文教児童青少年委員会報告 光が丘第四中学校の閉校案について

本日の委員会では、光が丘四中の閉校を含む今後の対応方針(案)に関連して、11月4日、6日に行われた保護者および地域説明会の結果と今後の予定が報告されました。 11月の説明会、私も参加しましたが、出された意見はほぼすべて閉校に反対するものでした。 委員会では、保護者の方や地域の方、そして在校生の多くが反対している中で、強引に閉校を進めるのではなく、今後の対応方針(案)を白紙撤回すべきと改めて訴えました。 練馬区はこれまで、委員会の中でも、閉校を含めた今後の対応方針(案)について、保護者や地域の理解を得られるよう努力すると言い続けてきました。 そこでまず、これまでの説明で、練馬区として保護者や地域の方の理解が得られたと考えているのか、その認識を問いました。 練馬区の回答は、反対の方もいらっしゃるが、我々(教育委員会)の話を聞いてご理解いただいた方もいたのでそういったことも含めて進めていきたいとのことでした。 しかし、光四中のPTAは先日、役員の方が連名で四中の存続を求める要望を提出しています。保護者の代表であるPTAが連名でこうした要望を出したことはこれまでほとんどなく、それだけ強い意志をもってメッセージを出したことは非常に重いものです。 他の委員の指摘にもありましたが、文部科学省が平成25年に示した「公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引」の中でも、「学校の適正化については、行政が一方的に進める性格のものでないことは言うまでもありません。…(中略)学校が持つ多様な機能にも留意し、学校教育の直接の受益者である児童生徒の保護者や将来の受益者である就学前の子供の保護者の声を重視しつつ、地域住民の十分な理解と協力を得るなど「地域とともにある学校づくり」の視点を踏まえた丁寧な議論を行うことが望まれます。」と明記しています。 こうした国の手引きがあるにもかかわらず、PTAをはじめとする保護者や地域の方の意向をすべて無視して強引に進めることは手続きとしてあり得ないものです。 こうした意見に対して、教育委員会は当初、速やかに閉校を考えていたが、今の在校生からは卒業したいとの意見があったので、意見を聞いて平成30年度まで延長した。閉校については、全体の教育行政をふまえつつ進めていく、という答えでした。 しかし、説明会に参加した方のほとんどは存続を求めており、閉校の時期を延ばすことのみを求めているわけではありません。 続けて、これまでの取組についても質問しました。練馬区はこれまで、四中が「過小規模」となるのを防ぐために、あらゆる手段を講じたとして、その代表的な例として、学力支援講師の配置をあげていました。そこで、昨年度の配置を確認したところ、学校の申請に応じて昨年度2名を配置したとのことです。しかし、それは、光四中に限った話ではなく、小規模校に対する支援策の一環として行っており、他校でも同様の支援が行われているとのこと。つまり、光四中を存続させるために特別な努力を果たしたのか、という点では極めて不十分です。 これほど多くの問題がある中で、12月には対応方針(案)を教育委員会の中で確定し、さらに具体的な「(仮称)光が丘第四中学校地区における区立小中学校適正配置実施計画」(素案)を策定することが本日報告されました。さらに、次回の住民の方への説明会は、この実施計画(素案)の完成後ともされており、それも問題です。 あまりにも乱暴な進め方であり、白紙撤回を行うべきだという主張を今後も続けていきます。

