【恩納村 の SDGs への取組 「近すぎて、大切なものに気づけない」行政視察報告③】
視察の二日目、恩納村のSDGs(Sustainable Development Goals)の取組を学びました。SDGsとは、国連が提唱する持続可能な開発目標のことで、「誰も置き去りにしない」ことを基本理念にしています。各自治体でも取組が求められているなかで、恩納村はサンゴの保全を中心とした計画を策定し、国から昨年度、SDGsのモデル事業にも選ばれました。
村は「サンゴの村宣言」を行ったうえで、持続可能な観光を中心に据えながら、女性の社会進出、賃金の向上、ダイバーシティやバリアフリーの推進などにつなげることを目標にしています。また、観光目的税を導入して、宿泊の際に一定の税を徴収し、環境の保護にもつなげる取組も行おうとしています。
事業を展開する上で一番の課題の一つは、サンゴがあまりに身近にあり、その大切さに気付いていない住民の意識を変えていかなければいけないこと、とのことでした。そして具体的には課題を可視化する取り組みなども行うとのことでした。
練馬区においても、子どもの貧困、障がいを持った方への支援、緑の保全など問題は山積していますが、地域で暮らす中であまりに日常のため、一つ一つの問題になかなか気づきづらい、といった状況があると思います。今回の恩納村のSDGsへの取組はこうした課題を可視化し、解決を図るという意味でも参考になるものでした。練馬区においても「誰も置き去りにしない」持続可能な開発とは何かを議会や住民が一緒になって考え、練馬区としてのSDGsを打ち出すべきだと思います。
【沖縄 恩納村 の光と影 行政視察報告②】
練馬区議会の視察の二日目、恩納村を訪問しました。恩納村はサンゴを中心とした観光の村、住民はわずか1万人ですが観光客は年間280万人に達します。村は持続可能な観光に取り組むべく住民や企業と協力してサンゴなど環境の保全に全力で取り組んでいます。
しかし、村の3割は米軍の基地。射撃場として使われていて、日常的に砲弾の音が聞こえてくるとのこと。砲弾による山火事も発生しています。しかし、基地内は治外法権で日本の消防隊は入れず、しかも米軍の消火はなぜか17時に終わってしまうので、一晩中山が燃え続けることもあったとのことでした。
どんなに村が自然を守るための努力を続けても、こんな形で基地がある限りは不可能です。観光客の方々は海沿いの綺麗な姿を見て感動して帰りますが、その裏側にはこれほど大きな問題があること。私たち一人ひとりが受け止めるべき問題です。
【行政視察報告①】那覇市では学校の統廃合は当面は行わず。住民の意見を踏まえた今後の公共施設のありかた。
練馬区議会では各委員会で年に一度、先進事例を学ぶべく、行政視察を行います。私が所属する企画総務委員会では沖縄県を訪問します。
視察の初日は、那覇市の「ファシリティマネジメントの推進」について学びました。ファシリティマネジメントとは公共施設の管理のことで、国は全国の自治体に対して老朽化した施設の建て替えや廃止、配置転換などを長期的な計画で示すよう求めています。
練馬区では2017年に「公共施設等総合管理計画」を策定しています。那覇市では練馬区に先立つこと2年、2015年に公共施設の今後のありかたについての基本方針であるファシリティマネジメント基本方針を策定しました。
【那覇市と練馬区の比較】
那覇市の人口は約32万人、練馬区(73万人)の約半分です。財政規模についても那覇市が1280億円で練馬区が2,600億円程度とちょうど半分くらいになります。
他方、那覇市が所有している建物は総面積が108万㎡、内訳は公営住宅が39%、学校が35%を占めています。練馬区では総面積は約120万㎡であり、その約半分は小中学校が占めています。
【那覇市の特徴】
練馬区と那覇市での公共施設の今後に対する最大の違いは、那覇市では削減の数値目標を定めている点です。那覇市は方針で今後の40年間で15-20%、公共施設の延床面積を削減することを掲げるとともに、新たな施設の建設は行わないことを示しています。
