練馬区議会での訴え【練馬区の半数以上の学校で下着の色まで決められてる?ブラック校則でどこまで子どもの自由を縛るの?】

来年度のお金の使い方や区の方針を決める予算委員会、教育費では学校での行き過ぎた生活上の規則、「ブラック校則」の廃止を訴えました。区内すべての公立中学校の生徒手帳などを調べたところ、生徒の下着の色を指定している学校が半数以上、寒い時のひざかけやマフラーも禁止 するもの、中には「生徒は正門を使っちゃダメ!」というとんでもないものも。いつまでこんな規則で子どもの自由や個性を縛るのでしょうか?区とのやり取りをご紹介します。(詳細は議事録をご覧ください) ★下着の色まで規則で決めて、子どもを一体どうしたいの? 区内の全ての公立中学校(33校)の規則を調べたところ、あまりにおかしいルールがいくつもありました。身だしなみに関するものでは、下着の色まで指定している学校が半数以上の22校、中にはなぜか男子だけ色が指定されている学校も。髪型では縮毛の矯正を不可としたり、男子の長髪を不可としている学校など、人権侵害にあたるのでは、という学校も。寒さ対策のひざ掛けやレッグウォーマーをダメとしている学校も存在します。「生徒は学校の正門を使ってはいけない」といったそもそも学校が誰のためにあるのか疑問に感じてしまうも。なぜここまで子どもたちを管理しなくてはいけないのでしょうか? 1.教育委員会として校則の見直しを学校に伝えるべき! 教育委員会として行き過ぎた校則について、各学校に対して見直しを行うよう改めて伝えるべきです。 【区の回答】 教育委員会としてすべての中学校の規則を集め、内容を把握しています。校則は生徒の実態や学校の伝統、歴史、校風を反映するものですが、校則が報道等で話題になったこの時期をとらえて、各学校に対して改めて見直しを行うよう伝えました。今後も問題があれば個別に学校から説明を求めながら必要な助言を行います。 【岩瀬の感想】 2年前にも校則の見直しを訴えたのですが、その時は、校則はそれぞれの学校に任せていて、教育委員会では内容を把握する予定はないとのことでした。その時に比べると規則を集め、見直しを伝えたということは前進だと思います。しかしまだまだ課題がある中で、教育委員会として学校ごとに丁寧な対応をすることが必要だと思います。 2.校則は学校と生徒、保護者だけの問題じゃない、しっかりと社会に公開を! 現在、全国の学校で校則の見直しが進められている中で、世田谷区などいくつかの自治体ではすべての学校の校則をネット等で公開することを決めました。練馬区も地域に開かれた学校運営を謳っているわけですから、校則についても生徒と保護者だけではなく、地域に広く開かれるべきです。すでにいくつかの学校では自主的に公開していますが、区内のすべての学校で校則を公開すべきです! 【区の回答】 校則の公開は各学校の実態、必要に合わせて行っていて、その実態にあわせた形でわれわれも呼びかけていきたいと思います。何よりもその学校の生徒、保護者、地域の方々へ知ってもらって、学校を中心に生徒総がかりでルールを守り、健全な学校生活を送れるようにしていきたいです。 【岩瀬の感想】 学校の実態にあわせて、というのはよくわかりませんが、区としても校則の公開を呼び掛けていくということは大切だと思います。ただ、その目的は地域総がかりで子どもにルールを守らせることではなく、地域総がかりで子どもの権利を守っていくことです。 3.校則の見直しには、子どもと保護者も参加できるようにすべきです! いくつかの学校ではこの数年で校則が変わりましたが、生徒に確認したところ、いつの間にか変わっていたということでした。校則は子どもたちの活動を制約するものですから、改定には生徒、保護者が関われるような仕組みを作るよう教育委員会として各校に通達すべきです! 【区の回答】 校則は年に1回見直しをすることになっています。見直しには保護者、地域からの学校評価等のアンケートも参考としています。生徒総会などで生徒会活動の一環として生徒から出た意見を反映する学校もあります。教育委員会として学校の意思も尊重しつつ、生徒の実態、学校の伝統、歴史、校風などに合わせて指導していきたいと思います。 【岩瀬の感想】 生徒が参加している学校もあるということでしたが、すべての学校で生徒や保護者が参加する仕組みを作るべきという訴えへのはっきりした回答はありませんでした。 ★最後の訴え ブラック校則がなくならない背景には、子どもを一人の個人として尊重するのではなく、管理する対象として捉えていることがあります。ブラック校則を無くすだけでなく、子どもを権利の主体として捉えるためにも、子どもの権利条例 を練馬区も作るべきです! ★岩瀬の感想 二年前と比べて、練馬区も各学校の校則を調べたり、校長会で見直しを伝えたりなど、改善はされていますが、まだまだ学校では理不尽なルールが数多く残っています。ある学校では「きまりを特に守りましょう。ダメなものはダメ。」と書かれていて、生徒が自分で考えることを拒否しているように見えるものもありました。「たかが校則だろ?」と言われたこともありますが、この問題は子どもの権利を考えたときに大きな意味を持っています。 1月にオランダで教育学の助教授とお話したのですが、オランダでは目的と理由が明確でなければ生徒は従う必要はない、なぜ下着の色や髪の毛の色が決められなければいけないのか、と生徒に問われるのが必至であって、成立し得ないとのことでした。日本では「一人の人間として尊重されていないのではないか、子どもは学校や親の所有物ではない」という言葉が印象的でした。 これからも子どもたちが自分達の個性を活かしながら伸び伸びと育つことができるような環境を作るために訴えます!