東京シューレでの授業

先日、「東京シューレ(NPO法人)」で16歳から17歳の子どもたち、約20人を対象にレクチャーをしました。東京シューレは不登校のこどもたちの居場所・学びの場として草分け的な役割を果たしており、妻も中学の頃からお世話になっていました。昔はフリースクールとしての場が主でしたが、今は高校卒業資格もとれるコースもあります。 担当したのは、月に二回ほど行われているスクーリングの授業、今回は「現代社会」において若者の政治参加について2時限(100分間)を使ってお話するものでした。大学では何度も講義をさせていただいていましたが、高校生を相手にするのは初めて。どのようにお話すればいいのか、すごく迷いました。 最終的には、自分が16歳だった頃に知っておきたかったこと、特に、政治は私たちの生活すべてに密接にかかわっていること、そして、一人ひとりが声をあげることで実際に社会は変わるということ、を自分の経験を含めて率直にお話することにしました。そして、私が話すだけでなく、皆さんが、現在、社会や政治に対してどんな思いを持っていて、何を変えたいと思っているか、話し合うことにしました。 授業の中で出てきた意見、印象的でした。「故郷の八丈島で人がどんどん少なくなっていて、生活が成り立たなくなっている。素晴らしい海や浜辺もあるのだから、観光に力を入れて皆にもっと島に来てほしい。」という意見から、「バイト先で、若いからという理由で仕事を教えてもらえず、さらに仕事ができないと言われて不当な扱いを受ける」という話、「捨て犬や捨て猫を殺すのではなく、生き物としてもっと大切に扱うべき」「今のマスコミは情報を一面的にしか伝えていない」「2千円札をもっとつかえるようにしてほしい」「震災に備えてもっと公衆電話を増やすべき」「自転車専用道をもっと作るべき」などなど。こうした問題をどうやって政治を通して解決できるのかを話しましたが、意見の瑞々しさ、そしてその奥にある優しさに驚かされるとともに、それぞれが深く社会を見ていることに感銘を受けました。 授業には、東京だけでなく、千葉などからも通っていて、一番遠い方は宇都宮からわざわざこの授業を聞くために来てくださったとのこと、授業を通じて皆さんからも力を頂くことができる、素晴らしい経験でした。

2018-08-21T09:41:45+09:002016年11月16日|Tags: , , |

北海道七飯町の認定子ども園について 文教児童青少年委員会視察報告③

視察の最終日、函館市に隣接する七飯町の認定子ども園「どんぐり」を視察。同町は函館のベッドタウンとしても機能しており、人口は28,000人、そのうち就学前児童は1,200人程度です。 同町の子育て施策の特徴には、18歳まで医療費無料、出産の際に米3.5㎏の贈呈、学童保育クラブ保育料補助(月2,000円)、交通費補助(実費の半額)などがあります。 視察した認定子ども園「どんぐり」は、木育、食育、自然教育を掲げていて、園の建物にたくさんの木を用いることをはじめ、日々の畑体験、旬の食材の利用、など自然との関わりを重視しており、メディアや論文等でも取り上げられています。 実際の園の印象として、決して広いということはありませんでした。 しかし、建物に入った瞬間に木の香りが漂うほど、ふんだんに木材を使っていて、椅子や机も近くで採れた木が使用されているという徹底ぶりでした。また、園庭では子ども達がちょうど、Halloweenのために本物のかぼちゃを使ったジャックランタンを作っていて、こちらも近くの農家から寄付いただいたとのこと。庭の端ではシイタケの栽培もしており、どうやったら大きく育てられるか、子ども達から説明してもらいました。実はシイタケが大の苦手、子ども達に「シイタケ美味しいよね!!」と聞かれて、「う。。。」と固まる私。。。 たくさんの自然に囲まれて生活している姿、羨ましいなと思うとともに、練馬でも、例え土地は少なくても、園の工夫や努力によって、こうした運営も可能であるという事はとても参考になりました。

文教児童青少年委員会報告 住民の合意がないまま、さらなる学校の統合へ?