また、練馬区との大きな違いとして、那覇市では公共施設の今後を考える中で、学校の統廃合は当面は行わない、という考えを示しています。その理由として、数年前に市内で統廃合を行おうとしたところ、地域の大きな反対で頓挫したためとのことでした。市としては、子どもの数の減少などもあり、統廃合を必要とは考えてはいるが、地域の住民の理解が得られない限りは難しいとの考えでした。
一方で、市営住宅について一部屋当たりの面積を小さくするなどして収益性向上、コスト削減に取り組んでいます。今後の取組として学校プールの共有化やサ高住事業者による市営住宅の運営なども検討するとのことでした。
【岩瀬の意見】
それぞれの自治体で公共施設のありかたについての方針、取組が異なることは勉強になりました。那覇市のように、最初から公共施設の削減目標を決めるというやり方には賛同できません。
練馬区では公共施設の削減のために、光四中を廃止したほか、今後も小中学校の統廃合に積極的に取り組もうとしています。他方、那覇市では数値目標を定めたものの、地域の声を聞きながら学校の統廃合は行わない一方で、既存の施設の面積や設備を建て替え時に削減したり、多機能化したりすることなどを通じて対応をはかろうとしています。那覇市の方法にも多くの課題はあるものの、少なくとも住民の声を聞きながら対応を変更するという意味で、民主的であり区としても参考にすべきだと思います。
【#明治学院大学 #白金祭 での政治講演会のお知らせ 11/2(土) 14時から】
明治学院大学の白金祭、政治学科主催の「政治講演会」でゲストスピーカーとしてお話することになりました。去年のゲストは立憲民主党の枝野さん、私でいいのか…と思いながらも、せっかくの機会ですので、地域における多様性と政治の役割について #LGBT, #外国人, #ブラック校則, #性教育, のことなどお話したいと思います。
11月2日(土)の二時から、どなたでもご参加いただけます。ぜひお気軽にお越しください!
【こんなことまでボランティア? 練馬区はちゃんと人にお金を払って!!日本語講師の待遇の改善を!】<決算委員会の報告③>
練馬区に住む外国籍の方は増加を続け、9月の時点で20,800人。今年の1月から9月までに新たに区民になった方のうち20%が外国人でした。こうした中、日本語の理解に課題のある子どもへの学校での支援はますます重要になっています。2018年度に練馬区で日本語の指導が必要な児童・生徒を受け入れた学校の数は小学校では40校、中学校でも18校(合計58校)、区内の半数以上に上りました。
区では、日本語の習得が不十分な児童・生徒を対象に、日本語の講師を学校へ派遣しています。しかし、重要な役割を担っているにも関わらず、日本語講師は区の職員ではなくあくまで「ボランティア」(有償)として位置づけられています。そうした中、今回は日本語講師の待遇の改善を求めました。以下、概要をご報告します。
【岩瀬の訴え】
日本語講師には専門的な知識・経験が求められます。また、学校内での活動を行う中で個人情報の守秘義務など多くの責任も発生します。重要な役割を担う日本語講師をボランティアにお願いし続けていること、また7年前に時給を半額に引き下げ、そのままにしてきたことは区の多文化共生政策を考える上で大きな問題です。
今年の6月には「日本語の教育の推進に関わる法律」いわゆる日本語教育推進法が国会で成立しましたが、その目的の一つは学校等における「日本語教育の水準の維持向上」です。同法に則って日本語講師の身分と権限、責任を明確化すること、具体的には会計年度任用職員としての雇用、短期的には謝金の単価の向上などを図るべきです。
【区の回答】
会計年度任用職員は、まさにその名の通り年度を通して雇用していく制度です。日本語の講師につきましては、比較的期間が短いということもあってこの会計年度任用職員とはしていかないという考えです。国や都の動向を注視しながら必要に応じて検討を考えて参りたいと思いますが、日本語講師については来年も同じような形態で進めていきたいと考えてございます。
【岩瀬の意見】
練馬区は来年度以降も日本語の指導をボランティアにお願いするということでした。東京オリンピックでも問題になりましたが、専門性や経験が求められる中でいつまでも区民の「善意」や「やりがい」に頼るべきじゃありません。身分や待遇、責任が明確化されるよう、今後も訴えます!