練馬区は地球温暖化対策のため大きな道路を作ろうなんて本気なの?!こんなやり方見たことない!

★練馬区の来年度のお金の使い方について、議論が続いています! 現在行われている予算特別委員会では毎日、練馬区の来年度のお金の使い方について費目(項目)ごとに質疑が行われます。私たちの持ち時間は一回14分、わずかな時間ですが少しでも皆さんの思いを届けるために準備に一か月近くをかけています。 環境費ではあまりに遅れている練馬区の地球温暖化対策の改善を訴えました。世界中で二酸化炭素の削減に取り組んでいる中で、なぜか温暖化防止のために大きな道路を作る!と言っています。一体何を考えているのでしょうか?区とのやり取りをご報告します。(詳細は議事録をご覧ください) ★地球温暖化で異変が!世界では3千万人もの難民が発生! 今年の冬は1946年の統計開始以降、最も暖かくなりました。地球温暖化によって世界では3千万人近い難民等が発生しています。私自身、議員になる前は国際協力の活動を行っており、環境省のプロジェクトで、温暖化対策のためにケニアやタンザニア、ウガンダなどアフリカ6か国で活動を行っていました。家や生活を奪われた家族をこの目で見てきた中で地球の温暖化を止めるために練馬区としてもしっかりと向き合うべきだと思います。 1.練馬区の温暖化への取組は下から二番目!国に従うだけでいいの? 国連のグテーレス事務総長は2019年、気候危機に対して各国が2050年までに温室効果ガスの排出量を実質「ゼロ」にすることを求めました。 こうした中、練馬区が現在作っている「環境基本計画2020」において、2030年までの温室効果ガスの削減目標は基準年の2013年に比べてわずか「26%」、同じ期間では下から二番目に低い目標でした。 なぜこれほどに低い数字なのでしょうか?今から目標を変更するとともに、区でも2050年までの「排出ゼロ」を宣言すべきです! 【区の回答】 26%というのは国が示した数値に従いました。まずはこの目標の達成に向けて頑張ります。 【岩瀬の感想】 練馬区は地方「自治」体であり、国の示した数字にすべて従う必要はありません。実際、他区では独自の目標を立てていて、その結果練馬区は下から二番目!地球温暖化を自分事として捉えるならば、区としても自分で考えて目標を立てるべきです! 2.地球温暖化防止のために大型道路を作るなんて本気なの? 今作っている「環境基本計画2020」で驚いたことの一つが、温室効果ガスやエネルギーを減らすことと一緒に、なぜか「区内の都市計画道路の整備率を72%に上げること」が目標に入っていたことです。もととなる環境基本条例では「自然を守るために生活や事業活動のあり方を見直すべき」としているのに、何を考えて大きな道路の建設(整備率)を計画の目標にしているのでしょうか? 【区の回答】 区としては快適な地域環境を作るためには都市計画道路の整備が不可欠だと考えます。また、みどり豊かな幹線道路はネットワークの形成にも必要です。 【岩瀬の感想】 自然環境を守るための計画になぜ道路を作る目標が入るのか、全く理由になっていません。 3.区は道路を作ったら二酸化炭素の排出が減ると思っているの? 練馬区はこれまでも道路を作ったら二酸化炭素が減ると言ってきました。それでは今回の計画にあるように大きな道路を72%まで作ったら二酸化炭素がどれくらい減ると計算しているのでしょうか? 【区の回答】 相当複雑な計算を行っていると聞いています。車両の技術の向上によっても減少しますし、道路の有効性によっても減少します。 【岩瀬の感想】 全く回答になっていません…。 ★最後の訴え 気候変動に対する区の真摯な姿勢を示すために、目標の設定やその方法を含めて環境基本計画2020の抜本的な見直しを求めます。 ★岩瀬の意見 時間切れになってしまいましたが、今回の質疑で感じたのは、区として地球温暖化に対して真剣に取り組む意思を持っていないのではないか、ということでした。17歳の環境活動家のグレタさんは「変化を起こすのに小さすぎるということはない!」と訴えています。まずは最も身近な行政である自治体からしっかりと自分事としてとらえて、できることをしていくことが未来への責任だと思います。今後も区に対して訴えていきたいと思います。