先日の委員会、光が丘4中だけでなく、旭丘小、小竹小、旭丘中の統合についても報告がありました。 旭丘小は平成20年度から全学年で単学級(1クラスしかない学級)が続いており、区の説明では、教育環境を維持することが難しいことから、同じく過小規模校である隣の小竹小と統合し、さらに旭丘中学も含めて、小中一貫校を現在の旭丘小、小竹中の場所に建設する、という計画です。 この計画では、二年半前に保護者の方や、学校関係者の方を含めた“教育環境を考える会”が発足し、非公開での議論を行ってきたものの、反対の意見も多く、結論は出ませんでした。そこで、住民から直接意見を聞く、ということで、今週に二度、説明会が開催されることになりました。この説明会、あくまでも住民の意見を聞くというもので、区の考えを押し付けるものではない、というのが区の説明でした。そして、説明での意見を受けて、区として対応を考える、というものでした。 そもそも、練馬区は旭丘小と小竹小、それぞれ過小規模であると言っていますが、小竹小の学区では子どもは増え続けており、数年後には14クラス、いわゆる”適正規模”に回復する予定です。また、どちらの学校も非常に長い歴史があり、地域にとって重要な役割を担っています。にもかかわらず、事実上、小竹小をなくし、併設する旭丘小と旭丘中の跡地に新たに学校を建設し、統合しようということに、住民の方は強い反対の意思を示しています。 しかし、です。先日の委員会で、練馬区は今後10年間の区立施設の在り方を検討する「公共施設総合管理計画」の素案を出しました。その中で、なんと小竹小、旭丘小、旭丘中の小中一貫校の導入が”リーディングプロジェクト”として示されていました。 教育委員会として、これから住民に意見を聞こうという中で、練馬区全体の計画の中で、いきなりリーディングプロジェクトとして記載するのはあまりに乱暴です。 これに対して、練馬区は、この計画はあくまで素案であり、今後のパブリックコメントを受けて、変更の可能性もあるとのことでした。 しかし、しかし…です。ここで言及されているのは、素案の中の単なる一例としてではありません。”リーディングプロジェクト”、つまり、今後の「先駆的で模範となる事例」として挙げられているのです。だからこそ、例え素案であったとしても、住民の合意も、また、議会や委員会での結論も出ていない中で、このような形で記載すべきではありませんでした。 委員会の後、旭丘中学校での住民説明会にも参加しました。平日の夜にもかかわらず会社帰りの方など、100名近い方々が。質疑応答では、小竹小の保護者の方、地域の方などを中心に統合への多くの反対の意見が出され、賛成の意見は全くありませんでした。 この件も、先日報告した光が丘4中の問題と本質的には同じだと思います。 今回は、考える会でも、地域の中でも、また、文教児童青少年委員会や教育委員会の中でもまだ結論も出ていないのに、素案とはいえ、練馬区における先駆的な取組として位置づけ、既成事実化して進めようとしてしまう、とても大きな問題だと思います。 長期的に考えると、学区域の変更を検討することも可能ですし、少なくとも小竹小を無くすことを前提とした統廃合計画は撤回すべきだと考えます。 まもなく、「練馬区公共施設総合管理計画」へのパブリックコメントの受付が始まります。ぜひ皆さんもご意見をお寄せください!

文教児童青少年委員会報告 光が丘第四中学校の閉校について(変更案の報告)