【練馬区の子どもの貧困待ったなし、せめて他区と同じくらい子どもにお金をかけて!】<決算特別委員会の報告②>
消費税増税によって、子育て中の世帯、特に小中学生の子どもがいる世帯にはさらに重い負担がのしかかります。国が救済策として実施するプレミアム商品券も区内で対象となる方の5割以上は60代以上であり、小中学生の保護者の世帯にはほとんど関係ありません。そこで、特に生活が苦しい小中学生の世帯向けに支給している就学援助を増額するよう訴えました。以下、ご報告します。
【最初に】
練馬区では生活保護の1.2倍までの収入の世帯を「準」生活保護として、学校でかかる費用の一部を就学援助として支給しています。今年度、就学援助を認められたのは公立の中学校では4.5世帯に1世帯(22.3%)、小学校でも6.5世帯に1世帯(15.4%)に上っています。(この数字はあくまでも申請ですので、実態はもっと多くの方が必要としています。)
就学援助の中で、練馬区が入学時に支給しているお金(入学準備金)は小学校では47,380円、中学校では54,070円です。しかし、その金額では十分ではありません。小学校ではランドセル、中学校では制服など、入学時には多額の出費が必要です。ランドセルは平均4万円代、制服も6万円以上ともいわれており、その他の必要な学用品をそろえると、入学の段階で小学校では10万円、中学校でも15万円ほどかかるともいわれます。
こうした中で、保護者にとっては、この援助を増やしてほしい、というのが切実な思いです。私が通っている子ども食堂で、ある保護者の方が、「子どもの入学式、本当は嬉しいはずなのに、経済的に苦しくて迎えるのがつらい」と打ち明けてくれました。
【岩瀬の訴え】
他区の就学援助の支給の状況を事務局に調査していただきました。それを見ると、区によって入学準備金の支給額にずいぶんとばらつきがあることに驚きました。具体的には、高いところでは、小学校では67,380円、中学校では104,710円を支給している自治体もあります。23区の平均支給額を見ても小学校では約54,200円、中学校では66,100円です。練馬区は小学校で7,000円(13%)、中学校では12,000円(18%)も23区平均より低いことになります。こうした状況を勘案したうえで、ぜひ消費税増税に合わせて入学準備金の増額を行うべきです!
【区の回答】
一部に突出した単価設定を行う区がある中で、平均金額は各区の単価を単純に合計して23区で割り返した数字なのかなと考えてございます。単価設定は適切であると考えておりますので、現時点でこの単価設定を見直すことはございません。
【岩瀬の意見】
練馬区はこれまで何度も「子育てしやすい町」と標榜してきた中であまりに冷たい回答だと思います。本来、義務教育に関わる費用は憲法の趣旨に則って全て無償であるべきです。打ち上げ花火やアニメ振興、世界都市農業サミットなどの目立つ事業にお金を使うよりも、目立たなくても大事な声、地域で苦しむ声にこそ区は耳を傾けるべきです。今後も改善を求めて粘り強く訴えたいと思います。
【台風15号【練馬区での災害ごみへの備え、遅れすぎです!!】 決算審議のご報告②
台風15号が直撃した千葉県の被災地で大きな問題になっているのが「災害ゴミ」の処理です。練馬区では災害時のごみの仮置き場について2017年に検討を開始しましたが、2年以上経ってもいまだに決まっていません。災害に備えて一刻も早く災害時の廃棄物の取り扱いを示し、住民と協力すべき、という思いで訴えました。以下が概要です。(詳細は議事録をご覧ください)
【岩瀬の主張】
2017年の委員会で、区は「災害廃棄物処理計画」を策定するという報告しました。この計画は、災害の発生時に区が迅速に災害廃棄物の処理を行うための必要な計画を策定することを目的としていて、2018年3月の完成を予定していました。しかし、完成は大きく遅れ、さらに今年の9月になって突然、計画の策定を中止する、と報告がありました。
千葉県の被災地では積み上げられたゴミが道路沿いにあふれ、仮置き場はパンク状態です。練馬区は「攻めの防災」を掲げていますが、区内の災害ごみの仮置き場が未だに決まっていないというのは、対応が遅れていると言わざるを得ません。早急に候補地を決定するとともに、平時から周辺住民や事業者への協力、連携を求めるべきです。
【区の回答】
災害というのは、その量、起こり方は様々です。災害が起きた時にしっかりと仮置き場についてはお示しをさせていただきたいと思っています。
【岩瀬の意見】
区は仮置き場については、災害が発生するまで公表する考えはないとのことでいた。しかし、国は自治体に対して災害ごみの仮置場の候補地を事前に選定するとともに、普段から管理、運営体制を住民等と検討することが必要としています。台風15号でもわかるように、災害が発生してから対応するのでは遅すぎます。ぜひ早急な対応を今後も求めたいと思います。
https://www.sankei.com/affairs/news/190921/afr1909210027-n1.html
【決算審議、始まりました。14分間にすべてを!】
今日から昨年度のお金の使い方を審査する決算審議が始まりました。質疑の時間は会派の人数によって決まります。私たち「市民の声ねりま」14分間。この時間でなんとか皆さんから頂いた意見を区へ訴えるために、1か月近くをかけて資料を請求したり、現地調査を行ったりしています。
非常に限られた時間なのですが、一番の問題はこの時間には区からの答弁の時間が含まれていること…私たちが質問するといつも、聞いてもいないことを延々と答弁されて実質的に私たちが発言できるのは半分くらいです。。少なくとも議員の発言時間を確保すべきです!