選択的夫婦別姓への動き、練馬区では先送り!23区で8区が動いているのに練馬はそれでいいのか?

本日の練馬区議会 の区民生活委員会で、住民の方から出されていた「選択的夫婦別姓に関する陳情」について議論がありました。この陳情は、議会として、国に対して選択的夫婦別姓を認める法律を作るための働きかけをしてほしい、というもの。しかし、練馬区議会では結論が先送りになってしまいました…本当にそれでいいのでしょうか? 1.なぜ必要なの? 選択的夫婦別姓は結婚した後でも夫婦別姓を選択できるというものです。世界でも法律によって夫婦別姓が認められていないのは日本のみといわれる中で、結婚後にどちらかの姓を選択しなければいけない、という視点だけでなく、結婚した後に男性の姓を選択する夫婦が96%に達していて、多くの女性が喪失感を感じているという現状があり、ジェンダー平等の視点からも早急に改善が必要です。 2.練馬区での議論の結果は?→結論は先送り! 本日の委員会では議論が行われましたが、共産党、立憲民主党、生活者ネットワークが区議会としても選択的夫婦別姓を進めるために議会として結論を出すべき、と訴えた一方で、自民党、国民民主・無所属、NHKから国民を守る党、は議論を継続すべき、としたことで結論は先送りになりました。 3. 委員会でのやり取り→夫婦別姓を実践する島田拓議員の発言 私は当委員会に所属していないので傍聴席から応援していたのですが、夫婦別姓を実践している共産党の島田拓議員の発言は印象的でした。 島田さんは夫婦別姓が法律で認められていないことで、子どもが生まれたとしたらどちらの姓にすればいいかといった悩みや、もしお連れ合いが病気になったとき手術への立ち会いなどが許されないかもしれない、どちらかが先に亡くなったときに相続の権利がないので遺言書をつくらなくてはいけない、といった具体的な課題を挙げたうえで、夫婦別姓を導入しても同じ姓にしたい方はこれまで通りできるのだから何も問題はない。今、許されなくて苦しんでいる方を救うためにも夫婦別姓を実現して欲しい!と訴えました。その通りだと思います! 他方で、結論を出すべきでない(継続して審議すべき)という理由として、「選択的夫婦別姓が日本の文化、歴史に馴染まない」といったものや、「世論調査の結果を見ると必要ないという回答が多い」、「選択的夫婦別姓になったときの子どもへの影響が心配」、といった声があがりましたが、どれも理由になっていません。そもそも日本で1875年に「氏(姓)の使用が義務化」された際にも、当初は夫婦別姓制度でした。1898年の旧民法によってはじめて夫婦同姓が決まったものでせいぜい120年程度の歴史しかありません。。 結論:いつになったら練馬区は変わるのか?? 23区ではすでに8区で同様の意見書が採択されています。特別区以外でも、西東京市などでも意見書などが採択されています。都内だけで今年に入って18の自治体で採択されているとのこと。なぜ練馬区は結論を出すことすらできないのでしょうか?今回の結果はとても残念ですが、あきらめずに実現のために訴えていきたいと思います。 (写真はウィメンズマーチに参加した時のものです。)  