本日の文教児童青少年委員会、光が丘第四中学校の閉校について、区の対応方針の変更案が示されました。この変更、保護者説明会で出されたたくさんの要望を受けて実施されたものです。 ただ、その内容は、閉校の時期を平成29年度末から30年度末に変更する、生徒・保護者のケアのために心のふれあい相談員を加配する、転校を希望する生徒の学用品について、公費負担を行う、といったもので、生徒・保護者が最も求めていた計画の白紙撤回ではありませんでした。 委員会では、この間の練馬区の強引な進め方を追求するとともに、委員会での議論や地域の声を全く反映しようとしない状況を指摘し、改めて撤回を求めました。 まず、閉校の方法についてです。練馬区は平成16年に「適正配置の基本方針」を策定し、その中で「学校の統合については、原則として、統合の対象校をいずれも廃止し、新たな新校を設置する。統合は規模、および設立からの経過年数にかかわらず対等な関係の統合とする。」としています。 これは、「対等でない吸収合併方式の場合は、吸収される側に大きな負担がかり、他の自治体においても、学校が荒れてしまう、また不登校児が顕著に増えるといった問題行動も起こっている」からです(和光大学教育学部教授 山本由美さんの意見) こうしたこともあり、かつて光が丘で8つの小学校を4校へと統廃合した際には、校舎は既存のものを使うにせよ、学校名、校歌なども変更し、新たな学校として再スタートしています。 こうした方針があるにもかかわらず、練馬区は今回、自ら定めた方針を無視して、わずか3か月、しかも非公開での議論を通じて、光が丘4中は3中に編入するという吸収合併型での廃校を決定してしまいました。これはあまりに乱暴です。 このことについて、練馬区の答弁は、光が丘3中の生徒が多かったために、3中に寄せる形を採った、とのことでしたが、そもそも基本方針では、統合は規模に関わりなく対等な関係とする、としており、理由にはなっていません。 続いて、長期的な展望についてです。4中の閉校は長期的な視点の上で決定したと区は述べていますが、本年6月、委員会で報告された「小中一貫教育基本方針」の中では、「光が丘1中、2中、3中については、通学区域内に居住する幼児、児童が100名以下となっており、中学校の適正規模を維持することが難しい。」とする一方で、4中のことは全く触れていませんでした。これに基づき、光が丘秋の日小と来年度の小中一貫教育発表に向けての研究が現在も続いています。つまり、6月の段階では、すでに入学者数は明らかだったのに、4中の閉校は全く教育委員会としては想定していなかったことになります。 このことについて、練馬区の答弁は小中一貫教育と学校の統廃合は必ずしも一致するものではない、との回答でした。しかしこれまでの議論で、小中一貫と学校の統廃合は常に同一線上に議論をされており、また方針の中でも学校の適正配置について明示している中で、この理由は全くあたりません。 和光大学の山本先生によると、学校の統廃合は非常に微妙な問題なだけに、時間をかけて丁寧に議論することが必要とのことです。そんな中で練馬区は今回、わずか数か月、「日本最速」で閉校を決定してしまったのではないか、そしてそれは全く道理に合わないとの指摘でした。 今回の閉校、住民の意思やプロセス、また、これまでの委員会での議論をも完全に無視したものです。だからこそ、光が丘四中の生徒、保護者、地域の方のためにどのような方法が望ましいのか、一度廃校計画を白紙に戻して、議論を行うべきだと思います。

10分間の価値は?決算特別委員会

先週の金曜日、決算特別委員会がようやく終了しました。 今回の委員会、一番苦労したのが、削減された時間の中で、いかに意義のある質疑を練馬区と行えるか、ということでした。決算や予算の委員会では、会派の人数によって質疑時間が決められており、最大会派の自民党は70分以上の持ち時間があるのに対して、私たちは、昨年の議会でさらに1分短縮されたため、わずか10分となってしまいました。一人会派は6分のみです。しかもこれは区からの回答の時間も含むものであり、実質的に質問できるのは半分程度しかありません。 昨年までは、人数が少なくても発言の機会を確保する、という方針のもとに、一人会派は7分、二人会派は11分だったのですが、その配分が「平等ではない」という理由で削られてしまったこと、そして、その決定は幹事長会や議会運営委員会でなされ、少数会派は参加すらもできなかったということに、まさに民主主義とはなにかと、強い違和感も感じています。 とはいいながら、その中で実りある答弁を引き出すために、10分の質疑のために数十時間をかけて資料を纏めて論点を整理し、何種類もの想定問答を検討し、決算に向かう、という準備を行いました。 もちろん、どんなに準備をして臨んでも、全く想定外の回答がなされることもあり(または全く回答になっていない回答がくることのほうが多いのですが)あり、その時にはその場で効果的な質問を考えなければいけません。すべての議員、そして理事者の方が厳しい視線で見ている中で、一問一答方式で討論を行う事、こうした緊張感は区議になる前の人生ではなかなか経験したことがないもので、去年は、前日の夜は眠れなくなるほど緊張していましたが、一年たって少しだけ神経が太くなったのか(?)、無事に乗り切ることができた気がします。とはいえ、この10分のあとは、ものすごく精神的に疲れが出て、それを理由に大好きなチョコレートや甘い物をパクパク食べています(笑) ただ、今回の決算では、池尻さんや皆さんのおかげで、昨年に比べてとても具体的で、かつ広がりのあるテーマを扱うとともに、アスベストや災害トイレ対策などにおいて、かなり踏み込んだ答弁を得ることができたと感じています。一方で、決算委員会を通じて数キロ太った気もしています。。。 今回は10日間の質疑の中の4日間を担当しました。私が訴えたのは、1) 議会費・総務費では、災害時のトイレ対策、2) 産業経済費・環境費では、建物の解体・改修のアスベスト対策、3) 教育費では、光が丘4中の廃校に関わる問題です。どのテーマも個別的で、かつ、区全体の在り方にも関わるものですので、ぜひ議事録を過去の記事や今後公表される議事録をご覧ください!