私が担当するのは以下の3日になります。
1.議会費・総務費(9月17日):4時23分~4時37分
2.産業経済費、環境費(9月19日):1時55分~2時09分
3.教育費(9月25日):1時~1時14分
ぜひ傍聴にお越しください!
【練馬区で出るごみの量はどれくらい?海洋プラスチックも大問題】
所属する都市農業・みどり環境等特別委員会で昨年度の練馬区で出たごみの量について報告を受けました。可燃ごみは減っていますが、不燃ごみ、粗大ごみの量は増加しています。練馬区で出されるごみの量、一家族当たりにすると475.9グラムで、23区では杉並、中野に次いで3番目に少ないそうです。
6月には東京都が「都庁プラスチック削減方針」を示しています。その中では、ワンウェイ(使い捨て)プラスチックの削減として、レジ袋の有料化への取組を打ち出すとともに、都庁全体でもイベントの際に、リユースカップ、食器の使用や、文具の購入においても再生プラを現行の4割から7割へと増やすこと、2020年度までに都主催のイベントで使い捨てカップの使用禁止、会議でのペットボトル、ストロー、プラカップ等の使用禁止を掲げています。私からは練馬区でも東京都や他の自治体の取組を参考に、庁内会議でのペットボトルの使用中止や区の協力団体などでの袋の有料化、学校給食でのプラスチックの削減などを行うよう求めました。区としても東京都の状況などを研究しながら、今後検討をするとのことでした。委員会でもぜひ引き続きこの問題に取り組んでいきたいと思います。
【決算で練馬区の関係団体(外郭団体)への質疑ができなくなるなんて…透明性の確保ってなんだっけ?】
いよいよ来週から練馬区議会の定例会が始まります。今回昨年度の区のお金の使い方をチェックする決算特別委員会も開かれます。練馬区でお金がどのように使われたかを審査するとても大切な機会です。しかし昨日の議会運営委員会で突然、今回から練馬区の関係団体(外郭団体)への質疑がなくなる、ということが示されました。外郭団体というのは区がお金を出して、主に区の事業を行っている団体でシルバー人材センターや文化振興協会などがあります。平成26年度には38億円が区から支出されています。多くの場合、団体のトップは区のOBが務めています。外郭団体については、区民の方から「区民の方から天下り先の温床になっているのでは」、「外郭団体は非効率なのでは」といった声が練馬区にも寄せられており、区も「練馬区のこれからを考える」(2015年12月)で事業の明確化、整理、指導、監督の見直しなどを示していました。
にもかかわらず、透明性を確保するために一番重要な議会での質疑がなくなるということ、しかもそれが議会の始まる一週間前に突然発表されるというのはどういうことでしょうか?
区の説明では、すでに3つの外郭団体を統合したので一定の役割は終えたという事、決算で質疑はできなくても、通常の常任委員会で質問すればいいとのことですが、常任委員会では外郭団体の職員は参加しませんし、細かい内容について区の職員が答えられるはずもありません。情報公開の重要さが最も問われている今の時代に、練馬区があえて外郭団体の活動を見えにくくするということは時代に逆行しているだけでなく、区民の方の思いにも反するものではないでしょうか。今後の見直しを求めたいと思います。