コロナウイルス 練馬区は専用のコールセンター を設置しています!心配な方はぜひお電話を!

最近、コロナウイルスに関するご不安の声を多くいただきます。 国や東京都でも相談窓口を設けていますが、練馬区でも先日、専用のコールセンターを設置しました。コロナウイルスに関するどんなご相談でも受け付けています。2月4日に開設以来、毎日10件から20件の相談があるとのことです。コロナウイルスに感染していないか不安、どうやって予防すればいいかわからない、といったどんなものでもいいとのこと。 電話相談の中で、もし感染が疑われる場合は、非公表の帰国者・接触者外来を案内されることになります。コロナウイルスの予防は大切ですが、不安や心配によって日常生活が脅かされることのないよう、ぜひご活用ください。 ★ 練馬区のコールセンター     03-5984-4761(受付時間:平日9時~17時まで) ★ その他 ■東京都の電話相談窓口 03-5320-4509(受付時間:9時~21時(土日祝日も)) ■厚生労働省の電話相談窓口 0120-565653 (受付時間:9時~21時(土日祝日も))

【みんなで焼き芋@大泉学園(次回は2月16日です)地域の中でワイワイ交流】

日曜日、家の庭で毎年恒例の焼き芋大会を行いました。 焼き芋大会、20年以上前から消防署の許可を得ながら、地域の方や子ども達と一緒に行っています。ルールはとっても簡単、自分で食べたいもの、焼きたいもの(お芋、ソーセージ、マシュマロ、リンゴなど)を持ち寄って火を囲みながらワイワイ楽しむというものです。もちろん私たちから飲食の提供は行いません。 火を管理してくださるのは近所に住む樹木医の方や10年近くボランティアで引き受けてくれるベテランの方、それに普段はバリバリ会社員として働いている20代の方。子どもたちが安心に楽しめるよう朝早くから準備してくださいます。 子どもの保育園のママ友やパパ友、地域の方など、繋がりが増えていくなかで、天気もよかったせいか100人近くのお子さんや保護者の方などがお越しになりました。アメリカ、カナダ、バングラデシュ、ペルーの方なども参加して、地域の中の多様性を象徴するような会にも。熱々の焼き芋を食べて、焚火に燻られながら保育園や小学校の情報を交換したり、パパ同士で仕事の内容を話すなかで、お子さんが同じ小学校だったとか、仕事が同じだったとか以外な共通点も。私も息子が来年から通うことになる小学校のパパやママから有益な情報を頂いたり、子育ての悩みを相談したりと楽しみながらとても勉強になりました。 様々な世代、背景を持つ方が一緒に集まり地域ならではの繋がりを作ること、とても大事だと改めて実感しました。次回は2月16日です、少人数になると思いますのでぜひお気軽にお声がけください☺。

2020-02-10T12:36:40+09:002020年2月10日|Tags: , , |

練馬区議会 2020年第1回定例会 始まりました!練馬区の予算 過去最高の2,800億円!

