制服(標準服)は義務なのか?
福岡県弁護士会が2017年に「LGBTと制服に関する報告書」を作成しましたが、その中でも制服を着ることが辛くて学校に行けなくなる子どもたちのケースが紹介されています。私自身も当事者の方とお話する中で、中学校でセーラー服を着せられるのが自分を否定されているようで、とても辛かったということを伺っています。
そもそも標準服は、着用の強制力を持たないはずのものです。しかし、ほとんどの生徒にとっては着用が「義務」となっています。
<質問①>
生徒が標準服の着用を拒否した場合、学校は生徒の意思を尊重して標準服を着用しないことを認めるのでしょうか?
<区の回答>
標準服着用を受け入れられない生徒については、学校が生徒本人や保護者の意向等を確認して柔軟に対応することになります。
<岩瀬の意見>
多くの生徒や保護者の方は、制服(標準服)を着なくてもいい、ということを知りません。今回の「生徒本人や保護者の意向を確認して柔軟に対応する」という回答は意義あるものですし、区や学校の考えを広く知らせることが必要です。
2.制服(標準服)でスカート、スラックスを選択できるようにすべき
子どもたちが標準服を自分の意思で着用する場合でも、その種類が体の性別によってのみ規定されていることは、固定的な性による役割分担の意識を黙認、助長することにもつながるものです。
近年、中学校の標準服で性別に関わらずスカート、スラックスを選択できる動きが広まっています。四月からは中野区と世田谷区が全ての中学校で生徒の意思によって、理由を問わず、また申請する必要もなくスラックス、スカートの着用を選択できるようになっています。文京、荒川、目黒区でも一部の学校で同じ対応をとっています。
練馬区について確認したところ、スラックスの着用については家庭や本人からの申し出があれば、状況に応じて個別に対応するとのことでした。しかしこれまでにスラックスの着用を求める申請は一件もなかったとのことでした。子供たちにとって、スラックスの着用を望んだとしても、申請を行い、理由を説明することが大きな壁になっているからではないでしょうか。
<質問②>
これまでスラックスの着用を求める申請がなかったということについて、区はその理由をどのように考えますか。見解をお答えください。練馬区でも性別や理由を問わず、また申請も必要なくスカートとスラックスの着用が選択できるよう、学校へ働きかけを行うべきです。また、区民に対しても積極的に周知を図るべきです。区の所見を伺います。
<区の回答>
申請がなかった理由は、自らが当事者であることを明らかにすることを望まない場合以外に、発達段階において心と体の性の不一致を自認できていない場合もあると考えます。標準服を選択できることで、すべてが解決されるとは考えていません。丁寧に人格形成を促さねばならない学校現場では、一層慎重な対応が必要です。学校へのはたらきかけや区民への周知は各校の実情を踏まえて対応します。
<岩瀬の意見>
標準服を選べることですべての問題が解決されるとは思いません。しかし、選べることによって救われる生徒がいることも事実です。またジェンダー平等の観点からも、女子生徒が実質的にはスカートしか選べない、という現在の状況には問題があります。
区も学校や生徒の実情を踏まえて配慮するとのことでした。時代は大きく変わっている中、固定的なジェンダーの押し付けによって子どもたちが悩むことのないよう、これからも継続して議会で訴えていきます。