決算特別委員会 光が丘第四中学校の閉校案について わずか数か月で決定、子どもの声を聞かなくていいのか?

先日の決算特別委員会、教育費では光が丘第四中学校の閉校問題について訴えました。 光が丘四中に関して、今年度入学の生徒が減少した中で、今後の対応を検討するために7月に「教育環境を考える会」が設置され、その提言を受け、教育委員会は9月には「速やかに閉校する。」方針を出しました。しかし、この方針をだすまでに「考える会」の会議が開かれたのはわずか3回、また、当事者である生徒たちは一度も意見を聞かれることはありませんでした。 選択制度で四中を選んだ子ども達の多くは、少人数ならではの魅力も感じ、保護者とともに学校を盛り立てようと頑張ってきたわけです。しかし生徒たちは、意見も聞かれず、わずか数か月で一方的に廃校を決められようとしています。日本も批准している「子どもの権利条約」では「自己に影響を及ぼすあらゆる行政上の手続において、意見を聴取される機会を与えられる。」として、「子どもの意見表明権」を認めています。今回の手続きはこうした考え方にも反するものです。 また、学校は生徒だけでなく、地域にとっても、大きな意味を持つものです。閉校の案について、これまで学校を支えてきた当該地域、とくに廃校によって長距離の通学を強いられることになる光が丘一丁目地域の方々への説明等についてもこれから実施するということです。地域の方への説明も不十分です。 閉校の理由として、区は「今年の入学者が24名しかおらず、今後も減少が予想される学校経営が難しいため」としています。しかし今年度、四中の学区域には同地域で最大となる90名以上の入学予定生徒がいました。今後の予測を見ても、四中の学区域の生徒数は、近くにある1中に比べても3倍近いものです。生徒が少ないのは、学校選択制度で他の学校を選んでいる、という理由によるもので、子どもの数が少ないということとは本質的に異なります。 光が丘全体で子どもの数を減っているのは事実です。中学校が4校必要か考えること自体否定するものではありません。しかし、学校を減らすことが必要だったとしてもそれは統合、新校の設立につながる方法もあります。例えば、光が丘の小学校では2つずつの学校を統合して、新しい学校名を付け、新しい校歌も作りました。 本当に地域や子どもたちのことを考えるのであれば、廃校案はいったん白紙に戻し、四中の教育環境改善に向けた取り組みを行うべきです。また、併せて光が丘第四中学校の適正配置について、時間をかけて話し合う機会を持つべきです。 こうした訴えに対して、教育振興部長は閉校の判断については、子どもの意見をふまえる必要はないといった回答でした。教育委員会は今回の閉校の件で、「子どもの教育環境を守るため」と言い続けています。しかし、閉校の判断には、一番配慮すべき在校生の意見は聞かなくていいとはっきり答えてしまうことに衝撃を受けました。 区は地域の声を聞く、子どもたちの声を大切に、と言っていますが、実態は、行政が決めたことに区民や子ども達を従わせる、という姿勢を見せています。こうした強引な手法で閉校が決まってしまうことのないよう訴えていきたいと思います。

練馬区の来年度に向けた待機児童対策「待機児童ゼロ作戦」について 質や継続性を守ったうえでの待機児童対策を!! (文教児童青少年委員会)