昨日から練馬区議会の定例会が始まりました。今回は3月13日までの38日間、年に4回ある定例会の中でも長いものの一つです。今回の定例会では22の議案が区から提出されました。特に議論になるのが来年度の予算案についてです。 練馬区の予算は過去最高の2,826億円(昨年より100億円多い)に達します。現在の区民が74万人ですから、一人当たり30万円以上がつかわれることになります。そのお金が何に使われるのか、例えば児童相談所のことや学校のこと、子育てのこと、介護のこと、すべてが私たちの生活に直接関わります。 今回の議会では特に、中学校でのブラック校則や児童相談所のこと、地球温暖化への区としての取組などを訴えたいと思います。どなたでも傍聴できますのでぜひお越しください!

中村哲医師 追悼イベント 死んだ男の残したものは

昨年の12月、アフガニスタンで亡くなった中村哲医師の追悼イベント、「中村哲先生をしのぶ会実行委員会」(市民の声ねりま協力)が実施しました。当日は600人の会場でしたが1,500人近くの方にお越しいただきました。多くの方がお入りになれず本当に申し訳なく思いながら会場の準備をさせて頂きました。 【1.中村哲先生の最後のメッセージ】 会では中村先生にゆかりのあった方々がそれぞれ故人の思い出をお話されました。 一番印象的だったのは歌手の #加藤登紀子 さんでした。彼女は絶筆となった「信じて生きる山の民 アフガニスタンは何を啓示するのか」の一節を以下のように引用しました。 「約18年前の軍事介入とその後の近代化は結末が明らかになり始めている。アフガン人の中にさえ、農村部の後進性を笑い、忠誠だの審議だのは時代遅れとする風潮が台頭している。近代化と民主化はしばしば同義である。(中略)人権は叫ばれても、街路にうずくまる行き倒れや流民への温かい視線は薄れた。(中略)国土をかえりみぬ無責任な主張、華やかな消費生活へのあこがれ、終わりのない内戦、おそいかかる温暖化による干ばつ…終末的な世相の中で、アフガニスタンは何を啓示するのか。見捨てられた小世界で心温まる絆を見出す意味を問い、近代化のさらに彼方を見つめる。」 【2.加藤登紀子さんの言葉】 中村さんが戦っていたのは、単に飢えや干ばつではなく、社会そのものだったのではないか、それが加藤さんの訴えでした。 そのあと、中村さんへ捧げる歌としてアカペラで谷川俊太郎作詞の「死んだ男の残したものは」を歌いました。私も若いころ谷川俊太郎が大好きでバックパッカーや協力隊などで海外に行くときには詩集を持ち歩いていました。この詩も大好きなものの一つでしたが、加藤さんが力強く歌うことで中村さんの姿が浮かぶようでした。 「死んだかれらの残したものは 生きてるわたし生きてるあなた 他には誰も残っていない 他には誰も残っていない 死んだ歴史の残したものは 輝く今日とまた来るあした 他には何も残っていない 他には何も残っていない」 中村先生の偉業に比べたら、あまりにも非力ですが、私も与えられた場所で自分のできることをやり続けたいと思います ta

住まいは権利、ハウジングファースト!「福祉は住宅に始まり住宅に終わる」

「ねりま9区みんなで選挙(ねり9)」主催のイベントに参加。立教大学の準教授で一般社団法人つくり東京ファンド代表理事の稲葉剛さんのお話のあと、立憲民主党の山岸一生さん、弁護士の野口景子さんも加わったパネルトークが行われました。皆さんの意見、とても勉強になりました。 1. “見えない“ ホームレスが増えてる? 稲葉さんのお話では、近年、年末年始になるとホームレスが急に増加するとのこと。普段はネットカフェなどで暮らす方が仕事が切れてしまい路上生活になってしまうからだそうです。現在、都内の路上生活者の方は1,100人程ですが、いわゆる「ネットカフェ難民」と呼ばれる方は4,000人以上(2017年)に達し、そのうち20~30代が5割を占めるそうです。 2. 家がないってどういうこと? 家(住所)がないことの一番の問題は、履歴書が書けないこと。求職活動をしても住所がないことで仕事に就けないことが多いそうです。また、本来あってはならないのですが、住所がないことで生活保護などの公的サービスから排除されることも多くあるとのこと。本人にとっての精神的なダメージも大きく、親や友人との人間関係も壊れてしまうことが多いとのことでした。ホームレスに至らなくても、低所得層の方の8割近くは親と同居せざるを得ず、孤立して引きこもりになってしまう方も多いとのことでした。 3. 何が問題なの? 稲葉さんによると、行政による支援の大きな問題の一つは、住まいの確保が福祉の観点からかけていることだそうです。福祉政策は厚生労働省が、住宅政策は国土交通省が担っていますが、両者の連携が薄いこともあり、社会保険や生活保護中心の支援となっており、住宅政策は基本的には中間層の持ち家取得支援に資源が集中しています。2017年には空家を利用した空家活用型住居セーフティネットが導入されましたが、2017年に開始したものの現時点でも登録は東京都でもわずか1575件ととても活用されているとはいえません。 結論:ハウジングファースト(まずは住まいを!)! ヨーロッパでは「福祉は住居に始まり、住居に終わる」と言われており、福祉政策の中心に住宅の確保があるとのこと。日本でも行政の縦割りを超えて、公営住宅の拡充や民間賃貸住宅入居者への家賃補助制度の導入などが必要とのことでした。 また、山岸さんのお話では社会全体で住まいがかつては「持ち家」中心だったのに対して、現在は「賃貸」が中心になろうとしているにもかかわらず、いまだに政府の支援は「持ち家」中心の考えから抜け出していない。政府として住宅に関する考え方を変えて、賃貸でも老後でも安心して暮らせるようなモデルを作るべきとのことでした。 野口さんも弁護士として活動する中で、「政治が家族に頼りすぎている」ということと「住まいは個人の甲斐性で!」という考え方が強すぎるということを感じているとのことでした。 欧米では「ハウジングファースト(まずは住まいを!)」の考え方で、最初から人権やプライバシーに配慮した形での支援が行われます。他方で、日本ではまずは施設に入ることが求められ、相部屋で劣悪な環境を強いられることも多数見られています。持ち家から賃貸へとライフスタイルが変わる中で、国も賃貸を前提とした支援を行うべきですし、地域にあっても区営住宅などの入居要件の緩和や空家等による対策が必要だと改めて思いました。

ゲノム編集ってなに、遺伝子組み換えと何が違うの?地域で何ができるの??

【イチから学ぼう!ゲノム編集、遺伝子組み換え、地域で、あなたができること】 市民の声ねりま主催、「たねと食とひと@フォーラム」の方を講師に #ゲノム編集、#遺伝子組み換え の勉強会を行いました。最近話題のゲノム編集、実はほとんど規制がないまま、私たちも知らずに口にする可能性があるということを初めて知りました…。企画のほとんどを準備してくださった高口ようこさん、本当にありがとうございました! 【ゲノム編集って何なの?遺伝子組み換えとどう違うの】 ゲノム編集と遺伝子組み換えの最大の違いは、遺伝子組み換えでは、DNAに他の生物の遺伝子を加えることで新たな性質を持たせるのに対して、ゲノム編集では、すでに存在するDNAの一部を取り除いて、特定の働きを抑えるというものです。ごく簡単にいえば、遺伝子組み換えは新たに遺伝子を足す、ゲノム編集は既にある遺伝子から減らす、ということでしょうか。 【ゲノム編集するとどうなるの?】 例えば、さばは生まれつき攻撃性が高くて、養殖しても共食いして一か月で1割以下に減ってしまうとのこと。そこでDNAの一部を取り除いたところ、攻撃性が抑えられて4割が残ったとのことです。そのほか、マダイから筋肉が増えすぎるのを抑える遺伝子を取り除て肉厚なマダイが取れるようになったなどの結果が出ているとのことです。 【ゲノム編集、何が問題なの?】 一番の問題は日本ではゲノム編集は遺伝子組み換えとは違って政府による規制がないということです。すでにあるものから一部を除くだけで特に問題ない、というのが基本的な考えのようですが、技術自体が浅いもので長期的にどんな影響が出るかはわからず、間違えて違う遺伝子を切ってしまうことで他の影響が発生することもあります。また、一度編集されてしまったら連鎖が次の世代にも続くことになりますが、例えばそれが海に放たれてしまったら、どんな影響がでるか想像できません。私たちが購入する際にも、表示義務がないので、ゲノム編集されたものかどうかわかりません。 【結論】 ゲノム編集についての技術が確立していない中で、まずは開発について届け出を義務化するとともに、少なくとも消費者が選べるようEU諸国に倣って表示も義務化されることが必要です! また、白石農園の白石さんから伺う練馬の農業についてのお話、海外に比べたときに練馬の農家の方々は農地は引き続ぐもので預かりもの、資産ではなく資源として考えている方が多いといった話も印象的でした。スノウドロップさんの体によくて美味しいお菓子の販売などもあり、素晴らしい会でした☺