先日の委員会では、「練馬区 待機児童ゼロ作戦」の進捗が報告されました。このゼロ作戦、来年4月までに0歳~2歳の枠を1,000人分拡大することを目標にしています。 待機児童対策で大切なことは、量を増やすだけではなく、質や継続性をいかに担保するかということです。今回の委員会ではそれぞれの項目について質疑を行いました。 まず待機児童の考え方について。練馬区は本年度の待機児童数は166名、全申し込みの1%だったとしていますが、捉え方自体に問題があります。昨年度から訴え続けてきましたが、現在、待機児童の定義は自治体に委ねられており、練馬では、保護者が育休を延長せざるを得ないケースや、近くに認証保育園に空きがあって申込をしなかった場合は待機児童とカウントされない、非常に厳しいものになっています。 こうした実態について、政府も問題を認識しており、本日の朝日新聞の記事によると、厚生労働省が把握したいわゆる”隠れ待機児童”は練馬区では公表された数字の5倍以上、923名に達しています。この問題を解決するために厚生労働省は年度内に統一した基準を設けるとしています。そのため、委員会では来年度の入学に併せて練馬区の基準を今から見直しをすべきと訴えました。 それに対して、区の答弁では、そもそも”隠れ待機児童”の定義はない。また、現時点では厚生労働省から何の指針も示されていないため、現時点で検討する予定はないとのこと。しかし、来年3月に新たな定義が公表されても、それから対応するのでは遅すぎます。だからこそ、今から対応すべきと重ねて訴えました。 続いて、質について。今回の対策では、新たに「一歳児預かり保育」が導入されます。これは、1歳の待機児が最も多いことを受け、特化して保育を行うものです。 しかし、この制度、大きな課題があります。まず、こちらは名前のとおり1年間しか預かることができず、結局、次年度には新たに保育園を探さなければいけません。特に、この制度、10月や11月にも開始しますが、そこで預けた場合、来年の3月までしか預けられず、4か月後には、新たに保育園を探さなければなりません。また、幼稚園の空き教室を利用した一年間の預かり保育も行うとしていますが、そもそも幼稚園と保育園はその役割、機能も全く異なるものです。例えば給食、長期休暇、預かり時間、保育士の確保など解決すべき課題は山積しています。こうした課題に対してこれから調整するとしていますが、まずは数ありきで進めているという印象が拭えません。 新たな制度で、待機児童の数は減るとしていますが、私も1歳の子どもを育てるものとして、こんな不安定な形での保育は子どもにとっても、保護者にとっても大変に大きな負担になると思います。保育として行う以上、質と共に継続性を担保すべきであると訴えました。 一歳児預かり保育や定員の拡大を通じて、目に見える待機児童数は減少しますが、そこで質や継続性が犠牲になっては本末転倒です。練馬区が待機児童対策に乗り出すことは大切です。しかし、目に見える数だけを増やすのではなく、質を維持した制度を構築するよう訴えていきたいと思います。

あまりに拙速では? 「光が丘第四中学校」の廃校案について(文教児童青少年委員会報告)

今回の委員会では、「光が丘第四中学校の課題への対応」が報告されました。 光が丘第四中学校の生徒が減少している中、本年7月に「教育環境を考える会」が設置されたのですが、その意見を受けて区の方針案として「中学校を速やかに閉校する。」という考えが示されました。具体的には、来年度、ないし再来年度末の閉校を想定しているとのこと。 しかしこの案、あまりに乱暴です。 そもそも、区の説明では、「当該の学校では、今年の入学者が24名しかおらず、今後も減少が予想されるため学校経営が難しい」とのこと。しかし、今年度、同中学校の学区域には90名以上もの入学予定生徒がいました。入学が少ないのは、区が実施している学校選択制度によって70名が他の学校を選んだことによるものです。 さらに、来年度も学区内には92名の入学予定者がいるとのこと。つまり、地域の子どもに選ばれていないだけのことで、子どもがいなくて廃校にすることとは本質的に異なります。 そもそも、学校選択制度を導入した時点で、人気校と不人気校が発生することは想定されていました。そこで必要なのは、なぜ不人気なのか、問題を分析しその学校をサポートすることです。問題に向き合うことなく淘汰したところで、問題の本質的な解決にはならず、他の学校でも起こりうる同様の課題を防ぐこともできません。 また、案を作るまでのプロセスもあまりにも早急です。7月19日に考える会の設置が報告されてから、会議が開かれたのはわずか3回。会の参加者10名だけで学校の方向が決められてしまう、しかも、時期も来年度か再来年度ということで、在校生への影響も甚大です。 練馬区は、これはあくまでも案である、と言っていますが、これまでの例を見ても、案ができた以上、そちらに議論の方向が一元化されていくのは、明らかです。 今回の案、練馬区は子どもたちのためと言っていますが、実際に通っていて、今後転校を求められる子どもたちや保護者への説明や聞き取りも一切行っていません。9月中に説明会を開くとしていますが、こうした案をもって説明会を開くこと自体が問題だと思います。 本当に地域や子どもたちのことを考えるのであれば、生徒や保護者、地域の意見を広く聞きながら、すぐに廃校という案を示すのではなく、その学校が抱える課題をどのように改善するか、一緒に考えるべきだと思います。 http://www.hikarigaoka4-j.nerima-tky.ed.jp/