和田春樹 先生のお話 “Eternal vigilance is the price of the liberty”

毎年恒例の「 平和を愛する大泉市民の集い 」の新年会に参加しました。この会はベトナム戦争に反対するために東大教授だった和田春樹さんが立ち上げた会で、私の義理の両親も参加していました。例年お声がけいただき、参加するのは今年で5回目になります。 和田さんのお話、特に1月23日の朝日新聞にもコラムとして掲載された 桜を見る会 の名簿紛失に関してのものが印象的でした。 1. 政府がこれまで隠蔽したことに比べたら桜を見る会は小さなこと?? 和田さんによると日本政府がこれまで隠蔽してきたことに比べると、桜を見る会の名簿紛失は小さなこと(!)のことでした。日本はこれまでも「都合の悪いものを隠す専門家」だったとのことで、その一つが 北方領土 に関するものだそうです。日本政府は現在、サンフランシスコ平和条約でクリル列島について日本政府は主権を放棄したものの、北方四島はクリル列島には含まれないので返還を求めている、と主張しています。しかし、1955年までは、日本政府は択捉島、国後島をクリル列島の一部として認めていた、とのことでした。 2. 北方領土問題、なぜ4島返還の議論になったの? そのため日ロ交渉においても、当初は二島返還のみの協議が行われており、1955年にフルシチョフと鳩山首相のやり取りの中で変換がほぼまとまりかけたとのこと。しかし、ソ連との接近を恐れた吉田元首相と米国政府が、交渉を決裂させるために4島返還へと急に舵を取ったとのことでした。クリル列島に二島が含まれるという見解の公文書は国内では削除してしまったとのこと。しかし、海外での公文書博物館ではかつての日本の見解が残っているとのことです。 2019年末には二島返還について重光外相とダレス米国務長官が1955年にやり取りした内容について、64年ぶりに公開されましたがその内容も未だにほぼ黒塗りになっているとのことです。和田さんによると、北方領土問題についても「都合の悪い資料は焼く、捨てる、削除する」ということが繰り返されているとのことでした。 結論 政府が資料を隠蔽しようとすることを、市民として監視しなければ! 米国の公文書館には”Eternal vigilance is the price of liberty”「永遠の監視は自由を得ることの代価」と示されているとのことです。公文書の公開を求めるという権力監視を怠れば、国民の自由は必ず侵されるとのことであり、まさに今の安倍政権にもあてはまるとの言葉はとても印象的でした。 区議会においても、委員会の資料を当日まで委員にも公開しない、傍聴者には資料を提供しないといったことを改めるよう何度も求めてきましたが、いまだに前に進みません。広く情報が開示されて、市民が監視できるような体制を地域からもしっかりと作られるよう、訴えていきたいと改めて思いました。

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