2015年度の練馬区のいじめについて(いじめの状況と対策)(文教児童青少年委員会報告)

本日の委員会では「平成27年度 練馬区立児童・生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題の調査」に基づき昨年度(2015年度)の区内の小中学校でのいじめの認知件数とその対応の報告がありました。こちらの調査は毎年、全国すべての学校で行われており、定期的な全生徒、教職員へのアンケートや聞き取りをまとめたものです。 まず、いじめの認知件数について、2013年度は小学校では276件、14年度は197件だったのに対し昨年度(15年度)は167件、中学校はそれぞれ233件、194件、258件となりました。数字だけを見ると、昨年度、小学校ではいじめは減っていて、中学校は増えているように見えます。 しかし、この数値はあくまで教員等によって「認知された件数」でしかなく、いじめの大半は当事者しか知らないものです。だから、「数字が多いのは問題」「数字が少なければよい」と満足すべきではありません。例えば、区内のある小学校では、案内の中で「我が校はいじめ0、不登児校0の学校」と宣伝していましたが、いじめは常に存在するものだと考えて謙虚に向き合うことが必要だと思います。 続いて、いじめへの把握について。生徒にとって一番身近ないじめを学級担任が発見したのは、中学校では15件、全体のわずか5%にすぎません(最も多いのはアンケートによる発見で全体の63%)。 また、いじめを受けた児童、生徒について、学級担任に相談した数が最も多いものの、誰にも相談できていない比率も上がり続けており、昨年度は12%に達しています。 いじめを一教員に相談しても抱え込んでしまったり経験不足であったりして効果的かつ組織的な対応がとられなかったというケースも多々あるとされます。実際私も、「先生に相談しても報復としてますますいじめられるんじゃないか」と考え相談しなかったという子どもや、「先生に相談してもすぐ再発して、先生は見て見ぬふりだった」という子どもに話を聞いたことがあります。 なぜ、教師がいじめに気付けず、また、生徒との信頼関係を築いて対処できないのか。数年前に発生した大津市立中学校でのいじめに関する第三者委員会調査報告書では、いじめ対策の大きな課題として「教員の多忙化」を挙げています。「教員の負担を軽減して、子ども達と向き合えるようにするための改革を最優先に進めるべきである。」としています。また、文科省の「いじめ防止対策における組織的対応について」の論点ペーパーでも、「日常業務が多忙であることがいじめの抱え込みの背景にある」としています。 だからこそ、今日の委員会では、教育委員会としても、教員の配置、職員の配置をしっかりと再検討すべきと訴えました。これに対して、教育委員会は、教員の本来業務である子どもたちと向き合う時間が損なわれることのないよう、今後も検討していくとのことでした。 いじめの問題は非常に根が深く、この何十年という各関係者の取り組みをもってしても無くせなかったことを見ても、決して完全に解決できるものではないと思います。だからこそ、いじめに向き合う体制をしっかりと作っていく必要があります。また、場合によっては学校以外の多様な学びの場の活用を含めた包括的な対応が必要だと思います。

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